第10課
悔い改め
目的
悔い改めの原則とそれが人生にとってなぜ大切であるかを理解させる。
準備
-
教義と聖約58:42と3ニーファイ9:22を祈りをもって研究し,話し合えるようにしておく。
-
第7課で準備した「イエス・キリストの教会の会員になる」のチャートを用意し,「イエス・キリストをしんじるしんこう」というカードを所定の位置にはめておく。「くいあらため」というカードを使えるように準備しておく。(信仰箇条第4条を子供たちと復習できるように準備しておくとよい。その原則について教えるときには,第4条を少しでも暗唱できる子供には暗唱させる)
-
次のカードを用意する。(第22課でも使うので保管しておく)
わるかったとかんじる
ゆるしをもとめる
あやまちをつぐなう
あやまちをくりかえさない
-
「人をゆるせるように」(『子供の歌集』52)の2番を子供と歌うか歌詞を朗読できるように準備する。歌詞は本書の巻末にある。
-
8歳未満の子供には責任能力がないことを心に留める。8歳未満の子供に自分のしたことで罪悪感を抱かせるようなことがあってはならない。
-
教材
-
聖書,モルモン書,教義と聖約
-
テープ
-
包帯
-
-
レッスンで用いる「楽しい活動」の準備をする。
レッスン
子供に開会の祈りをさせる。
宿題を出していれば,その確認をする。
わたしたちは間違った選択をしたとき,悪かったと感じる
注意を引くための活動
子供に包帯を見せる。
-
けがをしたことのある人はいますか。
-
どんな気持ちがしましたか。
-
けがをしたら何をしなければなりませんか。(きれいにして包帯を巻く)
-
なぜきれいにして包帯を巻くのでしょうか。(早く治るように)
わたしたちが悪いことをしたときは,けがをしたときと似ています。心が痛んで悲しくなりますね。自分が悪いことをしたことを知っているからです。そのように,間違ったことをしたときに助けてくれるのが悔い改めです。霊的に傷ついた心をきれいにして治してくれるものです。
カード「くいあらため」をはる。
物語
次の物語を教師の言葉で紹介する。
君夫くんはお母さんから糸を買ってく来るように頼まれました。お店に行くと,カウンターにおいしそうなキャンデーが置いてあります。欲しかったのですが,お金が足りません。それで,店の人が糸を探しに店の奥に入ったすきに,キャンデーをポケットに入れてしまいました。店の人が戻って来たので,君夫くんは糸のお金だけを払いました。帰り道,君夫くんはポケットの中のキャンデーを食べました。それから少しして,君夫くんは両親が教えてくれたことを思い出しました。
年長の子供に出エジプト20:15を読ませるか,教師が声に出して読む。
-
君夫くんはどんな気持ちがしたでしょう。(嫌な気持ち)
-
君夫くんはどんな悪いことをしましたか。(キャンデーを盗んだ)
-
君夫くんの嫌な気持ちをなくすにはどうしたらいいでしょうか。(悔い改める)
「わるかったとかんじる」というカードを「くいあらため」のカードの下にはらせる。
まず初めに,わたしたちは,してしまった悪い行いに対して悪かったと感じる必要があることを話す。この気持ちは,わたしたちが悪い行いをしたと分かるように天のお父様が与えてくださったものである。
君夫くんが次にしなければならなかったことは,してしまったことに対して
-
君夫くんはだれに赦しを求める必要がありましたか。(天父と店の人)
わたしたちが間違った行いを悔い改めるときには,天父と間違った行いをしてしまった相手の人に赦しを求めなければならない。悪い行いをしたと認め,してしまったことに対して赦しを求めるのである。
-
わたしたちは天のお父様にどのようにして赦しを求めますか。(祈る)
君夫くんのした3番目のことは償いをすることであったことを説明する。別の子供に「あやまちをつぐなう」というカードをはらせる。わたしたちは悪い行いをしてしまったために生じたあらゆる問題を償うよう努力する必要があることを理解させる。時には,壊してしまったものを元どおりにはできないかもしれないが,失ったものをもとどおりにできるように最善を尽くす必要がある。
-
君夫くんは誤ちを償うために何ができますか。(店に戻ってお金を払う。またはその分働く)
君夫くんがしなければならない最後のことは,誤ちを二度と繰り返さないと決心することである。「あやまちをくりかえさない」というカードを別の子供にはらせる。君夫くんは二度とこのような誤ちをしないと決心しなければならないことを話す。彼は,したことに対して悪かったと感じ,赦しを求め,誤ちを償おうと努力し,二度と誤ちを繰り返さないと決心することで正しい悔い改めができたことが分かる。それぞれのカードを指しながら悔い改めの各段階について説明する。
歌
「人をゆるせるように」の2番を歌うか,歌詞を朗読する。
悔い改めは,真の教会の会員となるための一段階である
チャートと話し合い
わたしたちが主の教会の会員になったときに誤った行いを悔い改めることができるように,イエスはわたしたちに悔い改めの正しい方法を知らせたいと思っておられる。
第7課の「イエス・キリストの教会の会員になる」のチャートをはる。
わたしたちは,真の教会の会員となるための第1段階を前のレッスンで学んだことを思い出させる。その段階はイエス・キリストを信じる信仰であった。「くいあらため」というカードを今はったチャートの上にはり,これが第2段階であることを説明する。
これまでに学んだ二つの段階を子供たちに繰り返して言わせる-イエス・キリストを信じる信仰と悔い改め。
バプテスマを受けた後も,生涯を通じて,誤った選択をした場合には必ず悔い改めなければならないことを話す。イエスはわたしたちが悔い改めれば,その罪を赦してくださると約束しておられる。
教義と聖約58:42を読む。
-
わたしたちが悔い改めるときにイエスから与えられる大きな約束とは何ですか。
教師の提示
悔い改めは,バプテスマを受けた後でも,生涯を通してとても重要なことであるということを話す。8歳になると,わたしたちは自分の選びに責任を持つ。イエスはわたしたちが必ずしもいつも正しい選択をするとは限らないことを知っておられた。イエスはわたしたちを愛してくださり,誤ちを正す方法を与えてくださった。イエスは,わたしたちが天父とイエスのもとに帰りともに生活するようになるには悔い改めなければならないと言われた。
まとめ
聖句の説明
3ニーファイ9:22の最初の文だけを読むか子供に読ませる。
悔い改めは,わたしたちが再び主とともに住む準備をするためにイエスが与えてくださったとても大切な祝福であることを説明する。また,わたしたちができることをすべて行った後で天父が罪を赦してくださるのは,イエス・キリストのおかげであることを理解させる(2ニーファイ25:23参照)。
教師の
悔い改めの原則に関する証を述べる。家庭で親から悔い改めについてもう一度説明してもらうよう,子供たちに勧める。天父とイエスがわたしたちの誤ちを正す方法を与えてくださったことを感謝する。そのためにわたしたちは地上での生活を楽しみ,後の世では天父のもとに戻ることができる。
子供に閉会の祈りをさせる。
楽しい活動
次の活動の中からクラスの子供たちに最も適したものを選ぶ。選んだ活動はレッスンの一部として用いてもよいし,復習やまとめとして用いてもよい。詳しくは「教師へ」の「クラスの時間」の項を参照する。
-
次のような紙を人数分用意する。子供たちに悔い改めの4つの段階を書かせる。小さな子供には4つの円を描いてその中に顔を描かせる。家の中の目立つ所にはっておき,どのようにして悔い改め,悲しい気持ちを楽しい気持ちに変えるかを思い出させる。
画像repentくいあらためるとたのしいきもちがします。
画像repent -
何か間違ったことをして悲しくなり,だれかに助けを求めている様子を演じさせる。赦しを求めるときは真心から行わなければならないことを強調する。真心からかどうかは,声の調子で判断できることが多い。真心から赦しを求める姿と真心からでない姿を演じてみせる。そして,正しい態度で赦しを求められるように練習させる。
-
息子アルマとモーサヤの息子たちの悔い改めの話を教師自身の言葉で紹介する(モーサヤ27章参照)。話の中で悔い改めの4つの段階に触れる。