日曜学校―福音の教義
第40課:神殿と家族歴史の活動に喜びを見いだす


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神殿と家族歴史の活動に喜びを見いだす

目的

神殿と家族歴史の活動に参加するために様々な方法があることを理解できるようにし,今参加すべき方法を祈りの気持ちで決意するよう勧める。

準備

  1. 『生徒用学習ガイド』(35686 300)の40課の資料に目を通し,レッスンで学習ガイドを参照する方法を計画する。

  2. レッスンが行われる1週間前に,神殿と家族歴史の活動を何らかの方法で実行してくるよう二人の生徒に依頼する。この業を行う方法はたくさんあることを二人に理解してもらう。例えば,「家族の記録」を完成させる,神殿の儀式のために一人の先祖の人名を提出する,神殿に参入する,日記や個人の歴史を書く,先祖について子供たちに教える,などがある。レッスンの中で彼らの経験を発表してもらう。

  3. 本課3で見せられるように,神殿と家族歴史の活動を行うために教会が制作した資料を何冊か入手しておくとよい(233ページ参照)。ワードまたは支部に家族歴史相談員がいれば,それらの資料についての簡単な紹介を依頼するとよい。

レッスンの展開

導入

適切であれば,以下の活動または教師が考えた活動をレッスンの始めに行う。

黒板の中央にあなたの姓名を書く。あなたの両親や先祖の姓名,あなたが親であれば子供たちの姓名を黒板の余白部分に書く。黒板に書かれた一人一人とあなたとの関係を簡単に説明する。

一時的に離れて生活している人がそれぞれどのような理由からそうしているかを説明する。例えば,ある人は亡くなったために離れており,ある人は別の場所に住んでいるために離れている。

家族は一時的に離れ離れになっていても,永遠に一緒に生活できることを指摘する。彼らの心を互いに対して向け合うことができる(教義と聖約110:14-15)。

本課ではわたしたちが神殿と家族歴史の活動に参加する方法について話し合うことを説明する。この業に参加することによって,わたしたちは永遠の家族の一員となることの意味をいっそう深く理解する。わたしたちの心を先祖に向け,先祖の心がわたしたちに向けられ,そして親子が互いに対して心を向け合うのである。

話し合いと応用

生徒の必要に最も適した資料を祈りの気持ちで選ぶ。話し合った原則に関連した経験を紹介するよう生徒に勧める。

本課は神殿と家族歴史の業に関する2回のレッスンの2番目であることを生徒に思い起こしてもらう。39課では神殿に参入して,福音を受け入れずに亡くなった人々の身代わりとして神権の儀式を執行する必要性について話し合った。本課では神殿と家族歴史の活動に参加する幾つかの方法について話し合う。

1.本課は神殿と家族歴史の業に関する2回のレッスンの2番目であることを生徒に思い起こしてもらう。39課では神殿に参入して,福音を受け入れずに亡くなった人々の身代わりとして神権の儀式を執行する必要性について話し合った。本課では神殿と家族歴史の活動に参加する幾つかの方法について話し合う。

末日聖徒はしばしばエリヤの霊を話題にすることを説明する。これは「先祖の心を子孫に,子孫の心を先祖に向け」ることに対して人々が持っている望みを指している(教義と聖約110:15)。これをエリヤの霊と呼ぶのは,エリヤが神権の結び固めの力の鍵をジョセフ・スミスに回復したからである(教義と聖約110:13-16)。この力を通じて,家族を永遠に結び合わせるために結び固めの儀式を執行できるのである。

  • エリヤの霊は教会員に何を行うよう促すのでしょうか(わたしたちが自分のために神殿の儀式を受けること,家族歴史の探求を行うこと,死者の身代わりとして神権の儀式を執行するために神殿に参入することを促すなどの答えが考えられる。以下の引用も参照)。あなたはエリヤの霊の影響を感じたことがあるでしょうか。それはどのような経験でしたか。

    ゴードン・B・ヒンクレー大管長は次のように強調している。「わたしたちが非常に大きな規模で進めている家族歴史の探求は,そのすべてが神殿事業に向けられています。そのほかの目的はありません。神殿の儀式は教会が提供すべき最高の祝福となっています。」(「福音の『最高の祝福』をもたらす新しい神殿」『聖徒の道』1998年7月号,96)

  • エリヤの霊が全世界で人々に促している事柄にはどのようなものがあるでしょうか(全世界で系図がごく一般的な趣味となっている,技術の進歩により系図の探求が容易になり,系図を入手しやすくなっている,などの答えが考えられる)。

2.一人一人の教会員が神殿と家族歴史の活動に参加できる

割り当てておいた生徒に先週神殿と家族歴史の活動に関して経験したことを手短に話してもらう(「準備」2参照)。

二人の生徒から体験談を発表してもらってから,十二使徒定員会のボイド・K・パッカー長老が語った以下の話を読む。

「神殿の業と,それを支える系図探求の仕事ほど,この教会にとって大きな守りとなるものはありません。また,いかなる業も,この業ほどに人の霊を磨くことはできず,人に力を与えることもできないのです。」(「聖き宮」『聖徒の道』1992年6月号,23)

  • あなたは神殿と家族歴史の活動を通してどのように霊が磨かれ,力を増し加えられてきたでしょうか。

わたしたちは生涯を通じて何らかの形で神殿と家族歴史の活動に参加できることを指摘する。十二使徒定員会のダリン・H・オークス長老はこのように述べている。「死者を贖うための業の中には,なすべき事柄が数多くあり,教会員は皆,特定の時期に個々の状況に適した方法を祈りによって選択し,自らの責任を果たしていくべきです。……わたしたちに求められているのは,すべての人にすべてのことをするよう強いることではなく,すべての人に何かを果たすよう励ましを与えることです。」(「賢く秩序正しく」『聖徒の道』1989年12月号,20)

  • あなたは神殿と家族歴史の活動に参加するためにどのようなことを行ってきたでしょうか(生徒の意見を黒板に書き出す。以下の情報を使って話し合いを進めるか,これらの意見に付け加える。成人を教えている場合,彼らが人生の様々な時期においてどのようにして神殿と家族歴史の活動に参加してきたかを質問するとよい)。

有効な神殿推薦状を保持して,神殿に定期的に参入する

神殿と家族歴史の活動に参加できる一つの方法は有効な神殿推薦状を保持して,状況が許すかぎりしばしば神殿に参入することであると説明する。ゴードン・B・ヒンクレー大管長は次のように述べている。

「わたしはすべての会員の方々に,神殿推薦状を持つにふさわしい生活をし,それを貴重な財産と考えて大切にし,これまで以上の努力を払って主の宮に参入し,そこで受ける御霊と祝福にあずかるようにと,わたしの持てる限りの力を込めて,強くお勧めします。誠意と信仰をもって神殿に行くすべての人が,参入する度にさらに成長した人となって出て来ることに,わたしは喜びを覚えています。わたしたちは皆,常に,進歩を必要としています。時にはこの世の喧噪を離れて,神の神聖な宮の中に足を踏み入れ,神聖さと平安の中に主の御霊を感じる必要があります。」(「伝道と神殿,そして管理の職」『聖徒の道』1996年1月号,60)

神殿に定期的に参入する環境に置かれていないとしても,神殿推薦状を持つべきであることを指摘する。ハワード・W・ハンター大管長はこのように述べている。「すべての成人会員が有効な神殿推薦状を受けるにふさわしくあり,しかもそれを所持するなら,主は喜ばれることでしょう。神殿推薦状を得るためにすべきこととすべきでないことは,わたしたちが個人として,また家族として,幸福になるのを約束する事柄でもあるのです。」(「尊く,大いなる約束」『聖徒の道』1995年1月号,9-10)

  • 神殿推薦状を持ち,神殿に参入することによってわたしたちはどのような祝福を受けることができるでしょうか。

  • 両親は子供たちに神殿の大切さをどのように教えることができるでしょうか(両親が定期的に神殿に参入する,そのために積極的に努力する,神殿について子供たちに教え,神殿を通して受ける祝福について証する,12歳以上の子供を神殿へ連れて行って死者のためのバプテスマを受けさせる,などの答えが考えられる)。

亡くなった親族のために儀式を執行する準備をする

神殿と家族歴史の活動に参加できるもう一つの方法は亡くなった親族のために儀式を執行する準備をすることであると説明する。家族のほかの人が家族歴史についてすでに作業を行っているとしても,まだ神殿の儀式を執行しなければならない亡くなった親族を見いだせることがしばしばある。

この活動は最初に,亡くなった親族を探すことから始める。わたしたちが記憶している人々を紙に書き出し,家族の様々な記録をひもとき,両親や祖父母,親類から一族について話を聞くことができる。また家庭に置いているコンピューターや家族歴史センター(Family History Center)のコンピューターから教会の制作したプログラムを介して支援を受けることができる。先祖を見つける際に御霊が力強い影響を及ぼしてくれることを強調する。わたしたちが信仰を行使するならば,考えてもいなかったような方法や場所で人名や情報を手にすることがある。

先祖について何かが分かったら,その情報を『系図表』や『家族の記録』など家族歴史の用紙に記録する。先祖が亡くなる前に神権の儀式を受けている場合,それらの儀式が執行された日付を記入しておくと,どの儀式を執行する必要があるかを知るうえで役立つ。

ワードや支部あるいはステークの家族歴史相談員は,先祖のための儀式を執行する前に神殿で必要とされる情報を準備するための援助を提供することができる。教会の家族歴史関連資料,地元の神権指導者,神殿からもこれらの指示を入手することができる。

十二使徒定員会のリチャード・G・スコット長老はこのように勧告している。「亡き先祖たちのための結び固めやほかの儀式を行えるように時間を作ってください。だれかのために身代わりの儀式を受けようとするときに,その人に自分を置き換えるようにするといいと思います。彼のことを考え,彼が儀式を受け入れてくれるように祈って,それから恩恵を受けられるよう祈ります。聖霊があなたの理解を増してあなたの人生を豊かにしてくださるよう心の中で祈りながらそれらの儀式を行ってください。それらのふさわしい祈りは聞き届けられるでしょう。」(「神殿の祝福を受ける」『リアホナ』1999年7月,31)

先祖の生活を知る

  • あなたは先祖の人たちの生涯についてどのような方法で情報を入手しましたか。先祖の生活を知ることはあなたにとってどのように役立っているでしょうか。

  • 両親は子供たちに先祖について教えるためにどのようなことができるでしょうか。

    七十人のデニス・B・ノイエンシュバンダー長老は子供や孫たちに家族の歴史を教える責任について次のように述べている。

    「わたしの子供はだれもわたしの祖父母のことを知りません。わたしが覚えていることを,子供や孫に知らせたければ,わたしが彼らの間を結ぶ橋を架けなければならないのです。祖父母と子供や孫を結びつけることができるのは,わたしをおいてほかにいません。先祖とその子孫が互いをまったく知らないとしても,双方が敬愛の念をもって心を通い合わせることができるように結び合わせるのはわたしの責任です。もしわたしが家族の歴史を残さなければ,孫には何も伝わりません。わたしが何かの形で記録にとどめておかなければ,わたしの死と同時にそれらは消滅してしまい,わたしが子孫に残してやらなければ,彼らは決して得ることができないのです。永遠に続く家族の思い出の品々や記録を集め,それを後世に残していくことは,個人的な責任です。この責任は,何人たりともないがしろにすることはできませんし,人に任せることもできません。」(「永遠の家族のきずなを結ぶ橋」『リアホナ』1999年7月,99-100)

日記をつけるか,個人の歴史または家族の歴史を作成する

  • 日記つけたり,個人の歴史を作ったりすることが家族歴史の活動に参加するうえでどのように役立つでしょうか。日記をつけたり,歴史を作成したりすることにはどのような祝福が伴うでしょうか(生徒が個人的にどのような祝福を受けているか,また子孫にどのような祝福をもたらすかについて話し合いを展開するとよい)。

  • 家族の歴史を作成することはわたしたちの心を家族に向けるうえでどのような助けとなるでしょうか。

3.教会はわたしたちが神殿と家族歴史の活動に参加するのを支援するために多くの手段を提供している

教会はわたしたちが神殿と家族歴史の活動に参加するのを支援するために多くの手段を提供していることを説明する。以下の手段が含まれる。

  1. 『会員のための神殿・家族歴史活動ガイド』(34697 300)

  2. 家族歴史用紙(『系図表』『家族の記録』など)

  3. コンピュータープログラム

  4. インターネットからの情報

  5. 家族歴史センター(最寄りの家族歴史センターの所在地を確認しておくとよい)

『会員のための神殿・家族歴史活動ガイド』と家族歴史用紙を見せて,それらの入手方法を説明する。ワードまたは支部の家族歴史相談員にこれらの援助手段の説明を依頼している場合は,今ここで行ってもらう(「準備」3参照)。これらの援助手段を利用できなくても,神殿と家族歴史の活動に参加できることを生徒に理解してもらう。

結び

神殿と家族歴史の活動に参加することが大切であることについてあなたが感じていることを伝える。今参加すべき方法を祈りの気持ちで決意するよう生徒に勧める。本課で話し合った事柄が真実であることを御霊に導かれるままに証する。

教えるためのそのほかのアイデア

レッスンの概要を補足するために以下の資料をレッスンに取り入れてもよい。

生徒の活動

『系図表』や『家族の記録』など現行の家族歴史用紙を配布できるように生徒の人数分準備する。神権指導者または家族歴史相談員から入手できる。

レッスン中に生徒に用紙を配る。もし時間的に可能であれば,ペンか鉛筆を配って,レッスン中に作業を始めてもらう。時間的な余裕がなければ,自宅に戻ってから作業を開始するよう勧める。