日曜学校―福音の教義
第45課:「家族は神によって定められたもので〔ある〕」


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「家族は神によって定められたもので〔ある〕」

目的

家族が永遠に大切であることを理解できるようにし,自分の家族を強めるよう励ましを与える。

準備

  1. 『家族—世界への宣言』を祈りの気持ちで研究する(『聖徒の道』1996年6月号,10-11)。レッスン中,生徒がそれぞれ『家族—世界への宣言』を参照できるようにする。本書の263ページと『生徒用学習ガイド』24-25ページを参照する。別に印刷されたものも入手できる(35538 300)。

  2. 『生徒用学習ガイド』(35686 300)の45課の資料に目を通し,レッスンで学習ガイドを参照する方法を計画する。

  3. 「導入」にある活動を行う場合は,全員で「家族は永遠に」(『賛美歌』187番;『子供の歌集』98)を歌う準備をしておく。あるいは,初等協会の子供たちのグループにクラスへ来て,この賛美歌を歌ってもらうように依頼してもよい。

教師への注意-家族の状態は生徒によって様々である。それらの違いに配慮する。すべての人は地上と天の家族の一員であることを強調する。

レッスンの展開

導入

適切であれば,以下の活動または教師が考えた活動をレッスンの始めに行う。

全員で「家族は永遠に」を歌う。あるいは,初等協会の子供たちのグループにクラスへ来て,この賛美歌を歌ってもらう(「準備」3参照)。

賛美歌を歌い終えたら,「家族を皆結ぶ道を,主は教えたもう」と歌ったコーラスの部分に生徒の注意を向けてもらう。

 本課では『家族—世界への宣言』について話し合うことを説明する。ここには大管長会と十二使徒定員会を通じて与えられた,家族に関する主の教えが述べられている。わたしたちはこれらの教えに従うことによって家族を強め,一致することができ,また永遠の家族として生活するための準備をすることができる。

話し合いと応用

生徒の必要に最も適した資料を祈りの気持ちで選ぶ。話し合った原則に関連した経験を紹介するよう生徒に勧める。

1.家族は神の計画の中心を成す

『家族—世界への宣言』は1995年9月に開かれた中央扶助協会集会において,ゴードン・B・ヒンクレー大管長が提示したものであることを説明する。それ以来,この宣言は世界中の教会員とそのほかの人々のために多くの言語に翻訳され,印刷されている。また,多くの国の政府指導者に対しても提示されてきた。

一人の生徒に宣言の表題と副題,第1段落と第2段落を読んでもらう。

  • 神の預言者がこの勧告と警告を表明する必要性を裏づけることがわたしたち自身の家族,地域社会,国家で起きているでしょうか。それはどのようなことでしょうか。

    ゴードン・B・ヒンクレー大管長このように教えている。「わたしたちはなぜ今,このような家族の宣言を出すのでしょうか。それは,家族が今危機にさらされているからです。世界中,どこを見ても家族が崩壊しています。社会の改善を始めるべき場所は家庭の中にあります。子供は,おおかた,教えられるとおり行動するものです。わたしたちは,家族を強めることによって,世界をより良いものとする努力をしているのです。」(「霊的な思い」『聖徒の道』1997年8月号,5)

  • 宣言では結婚と家族が「神によって定められたものであり」,「神の子供たちの永遠の行く末に対する創造主の計画の中心を成すものである」と述べられています。どのような理由から,家族は神の子供たちの永遠の行く末に対する神の計画の中心を成すのでしょうか(教義と聖約131:1-41 コリント11:11参照)。

  • 宣言はわたしたちが皆,神の形に創造された,神の霊の子供であると述べています(創世1:26-27も参照)。この教義はわたしたちの持つ可能性についてどのようなことを教えているでしょうか。あなたが天父の家族の一員であるという知識は,地上の家族に対する思いにどのような影響を与えるでしょうか。わたしたちはこの教義によってどのように元気づけられているでしょうか。

2.家族は聖なる儀式によって永遠に一つとなることが可能である

一人の生徒に宣言の第3段落を読んでもらう。

  • この段落では地上での生活の目的についてどのようなことが教えられているでしょうか。わたしたちが地上で経験することは永遠に進歩するためにどのように役立つでしょうか。

  • 結婚と家族の関係が永遠に続くためには何が必要でしょうか(男女は神殿において結び固めの儀式を受けて,この儀式に関連する聖約を守らなければならない)。

  • どうすれば神殿の聖約を守る決意を強められるでしょうか。両親はどのような方法によって,神殿に入るために子供たちを備えさせることができるでしょうか。

  • わたしたちは家族と永遠に住むことができるという約束は,家族に対する現在の接し方にどのような影響を与えるでしょうか。

3.この世に命をもたらす力は神聖なものである

一人の生徒に宣言の第4段落と第5段落を読んでもらう。

  • この世に命をもたらす力の使用について神はどのように命じておられるでしょうか。この戒めに従うことはなぜ大切なのでしょうか。

    十二使徒定員会のヘンリー・B・アイリング長老はこのように教えている。

    「子供たちはこの世と永遠にわたってわたしたちが主から受け継いでいるものです。永遠の命はこの世から永遠にわたって子孫を持つことだけではありません。永遠に増し加えることでもあります。 ……

    わたしたちは天の御父がなぜ,命に対して畏敬の念をもって接し,命を生み出す力を神聖なものとして大切にするよう命じておられるかを理解することができます。わたしたちがこの世で畏敬の念を持つことができなければ,御父はわたしたちにその力を永遠に与えるようなことをなさるでしょうか。」(「家族」『聖徒の道』1998年10月号,17,19)

    十二使徒定員会のジェフリー・R・ホランド長老はこのように教えている。「肉体は霊にあってきわめて重要な位置を占めています。……わたしたちは次のように主張しています。神が授けられたほかの人の肉体を神の承認なくして不当に扱う人は,まさしくその人の霊を傷つけ,人生の中心的な目的と過程,……を台なしにしているのです。……性的な罪を犯すときに,わたしたちの魂,すなわちわたしたちの肉体と霊は危険にさらされるのです。」(「個人の清さ」『リアホナ』1999年1月号,84)

  • 両親はどうすれば,子供たちに道徳的な清さの大切さを理解させることができるでしょうか(『若人の強さのために』〔09403 300〕または『良い親となるために』〔31125 300〕から性的な清さに関する教えを親子の間で話し合うよう提案するとよい)。

4.夫婦は,互いに愛と関心を示し合うとともに,子供たちに対しても愛と関心を示すという厳粛な責任を負っている

一人の生徒に宣言の第6段落を読んでもらう。

  • 夫婦は互いに対する愛情を強めるためにどのようなことができるでしょうか。

    ゴードン・B・ヒンクレー大管長はこのように教えている。「結婚したら,お互いにこれ以上はできないと思えるほど誠実であってください。利己心は,幸福な家庭生活を破壊する大きな要因になります。伴侶の慰めと安らぎと幸福を第一に考え,その気高い目標のために自分自身の欲求や関心を抑えることができたら,皆さんは幸福になり,その結婚は永遠にわたって続いていくでしょう。」(「生ける預言者の言葉」『聖徒の道』1996年4月号,10)

  • 互いに愛と関心を寄せ合う両親を持つ子供たちはどのような祝福を受けるでしょうか。

  • 両親は子供にどのようなことを教える責任があるでしょうか(モーサヤ4:14-15教義と聖約68:25-2893:40参照)。子供たちにこれらの原則を効果的に教えるためにはどのような方法があるでしょうか。あなたは自分の両親の教えからどのような恵みを受けてきたでしょうか。

  • 両親が子供に教えることのできる機会にはどのようなものがあるでしょうか(家庭の夕べ,家族の祈り,食事の時間,就寝する前,一緒に旅行するとき,一緒に働くとき,などの答えが考えられる)。このような状況で,子供に教えた(または両親から教えを受けた)経験を生徒に紹介してもらう。

  • 子供を教えることについて教会はどのような役割を果たすでしょうか(以下の引用参照)。両親は子供を教えることについてどのように教会との連携を図ることができるでしょうか。

    スペンサー・W・キンボール大管長は次のように述べている。「子供を教えるのは両親の責任です。日曜学校,初等協会,〔ミューチャル〕,教会のそのほかの組織が果たす役割は二次的なものです。」(The Teachings of Spencer W. Kimballエドワード・L・キンボール編〔1982年〕332)

5.実りある結婚と家庭は,義にかなった原則の上に築かれる

一人の生徒に宣言の第7段落を読んでもらう。

  • 「家庭生活における幸福は,主イエス・キリストの教えに基づいた生活を送るときに達成されるに違いありません」と宣言は教えています。キリストの教えはどのような方法であなたの家庭に幸せをもたらしているでしょうか。

  • 宣言では「実りある結婚と家庭は,信仰と祈り,悔い改め,赦し,尊敬,愛,思いやり,労働,健全な娯楽活動の原則にのっとって確立され,維持されます」と教えられています。あなたの結婚生活や家族との生活においてこれらの中のどの原則が特に大切でしょうか。あなたは家族にこれらの原則を教えるための効果的な方法を見つけているでしょうか。それはどのような方法ですか(御霊に導かれるままに,一つか二つの原則に絞って話し合いを進めるとよい。宣言のこの部分に多くの時間を割きたいと考えるならば,「教えるためのそのほかのアイデア」4参照)。

  • 宣言によれば,父親にはおもにどのような責任が課せられているでしょうか。「愛と義をもって……管理」するとはどのような意味でしょうか(教義と聖約121:41-46参照)。

  • 少年や若い男性は将来自分の家族を養うために,今どのような準備ができるでしょうか。両親は青少年が正規の教育を受け,実用的な技術を習得するよう奨励するためにどのようなことができるでしょうか。

  • 母親のおもな責任として宣言はどのようなことを挙げているでしょうか。若い女性はこの責任を果たすために,今どのような準備ができるでしょうか。

    ゴードン・B・ヒンクレー大管長はこのように教えている。

    「かつての神聖な物事への価値観を取り戻そうとするならば,それは家庭から始めなければなりません。家庭こそ真理を学び,高潔さを養い,しつけをし,愛をはぐくむ場所です。 ……

    姉妹たち,どうか子供たちを守ってください。……母親である皆さんにとって,子供たち以上に大切なものは絶対にありません。子供たちは,皆さんがこの世と永遠の世において授けられるものの中で最も貴い存在です。皆さんは,これから年を重ねていく中で自分がこの世に招いた子供たちが正しい生活をし,徳を備え,高潔な行いをするのを目の当たりにするときに,心から幸せに思うことでしょう。」(「光の中を歩む」『リアホナ』1999年1月号,110-111)

  • 父親はどのようにして子供を養い育てるのを助けることができるでしょうか。父親と母親は対等のパートナーとして互いに助け合うことがなぜ大切なのでしょうか。

6.あらゆる人には家族を強める責任がある

宣言は家族の崩壊がもたらす重大な結果に対する警告と,あらゆる人々に家族を強めるよう求める言葉を持って結んでいます。

  • 家族をさらに強め,一致させるために,これまでにどのようなことを行ってきたでしょうか。

  • わたしたちは地域社会において家族をいっそう堅固なものとするために,個人としてまた家族としてどのようなことができるでしょうか。

    ゴードン・B・ヒンクレー大管長は全米の市長とその他公職者の集まりにおいてこのように述べている。「大きな影響力を持ち,この国の都市を管理しておられる皆さんに申し上げます。莫大な費用のかかる刑務所を建設し続けて,それを維持するよりも,むしろ学校を改革し,善い市民の持つべき徳を教える方がはるかに安上がりなのです。……けれども,学校よりももっと大切な施設があります。それは家庭です。わたしはいかなる国家もそこに住む家族の力以上に強くなることはできないと信じています。」(“U.S. Conference of Mayors,” Ensign1998年11月号,109)

  • 家族が堅固でなければ,なぜ国家は存続することができないのでしょうか。

結び

生徒に自分の家族を思い浮かべながら,以下の質問を考えてみるようにチャレンジする。わたしが家族全員を愛していることを,家族一人一人が感じているだろうか。わたしは永遠の家族を築くために努力しているだろうか。家族を強めるためにわたしは何ができるだろうか。

宣言で述べられている原則が真実であることについて証を述べ,その教えを引き続き研究し,応用するよう生徒を励ます。

教えるためのそのほかのアイデア

以下の資料はレッスンの概要を補足するためのものである。この中の幾つかをレッスンに取り入れてもよい。

1.虐待の事実に気づいて,虐待をなくす

宣言は「伴侶や子供を虐待する人々……は,いつの日か,神の御前に立って報告することになります」と警告している。教会の指導者はいかなる形であれ虐待に反対する言葉を述べている。神権者に対してゴードン・B・ヒンクレー大管長が語った以下の言葉は,男女ともに適用されるものである。

「伴侶を虐待してはなりません。子供を虐待してはなりません。妻子を腕の中に引き寄せ,あなたの愛と感謝と,妻子を大切に思う気持ちを伝えてください。善き夫であってください。善き父親であってください。」(「霊感を伝える言葉」『リアホナ』1999年6月号,4)

2.「両親の責任」ビデオ・プレゼンテーション

もし,ビデオカセット『教義と聖約・教会歴史ビデオ・プレゼンテーション』(53912 300)を利用できるならば,「両親の責任」(6分32秒)を見せるとよい。以下の質問を考えながら,ビデオを見てもらう。

  • あなたは両親の教えによってどのように祝福を受けてきたでしょうか。あなたは子供たちにどのようなことをあなたから学んでほしいと思いますか。

3.家族に関するそのほかの言葉

十二使徒定員会のロバート・D・ヘイルズ長老が語った以下の言葉を読むとよい。

「御父の計画では,家族の愛と親しい交わりは永遠に続きます。……家族の一員であるということには,世話をし,愛情を注ぎ,家族同士で励まし合い,力づけるという大きな責任が伴います。家族全員が義にかなった状態で現世を最後まで堪え忍び,永遠にわたってともに住めるようにするためです。自分自身を救うだけでは十分ではありません。親,兄弟,姉妹が家族の中で救われることも,同じように大切なのです。天父のみもとに独りで戻るなら,こう尋ねられるでしょう。『あなたの家族はどこにいますか。』」(「永遠の家族」『聖徒の道』1997年1月号,73-74)

4.グループによる話し合い

宣言の第7段落に挙げられている,実りある結婚と家族の9つの原則を黒板に書き出す(「実りある結婚と家庭は,」に続く節)。生徒を小グループに分けて,各グループに一つか複数の原則を割り当てる。家族の中でこれらの原則を確立し,強める方法についてグループで考えてもらう。数分間話し合ったら,各グループの代表者にグループの考えを発表してもらう。

5.家庭の夕べで宣言について話し合う

今週の家庭の夕べで,家族に関する宣言について話し合うよう生徒に勧める。来週のレッスンの始めに話し合ったことについて報告する準備をしてきてもらう。