初等協会テキストと分かち合いの時間
第36課:イエスに愛を示す


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イエスに愛を示す

目的

イエス・キリストが望んでおられることを行うことによってイエス・キリストに愛を示すよう助ける。

準備

  1. ヨハネ14:15を祈りをもって研究する。

  2. 2.6枚の小さな紙に次のヒントを書いておく。

    1. ヒント1-この御方は,わたしたちを愛しておられます。

    2. ヒント2-この御方は,わたしたちと同じ方法で水に沈めるバプテスマを受けられました。

    3. ヒント3-この御方は,少年のころ,大工仕事を習われました。

    4. ヒント4-この御方は,小さい子供が好きで,その子供たちを祝福されました。

    5. ヒント5-この御方は,わたしたちに互いに愛し合いなさいと教えられました。

    6. この御方は,わたしたちのために命を捨てられ,悔い改めができるようにしてくださいました。

    クラスの始まる前にこれらの紙を教室のあちこちに隠しておく。

  3. 「共に愛し合え」(『子供の歌集』74)を歌えるように準備しておく。歌詞は本書の巻末に掲載されている。

  4. 教材

    1. 聖書

    2. 鉛筆と紙またはカード(人数分)

    3. 絵3-9「イエス・キリスト」(『福音の視覚資料セット』240);3-23「聖文を読む子供」;3-25「教会に行く」;3-26「じゅうぶんの一を納める子供」;3-27「三輪車を仲良く使う」;3-59「聖餐のパス」;3-60「祈る少女」

    4. チョーク,黒板,黒板消し

  5. レッスンで用いる「楽しい活動」の準備をする。

レッスン

子供に開会の祈りをさせる。

宿題を出していれば,その確認をする。

イエスはわたしたちを愛しておられる

注意を引くための活動

今日きょうのレッスンに関係のあるヒントを書いた紙が教室の中に何枚か隠してあると言う。静かにそれを探させる。ヒントが全部見つかったら,1番から順番に並べさせ(または並べるのを手伝い)子供たちと一緒に読む。それぞれのヒントについて,子供たちの考えを聞く。

  • これらのヒントはだれについて言ったものですか。(イエス・キリスト)

絵を使った話し合い

絵3-9「イエス・キリスト」を見せる。

イエスがわたしたちを愛しておられることは,わたしたちのためにとても多くのことをしてくださったことから分かると話す。

  • イエス・キリストはわたしたちのために何をしてくださいましたか。(イエス・キリストがわたしたちのために戒めや預言者,教会,神権の儀式を与えてくださったことを理解させる。イエス・キリストのあがないによって,わたしたちは自分の悪い行いを悔い改め,いつか天父とイエス・キリストとともに住むことができるようになった)

イエスはこれらのすばらしい祝福を下さることによって,わたしたちへの愛を示された。天父とイエス・キリストにとって,わたしたち一人一人は特別な存在である。

黒板を使った話し合い

イエス・キリストがわたしたちに対して愛を示してくださったこと,わたしたちもまたイエスに対して愛を示すことができることを説明する。黒板または紙に,「わたしはことによってイエス・キリストさまにあいをしめすことができます」と書いて,読む。そして,これからイエス・キリストに愛を示す方法について話し合うと言う。字を読める子供のために話し合いながら黒板に書いていく。小さい子供のためには絵を描いて説明するとよい。

戒めに従うことによってイエス・キリストへの愛を示す

聖句と黒板を使った話し合い

ヨハネ14:15を読む間,よく聞いて,イエス・キリストに愛を示す一つの方法について考えるように言う。

イエス・キリストは,戒めを守ることが御自身への愛を示すことであると言われた。わたしたちはバプテスマを受けるときに戒めを守ると約束する。わたしたちは戒めを守るとき,イエス・キリストにわたしたちの愛を示すことができる。黒板またはリストが書かれた紙に,「いましめをまもる」と書く。ほほえんだ顔を描いてもよい。

絵を使った話し合い

  • 戒めとは何でしょうか。(わたしたちが幸せになれるように天父とイエス・キリストが作ってくださったルール)

  • イエス・キリストへの愛を示すために守る戒めにはどのようなものがありますか。

子供たち全員に立たせて,戒めを挙げた子から順に座らせてもよい。(答えられない子についてはあらかじめ準備しておく)

子供の提案した内容を示す絵を飾る。教会に行く,せいさん式の間イエス・キリストのことを考える,じゅうぶんの一を納める,正直になる,祈る,聖文を学ぶ,家族を助ける,など。

教会のものを大切にすることによりイエス・キリストに愛を示す

物語

キムがどのようにしてイエス・キリストへの愛を示したかを聞くように言う。

キムが住んでいる所をひどい嵐が襲いました。キムの家族は新しく建てられた教会堂の近くにあります。そこでキムのお父さんは監督から,嵐で教会が壊れていないかどうか調べてくるよう頼まれました。キムとお父さんは風で倒れた木の枝をよけながら歩いて行きました。窓が飛ばされた家もあり,壊れた車もありました。キムは,教会も壊れているのではないかと心配になりました。

教会堂に着くと,大きな窓が一つ嵐で壊れています。そこから雨が入って中が水浸しになり,泥や木の葉,紙くず,木の枝などでいっぱいでした。キムのお父さんはキムに外で待っているように言いました。中に入っても安全かどうか調べるためです。お父さんは急いで外に出て来ました。ほかの部分は被害がないとのことでした。二人は教会堂の中に入りました。お父さんが被害の様子をもっと詳しく調べている間,キムは忙しくなりました。何も言われずに,木の葉や木の枝,紙くずを集めています。

お父さんは教会員の人に一人助けに来てもらい,お父さんと二人で窓に覆いを付けました。この間キムは中の掃除を熱心に続けました。こうして,木の枝や木の葉はほぼきれいに片付けられました。お父さんはキムに家に帰って休むように言いましたが,キムはこのまま教会の掃除を手伝いたいと思いました。キムは残って,みんなで泥を取り除き,壁や床を洗うのを手伝いました。

  • キムはイエス・キリストへの愛をどのように示しましたか。(教会堂をきれいにした)

  • 仕事を終えたキムはどう思ったでしょうか。

教会堂や教会堂の中のものを大切にする方法は幾らでもあることを説明する。わたしたちは教会堂をきれいにし,いつも美しく保つことができる。ごみを拾うこともできるし,自分でごみを床に落とさないようにすることもできる。また,聖文や賛美歌も大切に扱うようにすることができる。時には教会堂や庭の特別掃除会に参加することもできる。どんな人でも教会堂を大切にする活動に参加できるのである。

黒板または紙の「わたしは次のことによって,イエスさまにあいをしめすことができます」の下に「教会のものを大切にする」と書く。ほほえんだ顔を描いてもよい。

人を愛するときに,わたしたちはイエス・キリストへの愛を示すことができる

非常に大切な戒めについて学ぶので注意して聞くように言う。

「共に愛し合え」を歌うか,または歌詞を朗読する。

話し合い

  • この歌からイエス・キリストがわたしたちに何を望んでおられるのか分かりますか。(イエス様がなさったように互いに愛し合うこと)

  • 新しい教えとは何ですか。(互いに愛し合うこと)

  • 弟子とはどういう意味ですか。(イエス・キリストを信じ,従う人)

  • あなたがイエス・キリストに従い,イエスを信じていることを,ほかの人はどのようにして分かりますか。(人に愛を示し,何でも正しいことを行おうとすれば,人は分かる)

イエス・キリストはだれよりも親切で理解のある御方であることを説明する。主の模範に従うには,わたしたちは人にたくさんの愛を示さなければならない。この歌の歌詞は真実で,聖書から来たものである。イエスは言われた。「わたしがあなたがたを愛したように,あなたがたも互(たがい)に愛し合いなさい。」(ヨハネ13:34参照。ヨハネ15:12,17も参照)わたしたちは主がわたしたちを心から愛してくださっていることを知っている。その同じ愛で人を愛さなければならない。わたしたちは人を愛することでイエスへの愛を示すことができる。

リストの最後に「人をあいする」と書く。ハートを描いてもよい。

まとめ

わたしたちは教会のものを大切にしたり,戒めを守ったり,人を愛したりすることによって,イエス・キリストへの愛を示すことができる。わたしたちは行いを通してイエスへの愛を示すのである。

活動

鉛筆と紙またはカードを配る。字の書ける子供に,「わたしは次のことによってイエスさまにあいをしめすことができます」と紙に書くように言う。小さい子供のカードには教師自身が書いてもよい。それから,イエスへの愛を示すために今週できることを一つ書くように言う。絵に描いてもよい。どのように実行したか来週聞くと言う。絵を家に持ち帰り,この1週間,思い出せるように目につく所にはっておくように言う。

子供に閉会の祈りをさせる。

楽しい活動

次の活動の中からクラスの子供たちに最も適したものを選ぶ。選んだ活動はレッスンの一部として用いてもよいし,復習やまとめとして用いてもよい。詳しくは「教師へ」の「クラスの時間」の項を参照する。

  1. お手玉など,投げても安全な柔らかい物を用意する。子供たちを床に円形に座らせる。そしてこう言う。

    イエスにあいをしめすには,ただしいことをじっこうする

    そうすれば,そのあいがつたわるよ

    この詩を子供たちと復唱する。これから一人の子供の名前を言い,お手玉をその子に投げて,イエス・キリストに愛を示す方法を一つだけ言い,終わったらお手玉を教師に返させる。全員に順番が回るまで続ける。

  2. 「共に愛し合え」を歌う。「あい」という言葉が出てきたら,片方の手のひらを下に向け,おわん状にする。その手の甲をもう片方の手で丸くなでる。これは手話で「あい」を表す。わたしたちは天父のすべての子供に理解と愛を示さなければならない。相手を指さした後,「あい」に相当する手話をすることによって,子供たちに「あなたをあいしています」を表す手話の仕方を教える。子供たちに家に帰ってから家族に見せるように言う。愛するということはイエスの模範に従って人に親切にすることである。

  3. 「すべての人を愛しなさい」(『子供の歌集』39)を動作をつけて歌うか,または歌詞を朗読する。

    イエスさまむかしいいました(腕を広げる)

    すべてのひとを あいしなさい(隣りの人にほほえみ,握手をする)

    あなたのむねに あいあれば(胸に両手をつける)

    ひとびとのあい うけるでしょう(腕を広げ,それを胸の所で合わせる)

  4. 一人一人にハートの形をした紙を3,4枚配る。このハートを使って今週愛を示してもらうことを話す。何か親切なことをしたら,そこにハートの形をした紙を置いておく。人を助けることはイエスがわたしたちに望んでおられることである。子供のできる親切を少し紹介する。ロールプレーをして紹介してもよい。

  5. 丁寧に扱われず破損している賛美歌があればそれを見せ,どうしたらこんなことにならなかったかを話し合う。