初等協会テキストと分かち合いの時間
第30課 アダム・オンダイ・アーマン


30

アダム・オンダイ・アーマン

目的

イエス・キリストの再臨と福千年を待ち望み,準備する。

準備

  1. 本課の教義と聖約29:9-1143:20-23,29-3145:32,39-40,44-45,55-59101:22-34107:53-56115:7-10116を祈りの気持ちで研究する。それからレッスンを検討し,聖文と歴史記事を子供たちにどう教えるかを決める(本書「レッスンの準備」ⅵ-ⅶ,「聖文と歴史記事に基づいて教える」ⅶ-ⅷ参照)。

  2. その他の参照箇所-マタイ24:36使徒1:9-11教義と聖約49:7;『福音の原則』(新:06195 300)43章44章45章;(旧:31110 300)41章,43章,44章

  3. 子供たちを参加させ,レッスンの目的を達成するのに最も役立つ「話し合いのための質問」と「レッスンを豊かにする活動」を選ぶ。

  4. 以下の言葉を書いたカードを作る-「最初の」「妻」「園」「実」「追い出す」「死ぬ体」「子供たち」

  5. 教材

    1. 教義と聖約(人数分)

    2. 聖書

    3. 本課の最後にある「ミズーリと周辺地域」の地図

    4. 視覚資料5-28「再臨」(『福音の視覚資料セット』238)

レッスン

一人の子供に開会の祈りをさせる。

導入

黒板に「アダム」と書く。

  • アダムはどのような人でしたか。

子供たちにあなたが準備したカードを順番に取って,カードに書かれている言葉をヒントにしてアダムについて知っていることを話してもらう。必要に応じて助ける。

以下の点が網羅されていることを確認する。

アダムは神が地上に置かれた最初の人である。アダムと妻のエバはエデンの園に住んでいた。二人は善悪を知る木の実を食べた後,園を追い出された。二人は死ぬ体となり,また子供たちを持つことができるようになった。

このレッスンでは、ジョセフ・スミスに明らかにされたアダムについて学ぶことを子供たちに説明してください。

聖文と歴史記事

ミズーリ北部における教会の成長と,アダム・オンダイ・アーマンで起きた出来事について,以下の歴史記事と教義と聖約107:53-56115:7-10116から教える。それぞれの場面で絵と地図を使いなさい。その後,教義と聖約45:55-59101:22-34から福千年の間の生活はどのようなものかを教える。

ファーウェストで成長する教会

教会員はミズーリ州ジャクソン郡を追放されたが,1836年に政府の役人から,ミズーリ州北部へ移って新しい郡を築く許可を与えられた。この新しい郡の周囲には10キロの細長い未開地があって,教会員と教会員でない人々とを分け隔てていた。聖徒たちはこの地域に移ってファーウェストと呼ばれる中心の都市を築き,周辺に幾つかの町を築いた。

一方,オハイオ州カートランドでは特に,預言者にひどく敵対して教会を去った人々との問題をはじめとして,多くの問題が起きていた。1838年1月,ジョセフ・スミスは,教会を支配したいと考えている人々が彼を殺そうと企てているという警告を受けた。ジョセフはカートランドを離れる必要があった。またファーウェストの教会は組織を整えるために助けを必要としていた。このため,ジョセフとエマはファーウェストへ向かうことにした。

ジョセフ・スミスの敵はジョセフがカートランドから出て行くのを望まなかった。このため,ジョセフの友人たちはひそかにジョセフを町から脱出させることにした。彼らはジョセフを大きな箱の中に隠し,その箱を牛車に積んで,敵に悟られないように町を出た。無事に町を脱出すると,ジョセフは箱から出て馬に乗り,シドニー・リグドンとともにファーウェストへ向かった。彼らは約100キロほど行くと,家族が合流するのを待って,さらに旅を続けた。敵は銃で武装して300キロ以上も追跡したが,彼らを捕らえることはできなかった。ファーウェストの聖徒たちは預言者の一行のために幌馬車と必需品を送り,やがて一行をファーウェストに迎えた。

ジョセフ・スミスはファーウェストに到着した数か月後に,聖徒に対して同地に神殿を建設するように命じる啓示を受けた。主は1838年7月4日に工事を始めるように命じられた(教義と聖約115:8-10参照)。7月4日の朝,ミズーリ市民軍(小規模の市民軍)と教会指導者,それに教会員は大行進を繰り広げた。音楽を演奏して神殿の敷地まで行進し,円陣を作った。シドニー・リグドンが話をした後,全員で「ホザナ」を叫び,レビ・ハンコックがこの日のために作曲した歌をソロモン・ハンコックが歌った。その後,預言者ジョセフの管理の下に神殿の4つの隅石を置く式典が行われた。

アダム・オンダイ・アーマンに関する啓示を受けたジョセフ・スミス

1838年5月のある日,預言者と数人の人々は聖徒たちが住む町を築く場所を探していた。そして,スプリングヒルと呼ばれていた場所まで来たとき,ジョセフはもう一つの啓示を受けた(教義と聖約116章)。主はスプリングヒルをアダム・オンダイ・アーマンと名付けたことをジョセフに明らかにされた。オーソン・プラットは後に,この名称は「アダムが話した言葉」によると「アダムが住んだ神の谷」という意味であると話している(Journal of Discourses第18巻,343)。

黒板に「アダム・オンダイ・アーマン」と書く。

ジョセフ・スミスによれば,アダム・オンダイ・アーマンは神がアダムに語られ,アダムが主に犠牲をささげた場所である。アダムは亡くなる前に,アダム・オンダイ・アーマンに家族を集めて祝福を与えている(教義と聖約107:53-56参照)。

アダム・オンダイ・アーマンは将来にわたっても重要な場所となる。キリストの再臨の時が近づくとアダムは再びアダム・オンダイ・アーマンへ来て,大会議を開く。地上で神権の権能のかぎを持っていたすべての預言者がこの会議に集まって,それぞれの働きをアダムに報告する。その後イエス・キリストはアダム・オンダイ・アーマンを訪れ,アダムは神権の鍵を主に返す。その後,キリストは地球へ戻って,福千年すなわちキリストが地上に住んで支配される1,000年間の幕が切って落とされる。

教会員はアダム・オンダイ・アーマンに関して明らかにされたこの教えに歓喜した。ジョセフ・スミスは,この地域がカートランドからミズーリへ移る聖徒たちの集合の地となると語った。1838年の夏に多くの聖徒がアダム・オンダイ・アーマンへ移った。アダムが住んだ地に住むということはこの上ない祝福だと考えたからである。

福千年

福千年の間,地上でどのような生活が行われるかを話すに当たって,教義と聖約101:22-34から以下の点を説明する(子供たちに聖典を開いて該当する節を黙読させるとよい)。

  • すべての人は救い主を見ることができる。(23節)

  • すべての悪人は滅ぼされる。(24節)

  • 人と動物は平和に生活する。(26節)

  • サタンはだれをも誘惑する力を持たない。(28節)

  • 悲しみと死が存在しない。(29節)

  • 人は年を取ると,一瞬のうちに死ぬ体から死なない体に変えられる。(30-31節)

  • 主は地球が創られた方法とその将来を含む天地に関するすべてを明らかにされる。(32-34節)

話し合いと応用のための質問

レッスンの準備に当たって,以下の質問と参照聖句を研究する。子供たちが聖文を理解し,生活に応用するうえで最も役立つと思われる質問を,採り上げる。教室で子供たちと一緒に聖句を読んで話し合えば,聖文に対する子供たち一人一人の理解力を深めるのに役立つ。

  • スプリングヒルと呼ばれた地域はなぜ大切だったのですか(教義と聖約107:53-56116)。教会員はアダムが住んでいた場所を知らされたときにどのような気持ちを覚えたと思いますか。

  • 大昔にアダム・オンダイ・アーマンでどのようなことが起こったでしょうか(教義と聖約107:53-56;アダムは家族を祝福し,子孫にどのようなことが起こるかを預言したとき,927歳だったことを指摘する)。アダム・オンダイ・アーマンで将来どのようなことが起こるでしょうか(アダムが再び来る;教義と聖約116)。主の再臨と福千年を始める準備として,アダムとそのほかの預言者から神権の権能の鍵を返してもらうために,キリストもアダム・オンダイ・アーマンにおいでになることを指摘する。

  • イエス・キリストの再臨とはどういう意味ですか。イエスは最初に赤ん坊として地上に来られたが,再びおいでになるときは大人として来られることを説明する。キリストは亡くなって復活されてから,使徒たちに姿を現し,その後天に昇られたことを子供たちに思い起こさせる。二人の天使が現れて,いつの日かイエスは天に昇られたのと同じようにして地上においでになることを使徒たちに告げた(使徒1:9-11参照;教義と聖約29:1145:44も参照)。それ以降,人々はイエス・キリストの再臨を待ち望んできた。

  • 再臨はいつ行われるのでしょうか(教義と聖約29:9-11)。「その時は近い」とは間もなく行われるという意味だが,天父以外にいつ行われるかをはっきりと知っている人はいないことを説明する(マタイ24:36教義と聖約49:7参照)。イエスが来られる時を知らない方がよいのはなぜでしょうか。

  • 救い主は再び来られた後,何年間支配されるのでしょうか(教義と聖約29:11)。この千年間は何と呼ばれますか(教義と聖約43:30)。

  • イエスが再び地上に来られるとき,正しい人はどうなりますか(教義と聖約45:45,57-59)。わたしたちはなぜイエス・キリストの再臨と福千年を待ち望むべきですか(教義と聖約45:39,44おそれるとは敬虔けいけんな気持ちを持つという意味であることを説明する)。救い主を愛して,救い主に従い,救い主がおいでになることを待ち望む人々は祝福されることを子供たちに理解させる。わたしたちは救い主の再臨のためにどのような準備ができますか(教義と聖約43:20-2345:32,57;「レッスンを豊かにする活動」の1を参照)。

レッスンを豊かにする活動

以下の活動を,レッスンのどの部分でも,また幾つでも使うことができる。復習やまとめ,チャレンジに利用してもよい。

  1. 再降臨と福千年に備える方法を述べた以下のカードを作る(教義と聖約43:20-2345:32,57参照)。

    悔い改めてバプテスマを受ける。

    聖なる場所に立つ。

    真理を受け入れる。

    自分の導き手として聖なる御霊(聖霊)を受ける。

    サタンにだまされない。

    一人の子供にカードを一枚選び,声を出して読み,黒板か机または床の上に置くように言う。カードに記されている文章の意味と,どうすればそのように自分を備えることができるかについて話し合う(例えば,「聖なる場所に立つ」ためには,神殿に入るためにふさわしい生活を送る,教会の集会に出席する,悪い影響を受ける場所から遠ざかる,家庭の中がいつも良い雰囲気であるように助けるなどがある)。

  2. 以下の言葉をカードに書く。「アダム・オンダイ・アーマン」「再臨」「福千年」「準備する」。これらのカードを裏返しにして机か床の上に置く。子供たちに順番にカードを選んで,カードに書かれている言葉について,レッスンで学んだことを一つ言わせる。一人の子供がカードを戻したら,かき混ぜて,次の子供がカードを選ぶようにする。全員が少なくとも1回は参加し,またすべてのテーマを採り上げるまで続ける。

  3. 本課の最後のページにある絵を子供の人数分だけコピーするか,黒板に同じような絵を描く。これらの絵はイエス・キリストの再降臨の前に現れる兆候を示していることを説明する。

    子供たちに以下の聖句は,どの絵を表しているかを見つけさせる。

    教義と聖約29:14

    教義と聖約29:16

    教義と聖約29:18

    教義と聖約45:26-27

    教義と聖約45:32

    教義と聖約45:33

    福音に従って生活するよう努力しているならば,再臨を恐れる必要はないことを子供たちに話す。わたしたちは,天父がわたしたちに望んでおられる事柄を行うことができるように守られ,またイエス・キリストが来られる時を待ち望むことができる。

  4. 子供たちに信仰箇条第10条を暗記させるか,復唱させる。

  5. 「主の来られる時」(『子供の歌集』46)を歌うか,歌詞を読む。

まとめ

あかし

救い主に対する愛と感謝の気持ちを述べ,救い主が再び地上においでになることがどれほどすばらしいことかを説明する。子供たちにイエス・キリストに従い,戒めを守ることによって,再臨と福千年のために自らを備えるよう励ます。

読書課題

本課の復習のため,家庭で教義と聖約29:10-11107:53-56を研究するよう,子供たちに提案する。

家族との分かち合いの提案

子供たちが,物語,質問,活動,家庭学習の提案などのレッスンの一部を家族と分かち合うように励ます。読書課題を家族で一緒に読んでもいい。

一人の子供に閉会の祈りをさせる。

ミズーリと周辺地域

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