第9課
金版を見た証人たち
目的
モルモン書が真実であると
準備
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この課の歴史記事，教義と聖約17章，モルモン書の「三人の証人の証」と「八人の証人の証」，2 ニーファイ27：12－14；エテル5：2－4を祈りの気持ちで研究する。それからレッスンを検討し，聖文と歴史記事を子供たちにどう教えるか決める（本書「レッスンの準備」ⅵ－ⅶ，「聖文と歴史記事に基づいて教える」ⅶ－ⅷ参照）。
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子供たちを参加させ，レッスンの目的を達成するのに最も役立つ「話し合いのための質問」と「レッスンを豊かにする活動」を選ぶ。
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教材
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教義と聖約とモルモン書（人数分）
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品物の入ったバッグか箱（導入参照）
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視覚資料5－17「ジョセフ・スミス，オリバー・カウドリ，デビッド・ホイットマーに金版を見せるモロナイ」；5－18「金版を見る八人の証人」
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レッスン
一人の子供に開会の祈りをさせる。
導入
何か品物を入れたバッグか箱を子供たちに見せる。中を見せないで説明する。
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ほんとうにバッグ（箱）の中に品物が入っていると思いますか。
ある子供たちはあなたをよく知っていて信頼しているのでバッグや箱の中に品物が入っているのを信じるかもしれないし，また別の子供たちはその品物を見ていないので信じないかも知れないこの点に注目させる。3人の子供に，こちらに来て品物を見るように言う。クラスにいる生徒にその品物が何だったかを教えるように言う。3人がその品物を見て証したので，その品物がバッグや箱の中にあるのを信じるのは以前より簡単であると説明する。
ジョセフ・スミスが金版を翻訳したときの記録を子供たちと復習する。このとき，実際に金版を見たのはジョセフ・スミスだけであったと説明する。2 ニーファイ27：12を子供たちと一緒に声を出して読む。
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モルモン書が世に出るとき，天父は何をされると約束されましたか。
金版の存在を人々に知らせるため，天父は証人に金版を見せると約束された。
聖文と歴史記事
金版を見た3人の証人と8人の証人の経験について，モルモン書の扉にある「三人の証人の証」と「八人の証人の証」，教義と聖約17章と以下の歴史的記録から教える。適切な箇所で視覚資料を用いる。
デビッド・ホイットマーがジョセフ・スミスの助け手として加わる
1829年の5月までに，モルモン書の翻訳はほとんど完成していた。ジョセフ・スミスは約2年間金版を所有していたが，実際に翻訳したのは合計約3か月であった。ジョセフは注意深く金版を守り，だれにも金版を見せずにいた。しかしジョセフは，ハーモニーでは金版が安全でないのを心配するようになった。ジョセフの筆記者を務めていたオリバー・カウドリは，友人のデビッド・ホイットマーに手紙を書いた。デビッド・ホイットマーはジョセフ・スミスについて知らなかったが，オリバー・カウドリは自分と預言者をニューヨーク州フェイエットに連れて行くように依頼した。そこで彼らの安全が確保されて翻訳を完成できると思ったからである。
しかしデビッド・ホイットマーが，荷馬車でジョセフとオリバーを連れて来る前に，春の植え付けのために畑の準備をしなければならなかった。朝デビッドが土地を耕すために外に行くと，だれかがすでに畑の一部を耕してあった。その仕事の出来映えはとても良く，すきがあぜ道に置いてあって，仕事が続けられるようになっていた。1日の耕作が終わると，普通なら2日かかる仕事を1日で終えた。デビッドの父ピーター・ホイットマー・シニアは，この奇跡に感動してこう言った。「これには大きな力が働いているに違いない。焼石膏を撒いたらすぐにペンシルベニアに行くとよい。」（ルーシー・マック・スミス，History of Joseph Smith，148）その地域の農夫は，土地の酸化を防ぐために焼石膏を土に加えていた。次の日，デビッドは焼石膏を置いてある姉の家の近くの場所に行くと，焼石膏がなくなっていた。デビッドの姉は，昨日3人の見慣れない人がものすごいスピードで上手に焼石膏をまいていたのを姉とその子供たちが見たとデビッドに話した。その人たちはデビッドが雇った人であると姉は思っていたが，デビッドは主が備えられた助け手であることを知ったのである。
デビッドは，神の助けに感謝し急いでハーモニーに出かけた。デビッドが町近くまで来ると，ジョセフとオリバーが出迎えていたのでデビッドはびっくりした。デビッドは，自分が
3人の証人，金版を見る
モルモン書の翻訳が終わり近くになると，ジョセフは，自分の他に金版を見る人が3人いることを知った（エテル5：2－4参照）。翻訳を手伝ったマーティン・ハリス，オリバー・カウドリ，デビッド・ホイットマーは，3人の証人が金版を見る機会があるのを知り，この証人になる許可を得たいと思った。ジョセフ・スミスがこの件について祈ると，もしこれらの3人が
1829年のある夏の日，ジョセフ・スミス，オリバー・カウドリ，デビッド・ホイットマー，マーティン・ハリスは，金版を見る準備をするためにホイットマー家の近くの森に入った。全員ひざまずき順番に祈りをささげたが答えはなかった。再びそれぞれが祈りをささげたが，依然として答えは得られなかった。マーティン・ハリスは，自分の行いのために答えが得られないのだと感じ，その場を去った。残った人がもう一度ひざまずいて祈ると，すぐに頭上に光が現れて天使モロナイが彼らの前に立った。モロナイは手に金版を持ち，金版を一枚一枚開き，金版上の彫刻文字を見せた。その後，主の声が彼らに告げた。「この金版は神の力により現され，神の力により翻訳された。あなたがたが見た金版の翻訳は正しいものである。わたしはあなたがたに命じる。あなたがたが今見聞きしたことを証するように。」（History of the Church，第1巻，55）
その後ジョセフ・スミスは，マーティン・ハリスを探しに行った。ジョセフは，マーティンが熱心に祈っているのを見つけ，マーティン・ハリスの祈りに加わった。そうすると，ジョセフ，オリバー，デビッドが見たのと同じ示現がマーティン・ハリスにも開かれた。3人の証人は，自分たちの経験を文章にして証をした（「三人の証人の証」参照）。
8人の証人，金版を見る
その数日後，ジョセフ・スミスはまた別の8人が金版を見るように招いた。それにはジョセフの父と二人の兄弟が含まれていた。今回は天使は降りて来なかった。証人たちがジョセフの周りに集まり，ジョセフが彼らに金版を見せたのである。8人の証人たちは，手で金版に触れ，金版をめくり，封印されていない箇所の見慣れない彫刻文字に触れた。彼らは，金版の確かな存在を文章に書いて証をした。8人の証人とは，ジョセフ・スミス・シニア，ハイラム・スミス，サミュエル・H・スミス，クリスチャン・ホイットマー，ジェイコブ・ホイットマー，ピーター・ホイットマー・ジュニア，ジョン・ホイットマー，ハイラム・ページである（「八人の証人の証」参照）。
11人のすべての証人は，その後教会で重要な地位を占めた。その中には後日教会を去った人もいるが，だれ一人として金版に対する証を否定した人はいなかった。
話し合いと応用のための質問
レッスンの準備に当たって，以下の質問と参照聖句を研究する。子供たちが聖文を理解し，生活に応用するうえで最も役立つと思われる質問を，採り上げる。教室で子供たちと一緒に聖句を読んで話し合えば，聖文に対する子供たち一人一人の理解力を深めるのに役立つ。
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オリバー・カウドリ，デビッド・ホイットマー，マーティン・ハリスが金版の証人になるために何をするように言われましたか。ジョセフ・スミス，オリバー・カウドリ，デビッド・ホイットマー，マーティン・ハリスが証人になることについて祈るために森に入ったとき，何が起こりましたか。ジョセフ・スミス，オリバー・カウドリ，デビッド・ホイットマーに，金版はどのように示されましたか。マーティン・ハリスを助けるためにジョセフ・スミスはどうしましたか。なぜマーティン・ハリスは最終的に，ほかの2人の証人と同じ示現が開かれたと思いますか。3人の証人の話から最も印象に残ったのは何ですか。
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3人の証人は，この経験の後何をするように告げられましたか。金版が本物であると証するように語ったのはだれでしたか（「三人の証人の証」参照）。ほかの人が金版を見ることについてジョセフ・スミスは喜んでいましたが，それはなぜだと思いますか（「レッスンを豊かにする活動」の1を参照）。
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8人の証人には，どのように金版が示されましたか。8人の証人の経験は，3人の証人の経験とどのように違っていましたか。
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証人が金版を見るのはなぜ必要だったのですか（エテル5：4；2 ニーファイ27：12－14）。証人の証は，現在のわたしたちにとってどのように祝福になっていますか。皆さんはどのようにしたらモルモン書の証人になれると思いますか。（その点について研究する。モルモン書が真実であり，その教えに従って生活し，モルモン書について人々に話せるように祈る，などが答えとして考えられる）
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個人で，または家族でモルモン書を家庭で読んでいる人は皆さんの中でどのくらいいますか。モルモン書を読んでいる皆さんと皆さんの家族はどのように祝福されていますか。
レッスンを豊かにする活動
以下の活動を，レッスンのどの部分でも，また幾つでも使うことができる。復習やまとめ，チャレンジに利用してもよい。
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3人の証人に金版が示された後ジョセフ・スミスは家に戻って来たが，そのときの様子についてジョセフ・スミスの母が記録している。次の記録を読むか話して聞かせる。
彼ら（ジョセフと3人の証人）が家に戻って来たとき，午後3時から4時の間であった。ホイットマー夫人とスミス氏とわたしは，そのときベッドルームで座っていた。ジョセフは入ってくるなり，自分の体をわたしの隣に投げ出して叫んだ。「お父さん，お母さん，ぼくがどんなに幸せな気持ちか知らないでしょう。主はたった今ぼくのほかの3人に金版を見せてくださったんだよ。……彼らは，ぼくの言葉がほんとうであると証をしなくてはならないんだ。……重くてほとんど耐え切れない荷物から解放されたような気がするよ。」（ルーシー・マック・スミス，History of Joseph Smith，プレストン・ニブレー編，[Salt Lake City: Bookcraft, 1958]，152）
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なぜジョセフは，ほかの人が金版を見たことで安心したのでしょうか。
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モルモン書とその教えの証人となる方法を子供たちに考えさせる。子供たちの答えを黒板に書く。だれかが教会の信条やモルモン書の教えについて質問するような状況を作り，子供たちに証人として実演させる。
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証人は無作為に選ばれたのではなく，モルモン書を世に出すために様々な方法で協力した人たちであった。この点に注目させる。3人の証人に関する以下の情報について話す（または，3人の子供たちに発表するように前もって割り当てる）。
マーティン・ハリス
ジョセフ・スミスがニューヨークで迫害に悩まされていたとき，マーティン・ハリスは，ペンシルベニア州ハーモニーへの移動の足しになるようジョセフ・スミスに50ドルを渡した。マーティン・ハリスは，モルモン書を出版する資金を捻出するために自分の農場を抵当に入れた。彼の農場の一部は，モルモン書の印刷費用を払うために競売にかけて売らなければならなかった。マーティン・ハリスは，短い間ジョセフ・スミスの書記を務めた（『時満ちる時代の教会歴史』45－46，61－65参照）。
オリバー・カウドリ
オリバー・カウドリは学校教師で，スミス家の家族と住んでいたときにジョセフ・スミスの示現と金版について聞いた。自分が聞いた話が真実かどうかを知るために彼が祈ると，真実であるという答えを受けた。彼は，ペンシルバニア州ハーモニーに行ってジョセフ・スミスに会い，筆記者として働いた。オリバー・カウドリも幾つかの活字を自分の手で組むなどしてモルモン書の出版の手助けをした（『時満ちる時代の教会歴史』52－53，63参照）。
デビッド・ホイットマー
デビッド・ホイットマーは，友人のオリバー・カウドリからジョセフ・スミスと金版の翻訳に関する手紙を数通受け取った。オリバー・カウドリは，彼に翻訳を数行送り，金版に書かれた記録について証を述べた。デビッド・ホイットマーは，これらの手紙を家族に見せた。ハーモニーでの迫害が悪化してきたので，オリバー・カウドリは，ジョセフ・スミスをデビッド・ホイットマーの家に滞在させて翻訳を完成できるよう頼んだ。デビッド・ホイットマーは，ジョセフ・スミスを連れにハーモニーに行く準備をする際に奇跡を経験した（『時満ちる時代の教会歴史』56－57）。
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以下の物語を自分の言葉で話す。
ジョセフ・スミスとエマ・スミス，およびオリバー・カウドリは，モルモン書を翻訳している間，デビッド・ホイットマーの両親であるピーター，メアリー・ホイットマーの家に住んでいた。これらの客を迎え，たくさんの仕事がメアリー・ホイットマーに降りかかってきたが，彼女は一言も不平を漏らさなかった。ある日，彼女が牛の乳を搾りに牛小屋に行くと，優しそうな老人に会った。その老人は実は天使モロナイで，そのとき金版を持っていた。モロナイは，「あなたは，自分の仕事に非常に忠実にしかも勤勉に働いてきました。しかし苦労が増えたため，あなたは疲れています。したがって，あなたの信仰が強められるように証を受けるのは正しいことです。」と言って，彼女に金版を見せたのである。この経験によりホイットマー家全員が強められたのである。」（“Report of Elders Orson Pratt and Joseph F. Smith,” Millennial Star，1987年12月9日付，772－773，または『時満ちる時代の教会歴史』57参照）
まとめ
モルモン書が真実であると証する。モルモン書と救い主イエス・キリストを証する人になれることに感謝する。モルモン書に関する証を家族に述べるように子供たちを励ます。
読書課題
本課の復習のため，家庭で教義と聖約17：1－4，「三人の証人の証」「八人の証人の証」を研究するよう，子供たちに提案する。
家族との分かち合いの提案
子供たちが，物語，質問，活動，家庭学習の提案などのレッスンの一部を家族と分かち合うように励ます。読書課題を家族で一緒に読んでもいい。
一人の子供に閉会の祈りをさせる。