第17課
兄弟たちを赦 すヨセフ
目 的
子供たちに,人々を赦す気持を抱かせる。
準 備
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祈りをもって以下の聖句を研究する。
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その他の参考箇所:マタイ6:14-15;教義と聖約64:10
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レッスンを検討し,聖文の物語を子供たちにどう教えるかを決める(本書「レッスンの準備」ⅵ—ⅶ,「聖文に基づいて教える」ⅶ—ⅷ参照)。子供たちを参加させ,レッスンの目的を達成するのに最も役立つ「話し合いと応用のための質問」と「レッスンを豊かにする活動」を選ぶ。
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教材
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『聖書』人数分
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『教義と聖約』
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人数分の紙と鉛筆
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視覚資料6-20「兄弟たちを赦すヨセフ」
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レッスン
一人の子供に開会の祈りをさせる。
導 入
子供たちに紙と鉛筆を配る。紙の左に上から下に向かって1から5までの数字を書かせる。これから赦しについてのクイズをすることを説明する。すべての問題には「はい」か「いいえ」で答える。
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「あなたを赦します。けれどもあなたがどれほど不親切だったかは決して忘れません」と言うとき,あなたは赦していますか。
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自分の身に降りかかったらうれしくないことがほかの人に起こって喜んでいるあなたは赦していますか。
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あなたを押したり,たたいたりした人に仕返しをしようと思っているあなたは赦していますか。
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あなたについてうそを並べ立てている人と話すのをやめたあなたは赦していますか。
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チームに入れてくれなかった人の悪口を言うあなたは赦していますか。
以上の質問の正解はすべて「いいえ」であることを指摘する。ほんとうに赦すためには,次のような気持ちにならなければならないことを説明する。
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怒りの気持ちを克服する。
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他人を裁いたり,批判したりしない。
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起きたことを忘れる。
聖文の物語
ヨセフの兄弟たちはどのようにしてヨセフをエジプトへ売ったか(第15課参照)を子供たちに簡単に説明させる。
適切な箇所で視覚資料を用いて,「準備」の項目で挙げられた聖句に基づいて聖文の物語について教える(聖文の物語の教え方については,「聖文に基づいて教える」ⅶ—ⅷ参照)。
話し合いと応用のための質問
レッスンの準備に当たって,以下の質問と参照聖句を研究する。子供たちが聖文を理解し,生活に応用するうえで最も役立つと思われる質問をする。教室で子供たちと一緒に参照聖句を読み,それについて話し合うのは,聖文に対する子供たちの理解を深めるのに役立つ。
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ヤコブはなぜ穀物を買うために息子たちをエジプトに遣わしたのですか(創世41:56-57;42:1-2)。ヤコブの息子たちの中で行かなかったのはだれですか。それはなぜですか(創世42:3-4)。
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ヨセフの兄弟たちがヨセフを分からなかったのはなぜですか。(創世42:7-8,23。兄弟たちがヨセフを最後に見てから22年がたっていた。彼らがヨセフをエジプトへ売ったときヨセフは17歳だったが,今や彼は成熟した男性になっていた。兄弟たちはヨセフに会うとは考えていなかったし,エジプトで第2の位に就いている人がヨセフであろうとは考えもしなかった。さらにヨセフは通訳を介して彼らに外国語で話した。)
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ヨセフは兄弟たちが彼にしたことを悔いていることをどのようにして知りましたか。(創世42:21-23。兄弟たちはヨセフが自分たちの言葉を理解しているとは知らなかったと子供たちに教える。)罪の意識から抜け出すにはどうすればよいですか。
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ヨセフは兄弟たちが何をすれば穀物を売ると言いましたか(創世42:15-16,20)。
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ヤコブがベニヤミンをエジプトへ行かせたくなかったのはなぜですか(創世42:36,38)。ヤコブが最終的にべニヤミンを兄弟たちと一緒に行かせることに同意したのはなぜですか(創世43:1-4)。
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ヨセフは弟のベニヤミンに会ったときどのような気持ちがしましたか(創世43:29-30)。ヨセフはベニヤミンに特別な親しみを感じていたのはなぜですか。(ヨセフとベニヤミンは同じ母から生まれた。)
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ヨセフは兄弟たちがカナンへ戻らないようにするために何をしましたか(創世44:1-5,11-13)。ヨセフはなぜそのようなことをしたと思いますか。
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ユダは自分が悔い改めて,もっと親切で気配りのある人になろうとしたことがどのようなことから分かりますか。(創世43:8-9;44:31-34。ヨセフをイシマエル人に売ろうと提案したのはユダであったことを子供たちに思い起こさせる。)あなたが家族に対してもっと親切で気配りのある人になるためにはどうすればよいですか。
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ヨセフは自分がエジプトへ売られたことによって,どのような祝福を受けたことを理解していましたか(創世45:5-8)。ヨセフは困難な立場に立たされる度に,積極的な態度で逆境を良い経験に変えてきたことを指摘する。あなたが良い経験に変えることができた逆境にはどのようなものがありますか。
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ヨセフは兄弟たちを赦していることをどのように示しましたか(創世45:9-11,14-15)。ヨセフはどのような気持ちだったと思いますか。あなたは意地悪をした人を赦すときにどのような気持ちがしますか。(「レッスンを豊かにする活動」1参照)。あなたはだれかから赦されると,どのような気持ちになりますか。
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わたしたちはなぜ人を赦すことを学ぶ必要があるのですか(マタイ6:14-15;教義と聖約64:10)。(「レッスンを豊かにする活動」4参照)赦しについて子供たちが良い経験をしていればそれを分かち合うように勧める。
レッスンを豊かにする活動
以下の活動を,レッスンのどの部分でも,また幾つでも使うことができる。復習やまとめ,チャレンジに利用してもよい。
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別々の紙に,「怒り」「平安」「幸福」「ねたみ」「愛する」「不幸」「批判する」「親しい」などの言葉を書いておく。黒板に「赦す」と「赦さない」と書いてから,子供たちに紙を配る。子供たちに順番に自分の紙に何が書いてあるかを紹介し,黒板の該当する欄に紙をはらせる。
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ローブ,スカーフなどの簡単な小道具を用意して,ヨセフと兄弟たちの物語の一部をロールプレーイングで演じさせる。
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子供たち全員のためにメダルを作る。首から下げられるようにメダルにリボンかひもを付ける。子供たちと一緒にマタイ6:14-15を読んで,その意味について話し合う。人々を赦せば,幸せな気持ちになること,天の御父も子供たちが間違ったことをしたときに赦してくださることを理解させる。子供たちの気持ちを傷つけた人のことを思い浮かべさせる。その人について祈り,何か親切なことをするようチャレンジする。オリンピックでは最も良い成績を上げた選手にメダルが贈られる。霊的な競技は運動競技よりはるかに大切な意味がある。わたしたちに害を与えた人を赦すことによってわたしたちは祝福を受ける。不親切な行いに対して親切で返すというチャレンジを受け入れた子供たち一人一人に,約束のしるしとしてメダルを贈る。
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赦しについて子供たちと話し合う。袋と幾つかの石,本または重い物を用意しておく。一人の子供に袋を持たせて,石を一つずつ袋の中へ入れていく。それぞれの石は怒りや傷ついた気持ちを表していることを説明する。子供に教室内を歩かせるか,しばらく袋を持たせている。怒りや傷ついた気持ちをいつまでも持っていると重荷になってくることを説明する。人々を赦すことによって重荷がなくなり,気分が楽になる。(石を取り出す。)大切なのは問題ではなく,人であることを強調する。人々を赦し,愛と関心を示し続けることが大切である。ヨセフが兄弟たちを赦したように,赦しの気持ちを抱くよう子供たちを励ます。
この活動を家族と一緒に行うよう提案する。怒りや傷ついた気持ちを抱き続けることは重い石が入った袋を持ち歩くこととどのように似ているかを話し合うように勧める。
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黒板に教義と聖約64:10の全文を書く。この聖句を子供たちと一緒に読んだ後,意味について話し合う。他人に対する怒りで心がいっぱいになっていると,聖霊がとどまることがおできにならないことを説明する。わたしたちが怒りの気持ちから解放されて聖霊の導きを受けられるように,赦すことを天の御父は望んでおられる。子供たちが黒板の聖句の一つ一つの単語を覚えたら,順に消していって,全文を暗唱させる。
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「人をゆるせるように」(『子供の歌集』52)を歌うか,歌詞を読む。
まとめ
証
人を赦すことの大切さについて
家族との分かち合いの提案
物語,質問,活動などのレッスンの一部を家族と分かち合ったり,読書課題を家族と一緒に読んだりするよう,子供たちを励ます。
読書課題
本課の復習のため,家庭で創世45:1-8を研究するよう,子供たちに提案する。
一人の子供に閉会の祈りをさせる。