初等協会テキストと分かち合いの時間
第8課 ノアと洪水


第8課

ノアと洪水

目 的

子供たちに,生ける預言者の勧告に耳を傾け,従う望みを強く持たせる。

準 備

  1. 祈りをもって以下の聖句を研究する。

    • 創世6:1-22——人々は邪悪になった。主はノアに箱舟を造るように言われた。

    • モーセ8:13-22——ノアは福音をべ伝え,神権の聖任を受けた。

    • 創世7:1-24——ノアの家族と動物は箱舟に入った。そして洪水が起きた。

    • 創世8:1-22——洪水が終わって,ノアは主に犠牲をささげた。

  2. レッスンを検討し,聖文の物語を子供たちにどう教えるかを決める(本書「レッスンの準備」ⅵ—ⅶ,「聖文に基づいて教える」ⅶ—ⅷ参照)。子供たちを参加させ,レッスンの目的を達成するのに最も役立つ「話し合いと応用のための質問」と「レッスンを豊かにする活動」を選ぶ。

  3. 以下のような3つの標識を準備する。

    画像
    three signs

    最初の標識の裏に「耳を傾けなさい」と書く。2番目の標識の裏に「信じなさい」と書く。3番目の標識の裏に「従いなさい」と書く(「導入」参照)。

  4. 教材

    1. 『聖書』と末日聖典合本人数分

    2. 現在の預言者の写真

    3. 視覚資料6-7「箱舟を造る」(『福音の視覚資料セット』102);6-8「ノアと動物を積んだ箱舟」(『福音の視覚資料セット』103)

レッスン

一人の子供に開会の祈りをさせる。

導 入

用意した3枚の標識を見せる。子供たちにそれぞれの標識の意味を尋ねる。

  • もし人々がこれらの標識を守らなかったら,どんなことになりますか。

  • これらの標識はどのように役立ちますか。(標識は危険が潜んでいることを警告しており,安全を確保するために守るべき事柄を告げている。)

天の御父はわたしたちが世の中の邪悪な事柄や誘惑に陥らないように望んでおられると説明する。天の御父はわたしたちに警告を与え,教える人を下さっている。現在の預言者の写真を提示して,預言者がどのように警告と教えを与えているかを話し合う。「耳を傾けなさい」「信じなさい」「従いなさい」と書かれている3枚の標識の裏面を見せる。そして,預言者に耳を傾け,信じ,従うならば,天の御父はわたしたちを祝福してくださることを説明する。

聖文の物語

適切な箇所で視覚資料を用いて,「準備」の項目で挙げられた聖句に基づいて預言者ノアと洪水について教える(聖文の物語の教え方については,「聖文に基づいて教える」ⅶ—ⅷ参照)。

ノアは友人や隣人からあざけりを受けたにもかかわらず,主に従ったことを強調する。ノアの家族はノアの教えに耳を傾けて従ったために,洪水から救われたが,耳を傾けず従わなかった邪悪な人々はおぼれたことを子供たちに理解させる。

話し合いと応用のための質問

レッスンの準備に当たって,以下の質問と参照聖句を研究する。子供たちが聖文を理解し,生活に応用するうえで最も役立つと思われる質問をする。教室で子供たちと一緒に参照聖句を読み,それについて話し合うのは,聖文に対する子供たちの理解を深めるのに役立つ。

  • ノアはどのような人でしたか(創世6:9,22)。箱舟を造るという指示にこたえるために,ノアはどのような人格を備えていなければなりませんでしたか。天の御父が望んでおられることを行うにはどのような資質を伸ばす必要がありますか。

  • ノアは洪水の前に人々を助けようとして何をしましたか(モーセ8:20)。

  • 人々はノアの教えにどのような反応を示しましたか(モーセ8:21-22)。人々はなぜノアを殺そうとしたと思いますか(モーセ8:18)。

  • ノアに従った人々はどのような結果になりましたか(創世7:1,7)。

  • ノアに従わなかった人々はどのような結果になりましたか(創世7:23)。わたしたちは現在の預言者に従わないとどのような結果を招きますか。

  • ノアは箱舟を降りることができるようになってから,何をしましたか(創世8:20)。苦しみを経験した後でも,わたしたちは天の御父に感謝をささげなければならないのはなぜですか。

  • 近代の預言者たちはどのようなメッセージをわたしたちに与えてきましたか。(子供たちの答えを黒板に書く。)これら一つ一つのメッセージはどのようにわたしたちの助けとなりますか(「レッスンを豊かにする活動」1,3,5参照)。

レッスンを豊かにする活動

以下の活動を,レッスンのどの部分でも,また幾つでも使うことができる。復習やまとめ,チャレンジに利用してもよい。

  1. 現在の預言者の写真を見せて,彼がこれまでにどのような働きをしてきたかを簡単に紹介する。総大会における現在の預言者のメッセージについて話し合う。

  2. ノア,ノアの妻,ノアの家族を相手にインタビューを行う。(それぞれの役を演じる子供たちにスカーフと長いローブを準備するか,配役名を書いたカードを首にかけるようにする。)以下のような質問をする。

    • 神はあなたに何をするように命じられましたか。

    • 邪悪な人々があなたをあざ笑い,あなたの言葉に耳を貸そうとしなかったとき,どのような気持ちがしましたか。

    • 洪水の間と洪水の後,どのような気持ちでしたか。

  3. 「どのようなことでも,徳高いこと,好ましいこと,あるいは誉れあることや称賛に値することがあれば,わたしたちはこれらのことを尋ね求めるものである」(信仰箇条1:13)について話し合う。そして,わたしたちが読む書物や鑑賞する映画とテレビ番組に当てはめて検討する。不適切な映画,テレビ番組,書物は天の御父を攻撃するものであることを説明する。第13代のエズラ・タフト・ベンソン大管長の以下の引用を読む。「皆さんの行動は思いによって決まります。ですから,思いをコントロールしなければなりません。誘惑に負けてしまうと,思いをコントロールするのは難しくなります。不健全な欲望でなく,良い思いを保つためには,読む物や映画,またほかの娯楽についても慎重な選択をしなければなりません。」(「伝道に備える」『聖徒の道』1985年7月号,39)悪い影響を与えるものに近づかないで,心に徳高い,好ましい思いを満たすための方法について話し合う。

  4. クラスの子供たちが遭遇すると思われる誘惑や問題をそれぞれ別の紙に書いて箱の中に入れておく。学校のテストなどで不正行為をする,いじめる,万引きをするなどの誘惑や問題が考えられる。子供たちに1枚ずつ選ばせて,その問題を避けるために預言者はどのように教えているかを答えさせる。

  5. 日記をつける(スペンサー・W・キンボール,Ensign,1980年12月号,60-61),福音を宣べ伝える(エズラ・タフト・ベンソン「高貴な生得権を持つ若人へ」『聖徒の道』1986年7月号,45-48)などの預言者の教えを選ぶ。日記をつける,クラスにあまり出序していない生徒に働きかけをする活動を計画するなど,預言者の教えに基づいた簡単なクラス活動を行う。

  6. 虹が持つ意味について話し合う(創世9:12-15,および『聖句ガイド』「虹」の項,190参照)。

  7. 以下の復習問題を黒板に書くか,子供たちの人数分コピーを用意する。それぞれの文に該当する記号を下から選んで記入する。

    1. すべての清い獣の中から何頭ずつが箱舟に乗せられましたか(創世7:2)。(注——清い獣とは人々が食料とすることを許されていた獣を指す。)

    2. 雨は何昼夜降り続けましたか(創世7:12)。

    3. 洪水が起きたときノアは何歳でしたか(創世7:6)。

    4. すべての清くない獣は何頭ずつ箱舟に乗せられましたか(創世7:2)。(注——清くない獣とは人々が食べることを許されていなかった獣を指す。)

    5. 水は何日間地球を覆いましたか(創世7:24)。

    6. ノアが箱舟に乗ってから何日目に雨が降り始めましたか(創世7:10)。

      a.600;b.150;c.7;d.2;e.40;f.7

  8. 「感謝を神にささげん」(『賛美歌』11番)または「預言者にしたがおう」(『子供の歌集』58)を歌うか,歌詞を読む。

まとめ

証とチャレンジ

聖文に見られる預言者の教えと,わたしたちに警告と導きと教えを与える近代の預言者たちに対する感謝の気持ちを述べる。次回の総大会で,預言者の教えに特に注意を払い,その教えについて家族と話し合うようチャレンジする。

家族との分かち合いの提案

物語,質問,活動などのレッスンの一部を家族と分かち合ったり,読書課題を家族と一緒に読んだりするよう,子供たちを励ます。

読書課題

本課の復習のため,家庭で創世6:11-227:1-68:15-20を研究するよう,子供たちに提案する。

一人の子供に閉会の祈りをさせる。

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