第25課
サムソン
目 的
聖約を守ることによって,霊的な強さを身に付けるよう子供たちに教える。
準 備
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祈りをもって以下の聖句を研究する。
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士師13:1-5,24—マノアの妻はイスラエルをとらわれの身から救うことになる男の子が自分に生まれるという約束を受けた。サムソンが生まれた。
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士師14:5-6—サムソンは素手でライオンを殺した。
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士師15:3-8,11-15,20—サムソンはペリシテ人のまだ刈らない麦を焼き,ろばのあご骨で1,000人のペリシテ人を殺した。
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士師16:2-3—サムソンは町の門の扉を持ち去った。
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士師16:4-20—サムソンはデリラに裏切られて力を失った。
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士師16:21-31—サムソンは両眼をえぐられ,
牢 に入れられた。サムソンは建物を破壊し,3,000人を巻き添えにして自らの命を絶った。
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レッスンを検討し,聖文の物語を子供たちにどう教えるかを決める(本書「レッスンの準備」ⅵ—ⅶ,「聖文に基づいて教える」ⅶ—ⅷ参照)。子供たちを参加させ,レッスンの目的を達成するのに最も役立つ「話し合いと応用のための質問」と「レッスンを豊かにする活動」を選ぶ。
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教材
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『聖書』人数分
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太い棒(任意)
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視覚資料6-32「柱を倒すサムソン」
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レッスン
一人の子供に開会の祈りをさせる。
導 入
子供たちの中から希望者に腕の力こぶを作らせる。そして全員に力こぶを作って筋肉を感じることができるかどうかを尋ねる。二人の子供の間で腕相撲または棒引き(ジョセフ・スミスが好んだゲーム)をさせてもよい。この棒引きは,二人の少年が向かい合って足を伸ばして床に座り,次にひざを曲げて,足の裏を相手の足の裏につける。そして棒の端を持って引っ張り,相手を引っ張って立ち上がらせた方がゲームの勝者となる。
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筋肉はどのような働きをしますか。筋肉を使うとどうなるか,筋肉を使わないとどうなるかについて話し合う。運動することによって筋肉が強くなることを子供たちに理解させる。
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霊も強くなる必要があることを説明する。どうしたら霊的に強くなれますか。(バプテスマの聖約を守る,両親に従う,祈る,教会の集会に出席する,聖文を読む,などによって。)
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霊的に強くなるのはなぜ大切ですか。(誘惑を避けることができる,聖霊の導きに従って判断することができる,善悪を見分けることができる。)
わたしたちは肉体的に強くなる必要があるのと同様に霊的にも強くなる必要があることを子供たちに理解させる。
聖文の物語
適切な箇所で視覚資料を用いて,「準備」の項目で挙げられた聖句に基づいてサムソンの物語を教える(聖文の物語の教え方については,「聖文に基づいて教える」ⅶ—ⅷ参照)。サムソンについて話し合う際,以下の指針と要点を参考にする。
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サムソンはイスラエルの民をペリシテ人から解放するために主によって召された。
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サムソンが使命を果たすためには肉体的な強さが必要とされた。主は,サムソンが主に従うかぎり,肉体的な強さを持ち続けると聖約された。サムソンの長い髪(士師13:5参照)はこの聖約のしるしだった。
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サムソンの個人的な生活を細部にわたって採り上げるのでなく,サムソンはペリシテ人に対して肉体的な力を用いることを許されたことを強調する。
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サムソンはイスラエルの「さばきつかさ」として20年間働いた。
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サムソンは聖約に忠実であったときは民を助ける力を祝福されたが,聖約を破ったときに霊的な力と肉体的な力の両方を失った。
話し合いと応用のための質問
レッスンの準備に当たって,以下の質問と参照聖句を研究する。子供たちが聖文を理解し,生活に応用するうえで最も役立つと思われる質問をする。教室で子供たちと一緒に参照聖句を読み,それについて話し合うのは,聖文に対する子供たちの理解を深めるのに役立つ。
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ペリシテ人はなぜイスラエルの子らを打ち負かすことができたのですか。(士師13:1。イスラエルの民は霊的に弱くなっていたことを指摘する。)
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主の天使はマノアの妻にどのようなメッセージを伝えましたか(士師13:3-5)。天使は彼女の息子がどのような召しを受けると言いましたか。ナジル人は世にかかわる事柄から離れて,主の前に清くなるという聖約を交わしていたことを説明するとよい。ナジル人はこの聖約の中でアルコール飲料を口にせず,髪を切らないという聖約を立てていた(民数6:2-6,8参照)。
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マノアは天使が妻に告げたことを聞いたとき,彼が霊的な力を持つ人であることを表す行いをしましたが,それは何ですか(士師13:8)。わたしたちは祈ることによってどのように霊的な力を強めることができますか。
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サムソンは自分を守るためにまたペリシテ人と戦うために何度も肉体的な力を使うことができました。サムソンはこの肉体的な力をだれから与えられたのですか(士師14:5-6;15:13-14)。主はサムソンが使命を果たせるように肉体的な力を与えられたことを子供たちに理解させる。サムソンは聖約を守り,霊的に強い状態にあった間は,肉体的な強さを祝福されました。わたしたちは聖約を守り,霊的に強い状態を保つとどのような祝福を受けますか(「レッスンを豊かにする活動」4参照)。
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ペリシテ人はデリラに,もしサムソンを捕らえる彼らに手を貸したら,何を与えると言いましたか(士師16:4-5)。なぜ人々は時々お金のために悪を行うと思いますか。わたしたちはどうすればこの世の富から来る誘惑を避けることができるでしょうか。
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サムソンはなぜ最終的にデリラの願いに負けて,強さの秘密を明かしてしまったのでしょうか(士師16:16)。サムソンはなぜ力を失ったのですか(士師16:19-20)。サムソンの力は髪の毛にあったわけではないことを子供たちに理解させる。彼の髪は主との聖約の象徴でした。サムソンが罪を犯して聖約を破ったときに,主はサムソンの肉体的な力を取り去られました(『聖句ガイド』「サムソン」111参照)。
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ペリシテ人はサムソンを捕らえた後,サムソンにどのようなことをしましたか(士師16:21)。後にペリシテ人が自分たちが楽しみ,またあざけるために牢からサムソンを引き出したとき,サムソンはどのようなことを祈りましたか(士師16:28)。
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肉体的な強さと霊的な強さのうち,どちらの方が大切ですか。それはなぜですか。肉体的に強いことはよいことであるが,霊的に強いことはもっと大切であることを子供たちに理解させる。肉体的に強くなれない人々もいるが,聖約を守り,戒めに従うことによって霊的に強くなることはだれにでもできると指摘する。
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霊的に弱くなると,どのようなことが起こりますか。(誘惑に負け,罪を犯し,聖霊の導きを失い,自分の召しを果たし,人々に恵みを与える能力がなくなる。)
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天の御父とイエス・キリストがわたしたちに望んでおられるような生活をするために必要な霊的な力を伸ばすにはどうすればよいでしょうか(「レッスンを豊かにする活動」1参照)。
レッスンを豊かにする活動
以下の活動を,レッスンのどの部分でも,また幾つでも使うことができる。復習やまとめ,チャレンジに利用してもよい。
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霊的に強くなる行いを子供たちに順番に挙げさせる。例えば,教会の集会に出席する,だれかのために善いことをする,毎日祈る,家族の中で平和を作り出す人になる,聖文を読むなど。子供たちの答えを黒板に書き出す。子供たちからの答えが出尽くしたら,「わたしは以下の行いによって霊的に強くなることができます」と標題を書いた紙と鉛筆を全員に配り,今週1週間,「鍛えたい」と思う「霊の筋肉」または努力したいと思う事柄を一つ以上書き出させる。この紙を家に持ち帰って,よく目につく場所にはっておくよう勧める。
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「レッスンを豊かにする活動」1を利用して,子供たちに自分が紙に書いた項目を一つ選んで,順番にそれをパントマイムで演じるか,黒板に絵を描いて,ほかの子供に当てさせる。
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サムソンは主と聖約を交わしたがそれを守らなかったことを子供たちに気づかせる。
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あなたはバプテスマを受けたときに,天の御父とイエス・キリストとどのような聖約を交わしましたか(モーサヤ18:8-10参照)。これらの聖約を守るとどのように霊的に強くなるかについて話し合う。子供たちは神殿へ入るときに聖約を交わし,守ることによって生活の中で霊的に大きな力を得,また子供たちがすでに交わした聖約を守ることを通してこの大きな祝福を受ける備えが今からできることを指摘するとよい。
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レッスンの前に,子供たち一人一人が持っている強さを見つけ出しておく。以下のような文章を書いて一人一人に手渡す。「愛する____さん,あなたは毎週プライマリーに出席する強さを持っています。」ほかに以下のような内容にしてもよい。
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ほかの人たちに親切にする
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証 を分かち合う -
両親のお手伝いをする
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平和を作り出す人になる
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友達と仲良くする
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聖文を読む
わたしたちは皆,様々な強さを持っていることを指摘する。天の御父はこれらの強さを使って天の御父と人々に奉仕することをわたしたちに望んでおられる。名前を読み上げずにあなたが準備したカードの文章を読み,子供たちに渡す。これは天の御父が子供たちに祝福として与えてくださった多くの強さの中の一つであることを理解させる。クラスの子供たちが持っている様々な強さを考える機会を与える。今週これらの強さをさらに伸ばすよう勧める。
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アダムとエバ,ノア,アブラハム,リベカ,そのほかの絵を配り,彼らがどのような霊的な強さを持っていたかを子供たちに発表させる。
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初等協会会長の承認を得て,ワードの会員をクラスに招いて,霊的な強さを伸ばした経験について話してもらう。(話者には制限時間を伝えておく。)
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「福音の教えよく守りましょう」(『子供の歌集』72)または「勇者になろう」(『子供の歌集』85)を歌うか,歌詞を読む。
まとめ
証
霊的な強さを伸ばし,いつの日か天の御父とイエス・キリストのもとへ帰ることができるような生活をすることの大切さについて証する。
家族との分かち合いの提案
物語,質問,活動などのレッスンの一部を家族と分かち合ったり,読書課題を家族と一緒に読んだりするよう,子供たちを励ます。
読書課題
士師13:1-5,24;15:20;16:25-30を研究するよう,子供たちに提案する。
一人の子供に閉会の祈りをさせる。