ライブラリー
家庭学習レッスン エテル4-12章(単元30)


家庭学習レッスン

エテル4-12章(単元30)

家庭学習を行う生徒を教えるための準備資料

毎日の家庭学習レッスンの要約

以下は,生徒がエテル4-12章(第30課)を研究しながら学んだ教義や原則についての要約である。これはレッスンの一部として教えるよう意図されたものではない。実際に教えるレッスンはこれらの教義や原則の一部に的を絞ったものにする。生徒の必要を考えながら聖なるたまの促しに従うべきである。

第1日(エテル4-5章

モロナイはヤレドの兄弟の書いたものを封じ,人がその記録を受ける前に満たさなければならない条件について教えた。生徒はこれらの教えから,人が主の言葉を信じる深い信仰を働かせるときに,主がさらなる啓示をもって祝福してくださることを学んだ。

第2日(エテル6章

生徒は,「大海」(エテル6:3)を船で渡っている間に主を信じる信仰を働かせたヤレド人の模範から,主を信頼して主のこころを行うとき,主が人生の旅を導いてくださることを学んだ。風が吹いて船を約束の地へ運んだ。このことから生徒は,主を信頼するなら人は逆境や苦難を通して進歩して,約束された祝福を得ることができるようになることを学んだ。

第3日(エテル7-11章

ヤレド人がヤレドの兄弟の警告を無視して王を持つことを選択した経験から,預言者の言葉を拒むと囚われの身に陥ることを,生徒は知った。シュールは義をもって統治した王であった。シュールの民は悔い改めて預言者たちに耳を傾けるようになると栄え始めた。生徒は,人は自分の罪悪を悔い改めるときに栄え始めることを学んだ。ヤレド人は最終的に邪悪な状態に陥り,秘密結社を支援する社会は滅亡するという真理を実証した。

第4日(エテル12章

生徒は預言者エテルから,希望とイエス・キリストを信じる信仰を持つときに,確固とした多くの善い行いをする強さを授かることを学んだ。あかしを得たいと望むならば,まずイエス・キリストを信じる信仰を働かせるべきであるとモロナイは書いている。モロナイは,自分と,モルモン書のほかの記録者たちの書く能力の弱さについて不安を抱いた。モロナイの不安に対する主の答えから,生徒は,へりくだって主を信じる信仰を働かせるならば,主が弱さを強さに変えてくださることを知った。

はじめに

このレッスンではエテル12:23-41を重点的に取り上げる。モロナイは,人に弱さがあるのはなぜか,そしてそれに打ち勝つために何をしなければならないかを教えている。

教え方の提案

エテル4-11章12:6

ヤレド人,義にかなっているときには栄えて祝福を受ける

3人の生徒に,各章の要約を参照しながら次の章を復習して要約するように割り当てる。エテル4-5章エテル6章エテル7-11章。別の一人の生徒に,エテル12:6を復習してもらう。割り当てた生徒たちに,学んだ原則を一つか二つクラスの生徒たちに紹介してもらう。

エテル12:23-41

モロナイ,異邦人が将来モルモン書にどのような反応を示すかについて不安を表す

ホワイトボードの片側に「強さ」と書き,反対側に「弱さ」と書く。生徒に少し時間を与えて,自分の強さであると感じることと,自分の弱さや不十分な点だと感じることについて深く考えてもらう。エテル12章で,モロナイはどのようにして弱さが強さとなるか教えている,ということを説明する。

一人の生徒にエテル12:23-25を読んでもらい,ほかの生徒には,モロナイが自分やモルモン書のほかの記録者たちの弱さだと感じていた事柄を見つけるように言う。その後,生徒に次の質問をする。

  • この聖句で,モロナイはどのような弱さについて述べているでしょうか。

  • モロナイは,モルモン書を書いた人々の弱さのために,どのようなことが起こると心配していたでしょうか。

生徒に答えてもらった後,エテル12:26-27で主がモロナイの不安に対して述べておられることを黙読し,神が人に弱さをお与えになる理由を探してもらう。聖句を読む時間を生徒に与えた後,エテル12:27はマスター聖句であることを思い起こしてもらう。

この聖句にある「弱さ」という言葉について生徒が理解を深められるように,一人の生徒に十二使徒定員会のニール・A・マックスウェル長老の次の言葉を読んでもらう。

「人の『弱さ』について聖文に書かれているとき,この『弱さ』という言葉には,皆に共通する必然的な弱さが含まれている。つまり,肉が霊に絶えず大きな影響を及ぼすという,人間の一般的な性質につきものの弱さが含まれているのである。……しかし同時に,弱さには個人の具体的な弱さも含まれ,わたしたちはそのような個人的な弱さを克服するように求められている。」(Lord, Increase Our Faith〔1994年〕,84)

必要に応じて次のことを説明する。マックスウェル長老が語っている人間の一般的な性質とは,アダムの堕落によってもたらされた人の弱さを指している。堕落のために,人は皆,個人的な欠点に加えて,人間の不完全さや誘惑による影響を受けやすい状態にある。

生徒に,エテル12:27で教えられている原則を挙げてもらう。(へりくだり,主を信じる信仰を働かせるならば,主は弱さを強さに変えてくださる。)

エテル12:27で教えられている原則を実践するように励ますため,ホワイトボードに次の言葉を書く。

1.自分の弱さを認める 2.へりくだる 3.イエス・キリストを信じる信仰を働かせる

生徒に,これらの言葉を紙の上の方に書いてもらう。次のことについて深く考え,それぞれの言葉の下に書くように言う。(1)自分の弱さ,(2)その弱さに関してへりくだる方法,(3)弱さに打ち勝つために主の助けと恵みを受けられるように,イエス・キリストを信じる信仰を働かせる方法。

書き終えたら,自分が取り組みたいことを思い出せるように,その紙を個人の日記の中か,頻繁に目にする場所に置いておくように勧める。自分の弱さを克服しようとけんそんに努力するとき,主の助けがあって,「弱さを強さに変え」てくださることを生徒に証する(エテル12:27)。

生徒に,エテル12:26,28を読み,書く能力の弱さについてのモロナイの不安に対して,主がどのようにこたえられたかを見つけるように言う。次の質問をするとよい。

  • エテル12:26で,モロナイは柔和について述べています。柔和とは,素直で,謙遜で,神の御心に従順であることです。ほかの人々の弱さを見過ごすためには,柔和であることが求められます。それはなぜだと思いますか。

  • ほかの人々の弱さにつけ込むことのないようにするために,主の恵み(主の助け,人に能力を授ける神の力)は,どのような助けを与えてくれるでしょうか。

次のことを強調する。「信仰と希望と慈愛をはぐくむならば,ほかの人の弱さを見る際に主の恵みによって助けられる。」エテル12:29-32の要約として次のことを説明するモロナイは信仰を働かせることの大切さと,そのことがもたらす証と奇跡について改めて述べている。生徒に,エテル12:33-35を読み,慈愛を働かせることの大切さについてモロナイが書いていることを見つけるように言う。

質問。「ほかの人々の弱さに直面したときに慈愛を持つことが大切なのはなぜでしょうか。」

生徒に,生活の中でイエス・キリストの恵みをさらによく受けられるように行っていることを,ほかの生徒に話すように言う。時間が許せば,イエス・キリストに近くあろうと努めることで生活にどのような影響を受けてきたかについて,何人かの生徒に発表してもらうとよい。

次の単元(エテル13章モロナイ7章

次の単元を研究する準備をする際に,次のことについて考えるよう生徒に勧める。もしあなたの友達や家族が全員殺されて,イエス・キリストの福音に忠実な生存者があなた独りだったならどうするだろうか。エテルもモロナイもこのような孤独を経験した。どうすればあらゆる試練を堪え忍んで永遠の命を得ることができるだろうか。モロナイ7章には,これらのたまものを得るために信仰と希望と慈愛がどれほど必要であるかが説明されている。