第17課
わたしたちは,モルモン書は神の言葉であると信じる
目的
聖文は戒めについて学び,理解するのに役立ち,わたしたちをイエス・キリストのもとに導くものであることを理解させる。
準備
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1ニーファイ3-4章;3ニーファイ18:19;モーサヤ23:15を祈りをもって研究し,ニーファイと
真 鍮 の版の話ができるよう準備する。 -
テーブルの上に四大標準聖典を並べておく。童話,料理の本,教科書などを教室の四隅に置く。置いた本については,子供たちとそれぞれの目的について話すので,その準備をしておく。
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信仰箇条第8条を全員で斉唱できるように準備しておく。
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教材
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四大標準聖典
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童話,料理の本,教科書などの本
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黒板,チョーク,黒板ふき
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絵3-41「逃げるレーマン」;3-42「ラバンの家に近づくニーファイ」;3-43「ニーファイとゾーラム」;3-44「リーハイと真鍮の版」
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レッスンで用いる「楽しい活動」の準備をする。
レッスン
子供に開会の祈りをさせる。
宿題を出していれば,その確認をする。
聖文には天父の戒めが含まれている
注意を引くための活動
いろいろな種類の本を教室の四隅に置き,それぞれについて少し話をする。それから,それらの本について次のような質問をするか,その本に関して別の質問をする。それぞれの質問への正しい答えが出たら,子供たちを教室の四隅に移動させ,それぞれの本を指させる。
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ケーキの作り方を説明しているのはどの本ですか。
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人が作ったお話が書いてあるのはどの本ですか。
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預言者の教えが書いてあって,戒めが守れるようにわたしたちを助けてくれるのはどの本ですか。
天父はわたしたちが誓約を守るように望んでおられることを説明する。天父が預言者たちに神の言葉を書き記すようにと言われたので,わたしたちは今,神の教えと戒めを知ることができるのである。
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預言者たちがこれらのことを書き記した本を何といいますか。(聖文)
多くの預言者たちが福音やそれを人々がどのように実践したのか書き記したので,わたしたちは神の戒めとは何であるかを知ることができる。その戒めは四つの聖典に収められている。わたしたちはそれらを四大標準聖典と呼んでいる。
ニーファイは聖文を得た
絵と聖文の物語と話し合い
モルモン書には,ニーファイと彼の家族にとって聖文がどれほど大切であったかという物語が記されている。
リーハイは息子のレーマン,レムエル,サム,ニーファイに,エルサレムに戻ってラバンという男から真鍮の版を手に入れるようにと主が言われたことを話した。真鍮の版は,真鍮のページでできた聖文である。レーマンとレムエルはエルサレムに引き返したくなかったので腹を立てたが,ニーファイとサムは進んで行こうとした。
ニーファイが真鍮の版を取りに行くことについてどう感じていたか示すために,全員で一緒に1ニーファイ3:7を朗読し,子供たちと一緒に話し合う。
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なぜニーファイは進んで行こうとしたのでしょうか。(主から受けた命令を果たす方法が備えてあることを知っていた)
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ニーファイはどのような約束をしましたか。(主から命じられたことを行って行う)
ニーファイは,兄たちに一緒に行くようにと説得したことを説明する。
最初に,レーマンがラバンの家に行きました。彼はラバンに真鍮の版をもらいたいと話しました。ラバンはレーマンに真鍮の版を与えようとはせず,彼を殺してやると脅しました。レーマンは怖くなって,兄弟たちのところへ逃げ帰りました。絵3-4「逃げるレーマン」を示す。彼は,荒れ野にいるお父さんのところへ帰りたいと思いました。
ニーファイは,戒めに従って真鍮の版を手に入れなければならないと言いました。ニーファイと彼らはエルサレムの自分たちが前に住んでいた家に行って金や銀を持って来ました。真鍮の版と交換してもらおうと思ったのです。
ところが,ラバンは彼らの金や銀を受け取りましたが,真鍮の版は渡そうとしませんでした。彼は召使いたちに命じて彼らを殺そうとしました。ニーファイと兄たちは逃げ出して隠れました。
レーマンとレムエルは,腹を立てました。彼らはニーファイとサムを棒で打ちたたきました。1人の御使いが現れて,たたくのをやめるようにと命じました。御使いは,主が真鍮の版を手に入れるのを助けてくださるので,ニーファイに従うように,と言いました。
絵3-42「ラバンの家に近づくニーファイ」を見せる。
今度はニーファイが真鍮の版を取りに行くことになりました。お兄さんたちは城壁の外の所で待ち,ニーファイはラバンの家の近くに忍び寄りました。ニーファイは,ラバンが酒に酔って地面に倒れているのを見つけました。聖霊が,ラバンを殺すようにとニーファイに言われました。ニーファイはだれも殺したくなかったので,困ってしまいました。
ニーファイは聖文がどれほど大切かを思い出しました。また,ラバンを殺さなければ真鍮の版が手に入らないことも知っていました。そこで彼は,聖霊の導きに従いました。彼はラバンを殺し,ラバンの衣服を身につけました。
そして彼はラバンになりすましました。
絵3-43「ニーファイとゾーラム」を見せる。
ニーファイは,ラバンの召使いのゾーラムに,真鍮の版を自分のところへ持って来てついて来るようにと言いました。ゾーラムは,ニーファイをラバンだと思って言われたとおりにしました。後にニーファイはゾーラムに,主が真鍮の版を手に入れるよう,自分とその兄弟たちに命じられたのだということを話しました。ゾーラムはニーファイを信じました。ゾーラムもまた,主に従いたいと思いました。彼は,ニーファイやお兄さんたちと一緒に荒れ野にいるリーハイのところへ行きました。
絵3-44「リーハイと真鍮の版」を見せる。
リーハイは真鍮の版を読みました。その中には戒めとモーセやほかの預言者たちの話が載っていました。その中にはまた,リーハイの先祖の系図も書かれていました。リーハイは真鍮の版を持って約束の地に行くようにと言われました。
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真鍮の版にはだれの記録が書かれていましたか。(預言者たち)
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真鍮の版にはどんなことが書いてありましたか。
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なぜリーハイとその家族は真鍮の版が必要だったのでしょう。
活動
リーハイの家族にとって,戒めが書いてある真鍮の版を約束の地へ持っていくことがなぜ大切だったのか理解できるように次のゲームを行う。このゲームの目的は,もし書き記されていないならば,聖文の言葉はいかに混乱されやすいかを示すことである。
子供たちに,丸く輪になって座るように言う。教師が右隣りの人に,だれにも聞こえないように,「わたしは天のお父様の戒めに従います」とささやく。次にそれを聞いた人が自分の右隣りの人に聞いたとおりささやく。全員にメッセージが伝わるまで続ける。最後の人が立って自分が聞いたとおりの言葉を繰り返す。たぶん正確にメッセージは伝わっていないであろう(正しく伝わっていた場合は褒めて,二つか三つの文の問題を出す)。教師が答えを言う。
書かれていないことを忘れたり,変えてしまうのは簡単なことであるということを説明する。預言者たちは,忘れることがないように天父とイエス・キリストの言葉を書き留めた。その教えが聖文の中に収められている。
リーハイの家族が真鍮の版を必要としたのは,戒めを覚えていてそれに従うためだった。
聖文はわたしたちが従うのを助けてくれる
聖句を使った活動
わたしたちもリーハイの家族と同じくらい戒めを知る必要があることを説明する。聖文には多くの戒めが載っているので,わたしたちが天父とイエス・キリストに従うのを助けてくれることを説明する。
二つの聖句を読むので注意して聞くように言う。それぞれの聖句がどの戒めについて述べたものかが分かったら手を挙げさせる。3ニーファイ18:19とモーサヤ23:15を読み,子供たちと話し合う。
聖文がないと戒めを忘れ,従わなくなってしまうことを指摘する。そうなると,戒めを守ることによって得られる祝福が受けられなくなってしまう。
信仰箇条と歌
全員で信仰箇条第8条を斉唱する。この信仰箇条には,聖書とモルモン書が神の言葉を含んだものであること,つまり真の教えを含んだものであることが述べられている。天父とイエス・キリストは預言者に,それらの教えを後の世代の人々のために書き記しておくように言われた。
全員で信仰箇条第8条を復唱する。年長の子供たちには暗唱できるように助けてもよい。聖文は戒めを学ぶことにより,正義を選んでバプテスマの聖約を守れるようにするためのものであることを理解させる。
まとめ
話し合い
次の事柄について話し合う。
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わたしたちはお祈りの中で天のお父様に何を感謝したらよいでしょうか。(全部の答えを受け入れるが,聖文について強調する)
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わたしたちはお祈りの中で天のお父様に何をお願いしたらよいでしょうか。(戒めを守るのを助けてくださるように)
子供に閉会の祈りをさせる。
楽しい活動
次の活動の中からクラスの子供たちに最も適したものを選ぶ。選んだ活動はレッスンの一部として用いてもよいし,復習やまとめとして用いてもよい。詳しくは「教師へ」の「クラスの時間」の項を参照する。
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ニーファイと兄たちがエルサレムに戻って,ラバンから真鍮の版を手に入れる話を始める。子供たちに順番に文を一つずつ加えさせて話を組み立てさせる。できるだけ詳しい内容にするように言う。話の筋が分かるように絵を見せる。(間違ったことを言ったり順序が違ったりしても,訂正は最少限度にする。どんな答えでも受け入れる)
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一人の子供にこれから一週間どのように戒めを守るかの絵を黒板または紙に描かせる。そしてそのために何を計画するのかをみんなの前で説明させる。全員が発表できるようにする。教会に行くこと,祈ること,家族を助けること,おもちゃを貸してあげることなどが挙げられるであろう。
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「ニーファイの勇気」(『子供の歌集』64)を子供に歌わせるか,または歌詞を読ませる。歌詞は本書巻末に掲載されている。言葉に合わせて身振りを加えたりロールプレーをしたりしてもよい。
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字を読める子供には,第13課の終わりにある「バプテスマのせいやく」を複写し,それを「やくそくします」の下と「天のお父さまは」の下,「えいえんにみそばにすまわせてくださる」の下の3箇所をまっすぐに切り,4枚に切り分ける。それを混ぜて正しい順序に並べさせる。出来あがったら,一緒にバプテスマの聖約を朗読する。天父がバプテスマの聖約をわたしたちに守ってほしいのは,戒めを守ってもらいたいと思っておられるからであることを説明する。また,わたしたちが教えと戒めを知ることができるよう預言者に御言葉を記録するように言われた。