第18課
「神の家を建てなさい」
目的
神殿の持つ意味を理解できるようにし,生活の中で神殿の祝福を求めるよう励ます。
準備
レッスンの展開
話し合いと応用
本課に収められている資料のすべてをレッスンの時間内に採り上げることができない。したがって,生徒の必要に最も適した資料を祈りの気持ちで選ぶ必要がある。
1.主はカートランド神殿を建てるよう聖徒たちに命じられた
教義と聖約95章を教えて,話し合う。神殿はイエス・キリストの福音において欠くことのできないものであることを説明する。1832年12月,主はオハイオ州カートランドに神殿を建てるよう聖徒たちに命じられた(教義と聖約88:119;109:2。「カートランド神殿」の絵を見せる)。聖徒たちは5か月間この命令を果たすためにほとんど何の行動も起こさなかった。そこで主は彼らが悔い改めて,働きを速めることを要求された(教義と聖約95章)。4日後に,男性たちは神殿を建設する準備として,石材を運び,側溝を掘る仕事に取りかかった。
-
教義と聖約95:3-4,8-9,16-17;109:5,8を生徒とともに読む。これらの聖句はカートランド神殿を建てる目的についてどのようなことを教えているでしょうか(生徒の意見をまとめて黒板に書き出す。カートランド神殿は今日のように生者と死者のための救いの儀式を執行するための神殿ではなかったことを説明する。主は数年後,聖徒たちがノーブーにいたときに神殿の儀式を回復された)。
-
主はカートランド神殿の建築方法についてジョセフ・スミスにどのようなことを啓示されましたか(教義と聖約95:13-17と以下の引用参照)。
一部の人々は丸太か板で神殿を建てるよう提案した。しかしジョセフ・スミスはこう答えた。「神の家を建てるというのに丸太を使おう……と言うのですか。いいえ,……わたしには主御自身から与えられた主の宮の設計図があります。あなたがたは間もなく,それによって,物事についてわたしたちの考えと主の考えが異なることを知るでしょう。」(ルーシー・マック・スミスによる引用,History of Joseph Smith,プレストン・ニブレー編〔1958年〕230)
主は大管長会(ジョセフ・スミス,シドニー・リグドン,フレデリック・G・ウィリアムズ)に対して与えられた示現の中で,カートランド神殿に関する主の計画を明らかにされた。フレデリック・G・ウィリアムズ管長の話によれば,彼らがひざまずいて祈っていたところ,建物の模型が自分たちに「見える距離に現れた。……わたしたちが建物の外観を詳しく見ていると,その建物がわたしたちの頭上に覆いかぶさるような印象を受けた。」神殿が完成したとき,フレデリック・G・ウィリアムズは示現で見たものとまったく同じように見えると語った(The Revelations of the Prophet Joseph Smith,リンドン・W・クック編〔1981年〕198で引用)。
今日,大管長会はいつどこに神殿を建てるべきかを啓示によって決めていることを指摘するとよい。
2.神殿を建てるために払った大きな犠牲のために聖徒たちは祝福を受けた
-
カートランド神殿は現在の神権時代に建てられた最初の神殿であることを説明する。神殿の建設に関連して聖徒たちはどのようなチャレンジに遭遇し,また犠牲を求められたでしょうか(教義と聖約109:5;『わたしたちの受け継ぎ』30-31ページ参照)。
-
カートランド神殿を建てるために犠牲をささげたことにより,聖徒たちはどのような祝福を受けたでしょうか(『わたしたちの受け継ぎ』31-32ページ参照)。
-
あなたは神殿の祝福を受けるためにあるいは神殿の儀式に参加するために教会員がどのような犠牲をささげているのを目にしてきたでしょうか。わたしたちは神殿の儀式に参加するためにどのような犠牲をささげることができるでしょうか。
3.ジョセフ・スミスがカートランド神殿を奉献した
1836年3月27日,預言者ジョセフ・スミスはカートランド神殿を奉献した。主が啓示された奉献の祈りは教義と聖約109章に記録されている。奉献式は7時間にわたって続けられ,大いなる御霊の現れが伴った。奉献式では奉献の祈り,賛美歌の合唱,証,聖餐のパス,説教が行われ,また聖会が開かれてジョセフ・スミスをはじめとする教会指導者が支持された。奉献式は,聖徒たちがホサナ斉唱を行った後に閉じられた。これは両手を頭上に差し上げて,「神と小羊にホサナ,ホサナ,ホサナ,アーメン,アーメン,アーメン」と3度叫ぶのである(History of the Church,第2巻,427-428)。
カートランド神殿の奉献式で歌われた「主のみたまは火のこと燃え」(『賛美歌』3番)を全員で歌うとよい。または割り当てておいた生徒の一人あるいはグループに歌ってもらう。
-
わたしたちはなぜ神殿を奉献するのでしょうか。奉献された後の神殿はそれ以前とどのように違うのでしょうか。神殿の奉献に出席したことのある生徒がいれば,その経験について感じたことを話してもらう。
-
カートランド神殿の奉献中にどのような霊的な現れが起きたでしょうか(『わたしたちの受け継ぎ』31-32ページ参照)。
-
預言者は奉献の祈りの中で,神殿に関して教会員が果たさなければならない責任を幾つか強調したことを説明する。預言者はどのような責任を強調したでしょうか(以下の聖句にそれらの責任の幾つかが記されている。幾つかの聖句を選んで生徒とともに読み,話し合う。生徒の意見を簡潔に黒板に書き出す)。
-
教義と聖約109:7,14。(研究と信仰によって熱心に学問を求めるべきである)。なぜこれが神殿に関して大切な責任なのでしょうか。
-
教義と聖約109:9,17-19。(神殿に入るとき,神殿を出るとき,神殿内であいさつを交わすときは主の御名によって行うべきである)。わたしたちはこの責任をどのようにして果たすことができるでしょうか。
-
教義と聖約109:20-21。(神殿に入るには清くなくてはならない)。神殿に入るとき,わたしたちはなぜふさわしくなければならないのでしょうか(教義と聖約97:15-17参照)。主の宮に入るためのふさわしさをどのようにして証明することができるでしょうか(神殿推薦状の面接を通して)。
-
教義と聖約109:23。(神殿を出るときに,地の果てまで,大いなる福音のおとずれを携えて行かなければならない)。神殿に入ることによってこの責任を果たすための霊感をどのように受けることができるでしょうか。
-
-
預言者ジョセフ・スミスは奉献の祈りの中で多くの大いなる祝福を祈り求めたことを指摘する。預言者はどのような祝福を祈り求めたでしょうか(以下の聖句にそれらの祝福の幾つかが略記されている。幾つかの聖句を選んで生徒とともに読み,話し合う。生徒の意見を簡潔に黒板に書き出す)。
-
教義と聖約109:15。(主の民が聖霊の全きを受けるように)。神殿の参入によって,生活の中で御霊の影響がどのように増したかについて生徒の経験を話してもらう。
-
教義と聖約109:22。(主の民が力を帯び,天使に見守られて神殿を出て行けるように。)神殿に参入した後,力を増し加えられたと感じた経験を持つ生徒からその様子を話してもらう。
-
教義と聖約109:25-26。(主の民に対して武器や邪悪が力を持つことのないように)。わたしたちは神殿に参入することによってどのように邪悪な力から守られるでしょうか。
-
教義と聖約109:32-33。(主が民から苦難のくびきを解き放してくださるように)。あなたは神殿に参入することによってどのように苦難を克服し,苦難に耐える力を得ているでしょうか。
-
教義と聖約109:36-37。(五旬節の日のように御霊が注がれるように。使徒2:1-4参照)。祈りの中のこの部分は,奉献の日の夕べに開かれた神権会において成就した。神殿内に強風の吹きすさぶ音が立ち込め,多くの兄弟たちは異言で語り,預言し,示現を見た(History of the Church,第2巻,428)。
-
教義と聖約109:54-58。(主が地の国々に対して憐れみを持ち,福音のメッセージに耳を傾けるよう人々の心を和らげてくださるように)。
-
教義と聖約109:61-64,67。(イスラエルの散乱した子らが集められ,贖われ始めるように)。神殿の業はこの祝福をもたらすうえでどのように助けとなるでしょうか。
-
教義と聖約109:72-74。(主の教会が全地を満たすように)。神殿の業はこの祝福をもたらすうえでどのように助けとなるでしょうか。
ハワード・W・ハンター第14代大管長はカートランド神殿で与えられたこれらの約束を「胸躍るすばらしい約束」であると述べている(「教会員の大いなる象徴」『聖徒の道』1994年11月号,5)。この祈りは「今もなお,個人,家族,一個の民として,わたしたちのうえに成就し続けています。神殿において行使する神権を,主より授けられているからです。」(「教会員の大いなる象徴」『聖徒の道』1994年11月号,5)
-
4.主はカートランド神殿を受け入れられた。そして古代の預言者たちが神権の鍵を回復した
教義と聖約110章について教え,話し合う。主はカートランド神殿が完成したときに,高い所から力を授けるという約束を果たされたことを説明する(教義と聖約95:8)。高い所から力を授与されることには,神殿に救い主が訪れられたこと,御霊が注がれたこと,多くの啓示が与えられたこと,モーセ,エライアス,エリヤによって神権の鍵が回復されたことが含まれている。主の僕たちはこれらの神聖な経験と鍵によって,それまで以上に大きな力と権能をもって主の業を前進させることができた。
-
預言者ジョセフ・スミスはカートランド神殿に救い主が訪れられたことをどのように描写しているでしょうか(教義と聖約110:1-3参照)。救い主は御自身について何と言われたでしょうか(教義と聖約110:4参照)。救い主は,神殿についてジョセフ・スミスとオリバー・カウドリに何と言われたでしょうか(教義と聖約110:6-10参照)。
-
モーセ,エライアス,エリヤは神権のどのような鍵を回復したのでしょうか(教義と聖約110:11-16参照)。モーセがイスラエルの集合の鍵を回復したことによって今日,わたしたちはどのような祝福と責任を受けているでしょうか。エライアスがアブラハムの福音の神権時代の鍵を回復したことによって,わたしたちはどのような祝福と責任を受けているでしょうか。エリヤが結び固めの力の鍵を回復したことによって,わたしたちはどのような祝福と責任を受けているでしょうか(以下の表を参考にして話し合いを展開するとよい。明らかになった事柄を簡潔に黒板に書き出すとよい)。
人
回復された鍵
今日の祝福と責任
モーセ
イスラエルの集合
イスラエルを集合させるために福音を宣べ伝える権能(伝道活動)
エライアス
アブラハムの福音の神権時代
アブラハムの聖約に基づいた祝福とその聖約に関連した責任(これらの祝福と責任を検討するにはアブラハム2:9-11を参照)。
エリヤ
結び固めの力
神権の儀式を天において有効とさせる力。結び固めの力によって,神殿結婚,子孫と先祖の結び固め,永遠の家族,死者のための神殿の儀式が可能となった。
5.現在,神殿の建設と神殿の業が速められている
-
神殿の写真を見せる。現在,神殿の建設事業はどのように速められているでしょうか(1980年に教会が有していた神殿は19であったのに対して,1997年末には51となっている。1997年10月の総大会においてゴードン・B・ヒンクレー大管長は小規模の神殿を建設する計画を発表した。1998年4月の総大会でヒンクレー大管長は2000年末までに100の神殿を有する計画を発表した。これは教会が組織されてから167年間に建設された神殿の数よりも,3年間で建設する神殿の数の方が上回ることを意味している)。
-
神殿の建設を加速させることに加えて,教会の指導者は神殿活動に参加することの大切さについて改めて強調しています。教義と聖約138:53-56を生徒とともに読む。現在のふさわしい教会員は「神殿を建て,そこで……儀式を執行する……務めに携わるために,時満ちる時代に来るようにとどめられていた……選ばれた霊たち」であることを説明する。神殿の業を速めるためにわたしたちはどのような助けができるでしょうか。
ハワード・W・ハンター大管長はこのように述べている。「神殿に参入し,神殿を愛する民となりましょう。時間的,経済的,個人的な事情が許すかぎり,頻繁に,速やかに神殿に行きましょう。それも亡き親族のためだけでなく,神殿での礼拝に伴う祝福を自分自身が受けるために,また奉献された壁の内側で授けられる聖めと安らぎを受けるために参入しましょう。神殿は麗しい場所であり,啓示を授かる場所であり,平安の宿る場所です。そこは主の宮であり,聖きを主にささげる場所です。同時に,わたしたち自身にとっても聖なる場所でなければなりません。」(「教会員の大いなる象徴」『聖徒の道』1994年11月号,6)
教えるためのそのほかのアイデア
以下の資料はレッスンの概要を補足するためのものである。このアイデアをレッスンに取り入れてもよい。