第5課
モルモン書の概要
はじめに
このレッスンではモルモン書の概要について取り上げる。生徒はモルモン書の出現に関するジョセフ・スミスの
教え方の提案
預言者ジョセフ・スミスの証
クラスが始まる前に,モルモン書を贈り物のように箱に入れて包装しておく。教室の前の机の上にその包みを置き,それが価値のある贈り物であることを生徒に告げる。
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皆さんがこれまで受け取った中で最も価値のある贈り物は何でしたか。
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それはなぜ価値がありましたか。
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価値があると思う贈り物をして,相手が喜んでそれを受け取ってくれたとき,どのように感じるでしょうか。
一人の生徒に,包みを開いて中に入っている物をほかの生徒に見せるように言う。
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これはだれからの贈り物でしょうか。
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この贈り物に価値があると思うのは,なぜでしょうか。
「ジョセフ・スミスの部屋に訪れたモロナイ」(『福音の視覚資料集』91番)の絵を見せる。
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この絵には何の出来事が
描 かれていますか。 -
この出来事は福音の回復にどのような貢献をしましたか。
これからモルモン書の出現についての預言者自身の言葉を読むことを生徒に説明する。モルモン書の初めの部分に出ている預言者ジョセフ・スミスの証は,高価な真珠のジョセフ・スミス一歴史からの抜粋であることを生徒に伝える。次の活動を終えたら,生徒に高価な真珠から読んでもらう。
生徒に,二人一組になってもらう。各組の一人の生徒に,ジョセフ・スミス一歴史1:30,32-35,42を黙読してもらう。別の生徒に,ジョセフ・スミス一歴史1:51-54,59-60を黙読するように言う。読み終わったら,読んだことについて互いに教え合うとあらかじめ伝えておく。
読んで話し合う時間を十分に取った後,次のように尋ねる。
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金版を家に持ち帰るために4年間待ったことは,ジョセフ・スミスにとってどのように役立ったと思いますか。(その間,ジョセフはモロナイから教えを受け,多くの点で成長した。ジョセフ・スミス一歴史1:54参照。)
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「モルモン書が末日に世に出されるように主が守られた」ということについて,どのような証拠がジョセフ・スミスの話の中に記録されていますか。
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「モルモン書が神の力によって世に出された」ということについて,どのような証拠がジョセフ・スミスの話の中に記録されていますか。
モルモン書についての概説
生徒がモルモン書の編さんされた次第を理解できるように,モルモン書の導入部分に含まれている「『モルモン書』についての概説」を開いてもらう。4人の生徒に項目1-4を順番に読んでもらう。彼らが読んでいる間,残りの生徒には,それぞれの版がモルモン書にとってどのように重要であるかをよく聞いてもらう。この手引きの付録には,「版と出版されたモルモン書との関係」と題する図がある。この図は「モルモン書についての概説」で話し合った版を視覚化するのに役立つであろう。(この話し合いに役立つと思えば,概説の最後の「本版について」という言葉で始まる段落を紹介する。モルモン書の各版には綴りの誤りと誤植に対する小さな訂正が含まれていたことを説明する。)
「版の抄録を作るモルモン」(『福音の視覚資料集』73番)の絵を見せる。多くの人が記録を保存して最終的にモルモン書になったことを説明する。以下の参照聖句をホワイトボードに書く。生徒に,それを静かに研究し,モルモン書の記録者たちが,何を記録に入れるか判断するのに役立った幾つかの原則を見つけるように言う。見つけたことを分かち合ってもらう。(その答えをホワイトボードに書くとよい。)
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モルモン書を研究するときに,これらの指針を理解することはどのように助けとなるでしょうか。
次のことについてあなたの証を述べる。「モルモン書の記録者たちはわたしたちの時代を見て,わたしたちにとって大きな助けとなる事柄を書いた。」一人の生徒に,モルモン8:35-38を読んでもらう。
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モロナイが見たのは,現代の人々の間にあるどのような問題でしたか。
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モロナイとそのほかのモルモン書の記録者たちがわたしたちの直面する問題に気づいていたということを知ることは,なぜ大切でしょうか。
一人の生徒に,モルモン書の研究の仕方に関してエズラ・タフト・ベンソン大管長が語った次の言葉を読んでもらう。
「彼らがわたしたちの時代を見,わたしたちのためになることを選んでくれたとしたならば,なおさらモルモン書を研究する必要があるのではないでしょうか。『これを記録するように主がモルモン(モロナイあるいはアルマ)に霊感をお与えになったのはなぜだろうか。現代の生活への教訓として何を学べるのだろうか』と絶えず自問する必要があります。」(「モルモン書-わたしたちの宗教のかなめ石」『リアホナ』2011年10月号,56)
モルモン書に登場する人々はわたしたちと同じように多くの問題に直面していたことを生徒に告げる。モルモン書は昔の文書であるが,その教義,歴史,話は
一人の生徒に,エズラ・タフト・ベンソン大管長が語った次の言葉を読むように言う。(各生徒にその言葉のコピーを渡すとよい。)モルモン書の研究を真剣に始める人々にベンソン大管長が約束している祝福についてよく聞くようにクラス全体に言う。
「モルモン書は確かに真理を教えていますが,それだけではありません。モルモン書は確かにキリストを証していますが,それだけでもありません。それ以上のものがあるのです。モルモン書には力があって,真剣に読み始めるやいなやその力は読む者の人生に流れ込み,誘惑に打ち勝つ力となります。またそれは欺きを避ける力となり,細くて狭い道にとどまる力となります。聖文は『命の言葉』と呼ばれていますが(教義と聖約84:85参照),モルモン書ほどその言葉にふさわしいものはありません。命の言葉に飢え渇くようになればなるほど,ますます豊かに命を見いだすのです。」(「モルモン書-わたしたちの宗教のかなめ石」『リアホナ』2011年10月号,56-57)
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皆さんはこれまでどのようなときに,モルモン書を研究することによって祝福を経験してきましたか。
次のことについてあなたの証を述べる。「モルモン書は誘惑に打ち勝ち,欺きを避け,細くて狭い道にとどまる大きな力をわたしたちに与えてくれる。」あなたがモルモン書を研究した結果としてこのような祝福を受けたときのことを生徒に伝える。
クラスが始まる前に,以下の質問と聖句をホワイトボードに書いておく。
すでに述べた祝福に加えて,次のことを説明する。「モルモン書には人生の最も意義深い質問に対する答えが含まれている。」生徒の各人に質問の中から一つか二つを選んで参照聖句から答えを見つけてもらう。答えを見つける時間を数分間与える。その間,教室内を回って,必要に応じて助けを与えるとよい。
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モルモン書は皆さんが選んだ質問にどのように答えているでしょうか。
十二使徒定員会のボイド・K・パッカー会長が語った次の言葉を読む。この言葉は,パッカー会長が人生の最も意義深い質問に答える聖文の力について,セミナリーとインスティテュートの教師に向けて語ったものである。
「生徒が啓示に親しんでいるとしたら,それが個人的なことであれ,社会的なことであれ,政治についてであれ,職業についてであれ,回答の見つからない疑問などというものは存在しないでしょう。聖典には完全な永遠の福音が収められています。また,あらゆる家族と個人が遭遇する混乱や問題,ジレンマを解決する真理の原則をそこに見いだすことができます。」(“Teach the Scriptures”〔CES宗教教育者への講話,1977年10月14日〕,3-4,si.lds.org)
あなたの生活がモルモン書によってどれほど祝福されたかを証する。毎日モルモン書を読み,今年度中に少なくとも1度モルモン書をすべて読むという目標を生徒に思い起こしてもらう。