第16課
従順になることによって信仰を表す
目的
戒めに従うことによって天父とイエスを信じる信仰を表すことができることを理解させる。
準備
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1ニーファイ1-2章のリーハイとその家族の話を祈りをもって研究する。
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リーハイの家族が荒れ野に旅立つときに持って行くかどうか考えたと思われる品物またはその絵。
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「信仰」(『子供の歌集』50)を歌うか,または朗読できるようにしておく。
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教材
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モルモン書
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絵3-39「エルサレムの民に預言するリーハイ」(『福音の視覚資料セット』300);3-40「エルサレムをたつリーハイの家族」(『福音の視覚資料セット』301);現代の預言者の写真
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CTRの盾と指輪
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レッスンで用いる「楽しい活動」の準備をする。
レッスン
子供に開会の祈りをさせる。
宿題を出していれば,その確認をする。
従順は信仰の表れである
注意を引くための活動
「信仰」を歌うか,または歌詞を朗読する。小さな子供のクラスでは,歌に合わせて動作をつける。
しんこうは たいようがあがること(両腕で頭上に半円を作る)
しゅがいのり(腕を肩のところまでゆっくり下す)
ききたもう(両手で耳の裏におわんの形を作る)
ことをしる(両手を組んで祈りの形をとる)
こころにしんこうの(左手をおわんの形にし,右手でそこに種をまく動作をする)
たねをまき(おわんの形をした左手から植物が生長する様子を右手で表す)
おおきくそだてよう(両手を胸に置く)
よいことを(右手の人差し指を上に向ける)
して(右手の人差し指で自分の頭を指す)
天父とイエス・キリストがわたしたちに何かをするように命じられるとき,それは戒めと呼ばれる。わたしたちは戒めを守るときに天父とイエスに信頼の気持ちを示す。わたしたちは,天父とイエスがわたしたちに害になるようなことを命じられないことを知っている。わたしたちは従うときに信仰を表す。
天父とイエスを信じるということは,わたしたちに信仰があることにほかならない。わたしたちは,この世に生きている間に御二方を見ることはできないかもしれないが,御二方に会った人々の証を信じている。また,わたしたちは聖霊が実在の方であり,骨肉の体を持たないが人の形をしておられる霊の御方であることを知っている。
信仰箇条
年長の子供たちが信仰箇条第1条を暗唱できるように助ける。小さな子供たちも一緒に言わせる。中には一部を暗唱できる子供がいるかもしれない。
リーハイは従順になることにより信仰を表した
聖文の物語と絵
わたしたちは天父の子供で,天父とイエスに信仰を示すことができることを説明する。モルモン書には,リーハイという預言者が,従順になることによって天父とイエスに信仰を示した話が記されている。
次の聖文の物語を教師自身の言葉で話す。
昔々,イエス様がお生まれになる600年も前のこと,リーハイという預言者がエルサレムに住んでいました。リーハイの妻はサライアといいました。彼らには,レーマン,レムエル,サム,ニーファイという4人の息子がいました。
リーハイとその家族はお金持ちでした。なに不自由なく幸せに暮らしていました。リーハイは天父とイエス様を愛していました。彼は家族に,御二人を愛し,戒めを守るようにと教えました。
絵3-39「エルサレムの民に預言するリーハイ」を見せる。
その当時,エルサレムに住む人々は大変邪悪な民でした。リーハイは,彼らにも,天父とイエス様とその戒めについて教えようとしましたが,聞こうとはしませんでした。
ある日,リーハイは祈っているときに夢(示現)を見ました。その中で驚くべきことを数多く見ました。それは,人々が悔い改めないと,エルサレムが滅びるだろうという夢でした。リーハイは天父をほめたたえました。天父はエルサレムの民に警告を与えたいと望んでおられたからです。天父はリーハイに,自分の見たことについて人々の前で話すようにと言われました。リーハイは,命じられたとおりに,悔い改めないならば滅ぼされると話しました。
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リーハイは夢の中で何を見たでしょうか(多くのこと。エルサレムが滅びることも見た。1ニーファイ1:13参照)。
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夢を見た後で,リーハイはどう感じたでしょうか(天父をほめたたえた。幸せだった。1ニーファイ1:14-15参照)。
人々に悪い行いを悔い改めなさいと言うことは,勇気の要ることでした。けれども,リーハイは,天父が守ってくださると信じていたので命じられたとおりにしました。人々は,自分たちが悪い行いをしていると言われるのが気に入らなかったので,リーハイに耳を傾けようとせず,リーハイをばかにしたり殺そうとしたりしました。
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リーハイは天父への信仰を示すために何をしましたか(天父の命令に従い,人々に悔い改めるように告げた。1ニーファイ1:4,18参照)。
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リーハイに悔い改めるように言われた人々はどうしましたか(リーハイをばかにし,殺してしまおうとした。1ニーファイ1:19-20参照)。
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人々が自分の言葉に耳を傾けないのを見て,リーハイはどう感じたでしょうか。
聖句を使った話し合い
しばらくして,天父はリーハイにお話しになった。天父がリーハイに何を命じられたか,話を聞くように子供たちに言う。1ニーファイ2:1-2を読む。
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天父はリーハイにどうするように命じられましたか。(エルサレムを離れ荒れ野に出て行くように)
荒れ野とは普通だれも住んでいないところで,家もビルも道もないことを説明する。天父はリーハイとその家族に,すべての人と別れて自分たちだけで生活しなければならない所に行くように命じられた。
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なぜリーハイは家族を連れてエルサレムを出て行くように命じられたのですか。(悪い人々が彼を殺そうとつけねらっていたから。また,エルサレムは滅ぼされようとしていたから)
そのとき,リーハイはどうしたかを読むので,よく聞くように言う。1ニーファイ2:3-4を読む。
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リーハイはどうしましたか。(荒れ野で生活するのに必要なものを持ち,家族を連れてエルサレムから出て行った)
聖文の物語と絵
絵3-40「エルサレムを去るリーハイの家族」を見せる。
リーハイは長い間エルサレムに住んでいましたが,すぐに主の命令に従いエルサレムを後にしました。リーハイと家族は,家や土地,衣服のほとんどと金銀,そのほか財産全部を後に残して行きました。何箱かの食物と着物を何枚かと天幕,そのほからくだやろばに積めたと思われる必要なもの以外には何も持ちませんでした。そして,エルサレムを離れ,荒野に向かいました。
エルサレムを出て行くことは,リーハイにとって易しいことではなかったが,リーハイは命令に従いたいと心から望んでいたことを指摘する。
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リーハイはどのようにして天のお父様とイエス様に対する信仰を表しましたか。(従順であった。命じられたとおりに,邪悪な人々に警告し,家と持ち物を後に残して荒れ野に出て行った)
話し合い
子供たちに,自分がリーハイの家族の一員となったつもりになるように言う。
荒れ野に出て行くときに持って行く物を考えさせる。何と何を持って行きたいか,また何を残して行くかを挙げてもらう。リーハイの家族が持って行くかどうか考えたもの,またはその絵を見せてもよい。例えば宝石を表す指輪,お金を表す硬貨,食糧を表すりんごなどの絵または実物を見せる。リーハイの家族が必要としたものを子供たちに選ばせる。少ししか持って行けなかったことを思い出させる。
活動
リーハイと一緒に荒れ野に行くとしたら何を選ぶかを子供たちに決めさせる。そして最初の子供に「ぼく(わたし)がリーハイと一緒に荒れ野に行くとしたらを持って行きます」の下線の部分に自分の選んだものを入れて言わせる。次の子供は最初の子供が言った言葉を繰り返す。その際に自分の選んだ品物を付け加えて言う。こうして順番が回ってきた子供は,それまでの子供たちが選んだ品物を全部言ってから自分の品物も付け加える。教師も含めて全員に,少なくとも一度順番が回るまで続ける。
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もう二度と友達に会うことも持ち物を手にすることもないと知ったらどのように感じると思いますか。
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リーハイの家族たちはどのように感じたと思いますか。
天父に従ってエルサレムを去ることには大きな信仰が必要だった。リーハイとその家族は,従順であったために祝福を受けた。
正義を選ぶとき,わたしたちは従順になる
ロールプレー
CTRの楯と指輪を見せる。
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CTRとは何のことでしょうか。(正義を選ぶ)
子供たちに,正義を選ぶとは天父とイエス・キリストがしてほしいとお思いになることを行うという意味であると話す。
次の話を自分の言葉で紹介し,子供たちにロールプレーさせる。
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友達と何人かで家に帰るとき,近所の家の庭を通りがかりました。すると木にたくさんりんごの実がなっています。友達は取って食べようと誘いました。たくさんあるから少し取っても分からないよと言います。
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天のお父様とイエス様はあなたにどうしてほしいとお思いになっているでしょうか。
わたしたちは正義を選ぶときに従順になり,天父とイエス・キリストに対して信仰を表すことを説明する。
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好きなおもちゃで遊びたいのですが,弟がそれを使っています。
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天父とイエス様はあなたにどうしてほしいとお思いになっているでしょうか。
天父とイエスが望んでおられることを行うとき,わたしたちは正義を選んでいることを指摘する。
時間があれば,預言者の写真を見せ,預言者がわたしたちに勧めていることを幾つか子供たちに尋ねる。それらの戒めに従うことによってどのような祝福が得られるかを話し合う。
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まとめ
CTRの楯と指輪をもう一度見せ,子供たちにいつも正義を選ぶことの大切さを思い起こさせる。正義を選ぶことによってわたしたちは従順になれる。そして従うことによって,わたしたちは天父とイエス・キリストに対して信仰を示すことになる。
子供に閉会の祈りをさせる。
楽しい活動
次の活動の中からクラスの子供たちに最も適したものを選ぶ。選んだ活動はレッスンの一部として用いてもよいし,復習やまとめとして用いてもよい。詳しくは「教師へ」の「クラスの時間」の項を参照する。
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従順になることによってどう助けられたかをワード(支部)の会員に話してもらう。帰還宣教師,最近の改宗者,最近神殿に参入した人などから選ぶとよい。本人に依頼する前に初等協会会長と神権指導者の承認を得る。
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体を保護してくれるもの(靴,帽子,傘など)を集める。全員参加できるように,子供の人数分集める。一つ一つ品物を取り上げて,子供たち一人一人に順番に,何を守るものかを聞く(靴は足を守ってくれる,など)。全員に聞いた後で,両親に従うことによってわたしたちも守られることを話す。幾つかの規則について話し,それらがわたしたちをどのように守ってくれるか話し合う。
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手を上げて,指を動かすさまを見せる。そして,自分の指は自由に動かせるが,ほかの人の指は動かせないことを指摘する。子供たちに手を上げて指を動かすように言う。また手を開いたり閉じたりさせる。そして,手に正義を選べと命令すれば手はそれに従うことを理解させる。
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「小さな手」の2番を歌うか,または歌詞を朗読する。
しゅにいのりましょう。このてが
ただしいことを おこなうよう
じゅうじゅんをまなび まいにち
しあわせ つかめるように。
(『子供の歌集』126)
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信仰箇条第13条にある正義を選ぶ方法を全部見つける。子供にも見つけさせる。幾つ見つけたか数えさせたり,どこにあるか見つけさせたり,言葉を復唱させたりする。できる子供には,自分が大切だと思う部分を一つか二つ暗唱するように励ます。