預言者ジョセフ・スミスが天父と御子イエス・キリストに会ったという,子供たち一人一人の証 あかし を強める。
ジョセフ・スミス—歴史1:1-26 ,本課の歴史記事を祈りの気持ちで研究する。それからレッスンを検討し,聖文と歴史記事を子供たちにどう教えるか決める(本書「レッスンの準備」 ⅵ-ⅶ,「聖文と歴史記事に基づいて教える」 ⅶ-ⅷ参照)。
子供たちを参加させ,レッスンの目的を達成するのに最も役立つ「話し合いのための質問」と「レッスンを豊かにする活動」を選ぶ。
教材
高価な真珠(人数分)
本課の最後にある「ニューヨーク-オハイオ地域の地図」
視覚資料5-1「預言者ジョセフ・スミス」(『福音の視覚資料セット』401);5-3「ジョセフ・スミスの家族」;5-4「聖書の中に知恵を求めるジョセフ・スミス」(『福音の視覚資料セット』402);5-5「聖なる森」;5-6「最初の示現」(『福音の視覚資料セット』403)
一人の子供に開会の祈りをさせる。
一人の子供にしばらく教室の外で待つように言う。クラスのほかの生徒に,中身を隠したまま二つの入れ物を見せる。生徒を二つのグループに分け,それぞれのグループに入れ物を一つずつ渡す。その上で次のように言う。「外にいる子が戻ってきたら,自分のグループの入れ物を選ぶように,それぞれのグループで説得してください。」外の子供に教室に入るように言い,入れ物を一つ選ばせる。その子供が入れ物を選んだら,次のような質問をする。
ジョセフ・スミスも14歳のとき,自分がしなければならない選びのことで迷った。加わるべき教会を決めようとしたのである。周りの人々は彼がどの教会に加わればよいか助けようとしたが,ジョセフは混乱しただけであった。彼は賢い選びをするにはもっといろいろなことを知る必要があると思い,どの教会がほんとうか知りたいと思った。ジョセフは,二つの入れ物から一つを選ばなければならない先ほどの子供とよく似た状況に置かれていた。みんながジョセフに自分たちの教会を選んでほしいと思っていたが,ジョセフにはどの教会を選べばよいか分からなかった。
ジョセフ・スミス—歴史1:1-26 や次の記事にあるように,最終的には最初の示現を受けることになったジョセフ・スミスの生活や出来事を子供たちに説明する。適宜,地図や視覚資料を見せる。
ジョセフ・スミスは1805年アメリカのバーモント州で生まれた。9人兄弟の4人目であった。ジョセフが10歳のとき,家族はニューヨーク州に移り,パルマイラという町の近くに住んだ(地図で場所を示す)。スミス家族は貧しく,食物や必要な品々を得るには,家族全員が一生懸命に働かなければならなかった。パルマイラに移り住む前に家族は何度も引っ越しを繰り返していた。しかし,パルマイラで手に入れた農場では穀物がよく育った。
ジョセフはほとんど学校に通えなかったので,読み書きの基本と簡単な計算しかできなかった。ジョセフの母親が語るところによれば,彼が示現を受けるまでは,同い年のほかの子供た ちと変わったところはなかったと言う。ジョセフ・スミスは静かで行儀が良く,大切な事柄について勉強したり,考えたりするのが好きな子供で,背が高く,運動好きで,容易に怒らない,陽気な子供であった。
ジョセフの家族は神を愛し,戒めを守りたいと思っていた。皆,聖書を読み,度々祈って,ジョセフのように,どれがほんとうのイエス・キリスト教会であるか知りたいと思っていた。ジョセフが最初の示現を受けると,家族は彼を信じ,その召された偉大な業を果たせるように彼を助けた。
今年は,教義と聖約と教会歴史を勉強することを説明する。教義と聖約は神から与えられた啓示を集めたもので,そのほとんどがイエス・キリストによって預言者ジョセフ・スミスに与えられた啓示を収める。教会の初期にあった歴史的な出来事の多くは,ジョセフ・スミス自身が高価な真珠の「ジョセフ・スミス—歴史」の中に記している。高価な真珠の中からこの部分を探せるよう子供たちを助ける。
レッスンの準備に当たって,以下の質問と参照聖句を研究する。子供たちが聖文を理解し,生活に応用するうえで最も役立つと思われる質問をする。教室で子供たちと一緒に参照聖句を読むのは,聖文に対する子供たちの理解を深めるのに役立つ。
ジョセフ・スミスはいつ,どこで生まれましたか(ジョセフ・スミス—歴史1:3 )。ジョセフのお父さんとお母さんの名前は何といいますか(ジョセフ・スミス—歴史1:4 )。ジョセフには何人の兄弟姉妹がいましたか(ジョセフ・スミス—歴史1:4 )。ジョセフの両親は彼がしなければならない務めのために,どのように準備をさせましたか。
ジョセフの家族はバーモント州からどこへ引っ越しましたか(ジョセフ・スミス—歴史1:3 )。子供たちに次の点を理解させる。家族がバーモント州からニューヨーク州に移ったのはよい農場を探すためであったが,彼ら自身も気づかなかったもっと大切な理由は,ジョセフが金版の埋めてある場所の近くに住めるようにするためであった。わたしたちは,それと気づかずに,天父の導きを受けた生活を送っていることがあるでしょうか。
ジョセフは自分がどの教会に加わったらよいか,なぜ迷ったのでしょうか(ジョセフ・スミス—歴史1:5-10 )。ジョセフが何をすべきか決めるのに,聖文はどのように役立ちましたか(ジョセフ・スミス—歴史1:11-13 )。自分で決心するときに,これまで聖文が役立ったことはありますか(教師の経験を紹介してもよい)。
ジョセフは祈るためにどこに行きましたか(ジョセフ・スミス—歴史1:14 )。ジョセフはなぜ一人になれる場所が欲しいと思ったのでしょうか。ジョセフ・スミスが祈りに行った場所は現在,「聖なる森」と呼ばれていることを教える(「レッスンを豊かにする活動」の6を参照)。
ジョセフが祈り始めると,どのようなことが起きましたか(ジョセフ・スミス—歴史1:15 )。この闇はどこから来たのでしょうか(ジョセフ・スミス—歴史1:16 )。自分を囲んだこの闇からジョセフはどのように救われましたか(ジョセフ・スミス—歴史1:17 )。この経験からジョセフはサタンとその力について何を学んだでしょうか。天父の力については何を学んだでしょう(天父の御力はサタンの力に勝る)。天父の力がサタンの力に勝ることを覚えておくのは,なぜわたしたちにとって大切なのでしょう。
サタンはなぜジョセフに祈りをやめさせたかったのだと思いますか。サタンはどのようにわたしたちが祈ったり,善いことをしたりするのをやめさせようとするでしょう。サタンの誘惑を受けるときわたしたちには何ができますか。
聖なる森でジョセフに御姿 みすがた を現されたのはどなたですか(ジョセフ・スミス—歴史1:17 )。これらの御方はどのような様子をしていたでしょうか。天父はジョセフに何と言われたでしょう。ジョセフ・スミスはこの示現から,天父とイエス・キリストについて何を学んだでしょう(「レッスンを豊かにする活動」の1を参照)。
イエスは,どの教会に加わればよいかという問題について,ジョセフに何と言われたでしょう(ジョセフ・スミス—歴史1:18-19 )。それはなぜですか。導入の活動で使用した入れ物を取り,どちらも空であることを見せる。ジョセフ・スミスの時代は地上に選ぶべき正しい 教会がなかった。どの教会にも幾らかの善い教えはあったが,福音の完全な真理を教えている教会はなかった。
ジョセフの示現に「信仰を告白する人々」はどのように反応しましたか(ジョセフ・スミス—歴史1:21-22 )。なぜジョセフは彼らの反応に驚いたのでしょう(ジョセフ・スミス—歴史1:22-23 )。「迫害」とは,本人の抱いている信条のためにその人を苦しめることである。自分が信じていることのために,今までに迫害を受けた経験がありますか。そのときに皆さんは何をしましたか。
迫害を受けたために,最初の示現に対するジョセフの証はどのように変わりましたか(ジョセフ・スミス—歴史1:25 )。ジョセフ・スミスの最初の示現に対して,一人一人自分の証を持つことが大切なのはなぜですか(「レッスンを豊かにする活動」の2を参照)。
以下の活動を,レッスンのどの部分でも,また幾つでも使うことができる。復習やまとめ,チャレンジに利用してもよい。
本課の最後にあるクロスワードパズルを生徒の人数分用意して,生徒がマスを埋められるように助け,答えについて話し合う。生徒の人数分パズルが用意できなければ,黒板にパズルを書く。ヒントを読み上げて,生徒の正しい答えを待つ。子供たちに順に黒板のマスを埋めさせるとよい。(解答:1.てんのおとうさま,2.サタン,3.イエス・キリスト,4.べつの,5.いのり,6.ほろぼす,7.きょうかい)
二人の子供に,それぞれどちらかの引用文を読ませる。
第6代大管長ジョセフ・F ・スミスは次のように語った。「神の御子が墓より復活して高きに昇られて以来,世に起こった最大の出来事は,御父と御子が少年ジョセフ・スミスに現れて,人の王国ではなく,もはやくじかれることのない神の王国の基を置くための道を備えられたことである。……この真理を受け入れると,わたしは,〔ジョセフ・スミスが〕宣言したほかの真理を容易に受け入れられることが分かった。」(Gospel Doctrine , 第5版〔ソルトレーク・シティー:Deseret Book Co. ,1939年〕495-496)
第13代大管長エズラ・タフト・ベンソンは次のように教えた。「皆さんは最初の示現についていつも証すべきです。ジョセフ・スミスはほんとうに天父と御子を見ました。御二人は,ジョセフが語るように,彼に声をかけられました。」(The Teachings of Ezra Taft Benson 〔Salt Lake City: Bookcraft ,1988年〕,101)
最初の示現は真実のイエス・キリスト教会に対する証の土台になることを,子供たちに理解させる。天父とイエス・キリストが実際にジョセフ・スミスに姿を現され,声をかけられたと言うことが信じられれば,預言者ジョセフ・スミスが教え,回復したすべての事柄も真実であるということに,確信が持てる。
子供たちに,信仰箇条1:1 を暗唱させるか,見直させる。ジョセフ・スミスの最初の示現によって明らかになった真理がそこでどう証されているか,話し合う。すなわち,永遠の父なる神と御子イエス・キリストは,それぞれ別の御二方である。
ジョセフ・スミス—歴史1:25 (「わたしは示現を見た」から始まる)聖句か,ヤコブの手紙1:5 を,子供たちに覚えさせる。新約聖書のどこに「ヤコブの手紙」があるか,子供たちに見せる。「とがめもせずに惜しみなく」の部分の意味を子供たちと話し合う。
ジョセフ・スミスは,イエス・キリストの福音を回復するために,生まれる前から選ばれていたことを説明する。子供たちに2 ニーファイ3:14-15 を開けさせ,読ませる。エジプトのヨセフは,自分の子孫の一人が福音を地上に回復すると預言した。名前は同じヨセフ(ジョセフ)であり,父親とも同じ名前であろうと言った。預言者ジョセフ・スミスは父親の名前にちなんで名付けられ,ジョセフ・スミス・ジュニア(「二代目」の意味)と呼ばれた。父親はジョセフ・スミス・シニア(「初代」の意味)と呼ばれた。
「聖なる森」は現在でもジョセフ・スミスの時代と同じままに存在していることを子供たちが理解できるように助け,以下の説明を聞かせる。
「1860年に……ジョセフ・スミスの少年時代の友達が……かつてのスミス家の農場を購入る教会はなかった。しました。彼が後にその息子に語ったところによると,……農場の西の端にある森の木は一度も斧で切ったことがない,なぜならジョセフ・スミスはここが彼の示現を見た場所だと言ったからであるといいます。……最初の示現から150年を経た現在でも,10エーカーあるこの森は元からあった自然の美しさをほとんどそのまま保っています。ジョセフ・スミスの時代の背丈の高い樹木は,この古くからある森に今も彩りを添えています。多くは樹齢200年を超えています。」(ドナルド・エンダース,“The Sacred Grove,” Ensign , 1990年4月号,16)
次の点を説明してもよい。現在聖なる森と呼ばれている場所は確かにジョセフ・スミスが最初の示現を受けた場所であるが,ジョセフ・スミスが森の中のどこで示現を見たのか,正確な位置は分かっていない。
教会ビデオ基礎編(53779 300)から「最初の示現」(15分)を子供たちに見せる。
次の歌を歌うか,歌詞を読む。「麗しき朝よ」 (「賛美歌」18番),「光かがやく春の日に」(『子供の歌集』57)または3番3番の歌詞。
神権の回復によって,天父のもとに戻るために必要なすべての祝福を受けられるようになったことを感謝する。神権の偉大な力を受ける準備をし,その力を使うためにいつもふさわしく生活するよう,男の子にチャレンジする。女の子には,神権を尊び神権の祝福を受けるふさわしさを身に付けるように,チャレンジする。
本課の復習のため,家庭で教義と聖約13章 ,13章の前書きとジョセフ・スミス—歴史1:1-20 を研究するよう,子供たちに提案する。
子供たちが,物語,質問,活動,家庭学習の提案などのレッスンの一部を家族と分かち合うように励ます。読書課題を家族で一緒に読んでもいい。
一人の子供に閉会の祈りをさせる。