「10:学ぶ」主に力を見いだす:レジリエンスを高める 「10:学ぶ」主に力を見いだす:レジリエンスを高める 学ぶ—所要時間:60分以内 1.わたしたちの進捗状況を評価する 読む: 主の力を頂き,主の恵みを通して,わたしたちはすべてのことを行い,耐え忍び,克服するという祝福を得ることができます。これまで数週間にわたって,わたしたちは主に力を見いだし,レジリエンスを高めるための多くのスキルを学んできました。 話し合う: 上記の活動で書き出した思いの一部を,グループで分かち合います。何がうまくいきましたか。 変えるための取り組みの中でどのような課題に直面しましたか。また,それらの課題をどのように乗り越えましたか。 2.挫折から学ぶ 読む: 挫折は人生に付き物であり,変わろうと努力する中で予想されることです。挫折により,あなたは進歩し続けるための方法を学ぶことができます。挫折したときは,完全になることではなく改善することに焦点を当てると対応しやすくなります。キム・B・クラーク長老は次のように教えています。「わたしたちの中に完全な人はいません。行き詰まることもあります。惑わされたり落胆したりすることもあります。つまずくこともあります。しかし,悔い改めた心で主を仰ぎ見るならば,主はわたしたちを引き上げ,罪から清め,心を癒してくださいます。主は忍耐強く優しい御方で,主の贖いの愛は終わることも離れることも決してありません。」(「イエス・キリストを仰ぎ見る」 「正しい者には災が多い。しかし,主はすべてその中から彼を助け出される」と聖文は教えています(詩篇34:19)。 挫折を経験するときに救い主に目を向けると,完全ではなく進歩という観点を育むことができます。挫折に対処する一つの方法は,それを旅と比べることです。例えば,あなたが近隣の町に旅をしているところだと仮定します。途中でタイヤがパンクします。タイヤを修理するために,旅をまた最初から始めますか。いいえ。今いる場所で修理して旅を続ける方法を見つけます。同様に,挫折を経験したとき,すべての進歩が消し去られ,最初からやり直す必要があると感じるかもしれませんが,それは真実ではありません。今いる場所で問題を解決し,前進する方法を見つけることができます。さらに,挫折は,改善する必要のあるところを教えてくれることもあります。 話し合う: 挫折からどのようなことを学んできましたか。 3.困難をよく堪え忍ぶ 読む: 死すべき世にあって,わたしたちは難問や苦難とともに生きることを学ばねばなりません。わたしたちは,情緒的な問題のない状態を強く望み,完全になろうと努力しますが,最善を尽くしても,情緒的な問題の症候が残ることがあります。しかし諦めることはありません。信仰をもって前進しながら,これらの難問とともに生きる方法を学ぶ必要があります。そのようにすることにより,わたしたちは平安を感じ,レジリエンスが強められます。 ディーター・F・ウークトドルフ長老は次のように教えています。「ここに大切な概念があります。忍耐とは,無抵抗に諦めることでも,恐れて行動しないことでもありません。忍耐とは,積極的に待って堪え忍ぶことです。持ちこたえ,できるすべてを行い,働き,希望を持ち,信仰を働かせることです。望むように事が進まなくても,不屈の精神で苦難に耐えることです。忍耐は単なる我慢ではなく,よく堪え忍ぶことなのです。」(「忍耐し続ける」2010年5月号,57) 視聴する: 「どんな出来事も愛しなさい」は,ChurchofJesusChrist.org/media-library/video/2009-01-03-come-what-may-and-love-itで視聴可能です[3分31秒]。 話し合う: この動画から,どのような勧告をあなたの生活に応用することができるでしょうか。 4.自分が変わるための目標を立てる 読む: あなたはこのコースを通じて,人生に変化をもたらすのに役立つスキルを学びました。これらのスキルを磨くために,目標を設定し,取り組み,報告してきました。M・ラッセル・バラード会長は次のように教えています。「達成可能な短期間の目標を決めるということです。多すぎず少なすぎず,高すぎず低すぎないバランスの取れた目標を定めるのです。自分に達成可能な目標を書き留め,重要なものから順次努力していくのです。目標設定に当たっては,神に導きを祈り求めてください。」(「人生の求めにバランスよく応じる」『聖徒の道』1987年7月号,14参照) ヒーバー・J・グラント大管長はよく言っていました。「諦めずに努力すれば何でも簡単にできるようになります。それは,その物事の性質に変化があったのではなく,わたしたちの力 が増したからです。」(作者不詳) 読む: 「人生におけるわたしたちの務めは,ほかの人々の先を行くことではなく,自分自身の先を行くことです。自分自身の記録を破ること,昨日よりも今日立派になること,かつて夢に見たよりもっと立派に自分の試練に耐えること,過去になかったほど与えること,これまで以上に力強くもっとしっかりと自分の務めを成し遂げること,これがほんとうの目的です。」(トーマス・S・モンソン「主の灯台 — 教会の青少年へのメッセージ」『リアホナ』2001年5月号,6) 話し合う: 目標を設定することは,どのような点で,わたしたちのために用意された神の計画の一部を成しているでしょうか。 5.救い主を通して与えられる助けを求める 読む: タッド・R・カリスター兄弟は主について次のように教えています。 「救い主の贖罪は死に代えて命を,『灰にかえて冠を』,傷に代えて癒しを,欠点に代えて完全をもたらしてくれます。それは,この世の障害と困難に対して天が与えてくださった対抗手段なのです。 救い主は,現世で過ごす最後の週にこう語られました。『あなたがたは,この世ではなやみがある。しかし,勇気を出しなさい。わたしはすでに世に勝っている。』〔ヨハネ16:33〕救い主が贖罪を成し遂げられたおかげで,神の戒めを守るかぎり,どんな外的な力も出来事も人も,どれほどの罪も,死や離婚も,わたしたちが昇栄に達するのを妨げることはできません。これを知っていれば,わたしたちは天へと向かうこの旅路にあって勇気をもって押し進み,神がともにおられると心から確信することができます。」(「イエス・キリストの贖罪」『リアホナ』2019年5月号,87) 主はわたしたちを慰め,支えたいと望んでおられます。主は次のように約束しておられます。「あなたは謙遜でありなさい。そうすれば,主なるあなたの神は手を引いてあなたを導き,あなたの祈りに答えを与えるであろう。」(教義と聖約112:10)以下は,あなたが神の助けを求めるために行える幾つかの方法です: 自分自身や人々を赦す。 信仰,謙遜さ,感謝を持って祈る。 聖文や生ける預言者の教えをよく味わう。 神殿に参入する。 安息日を覚えて聖く保つ。 聖餐を受け,いつも救い主を覚える。 質問を抱いて尋ねることは,啓示を受ける過程の重要な一部であることを理解する。 救い主はあなたが目標を達成できるよう助けたいと思っておられることを覚えておく。 話し合う: このコースの間,主によってどのように強められてきたでしょうか。 6.人々に助けを求める 読む: 神はわたしたちが一人で試練を経験することを望んではおられません。わたしたちの必要を,神はしばしばほかの人を通じて満たされます。試練のときにわたしたちを助け,サポートするために,神はこれまで様々な人をわたしたちの人生に置いてこられ,これからも置いてくださるでしょう。あなたが助けを求めることができるところとして,以下のようなものがあります: 家族および信頼できる友人 教会指導者およびミニスタリングシスターやブラザー 地域のリソース 専門家の助け 話し合う: このコースの間,ほかの人からどのような助けを受けてきましたか。 専門家から助けを求める 読む: 専門家の助けを求めるかどうかを判断するのは容易ではありません。次の状況は,専門家の助けが必要かどうかを判断する警告サインです。 抗し難い怒り,悲しみ,恐れ,情緒的な痛み,絶望といった感情が長く続いて苦しんでいる。何をしても,気分がすっきりしないまま,しばしば精神的,肉体的に衰弱する。 時々気分が悪化したり和らいだりするが,症状としては何か月も続いている。 身体の能力が失われたように感じ,食欲と睡眠のパターンが変化する。 心配や不安の気持ちを抑え切れない。 自分自身やほかの人を傷つけることを考えている。 日常の務めをこなす能力が損なわれ,そのことで生産性が落ちている。 これらの警告サインの幾つかを経験していて,自分の健康が心配な場合は,医療専門家か信頼できる人に相談してください。 注:適切な医療専門家を選ぶための追加情報は,この章の最後のリソースセクションに掲載されています。 7.終わりに 読む: 本コースの修了おめでとうございます!わたしたちが話し合ってきた事柄の多くは,10週間では達成できません。しかし,レジリエンスを高めるのに役立つ幾つかの習慣が身についたのではないでしょうか。このワークブックの各章を何度も読み返し,これらの原則とスキルを思い起こして,実践してください。 話し合う: グループで,このコースでの経験を自発的に分かち合ってください。あなたが学んだ最も役に立つスキル,自分の霊的な経験,自分が変わったこと,どのように主から祝福を受けたかなど,このコースの間にあったことを分かち合うとよいでしょう。 読む: コース修了後,頻度を少なくして引き続き集まることを選ぶグループもあります。継続的に一緒に学び,互いに支え合い,難問を克服するために取り組むことに価値を見いだす人もいます。ショートメール(SMS)やソーシャルメディアを使って,定期的に励ましたり,高めてくれる記事や動画,そのほかのコンテンツを分かち合ったりする人もいます。 話し合う: 互いに連絡を取り続けたいか,グループで話し合います。もし希望するなら,どのような形で行いたいですか。