第10課
モルモン書の出版
目的
モルモン書が手元にあって読んだり研究できたりすることに,子供たちが感謝できるように助ける。
準備
-
モルモン書の序文;教義と聖約19:26,20:1-16;モロナイ10:4-5本課の歴史記事を祈りの気持ちで研究する。それからレッスンを検討し,聖文と歴史記事を子供たちにどう教えるか決める(本書「レッスンの準備」ⅵ-ⅶ,「聖文と歴史記事に基づいて教える」ⅶ-ⅷ参照)。
-
子供たちを参加させ,レッスンの目的を達成するのに最も役立つ「話し合いのための質問」と「レッスンを豊かにする活動」を選ぶ。
-
1枚の紙に「モルモン書-イエス・キリストについてのもう一つの
証 」と書き,さらにこの文とは関係のない文字を幾つか書く。文字は十分大きく書き,切り離せるように文字間隔を広く取る。次に文字を切り取り,小さな袋か容器に入れる。 -
教材
-
教義と聖約とモルモン書(人数分)
-
視覚資料5-19「モルモン書の印刷」
-
レッスン
一人の子供に開会の祈りをさせる。
レッスンを豊かにする活動
以下の活動を,レッスンのどの部分でも,また幾つでも使うことができる。復習やまとめ,チャレンジに利用してもよい。
-
モルモン書の序文の6段落目にある預言者ジョセフ・スミスの言葉を読ませる(「わたしは兄弟たちに言った」で始まる文)。
-
かなめ石とは何ですか。
黒板に簡単なアーチを書く(イラスト参照)。
かなめ石はアーチ全体を支えていることを説明する。かなめ石がないとアーチは崩れてしまう。
-
ジョセフ・スミスは,なぜモルモン書が「わたしたちの宗教のかなめ石である」と,言ったと思いますか。
-
-
モルモン書が出版されたとき,教会の会員たちは非常に熱心にモルモン書を読んだ。以下の物語を自分の言葉で話す。
1828年にメアリー・エリザベス・ローリンズは,家族とともにオハイオ州カートランドに引っ越してきた。その2年後,メアリー・エリザベスが12歳のとき,宣教師がカートランドにやって来た。メアリー・エリザベスとその母親が教会に入った。ある日,メアリー・エリザベスは,カートランドの管理長老である隣人のモーレイ兄弟がモルモン書を持っているという話を聞いた。それは町でたった1冊のモルモン書であった。メアリー・エリザベスは彼のところに行き,読みたいので貸してもらえないかと尋ねた。モーレイ兄弟は,自分で読むチャンスがなかったと彼女に言った。その当時,モルモン書を見た人はほんの少ししかいなかった。メアリー・エリザベスは,その本をほんの少しの間借りてもよいかと尋ねたモーレイ兄弟は,彼女が朝いちばんに返してくれるなら一晩貸してもいいと言ってモルモン書を貸した。
その晩,メアリー・エリザベスの家族は夜遅くまで起きて,その本を全員で順番に読んだ。次の朝,メアリー・エリザベスは急いでモーレイ兄弟の家に本を返しに行った。モーレイ兄弟は,メアリー・エリザベスが一晩にたくさん読めたとは思わなかったが,それでも彼女は自分と家族がどれだけ読んだかを話して聞かせた。彼女は,モルモン書がリーハイとその家族の物語から始まり,彼らが海を超えて旅して行ったとモーレイ兄弟に話した。モーレイ兄弟は,メアリー・エリザベスがたくさん読んで理解しているので大変びっくりした。彼は,モルモン書を持って行って全部読むように,それまで待ってもよいと言った。メアリー・エリザベスとその家族は読み続けて,ほぼ読み終えたときにジョセフ・スミスがその家にやって来た。彼はモルモン書を見て,モーレイ兄弟に送ったはずの本がどうしてここにあるのかと尋ねた。メアリー・エリザベスの叔父がジョセフ・スミスに事の次第を話すと,ジョセフはメアリー・エリザベスに会えるかと尋ねた。そのときのことをメアリー・エリザベスはこう述べている。「ジョセフはとても熱心なまなざしでわたしを見た。……そのあとすぐに,彼はわたしのところに来て頭に手を置き,大いなる祝福を与えてくれた。それはわたしが生まれて初めて受けたものであった。そしてその本をわたしにプレゼントしてくれ,モーレイ兄弟に別の1冊をあげようと言った。」(The Life and Testimony of Mary Lightner [Salt Lake City: Kraut’s Pioneer Press, n.d.],1-4,またはThe Utah Genealogical and Historical Magazine 17,〔1926年7月〕:193-195)
-
子供たち全員に1枚の紙を8つに折らせる(イラスト参照)。その後,子供たちにその紙を広げさせ図のようにそれぞれ端に番号を書かせる。
子供たちが16の裏に15,9の裏に10を書いていることを確かめる。
子供たちにもう一度紙を折らせる。最初に14と15が合わさるように折り,次に12と13が合わさるように折る。最後に8と9が合わさるように折る。それぞれの紙は,1を表,16を裏にした小さな本に見えるはずである。はさみかペーパーナイフで紙の上部と左端を切り,本が開くようにする。番号が正しい順番に並んでいるのが見えるようにページをめくらせる(子供たちにやり方を見せられるように,クラスの前に練習しておく)。
これがモルモン書のページが印刷された方法であると子供たちに説明する。ページ番号がある順序で付けられ,その後1枚の大きな紙に印刷された。すべてのページが正しい順序になるように,そのあと大きな紙を折って切断したのである。それらの小さな「本」はモルモン書を作るために結び合わされた。
今日 でもこの工程を使って印刷している本もある。 -
モルモン書の出版について子供たちに説明させるため,下記の視覚資料を使わせる。すべての子供たちが視覚資料について一緒に説明させてもよいし,それぞれの視覚資料が表している出来事を子供一人ずつに説明させてもよい。
-
視覚資料5-8「天使モロナイの訪れ」(『福音の視覚資料セット』404)
-
視覚資料5-11「金版を受けるジョセフ・スミス」(『福音の視覚資料セット』406)
-
視覚資料5-14「金版を翻訳するジョセフ・スミス」
-
視覚資料5-17「ジョセフ・スミス,オリバー・カウドリ,デビット・ホイットマーに金版を見せるモロナイ」
-
視覚資料5-18「金版を見る八人の証人」
-
視覚資料5-19「モルモン書の印刷」
-
-
教会の第13代大管長エズラ・タフト・ベンソンは,モルモン書を研究する理由を以下のように3つ挙げた。
-
モルモン書は,わたしたちの宗教のかなめ石である(「レッスンを豊かにする活動」の1を参照)。
-
モルモン書は,わたしたちの時代のために書かれた。
-
モルモン書は,わたしたちを神に近づけてくれる。
(『聖徒の道』1987年1月号,モルモン書の序文とモルモン8:34-35参照)
下記のベンソン大管長の教会員に対する声明を一人の子供に読ませる。
「わたしはみなさんがモルモン書を愛していることを聞いて本当にうれしく思っています。わたしもモルモン書が大すきです。天のお父様はみなさんに,これからも続けて毎日モルモン書を勉強するように望んでおられます。モルモン書は,天のお父様からみなさんにあたえられたとくべつなおくり物です。モルモン書の教えにしたがう人は,天のお父様のみこころがおこなえるようになります。」(エズラ・タフト・ベンソン,「教会の子どもたちへ」『聖徒の道』1989年7月号,85)
-
-
信仰箇条1:8またはモロナイ10:4-5を覚えさせる。
まとめ
一人の子供に閉会の祈りをさせる。