日曜学校―福音の教義
第42課:末日の預言者に与えられる絶えざる啓示


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末日の預言者に与えられる絶えざる啓示

目的

主は末日の預言者,聖見者,啓示者に啓示を与えることによって,絶えず教会を導いておられることを理解できるようにする。

準備

  1. 以下の聖句とその他の資料を祈りの気持ちで研究する。

    1. 教義と聖約1:3868:1-484:109-10107:25,34,93-98132:8

    2. 「公式の宣言2」(教義と聖約の395-396ページ)。

    3. 『わたしたちの受け継ぎ』104-105,110-113ページ

  2. 『生徒用学習ガイド』(35686 300)の42課の資料に目を通し,レッスンで学習ガイドを参照する方法を計画する。

  3. 何人かの生徒に『わたしたちの受け継ぎ』から以下の項の概要を発表する準備をしてくるよう依頼する。

    1. 教会コーリレーションに関する情報(104ページ最後の段落から105ページ第3段落)。

    2. 教会のすべてのふさわしい男性会員に神権の祝福が授けられることを定めた啓示に関する解説(110-113ページ)。

レッスンの展開

導入

適切であれば,以下の活動または教師が考えた活動をレッスンの始めに行う。

ハロルド・B・リー大管長が語った以下の物語を紹介する。

「十二使徒定員会のジョン・A・ウイッツォー長老はステーク役員との間で行われた話し合いについてあるときこのように語りました。話し合いの中である役員がこう言いました。『ウイッツォー兄弟,教会が最後に啓示を受けてからどれほどの年月がたっていますか。』ウイッツォー兄弟は考え深げにあごをさすると,こう答えました。『恐らく,この間の木曜日以降は受けていないと思いますよ。』」(Stand Ye in Holy Places〔1974年〕132-133)

スペンサー・W・キンボール大管長は教会が引き続き啓示によって導かれていることを宣言している。

「啓示は続き,時々刻々ともたらされる啓示が教会の保管庫やファイルに収められるということを,わたしたちはまた世に証する。1830年に末日聖徒イエス・キリスト教会が組織されて以来,将来にわたって時が続くかぎり,神とその民に認められる預言者が絶えることなく主の御旨と御心を説き続けることをも,わたしたちは証する。 ……

華々しいことを期待する人は,絶えず下される啓示の流れに十分な注意を払っていないと思う。わたしは深くへりくだり,しかし心に力強い燃える証をもって,回復の預言者からこの現在の預言者まで,天との交流の糸は切れることがなく,権能は続き,光は鋭く鮮やかに輝き続けていると申し上げる。主の御声は間断なく奏でる調べ,とどろく力である。1世紀半の間,中断はなかった。」(「啓示-主が預言者に伝える御言葉」『聖徒の道』1977年10月号,513)

キンボール大管長の言葉は現在もなお真実であることを強調する。天は開かれており,主は引き続き末日の預言者たちに御心を明らかにしておられる。

話し合いと応用

生徒の必要に最も適した資料を祈りの気持ちで選ぶ。話し合った原則に関連した経験を紹介するよう生徒に勧める。

教義と聖約1:38教義と聖約68:1-4を生徒とともに読む。大管長会と十二使徒定員会の会員は末日の預言者,聖見者,啓示者であることを強調する。彼らは教会を導くために引き続き啓示を受けている。彼らが与える指示は「主の心となり,主の思いとなり,主の言葉となり,主の声となり,救いを得させる神の力となる。」(教義と聖約68:4)本課では教会を導くために引き続き啓示が与えられていることを示す幾つかの例を話し合うことを説明する。

1.教会コーリレーション

割り当てておいた生徒に『わたしたちの受け継ぎ』104ページ最後の段落から105ページ第3段落にある教会コーリレーションに関する情報の概要を報告してもらう。教会コーリレーションは主が預言者にお与えになった啓示によって始められ,現在も実施されていることを強調する。

教会コーリレーションの目的は「神の正しい道」を守ることであると説明する(モルモン書ヤコブ7:7)。教会コーリレーションは最終的に,あらゆる人に「キリストのもとに来て,キリストによって完全になりなさい」と勧める教会の使命を成し遂げるための手段となることである(モロナイ10:32教義と聖約20:59も参照)。

教会におけるコーリレーションを監督するのは大管長会と十二使徒定員会である。コーリレーションには以下の事項が含まれる。

  1. 教義の純粋さを維持する。

  2. 家族と家庭の大切さを強調する。

  3. 教会のすべての業を神権の指示の下に置く。

  4. 教会の各組織の間に正しい関係を築く。

  5. 教会内に一致と秩序を築く。

  6. 教会のプログラムと活動を簡素化する。

十二使徒定員会のブルース・R・マッコンキー長老は次のように語った。コーリレーションは一つの過程であって,「その中でわたしたちは教会のすべてのプログラムを取り上げて,一つの焦点に絞り込み,一つのプログラムとして運営し,全教会員の参加を促す。そして,そのすべてを神権の管理の下で実施するのである。」(Let Every Man Learn His Duty〔パンフレット,1976年〕2)

以下の資料を基に,教会コーリレーションによってわたしたちがどのように祝福を受けてきたかを話し合う。話し合いを展開する際に見出しを黒板に書き出す。

家族の重要性

コーリレーションの努力は様々な意味において家族が大切であることを強調してきた。その一つが家庭の夕べプログラムの確立である。両親は毎週家庭の夕べを開いて,家族を教え,強めることを目指すべきである。全教会で月曜日が家庭の夕べを開く日として定められており,教会の集会や活動は一切開かれていない。

  • あなたの生活は家庭の夕べによってどのような影響を受けてきたでしょうか。家庭の夕べを成功させるためにあなたはどのようなことをしてきましたか。

コーリレーションによって,教会の組織,プログラム,活動が家族とのかかわりにおいてどのような役割を果たすかも明確にされた。『教会指導手引き』には次のように記されている。

「福音を教え,指導性を発揮する場所として最も重要なのは,家族と家庭である(モーサヤ4:14-15教義と聖約68:25-28参照)。……教会の定員会,補助組織,プログラム,および活動は家族を強め,支援するものでなければならない。これらは福音を中心とした家族の活動を増進するべきものであって,競合するべきものではない。」(『第2部 神権指導者・補助組織指導者』301)

  • 教会の補助組織,プログラム,活動は家族を支援するために設けられていることを理解することはなぜ大切でしょうか。教会の組織と活動はあなたとあなたの家族をどのように強めてきたでしょうか。

コーリレーションの努力は教会のプログラムと活動が教会員の努力,時間,そのほかの資源を不必要に求めることのないようにすべきであることを強調している。

教会の補助組織の運営

コーリレーションが果たす一つの大切な役割は,教会の補助組織すなわち扶助協会,若い男性,若い女性,初等協会,日曜学校の働きを統合し,調整することである。これらの組織は長年にわたり,それぞれ独立している傾向があった。教会の中央レベルで,ある組織は独自の機関誌を発行し,独自の資金を持ち,大会を開いていた。組織が大きくなるにしたがって,きわめて複雑になり,プログラムや資料に不必要な重複する部分が見られるようになった。

コーリレーションにより,そのような複雑さと重複が解消された。またコーリレーションによって,補助組織は神権指導者の指示の下で機能することに重きが置かれるようになった。例えば,ワードでこれらの組織は皆,ビショップリックの指示の下で機能を果たす。

  • ワードにおいて補助組織の働きを一致させ,相互の調整を図ることはなぜ大切なのでしょうか。働きが相互に調整されたことによってこれらの組織がどのように効果的に機能しているでしょうか。

教会出版物の制作

レッスンの手引きや教会機関誌などの教会出版物は会員たちがイエス・キリストの福音を学び,福音に従って生活するよう助けるために制作されていることを説明する。コーリレーションではこれらの資料が聖文に基づいたもので,教義的に正しく,対象者にとって適切なものであることを確認する作業が行われる。教会のすべての出版物は大管長会と十二使徒定員会の指示の下で計画され,作成され,検討された後に発行されている。

教会の出版物におけるコーリレーションの結果,成人と青少年の福音の教義クラスと初等協会のほとんどのクラスは年間を通じて同じ聖文を研究することになった。これは家庭における聖文の話し合いを奨励し,促進する効果を持つ。

  • 教会で教えられているレッスンは家庭で子供たちに教える両親をどのように支援しているでしょうか。

ホームティーチング

教義と聖約20:53-55を生徒とともに読む。神権者による家庭訪問は預言者ジョセフ・スミスの時代から教会の慣習となっていたことを説明する。コーリレーションの一環としてこれらの訪問は1960年代に再強調され,ホームティーチングと呼ばれるようになった。ホームティーチングは現在も教師,祭司,メルキゼデク神権者にとって重要な責任である。

  • ホームティーチングはどのような目的のために実施されているのでしょうか。あなたはどのような経験からホームティーチングの大切さを知りましたか。

教会コーリレーションの話し合いを終えるために,教義と聖約84:109-10教義と聖約132:8を生徒とともに読む。

  • わたしたちがこれらの言葉を成就するために,教会コーリレーションはどのような方法で支援しているでしょうか。

  • わたしたちは個人として,また教会の召しにおいて教会コーリレーションの原則をどのように応用できるでしょうか。

2.教会のすべてのふさわしい男性会員に神権の祝福が授けられることを定める啓示

1978年6月,スペンサー・W・キンボール大管長は教会のすべてのふさわしい男性会員に神権の祝福が授けられることを定める啓示を発表したことを説明する。割り当てておいた生徒に『わたしたちの受け継ぎ』110-113ページから,この啓示に関する解説の概要を報告してもらう。

  • 「公式の宣言2」を生徒とともに読む。この啓示は教会にとってどのように祝福となっているでしょうか。

  • キンボール大管長がこの啓示を受けるまでに経験した事柄から何を学ぶことができるでしょうか(『わたしたちの受け継ぎ』111ページ参照)。

3.末日聖徒版聖典の改訂

大管長会と十二使徒定員会の指示の下で長年にわたって行われた慎重な作業が完了して,1979年に教会は英文の末日聖徒版聖書を発行したことを説明する。この聖書は欽定訳と同じ内容であるが,特別な学習資料,すなわち主題別ガイド(Topical Guide),聖書辞典(Bible Dictionary),ほかの聖典と聖書のジョセフ・スミス訳からの抜粋を参照する脚注が含まれている。

1981年に教会は広範な脚注と索引を加えた合本(モルモン書,教義と聖約,高価な真珠)の改訂版を発行した。

  • エゼキエル37:15-19を生徒とともに読む。「ユダの木」は聖書であり,「エフライムの木」はモルモン書であることを説明する。聖典の改訂版は聖書とモルモン書が「〔あなたの〕手で一つとなる」のをどのように助けているでしょうか。

    英文の聖書の脚注の多くはモルモン書の聖句を参照しており,モルモン書の脚注の多くが聖書の聖句を参照していることを説明する。十二使徒定員会のボイド・K・パッカー長老はこのように述べている。「ユダの木,すなわち記録(新旧約聖書)それにエフライムの木,すなわち記録(モルモン書-イエス・キリストについてのもう一つの証)は,このような過程を経て一つに合わされたのです。一方を読めば他方も読むことになり,一方から得た知識は他方を読むことによってより明確なものとなります。2本の木は,ほんとうにわたしたちの手の中で一つになりました。」(「聖典」『聖徒の道』1983年1月号,92)

ここで数分間,末日聖徒の聖典に収められている学習資料を紹介する(「教えるためのそのほかのアイデア」2を使うとよい)。それから以下の質問をする。

  • あなたは聖文の学習資料をどのような方法で活用していますか。これらの資料は聖文を研究する際にどのように役立っているでしょうか。教会は末日聖徒版の聖典によってどのように祝福を受けていると思いますか。

    これらの聖典が出版されて間もなくボイド・K・パッカー長老はこのように預言した。「年月を経るに従って,この聖典に触れる人々は,次々と主イエス・キリストを知って主の御心に従う忠実なクリスチャンとなっていくことでしょう。……彼らは,歴史上かつてだれも目にし得なかった啓示に触れることができます。今や,ヨセフの木とユダの木が彼らの手に置かれました。彼らには,過去の人々が到底なし得なかった研究ができるのです。彼らはイエスがキリストであられるという証を持ち,そのように宣言し,主を擁護する力を持つようになるでしょう。」(「聖典」『聖徒の道』1983年1月号,92)

    1995年4月の総大会で,ゴードン・B・ヒンクレー大管長はパッカー長老の言葉が成就されているとの見解を明らかにしている。「自分が青少年のころを振り返ると,当時の若い男性も若い女性もそれほど聖文を読んではいませんでした。何と驚くべき変化でしょうか。主の言葉に通じた新しい世代が現れているのです。」(「なすべき業あり」『聖徒の道』1995年7月号,94)

4.追加された七十人定員会

教会の発展に伴って,全世界の会員の必要を満たすために教会の中央管理組織がどのように変化すべきかを主は啓示されたことを説明する。それらのうち特に顕著な変更は七十人定員会に新たな定員会が追加されたことである。

長年の間,七十人を務める中央幹部は7人しかいなかったことを説明する。彼らは七十人最高評議会を構成していた。1975年にほかの七十人が中央幹部として召され,七十人第一定員会に所属することになった。そして1989年に定員会が拡張されて,七十人第二定員会が加えられた。

1995年4月,ゴードン・B・ヒンクレー大管長は地域幹部と呼ばれる新しい地方役員の召しを発表した。彼らは約6年の任期で働くことになった(「人のための御業」『聖徒の道』1995年7月号,88-89参照)。

1997年にヒンクレー大管長は地域幹部が七十人として聖任され,七十人第三,第四,第五定員会を構成することを発表した。中央幹部として働く七十人と異なり,地域幹部七十人は自宅に住みながら奉仕を行い,自分の職業を従来どおり続ける(「忠実かつ誠実に」『聖徒の道』1997年7月号,5-6参照)。

  • 教義と聖約107:93-97を生徒とともに読む。七十人定員会が付加されたことは,どのようにこの啓示の指示と一致しているでしょうか。

  • 地域幹部七十人の召しは発展する教会をどのように助けていると思いますか。

    七十人の定員会が増設されたことについてヒンクレー大管長はこのように語った。「これらの定員会が定められ,必要に応じて全世界で召され機能する地域会長会と地域幹部七十人の組織ができたことにより,教会のいかなる成長にも対応できる態勢が整いました。主は御自身の王国を見守っておられます。主は増え続ける会員に心を配るよう,指導者に霊感を与えておられます。」(「忠実かつ誠実に」『聖徒の道』1997年7月号,6)

結び

「導入」の活動を行っていなければ,241ページのスペンサー・W・キンボール大管長の言葉を読む。「〔主の預言者に対する〕主の御声は間断なく奏でる調べ,とどろく力である」と語ったキンボール大管長の証に特に注目する。末日の預言者を通して主が導いておられることに対して感謝を表す。

本課で話し合った事柄が真実であることを御霊に導かれるままに証する。

教えるためのそのほかのアイデア

以下の資料はレッスンの概要を補足するためのものである。この中のどちらか,あるいは両方をレッスンに取り入れてもよい。

1.「神権に関する啓示」ビデオ・プレゼンテーション

ビデオカセット『教義と聖約・教会歴史ビデオ・プレゼンテーション』(53912 300)を利用できるならば,「神権に関する啓示」(7分23秒)を本課2で見せるとよい。

2.『聖句ガイド』の活用を奨励するための活動

生徒に『聖句ガイド』の活用を奨励するために,以下の活動を行う。

生徒に聖典を閉じてもらう。『聖句ガイド』の中で,多くの参照聖句が挙げられている福音のテーマを2,3挙げて,それらのテーマの参照聖句を記憶している中からできるだけ多く挙げてもらう。例えば,謙遜,従順,聖霊の賜物に関する参照聖句を挙げるように言う。生徒からの参照聖句が出尽くしたら,『聖句ガイド』からそれぞれのテーマの箇所を開いてもらう。列挙されている参照聖句から幾つかを選んで,読む。

この活動が終わったら,『聖句ガイド』の25-30ページを開いてイエス・キリストに関する多くの参照聖句に目を通してもらう。これらの参照聖句を検討するに当たって,十二使徒定員会のボイド・K・パッカー長老の言葉を紹介するとよい。パッカー長老はこれらのページについて次のように述べている。「これは,世界の歴史を通じてイエス・キリストという項目に関して集められた,最も総合的な参照聖句集です。」(「キリストに穏やかに従う者」『聖徒の道』1998年12月号,20)