第29課
2ニーファイ9:1-26
はじめに
ヤコブは,ニーファイ人に説教をするに当たって,主が聖約の民を
教え方の提案
2ニーファイ9:1-9
ヤコブ,堕落の影響について説明する
クラスが始まる前に,ホワイトボードの真ん中に「恐ろしい怪物」と書いておく。
レッスンを始めるに当たって,2ニーファイ9章は,前回のレッスンで研究を始めた説教の続きであることを説明する。この説教の前半である2ニーファイ6-8章で,ヤコブはイザヤ書を引用して,主と聖約を交わした民を散らされた状態から救い出す,救い主の力と
ホワイトボードに書いておいた言葉に生徒の注意を向ける。
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恐ろしい怪物について考えるとき,何が心に浮かびますか。
この質問に答えて,生徒は想像上の生き物について話すかもしれない。その場合,現実世界には,想像上の生き物よりもはるかに恐ろしいものが存在することを説明する。それには,永遠を害する力がある。ヤコブが「恐ろしい怪物」という表現を使ったのは,人が皆直面する状況とその結果として生じる永遠の害について説明するためであったことを生徒に伝える。生徒に2ニーファイ9:10を黙読して,この怪物に含まれる二つの要素を見つけるように言う。生徒の答えを聞いた後で,その答えを下の図のようにホワイトボードに書く。
ヤコブの使った「死」と「地獄」という言葉の意味を理解できるよう,両方ともある種の分離を表していることを説明する。この説教の中でヤコブが使った「死」という言葉は「肉体の死」を指しており,肉体と霊が分離することを意味している。一方,「地獄」という言葉は「霊の死」を指しており,人が神の
生徒に2ニーファイ9:6を黙読してもらう。生徒に肉体の死と霊の死の原因になることを見つけるように言う。
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わたしたちすべての者に肉体の死と霊の死がもたらされたのは,どのような出来事があったからでしょうか。(堕落の結果として,すべての人は神の御前から断たれており,人は皆,最終的に肉体にあって死ぬようになったということを説明する必要があるかもしれない。)
2ニーファイ9:7-9では,ヤコブは,贖罪がなく,堕落の影響が永遠に続くとしたらわたしたちに何が起きるか教えている。この部分を研究するのに備えて,7節に出てくる語句を幾つか定義しておく必要があるかもしれない。ヤコブが「人に下った最初の裁き」と言っているのは,アダムとエバの堕落の結果のことを指している。また,「朽ちるもの」とはこの世の肉体,つまり死に行くものを指す。「朽ちないもの」とは復活した体,つまり永遠に生きるものを指す。
一人の生徒に2ニーファイ9:7-9を読んでもらう。生徒に,肉体の死と霊の死が永遠に続いたとしたら,肉体と霊はどうなるかについて書かれた部分を見つけるように言う。
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贖罪がなければ,わたしたちの体はどうなりますか。
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贖罪がなければ,わたしたちの霊はどうなりますか。
イエス・キリストの贖罪がない場合の人の結末について強調するために,一人の生徒に,十二使徒定員会のD・トッド・クリストファーソン長老の次の言葉を読んでもらう。
「神からの分離と肉体の死が永遠に続くものだとしたら,選択の自由は全く意味をなさないものとなります。そうです,自由に選択することができるかもしれませんが,それが何だというのでしょうか。行動に関係なく,最終的な結果が同じということになるのです。死後に復活する望みもなく,天へ戻る望みもないのです。わたしたちの選びが正しかったか間違っていたかに関係なく,わたしたちは皆『悪魔の使い』〔2ニーファイ9:9〕で終わるということになってしまうのです。」(“Moral Agency,”Ensign, 2009年6月号,50)
2ニーファイ9:10-26
ヤコブは,贖罪によって救い主がわたしたちを堕落の影響から救い出してくださり,罪の
生徒に2ニーファイ9:10を再度読むように言う。
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この聖句によれば,神はわたしたちのために何を備えてくださったのですか。
この説教の中でヤコブが最も伝えたいこととは,神が「死と地獄」から「逃れる道」を備えてくださった点であるということを強調する。確かに,イエス・キリストの贖いの犠牲によって,堕落によって引き起こされた肉体と霊の死から逃れることが可能となったのである。
クラスを二つのグループに分ける。最初のグループに2ニーファイ9:5,19-21を黙読して,救い主が払ってくださった犠牲について記した言葉を見つけるように言う。2番目のグループには2ニーファイ9:11-12,15,22を黙読して,イエス・キリストがわたしたちを肉体の死から救うことについて記した言葉を見つけるよう言う。(上記の聖句をホワイトボードに書くとよい。)
生徒が読み終えたら,最初のグループに以下の質問をする。
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救い主は,肉体の死と霊の死からわたしたちを救い出すために,進んで何をしてくださるでしょうか。あなたにとって意味がある表現はどれですか。
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ヤコブは,イエス・キリストがあらゆる人の苦痛を引き受けられることを強調しました。それはあなたにとってどのような意味がありますか。この知識は,救い主に対する気持ちにどのような影響を与えましたか。(救い主の払われた犠牲の大きさについて生徒に深く考えてもらうために,話し合いを中断して,救い主が地上にこれまで生を受けた人々とこれから生を受けるすべての人のために苦痛をお受けになったことを強調するとよい。救い主の犠牲を個人的なものとして深く考えられるように,2ニーファイ9:21の欄外に自分の名前を書くように勧めるとよい。そうすることにより,救い主が一人一人の苦痛を引き受けられたことを思い起こすことができる。)
第2のグループに以下の質問をする。
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イエス・キリストが肉体の死から救ってくださることに関して,どのような聖句を見つけましたか。
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2ニーファイ9:22によれば,だれが復活して,神の御前に出るのですか。
ホワイトボードに書いた「恐ろしい怪物」という言葉に再度注目させる。わたしたちがこの「怪物」からどのように救われるかについてヤコブが教えていることを,自分の言葉で述べるように生徒に勧める。次のことを生徒がよく理解できるように助ける。「イエス・キリストの贖罪を通じて,堕落によってもたらされた肉体の死と霊の死から全人類が解放される。」一人の生徒にこの真理をホワイトボードに書いてもらう。
イエス・キリストは,堕落によって生じた肉体の死と霊の死から全人類を解放してくださるだけでなく,個人の罪が原因で起きる霊の死からも,わたしたちを解放してくださるという点を生徒に思い起こしてもらう。
ヤコブはここで罪のあるまま神の前に出る人々の状態について述べていることを説明する。一人の生徒に2ニーファイ9:15-16,27を読んでもらっている間に,ほかの生徒にそのような状態について書いてある部分を見つけてもらう。
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ヤコブは罪のあるまま神の御前に出る人の状態について,どのように書いていますか。
ヤコブはまた,汚れのない状態で神の御前に出る人の状態についても書いていることを説明する。一人の生徒に2ニーファイ9:14,18を読んでもらっている間に,ほかの生徒にそのような状態について書いてある部分を見つけてもらう。
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ヤコブは汚れのない状態で神の御前に出る人の状態について,どのように書いていますか。
堕落からの解放は全人類に
一人に生徒に2ニーファイ9:21,23-24を読むように言う。クラス全体に,ホワイトボードに書かれた文を完成させるために必要な言葉を見つけるように言う。
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これらの節に基づいて,あなたはこの文の空欄にどのような言葉を入れますか。(生徒の答えは次のような文になるであろう。「イエス・キリストの贖罪により,わたしたちはイエス・キリストを信じ,悔い改め,バプテスマを受け,最後まで堪え忍ぶことを通して,罪の結果に打ち勝つことができる。」生徒たちの答えを聞いた後で,ホワイトボードの文の空欄を埋める。
このレッスンのまとめとして,次の活動のうちから一つを選ぶ。この活動の目的は,自分にとって救い主の贖罪はどのような意味を持っているかを深く考え,救い主について感じている気持ちを人に伝えることができるようにすることである。
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生徒に2ニーファイ9:1-22にさっと目を通して,「おお」で始まる聖句をすべて見つけるように言う。それぞれの聖句の最初の文を声に出して読むように言う。
生徒に自分の聖典学習帳かクラスノートに同じような文を書いてみるように勧める。その中で,救い主とその犠牲に対する感謝の気持ちを書くように勧める。ヤコブの書き方に
倣 って,それぞれの文を「おお」という言葉で始め,感嘆の言葉で終えるように言う。適切ならば,数人の生徒に自分の書いた文を発表してもらう。きわめて個人的あるいは私的な経験は話す必要がないことを生徒に伝えておく。 -
クラス全員に「主イエスの愛に」(『賛美歌』109番)か,イエス・キリストの贖罪についてのほかの賛美歌を歌うか,歌詞を朗読してもらう。賛美歌の歌詞の中から,救い主や救い主の贖いの犠牲について,自分の気持ちに合う言葉を見つけるように言う。その言葉をクラスに紹介してもらい,なぜその部分が心に残ったのか説明してもらう。