第36課
預言者イザヤ
目 的
預言者イザヤは彼の時代と末日に関する啓示を受けたことを子供たちに教える。
準 備
-
祈りをもって以下の聖句を研究する。
-
列王下18:1-7——ヒゼキヤはユダ王国の義にかなった王だった。
-
イザヤ36:1-2,4,13-15——アッスリヤの王セナケリブはユダの多くの町を征服した。セナケリブ王は
僕 のラブシヤケをエルサレムへ遣わして,ヒゼキヤ王とユダヤ人を脅迫した。 -
イザヤ37:1-4——ヒゼキヤ王はイザヤにエルサレムを救う助けが与えられるように祈ってほしいと言った。
-
イザヤ37:5-7——イザヤは,アッスリヤが滅ぼされ,セナケリブ王は自分の国で殺されることを預言した。
-
イザヤ37:15-20——ヒゼキヤは解放を求めて祈った。
-
イザヤ37:21,33-38——主はエルサルムを守られるというイザヤの預言は成就した。
-
イザヤ38:1-5——ヒゼキヤの命が延ばされた。
-
イザヤ40:3-5;45:23——イザヤはイエス・キリストの再臨について預言した。すべての人はイエスがキリストであられることを知る。
-
イザヤ63:1-2——キリストは深紅の衣を着て来られる。
-
イザヤ66:15,18;教義と聖約88:96-98——悪人は火で焼かれる。しかし,義人は引き上げられる。
-
イザヤ54:10,13-14,17——末日に義人は見守られ,祝福を受ける。
-
-
そのほかの参考箇所
-
『福音の原則』43章「イエス・キリストの再臨」と44章「福千年」
-
レッスンを検討し,聖文の物語を子供たちにどう教えるかを決める(本書「レッスンの準備」ⅵ—ⅶ,「聖文に基づいて教える」ⅶ—ⅷ参照)。子供たちを参加させ,レッスンの目的を達成するのに最も役立つ「話し合いと応用のための質問」と「レッスンを豊かにする活動」を選ぶ。
-
教材
-
新聞の第1面
-
視覚資料6-28「再臨」(『福音の視覚資料セット』238)
-
レッスン
一人の子供に開会の祈りをさせる。
導 入
子供たちに新聞を見せる。
-
わたしたちは何のために新聞を読むのですか。(世界中で起きていることを知るため。)一人か二人の子供に,前へ来て新聞の見出しを一つ読ませる。この記事にはどのようなことが書かれているかが分かるかどうかを尋ねる。新聞の記事が報道している出来事の大切さについて数分間時間を取って話し合うとよい。
旧約時代の多くの預言者は末日に起こることを含めて,将来起こる大切な出来事について人々に話していた。時々,新聞の記事から,これら古代の預言者たちが末日について預言した事柄が成就しているのを知ることができる。
聖文の物語
適切な箇所で視覚資料を用いながら,「準備」の項目に挙げられている聖句からヒゼキヤとその民,イエス・キリストの再臨,福千年に関するイザヤの預言について教える(聖文の物語の教え方については,「聖文に基づいて教える」ⅶ—ⅷ参照)。注意——再臨は子供たちにとって恐ろしい出来事としてではなく,喜びの日として理解するように教える。
イザヤの預言を検討する際に以下の点を強調する。
-
預言者イザヤはイエス・キリストがお生まれになる700年以上前の人である。
-
イザヤの教えと預言の多くが『モルモン書』と『新約聖書』の預言者たち,さらに救い主御自身によっても引用されている。
-
イザヤが預言した出来事のうち,多くはすでに実現している。まだ実現していない預言もたくさんある。
-
イエスは復活した後にニーファイ人を訪れられたとき,イザヤの言葉を研究するように命じられた(3ニーファイ23:1参照)。
話し合いと応用のための質問
レッスンの準備に当たって,以下の質問と参照聖句を研究する。子供たちが聖文を理解し,生活に応用するうえで最も役立つと思われる質問をする。教室で子供たちと一緒に参照聖句を読み,それについて話し合うのは,聖文に対する子供たちの理解を深めるのに役立つ。
ヒゼキヤは導きを求めて祈り,イザヤの勧告に従った
-
ヒゼキヤはどのような人でしたか(列王下18:3,5-6)。ヒゼキヤは人々が偶像を拝むのをやめさせるために何をしましたか(列王下18:4)。ヒゼキヤは義にかなった人であったためにどのような祝福を受けましたか(列王下18:7)。
-
アッスリヤ軍がユダの多くの町を征服した後,ヒゼキヤはだれに助けを求めましたか(イザヤ37:2,15)。主はイザヤを通してヒゼキヤに何と言われましたか(イザヤ37:6-7,33-34)。神を信じていることであざけられるとしたら,わたしたちはどのようにしてそれに耐える強さを得られますか。(祈り,断食,聖文を研究する,生ける預言者の言葉に従うことによって。)
-
主はどのようにしてエルサレムの人々を守られましたか(イザヤ37:36-38)。アッスリヤの王にどのようなことが起こりましたか。わたしたちが祈るときにこのような劇的な結果を得ることはないかもしれないが,祈りは聞かれこたえられることを子供たちに理解させる。あなたが助けを祈り求めて答えを受けた適切な経験があれば分かち合う。子供たちにもそのような経験があれば話させる。天の御父はわたしたちの問題を取り去ってくださらないかもしれないが,強さと慰めを与えてくださることを強調する。
-
ヒゼキヤは間もなく自分が死ぬと分かったとき,主にどのようなことを覚えてくださるように願いましたか(イザヤ38:3)。主はヒゼキヤの祈りに対してどのようにこたえられましたか(イザヤ38:5-6)。わたしたちが自分や愛する人を
癒 してくださるように天の御父にお願いするとき,わたしたちの祈りは様々な方法でこたえられます。わたしたちは天の御父の御心 を喜んで受け入れなければなりません。
イザヤはイエス・キリストの再臨と福千年について預言した
-
イザヤはだれが再臨のときに救い主を見ると言っていますか(ザヤ40:5;66:18)。イザヤはイエスがどのような服を着て再臨されると言っていますか(イザヤ63:2)。
-
イザヤはすべての人がいつかは何をすると預言しましたか。(イザヤ43:23;ピリピ2:10-11も参照。この聖句で「誓う」とは
証 するという意味である。)これはすべての人が自分の罪を悔い改めるという意味ではなく,すべての人がイエス・キリストが救い主であられることを認めるという意味であると説明する。わたちたちが今,イエス・キリストが救い主であられることの証を得ることはなぜ大切ですか。どうしたらこの証を強めることができますか。 -
イザヤはイエスの再臨をどのように描写していますか(イザヤ66:15)。邪悪な人にとってこれは恐ろしい日となるが,義人にとってはこの日が偉大な栄光あふれる日となるのを説明する(イザヤ66:13参照)。主は義人と悪人をどのようにして区別されるのですか(イザヤ66:18)。天の御父とイエス・キリストはわたしたちの心の望みを御存じであることを強調する。義にかなった生活をしようと努力していれば,わたしたちは見守られて,このときに祝福を受けます。主は悪人が焼かれるとき,聖徒たちはどうなると言われましたか(教義と聖約109:75-76)。(「レッスンを豊かにする活動」1,2参照)
-
福千年の間地上ではどのような生活をすると思いますか(教義と聖約29:11)。イザヤは地の国々の間の戦争について何と言っていますか(イザヤ2:4)。野獣はどのようになりますか(イザヤ11:6-9;65:25)。すべての人に福音が教えられる世界で生活することはなぜ祝福だと思いますか(イザヤ11:9;54:13-14)。このような時代の地球に住むにふさわしくなるにはどうすればよいですか。
再臨が行われ,福千年が始まる時を御存じなのは天の御父だけであるのを説明する。しかしながら,わたしたちはそのために準備をしておかなければならない。
福千年は恐れるのでなく,楽しみにして待ち望む時であると強調する。再臨の前に困難なときがあっても,もし義にかなった生活を送っているならば,わたしたちはそのようなときにも祝福と助けを受ける(「レッスンを豊かにする活動」3参照)。
レッスンを豊かにする活動
以下の活動を,レッスンのどの部分でも,また幾つでも使うことができる。復習やまとめ,チャレンジに利用してもよい。
-
末日に起こる幾つかの出来事について話し合う。邪悪がはびこる,戦争,騒動,福音の回復,『モルモン書』の出版,全世界に福音が
宣 べ伝えられる,結び固めの力の回復,レーマン人が力ある民になる,新エルサレムの建設などのしるしはイエスの再臨を告げていると説明する。イザヤ54:10,13-14,17を引用して話し合いを締めくくる。これらの困難な時期にも義人は祝福を受けることを強調する。
-
子供たちに目を閉じてすべての生き物が平和に暮らしている世界を想像させる。そのような世界は現在わたしたちが住んでいる世界とどれほど違うかを尋ねる。その世界には戦争がなく,犯罪がなく,病気がないなどの祝福にあふれていることを考えさせる。福千年の間地球はこのような状態になることを説明する。一人の子供にヨハネ14:27を声を出して読ませる。
-
子供たち一人一人に何かの準備をしている様子をパントマイムで演じさせる(学校へ行く,ベッドに入る,夕食を食べる,試験を受ける,など)。ほかの子供たちは何を演じているかを当てる。この活動が終わったら,イエスが来られるときのためにどのような準備ができるかを話し合い,意見を黒板に書き出す。教会へ行く,親切にする,聖文を読む,祈るなどの意見が考えられる。
子供たちは教会の集会に出席し,戒めを守っているので再臨のための準備をすでに始めていることを説明する。引き続き悔い改め,戒めを守り,証を強めるようなことを行うよう励ます。
-
イザヤが預言したことのうち,多くはすでに起きていると説明する。子供たちに自分の『聖書』から以下の聖句を見つけて,イザヤが何を預言し,どのように実現しているかを見つけさせる。(これを答え合わせゲームにしてもよいし,テストのような形式にして子供たちに配付してもよい。)
-
模造紙を使って,子供たちに本課で学んだ事柄から再臨に関する新聞の見出しを書かせる。何人かの子供に再臨のための準備について記事を書かせてもよい。
-
信仰箇条第10条について話し合い,暗記する。「楽園」とは地球がエデンの園のようなパラダイスの状態に戻るのを意味していると説明する。
-
「主の来られる時」(『子供の歌集』46),「福音の教えよく守りましょう」(『子供の歌集』72)または「イエス様のように」(『子供の歌集』40)を歌うか,歌詞を読む。
まとめ
証
天の御父とイエス・キリストがわたしたち一人一人に対して抱いておられる愛について,また御二方がわたしたちに義にかなった生活をして将来のために準備するようどれほど願っておられるかについて証をするとよい。イエス・キリストが地球に戻られるときには平和と喜びがあふれる。その時を待ち望むよう子供たちを励ます。
家族との分かち合いの提案
物語,質問,活動などのレッスンの一部を家族と分かち合ったり,読書課題を家族と一緒に読んだりするよう,子供たちを励ます。
読書課題
本課の復習のため,家庭でイザヤ54:10,13-14,17;11:6-9を研究するよう,子供たちに捏案する。
一人の子供に閉会の祈りをさせる。