子供たちがバプテスマ,確認の儀式,聖 せい 餐 さん を受けられる特権に感謝するようになる。
一人の子供に開会の祈りをさせる。
鉛筆と本課の最後にある迷路のコピーを子供たち全員に配る。「門」から「永遠の命」に続く道を探して線を引かせる(迷路を大きな紙に書いた場合,子供たち全員で道を探させる)。
子供たちが皆同じ道を見つけたかどうか迷路を比べさせる。迷路には正しい道が一つだけある。ほかの道はすべて行き止まりである。この点に注目させる。
人生は迷路のようであると子供たちに説明する。わたしたちは様々な決定をして様々な道を歩むが,わたしたちを永遠の命と天父とイエス・キリストに導く道はただ一つだけである。その道とはイエス・キリストの福音である。
2 ニーファイ31:17 を読むか,一人の子供に声を出して読ませる。イエス・キリストの教会に入るためのバプテスマは,永遠の命への道を歩み始めるための「門」であると説明する。
背教の後,地上からイエス・キリストの福音が取り去られたことを教える。神権も地上からなくなったので,バプテスマ,確認の儀式,聖餐を正しく受けられなくなった。このため,末日に福音と神権を回復しなければならなかった。
末日における神権とイエス・キリストの教会の回復について簡単に復習する(第8課 と第11課 参照)。神権が回復され,神権者がバプテスマ,確認の儀式,聖餐の祝福やパスができるようになった。この点を説明する。これらの儀式が,正しい権能を持った人により執り行われるのは背教以来初めてである。
バプテスマ,確認の儀式,聖餐式に関する主の指示について「準備」で挙げた聖文から教える。またバプテスマと確認の儀式を受けたいという初期の聖徒たちの望みについて以下の歴史記事から教える。適切な箇所で地図を用いる。
ジョセフ・スミスは,イエス・キリストの教会に入りたいと思う人はだれでも,その罪を悔い改め,謙遜 けんそん になり,喜んでイエス・キリストに仕えなければならないという啓示を受けた(教義と聖約20:37 参照)。そのようにして人は,バプテスマを受け教会に入り罪の赦 ゆる しを得るのである。
教会を組織するための集会以前にバプテスマを受けた人は,その集会で教会の会員に確認され,聖霊の賜物が与えられた。そこに出席した人々は聖餐も受けた。預言者の父と母であるジョセフ・スミス・シニアとルーシー・マック・スミスやそのほかにまだバプテスマを受けていなかった人々は,その集会の後にバプテスマを受けた。預言者の両親はバプテスマを受けて大変喜んだが,ジョセフ・スミスも喜びに満たされた。ルーシー・マック・スミスは,自分の夫がバプテスマを受けて水から上がったとき,「ジョセフが岸に立ってその手を取り,喜びの涙を流しながら叫んだ。『神はほむべきかな。わたしの父がバプテスマを受けてイエス・キリストの真実の教会に入るのを生きて目の当たりにしている。』」と記している(ルーシー・マック・スミス,History of Joseph Smith , 168)。
教会は発展し始めた。ジョセフ・スミス,オリバー・カウドリ,宣教師たちの教えを聞いて多くの人が教会に入りたいと思った。ほかの教会でバプテスマを受けていた人は,なぜもう一度バプテスマを受ける必要があるのか疑問に思った。ジョセフが主に尋ねると,教義と聖約22章 の啓示を受けた。この啓示で主は,ほかの教会でバプテスマを受けた人は,正しい神権の権能を持った人からバプテスマを受けていないので,権能を持った人からもう一度バプテスマを受ける必要があると教えられた。
教会が組織されてから2か月後,ジョセフ・スミス,エマ・スミス,オリバー・カウドリとそのほかの人々は,ニューヨーク州のコールズビルに出かけた。そこに住んでいる人の数人がバプテスマを望んでいたからである。彼らがコールズビルに着いたとき,川をせき止めてバプテスマをする池を作った。しかしその夜,敵の暴徒が来てその池を壊した。次の日の日曜日,聖徒たちは集会を開いてオリバー・カウドリが話をし,出席した人が悔い改めとバプテスマ,聖霊の賜物に関する証 あかし を述べた。そこに数人の暴徒が集会に出席して,集会が終わると聖徒たちを侮辱しました。
月曜日の朝,教会の会員は川のせき止めを直して,預言者の妻エマと12人のためにバプテスマ会を開いた。バプテスマ会が終わるころ,暴徒たちが再度結集し聖徒に危害を加えると脅かした。聖徒たちが家の近くまで行ったとき,暴徒たちが追って来た。しかし,天父が聖徒たちを守ってくださったので危害は加えられなかった。
バプテスマを受けた人々に確認の儀式を行うために,その日の夕方に集会が予定されていたが,集会が始まる少し前に治安公務官(法律を執行する役人)が来て,「治安を乱す者,……モルモン書から教えを説いて国を混乱に陥れている」と言ってジョセフ・スミスを逮捕した(History of the Church , 第1巻,88)。治安公務官は,暴徒がジョセフに危害を加えようと計画していたのを知り,ジョセフを荷馬車に乗せて暴徒たちから遠ざけたのである。途中,車輪が1つ外れて荷車が止まったので,また暴徒に囲まれるところであった。彼らはすぐに車輪を取り替えて道を急いだ。治安公務官は,ジョセフを別の町に連れて行った。その夜ジョセフを暴徒たちから守るために,治安公務官は銃弾を詰めた銃をそばに置いて眠りについた。
次の日裁判が開かれたが,ジョセフの罪を立証する証拠がなかったので解放された。ジョセフはまた別の治安公務官にすぐ捕らえられ,別の町で裁判にかけられたが,ここでも証拠がなかったのでやっと家に帰れるようになった。
それまでの間,コールズビルの聖徒たちは,ジョセフが無事であり,戻って来て自分たちを教会の会員に確認してくれるように祈っていた。8月の終わりにジョセフとオリバーは,何人かの人と一緒にコールズビルに戻った。途中,道路で仕事をしてる大勢の作業集団に出会った。その中に預言者に敵対する者がいて,預言者とその随行者を間近に見たが,だれであるか分か らなかったのでそのまま通過させた。この奇跡により,ジョセフは無事にコールズビルに着き,会員たちは確認の儀式と聖餐を受けられたのである。
8月の初めごろ,ジョセフは妻のエマともう一人の女性に確認の儀式を行うために小さな集会を予定していた。ジョセフが聖餐のためにぶどう酒を求めに出かけたとき,天使に出会った。天使は,敵からぶどう酒を買わないようにジョセフに語った(教義と聖約27:3 )。さらにキリストの贖 しょく 罪 ざい を記念して受けるのであれば,聖餐式で何を食べ何を飲んでもかまわないとその天使は語った(教義と聖約27:2 参照)。
レッスンの準備に当たって,以下の質問と参照聖句を研究する。子供たちが聖文を理解し,生活に応用するうえで最も役立つと思われる質問を,採り上げる。教室で子供たちと一緒に聖句を読んで話し合えば,聖文に対する子供たち一人一人の理解力を深めるのに役立つ。
わたしたちはどうしてバプテスマを受けるのでしょうか(わたしたちの罪が赦されるためとイエス・キリストの教会員になるため(教義と聖約20:37 )。バプテスマを受けるためにどのような準備をしなければなりませんか(教義と聖約20:37 )。わたしたちが真に悔い改めてバプテスマを受けると,わたしたちの罪がどのようになると約束されていますか(罪が赦される。教義と聖約58:42 )。
バプテスマを行うには,どのような権能または神権が必要ですか(ジョセフ・スミス—歴史1:69 )。ジョセフ・スミスとオリバー・カウドリはどのようにこの神権を受けましたか(ジョセフ・スミス—歴史1:68-71 )。ほかの教会では,どうして主がお認めにならないバプテスマをしているのでしょうか(教義と聖約22章 )。
わたしたちがバプテスマを受けたあと,どのようにして会員に確認されますか(教義と聖約20:41 )。その儀式を行うにはどのような神権の権能が必要ですか(ジョセフ・スミス—歴史1:70,72 )。わたしたちが教会の会員に確認されるとき,どのような賜物を受けますか。聖霊の賜物にふさわしくあるために,どのような生活をしなければなりませんか。
ジョセフ・スミスの両親がバプテスマを受けたとき,彼はどうして喜んだと思いますか。皆さんは,バプテスマを受けて真実のイエス・キリストの教会に入りましたが,なぜそのことに感謝していますか。
教会に敵対する者たちは,どのようにしてコールズビルの聖徒たちのバプテスマを妨害しましたか。新しくバプテスマを受けた聖徒たちは,どうしてその日に確認の儀式が受けられなかったのですか。ジョセフ・スミスはどのように暴徒たちから守られましたか。
バプテスマと確認の儀式を受けるために,聖徒たちはどうして喜んで危険に立ち向かったと思いますか。聖徒たちがバプテスマと確認の儀式を受けたとき,どのように感じたと思いますか。皆さんが正しいことをしたとき,どのように感じますか。
聖餐に用いる物について,天使はどのようにジョセフ・スミスに語りましたか(教義と聖約27:2 )。現在,わたしたちは聖餐に何を用いていますか(教義と聖約27 の前書き参照)。聖餐を受けるとき,わたしたちは何を思い起こすとよいのでしょうか(教義と聖約27:2 )。
聖餐のパンを食べるとき,わたしたちは何をすると約束しますか(教義と聖約20:77 )。聖餐の水を飲むとき,わたしたちは何をすると約束しますか(教義と聖約20:79 )。イエス・キリストの御 み 名 な を受けるとはどのような意味ですか。いつも御子を覚えるとはどのような意味ですか。1週間皆さんはどのようにしてイエスを覚えていますか。
聖餐を受けることにより,バプテスマの聖約をどのように心にとどめられますか。
以下の活動を,レッスンのどの部分でも,また幾つでも使うことができる。復習やまとめ,チャレンジに利用してもよい。
一人または数人の子供たちにモーサヤ18:8-10 を声を出して読ませ,別の子供に教義と聖約20:37 を声を出して読ませる。
黒板に以下の文を書く。
わたしたちがバプテスマを受けるときに交わす証(約束)-
人々に奉仕する。
戒めを守る。
いつも神を証する人になる。
イエス・キリストの御名を受ける。
これらの聖約(約束)の意味を短く話し合う。
二人の子供に教義と聖約20:77,79 から聖餐の祈りの言葉を読ませる。子供たちに祈りの言葉を聞かせ,バプテスマのときの約束と同じか似ている言葉があったら手を上げさせる。
聖餐の歌と祈りは,どのようにバプテスマのときの約束を思い出す助けになるか話し合う。
バプテスマの後に戒めに従い続ける大切さを子供たちに理解させる(2 ニーファイ31:17-20 参照)。クラスが始まる前に,バプテスマの後に細くて狭い道を歩み続ける方法(祈る,聖文を読む,什 じゅう 分 ぶん の一を払う,両親に従うなど)と,道から離れる方法(兄弟姉妹と争う,うそをつく,知恵の言葉に従わないなど)を別々の用紙に書いておく。
イエス・キリストの福音は,時々「細くて狭い道」であると言われる(2 ニーファイ31:18 参照)。これを子供たちに説明するために,長い1本のひも,ロープ,テープのいずれかを床に置いて,細くて狭い道を表す。
希望者を一人募り,床に置いたひも,ロープ,テープのいずれかの端に立たせる。あなたが準備した文章をクラスの子供たち全員に1枚かそれ以上渡す。1度に一つの文章を声を出して子供たちに読ませ,その内容が細くて狭い道に留まらせるものか,離れさせるものかをその狭い道に立った子供に判断させる。留まらせるものであれば,子供に小さく1歩前進させる。離れさせるものなら,道から横に1歩ずれさせる。その後留まる内容の文章が読まれたら,子供を細い道に戻させる。子供がその糸かテープの端に来るまで続ける。
戒めに従ってイエス・キリストが望んでいるように行うなら,天父とイエスとともに永遠に住む準備ができると教える。子供たちに鉛筆と紙を渡して細くて狭い道に留まるために今週することを一つか二つ書かせてもよい。
一人の子供に教義と聖約20:37 を読ませ,バプテスマを受ける準備ができた人の特質を黒板に書かせる。答えとして以下が考えられる。
謙遜 けんそん である
打ち砕かれた心を持っている
悔いる精神を持っている
喜んでイエス・キリストの御名を引き受ける
悔い改めている
最後まで主に仕えると決心している
行いによって誠実であることを示す
これらの特質について子供たちと話し合い,バプテスマを受けた後にどのようにするとこれらの性質をもっと伸ばせるか話し合う。今週中に教義と聖約20:37 を読んで考え,聖餐を受ける備えをするように励ます。
バプテスマのヨハネがイエスにバプテスマを施している視覚資料を見せる(『福音の視覚資料セット』208)。
現在,多くの人々が,暖かくてきれいな水を満たしたバプテスマフォントでバプテスマを受けている。しかし,人を沈めるために十分な水があれば,人はどこででもバプテスマを受けられる。過去と同様に現在でも,人々は川,湖,海,水タンク,スイミングプールなどでバプテスマを受けている。ジョセフ・スミスは川でバプテスマを受けたし,何人か の教会の大管長も川や池や運河などでバプテスマを受けた。ハワード・W ・ハンターはスイミングプールでバプテスマを受けた(ウィリアム・G ・ハートレイ,“Our Prophets’ Outdoor Baptisms,” Friend , 1988年3月号,30-31;“President Howard W. Hunter: The Lord’s ‘Good and Faithful Servant,’” Ensign , 1995年4月号,9)。
バプテスマを受ける場所は人にとって大切ですか。
人がバプテスマを受けるときに大切なのは何ですか。
どこでバプテスマを受けようと,正しい神権の権能を持った人から水に沈められるバプテスマを受けるのが大切であると教える。
バプテスマを受けたいと思っていても困難に直面する人がたくさんいる。例えば,家族や友達の賛成を得られない人もいる。教会が発展し始めたばかりの国では,バプテスマを施す場所が見つけ難い場合もある。
バプテスマを受けるときの困難を克服した人の話をする。以下の記事を使ってもよい。
アフリカのケニア共和国では,バプテスマ会を開くために様々な準備をしなければならない。彼らは隣の国から水を入れるタンクを買った。井戸から水をくみ出し,そこから6.5キロ離れた教会の建物に水を運ぶのに5時間もかかった。バプテスマをして人を完全に沈めるにはタンクの中の水位が十分ではなかったので,タンクの中に10人の人が立って水位を上げたのである(E ・デール・レバロン,“Pioneers in East Africa,” Ensign , 1994年10月号,22)。
子供たちが信仰箇条1:4 を復習し,覚えられるようにする。
「にじが好きです」(『子供の歌集』53)を歌うか,歌詞を読ませる。
バプテスマ,確認,聖餐などの儀式とこれらの儀式からあなたが受けた祝福に感謝の気持ちを表す。
本課の復習のため,家庭で教義と聖約20:72-79 と2 ニーファイ31:17-21 を研究するよう,子供たちに提案する。
子供たちが,物語,質問,活動,家庭学習の提案などのレッスンの一部を家族と分かち合うように励ます。読書課題を家族で一緒に読んでもいい。
一人の子供に閉会の祈りをさせる。