イスラエルのたみの中には,ユダヤ人とよばれる人びとがいました。エステルは,ペルシャに住むユダヤ人でした。両親が死んでしまったので,いとこのモルデカイがエステルの世話をしてくれました。エステルは,王国内のほかのわかいじょせいたちとともに王のきゅうでんにまねかれました。新しいおうひをのぞんでいた王は,エステルを選びました。
エステル2:2-7,16-17
王には,大きな力をもつようになったハマンという名のしもべがいました。ハマンは王が地を治めるのをたすけていました。王は,すべての人がハマンにおじぎをするようさだめました。
エステル3:1-2
しかし,モルデカイはハマンにおじぎをしようとしませんでした。モルデカイは,しゅのほかにだれにもおじぎをしたくなかったからです。そのため,ハマンはおこりました。ハマンはモルデカイとすべてのユダヤ人にばつをあたえたいとおもいました。
出エジプト20:5;エステル3:5-6,8
ハマンは王に,ユダヤ人たちは王のほうりつにしたがわないとつげました。そこで,王はハマンに新たなほうりつを作らせました。日をさだめて,その日にすべてのユダヤ人をころす,というほうりつです。
エステル3:8-11,13
モルデカイはエステルに,王と話をするようたのみました。王ならハマンのほうりつを変えてユダヤ人をすくえるでしょう。しかし,エステルはおそれを感じました。王は時おり,自分がまねいていないのに話をしに来る人をころすことがあったからです。
エステル4:5-11
モルデカイはエステルに,ころされようとしているユダヤ人のことをかんがえてみるようにとたのみました。しゅがエステルを王のきゅうでんにおかれたのは,じつにユダヤ人をすくうためだったのかもしれない,とモルデカイは言うのです。
エステル4:13-14
エステルには,たとえ自分がころされることになっても王と話さなければならないことが分かっていました。エステルはすべてのユダヤ人と自分のしもべたちに,自分とともにだんじきしてほしいとたのみました。
エステル 4:15-16
3日間断食した後,エステルはみじたくをととのえて王に会に行きました。
エステル 5:1
エステルが王にちかづいて行くと,王はしゃくをさしのばしました。それは,王がエステルに会うことをよろこんでおり,かのじょをころすことはないという意味でした。王はエステルののぞみは何かとたずねました。エステルは王に,自分のたみがきけんにさらされているとつげました。ハマンのほうりつのせいで,エステルと王国に住むすべてのユダヤ人はころされようとしているのです。
エステル5:2-3;7;4-6
王はハマンにはらを立て,ハマンをころしました。そして,ユダヤ人をまもるための新しいほうりつを作りました。これでユダヤ人は,もしだれかが自分たちをきずつけようとしても身をまもることができるようになったのです。
エステル7:9-10;8:10-11
しゅを信じるエステルのしんこうと,王に話すための勇気のおかげで,たみはすくわれました。死や悲しみの代わりに,しゅくえんがひらきかれ,ユダヤ人は喜びいわったのでした。
エステル8:16-17;9:18-32