初等協会テキストと分かち合いの時間
第19課 イスラエルの民を奴隷の境遇から解放するモーセ


第19課

イスラエルの民を奴隷の境遇から解放するモーセ

目 的

神権は神の力であることを子供たちに教える。

準 備

  1. 祈りをもって以下の聖句を研究する。

    注意——『聖書』には,主はパロの心をかたくなにされたと記されているが,ジョセフ・スミスの翻訳では,パロは自分の心をかたくなにしたとされている。

  2. レッスンを検討し,聖文の物語を子供たちにどう教えるかを決める(本書「レッスンの準備」ⅵ—ⅶ,「聖文に基づいて教える」ⅶ—ⅷ参照)。子供たちを参加させ,レッスンの目的を達成するのに最も役立つ「話し合いと応用のための質問」と「レッスンを豊かにする活動」を選ぶ。

  3. 教材

    1. 『聖書』人数分

    2. 教義と聖約』

    3. 視覚資料6-12「紅海を渡る」

レッスン

一人の子供に開会の祈りをさせる。

導 入

子供たちに以下のヒントを与え,教師が何について話しているかが分かったら手を上げさせる。

  • 主はそれによって主の子らを祝福されます。

  • モーセはそれを義理の父であるエテロから受けました。

  • それによって家族が永遠に続きます。

  • それは12歳以上のバプテスマを受けたふさわしい男性に与えられます。

  • それは偉大な力です。

  • その名前は「し」で始まります。

  • それは何ですか。

子供たちがそれは神権であることを当てたら,神権とは何かを知っているかどうか尋ねる。神権は神の権能と力であって,神に代わって業を行うために男性に与えられることを子供たちに理解させる。今日きょうのレッスンではモーセがどのように神権を行使してイスラエルの民を奴隷の境遇から解放したかを学ぶ。

聖文の物語

準備」の項目で挙げられた聖句に基づいてモーセがイスラエルの民を奴隷の境遇から解放した物語を教える(聖文の物語の教え方については,「聖文に基づいて教える」ⅶ—ⅷ参照)。適切な箇所で視覚資料を用いる。イスラエルの民はヨセフの時代からエジプトに住んでいたこと(約400年間),イスラエルの民を嫌うパロが登場して彼らを奴隷にしたことを思い起こさせる。本課の話し合いでは以下の点を強調する。

話し合いと応用のための質問

レッスンの準備に当たって,以下の質問と参照聖句を研究する。子供たちが聖文を理解し,生活に応用するうえで最も役立つと思われる質問をする。教室で子供たちと一緒に参照聖句を読み,それについて話し合うのは,聖文に対する子供たちの理解を深めるのに役立つ。

  • イスラエルの民が3日間荒れ野で礼拝することを許してほしいとモーセとアロンがパロに頼んだとき,パロは何と答えましたか(出エジプト5:2)。パロはイスラエルの民に対してさらに重荷を負わせましたがそれは何ですか(出エジプト5:6-9)。

  • 主はモーセにもう一度パロのもとへ行って,イスラエルの民に自由を与えるように頼みなさいと言われたとき,モーセは自分にはできないと感じました。主はモーセがこの召しを果たすことができるようにどのような助けをお与えになりましたか。(出エジプト7:1-2。ジョセフ・スミスの翻訳では,主はモーセを預言者とし,アロンはモーセの代弁者となるとされていることを指摘する。)パロはこの要請に対してどうこたえましたか。(出エジプト7:3。パロは心をかたくなにした。)

  • モーセとアロンがパロの前で行った最初の奇跡は何ですか(出エジプト7:10)。この奇跡は何の力によって行われましたか。

  • 魔術師たちは何の力によってこの奇跡をまねることができたのですか(出エジプト7:11-12)。アロンの蛇はなぜ魔術師の蛇を飲み込むことができたのですか。神権の力はほかのいかなる力よりも偉大であることを説明する。

  • パロがイスラエルの民に自由を与えなかったためにモーセは10の災いをエジプトに下しましたが,それは何ですか(「レッスンを豊かにする活動」1参照)。

  • パロは災いが起きる度にどのようなことをしましたか(出エジプト8:8,13,15)。

  • 魔術師たちは最初の二つの奇跡については同じように奇跡を起こすことができましたが,その後は災いを同じように起こすことができませんでした。魔術師はどのようなことを理解しましたか(出エジプト8:18-19)。しるしと奇跡はわたしたちの信仰にどのような影響を与えますか(教義と聖約63:9)。しるしと奇跡はあかしを与えるものではないことを説明する。わたしたちは証を得るために自分のなすべきことを行った後に,信仰を強めることになるしるしや奇跡を祝福されることがあります。

  • 10番目の災いで,滅ぼす天使はどのようにしてイスラエルの民の家を過ぎ越すことを知りましたか(出エジプト12:21-23)。イスラエルの民は預言者モーセに従うことによってどのような祝福を得ましたか。わたしたちはなぜ教会の指導者に従わなければならないのですか。

  • モーセがエジプトから脱出させた人々は何人でしたか。(出エジプト12:37。注意——『聖書』には男性の数が記されている。60万人の成人男性のほかに女性と子供がいた。)彼らはどこへ行くかをどのようにして知りましたか(出エジプト13:21)。

  • イスラエルの子らはエジプトのすべての戦車が追って来るのを見てどのような反応を示しましたか(出エジプト14:10-12)。わたしたちはチャレンジに遭遇したときにどのように行動すべきですか。モーセは戦車が近づいて来るとき,人々に何と言いましたか(出エジプト14:13-14)。主はどのようにして彼らを守られましたか(出エジプト14:19-20)。

  • イスラエルの民はどのようにして紅海を渡りましたか(出エジプト14:16,21-22)。モーセは何の力によって水を支配することができましたか。エジプトの軍勢はどうなりましたか(出エジプト14:26-31)。この奇跡はモーセが以前に受けた約束の一部をどのように成就していますか(モーセ1:25-26)。あなたはこれまでの人生で神権の力によってどのように祝福を受けてきましたか。

レッスンを豊かにする活動

以下の活動を,レッスンのどの部分でも,また幾つでも使うことができる。復習やまとめ,チャレンジに利用してもよい。

  1. 子供たちに10の災いが記されている参照聖句とその番号を書いた紙を配付する。子供たちは紙を受け取ったら,参照箇所を開いてその内容を発表する。色鉛筆など絵画の道具を用意して,それぞれの災いの絵を描かせるとよい。そして子供たちは絵を見せながら災いについて話す。

  2. クラスの全員に立たせる。家族で最初に生まれた子供に座らせる。もし座っている子供がモーセの時代にエジプト人の家族に生まれていたとしたら,10番目の災いで殺されていたことを説明する。家の入り口の柱に子羊の血を塗ったイスラエルの民のすべての子供たちは無事だった。滅ぼす天使は彼らを過ぎ越した。イスラエルの民は滅ぼす天使が彼らを過ぎ越したことと,彼らが奴隷の境遇から解放されたことを記念して,毎年過越の祭を行った。

    イエスが地上におられたとき,イエスとイエスの家族は過越の祭を祝っていた(ルカ2:4122:7-8)。傷のない子羊が祭のために殺された。この子羊はわたしたちを救うために亡くなられた神の小羊すなわちイエス・キリストを表している。キリストが十字架上で亡くなられた後,弟子たちは過越の祭に代わって,キリストが最後の晩餐ばんさんで定められた聖餐を受けるようになった。この点を強調するために以下の図を黒板に描くとよい。

    画像
    diagram
  3. 信仰箇条第5条について話し合い,暗記する。

  4. クラスに今年12歳になる少年がいれば,アロン神権を受けるための準備の大切さについて話し合う。彼らに執事の義務(『福音の原則』14章参照)を紙に書かせる。この責任にふさわしい人になるために戒めを守ることの大切さについて話し合う。生涯を通じて神権を尊び,主に仕えるために神権を行使するよう少年たちを励ます。

  5. 「預言者にしたがおう」(『子供の歌集』58),「神権の回復」(『子供の歌集』60),「そなえよう神権に」(『子供の歌集』88)または「愛の言葉」(『子供の歌集』102)を歌うか,歌詞を読む

まとめ

神権の力を使ってイスラエルの民を解放するに当たってモーセが示した勇気と信仰に対するあなたの気持ちを述べる。神権が再び地上に回復されたことに対する感謝を表す。地上で神の名によって行動するために神権の力が行使されるのを目にしたあなたの経験を話すとよい。

家族との分かち合いの提案

物語,質問,活動などのレッスンの一部を家族と分かち合ったり,読書課題を家族と一緒に読んだりするよう,子供たちを励ます。

読書課題

本課の復習のため,家庭で出エジプト14:21-31を研究するよう,子供たちに提案する。

一人の子供に閉会の祈りをさせる。

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