初等協会テキストと分かち合いの時間
第6課:イエス・キリストの教会が回復された


6

イエス・キリストの教会が回復された

目的

子供たちにイエス・キリストの真の教会が回復されたことを理解させる。

準備

  1. アモス3:7を研究する。

  2. 「神権の回復」(『子供の歌集』60)を歌うか歌詞を朗読できるように準備する。歌詞は本書巻末にある。

  3. 教材

    1. 教義と聖約,聖書

    2. 花,貝殻,きれいな絵など,子供たちの注意を引く物

    3. 黒板,チョーク,黒板ふき

    4. 丸めてラッパにする紙

    5. 絵3-10「最初の示現」(『福音の視覚資料セット』403);3-11「アロン神権を授けるバプテスマのヨハネ」(『福音の視覚資料セット』407);3-12「メルキゼデク神権の回復」(『福音の視覚資料セット』408);3-13「バプテスマを受ける少年」;3-14「確認を受ける少女」

  4. レッスンで用いる「楽しい活動」の準備をする。

レッスン

子供に開会の祈りをさせる。

宿題を出していれば,その確認をする。

真の教会が回復された

注意を引くための活動

黙示14:6-7を読み,この聖句の天使がモロナイであることを説明する。モロナイはジョセフ・スミスに現れて福音が回復されることを告げた。子供たちに紙を丸めてラッパを作らせる。一人一人順番に教会の回復を告げるためのラッパを吹くまねをさせる。

絵を使った話し合い

絵3-13「バプテスマを受ける少年」を見せる。

  • だれもバプテスマを受けられなかったらどうなるでしょうか。(だれもイエス・キリストの教会に入れない)

イエスはこの地上におられたとき,人々に自分の教えを知り,それに従ってほしいと思われた。この教えは,天父とイエスのもとに帰り,再びともに住むためにはどうしたらよいかを知らせるものだった。イエスは人々がこの教えを学んで実践することができるように御自分の教会を組織された。イエスと使徒たちが亡くなった後,人々はイエスが教えた方法に従わなくなってしまった。人々が教えを変えてしまったので,真の教会はなくなってしまった。そこでイエスは,この地上から神権を取り上げられた。このことは,人々が正しい権能を持った人からバプテスマを受けられなくなったことを意味する。また,聖霊のたまものを受けたり,家族として神殿で結び固めを受けたり,預言者が天父とイエスに代わって人々に話をしたりすることもできなくなったのである。

絵を使った話し合い

絵3-10「最初の示現」を見せる。

  • この絵の中の人はだれですか。(天父,イエス,ジョセフ・スミス)

  • ジョセフ・スミスがどの教会が真実かを求めて祈ったときにどんなことが起こりましたか。(天父とイエスが姿を現された。イエスはどの教会も間違っているから加わってはならないと言われた)

当時,真実の教会は地上にはなかったことを説明する。イエスは,御自分の教えと教会とを地上に戻したいと思っておられた。

実物を使ったレッスン

  • 「かいふく」とはどんな意味ですか。(あるものを前と同じ状態に戻すこと)

子供たちに答えさせる。それから次の例を紹介する。

用意した品物または絵を見せる。なぜそれが人を引きつけ,ぜひ持っていたいという気持ちを起こさせるかを話し,子供たちにも感じていることを話させる。それから一人の子供にそれを持たせ,みんなに見えないように隠させる。

  • 隠れてしまった物をもう一度見えるように戻してほしいと思いますか。

隠した子供にみんなが見える場所に戻させる。これが「回復」の意味であることを話す。回復とはあるものを元の状態に戻すことである。イエスは御自分の御心のままに教会を組織されたが,イエスと使徒の死後,人々は真理を取り去ってしまった。イエスは,イエスの教えと教会と人々にバプテスマを施す権能を,地上におられたときと同じ状態に回復しようとされたのである。

話し合い

天父とイエスは,真実の教会を回復するのに信頼における従順な若者を選ばれた。

  • この若者とはだれですか。(ジョセフ・スミス)

もう一度最初の示現の絵に注目させて,真の教会が地上にあるときはいつでも,主はその教会を導くために一人の預言者をお立てになることを説明する。イエスは,近代の最初の預言者としてジョセフ・スミスを選ばれた。

黒板を使った話し合い

黒板に「よげんしゃ」と書く。

  • 預言者とは何ですか。

預言者とは,イエスが御自分の教会を導くために指示を与えられる人のことである,と説明する。

聖句を使った話し合い

年長の子供にアモス3:7を朗読させる。教師自身が読んでもよい。「隠れたことを示〔す〕」とは,示現や夢,啓示などを通して指示を与えることである。

  • イエスはだれを通して指示をお与えになりますか。(生ける預言者)

主の言葉を受けた預言者は,主が何をしてほしいと望んでおられるかを人々に告げる。預言者は,わたしたちが天父とイエスのもとに戻るために正義を選べるよう助けてくれる。

子供たちに教義と聖約を見せる。

この本の中には,イエスがジョセフ・スミスに与えられたたくさんの御言葉が書かれていると説明する。これらの御言葉の幾つかは,イエスの真の教会についてジョセフに告げたものである。わたしたちはこれらの聖句から,イエスがジョセフ・スミスを通して真の教会を回復されたことが分かる。

ジョセフ・スミス,神権を授かる

話し合い

ジョセフ・スミスが教会を回復するためには,特別な力,つまりイエスの代わりに御業を行う権能を受ける必要があったことを子供たちに理解させる。

  • この力は何と呼ばれているか知っていますか。(神権)

絵とお話

ジョセフ・スミスがどのようにして神権を受けたかについて,次の話をする。

ジョセフ・スミスと友人のオリバー・カウドリは,モルモン書を翻訳していたときにバプテスマについて知りました。そして,バプテスマを受けて真の教会に加わりたいと思いました。彼らはひざまずいて天父に祈りました。するとすぐに,天の使いが現れました。

絵3-11「アロン神権を授けるバプテスマのヨハネ」を見せる。

その御使いはイエスにバプテスマを施したバプテスマのヨハネでした。バプテスマのヨハネはジョセフとオリバーに現れて,バプテスマについて教えました。そして,バプテスマを施す力を授けました。その力がアロン神権と呼ばれるものです。次にバプテスマのヨハネは二人に,イエスにバプテスマを施したのと同じ方法でお互いにバプテスマを施すようにと言いました。近くの川で最初にジョセフがオリバーにバプテスマを施し,次にオリバーがジョセフにバプテスマを施しました。

こうしてイエスが教えられたとおりのバプテスマのほんとうの方法が,地上に回復されたのです。

絵を使った話し合い

絵3-12「メルキゼデク神権の回復」を見せる。

何週間か後に,地上にいたときにはイエスの使徒だった3人の天の御使いが,ジョセフとオリバーに現れました。3人の名前はペテロ,ヤコブ,ヨハネでした。彼らはジョセフとオリバーの頭に手を置いて,二人にメルキゼデク神権を授けました。この神権にはアロン神権よりも大きな力があります。この神権を通してイエス・キリストのによって人々にとてもすばらしいことが行えます。例えば,病人への祝福,父親から子供への祝福,神殿の儀式などです。

神権の力によってわたしたちは,人々にバプテスマを施し,確認の儀式をし,聖霊の賜物を授けることができます。絵3-13「バプテスマを受ける少年」,3-14「確認を受ける少女」を見せる。またこの力は,病気の人をいやしたり,正しい生活を送る家族が永遠に一緒に生活できるように神殿で結び固めをするのにも用いることができます。

「神権の回復」を歌うか歌詞を朗読する。

神権がこの地上に回復されたことをあかしする。イエスに代わって行動する力がジョセフ・スミスを通して回復された。ジョセフはこの力を用いてイエスの真の教会を設立した。以来,神権は真の教会に続いて存在している。

  • イエス・キリストの真の教会は何と呼ばれていますか。(末日聖徒イエス・キリスト教会)

子供たちに教会の名前を復唱させる。この教会はこの末の日に回復されたイエスの真の教会であるので末日聖徒イエス・キリスト教会と呼ばれていることを話す。末日とはわたしたちの住んでいる今の時代のことである。

まとめ

信仰箇条

わたしたちは,イエス様がこの地上に生きておられたときに組織されたと同じイエス・キリストの教会の会員となる特権を持っているということを説明する。イエスが組織された教会は「初期の教会」とも呼ばれる。(信仰箇条1:6参照)

信仰箇条第6条を暗唱し,子供たちにも復唱させる。一部でも暗唱できるように励ます。

黒板を使った話し合い

子供たちに,なぜ,自分がこの地上でただ一つの真実の教会の会員になりたいのか考えるように言う。それぞれの答えを以下のように黒板に書く。

  1. 天父にじゅうじゅんになるため。

  2. イエスの教えを知りたいから。

  3. つみがゆるされるように。

  4. せいれいのたまものをうけることができるから。

  5. 天父とイエスのもとにもどり,ともにすみたいから。

  6. 地上でのかみの王国のかいいんとなるため。

あかし

イエス・キリストの真の教会の会員になることがなぜ特権であるかを証する。教会がどんな幸せを生活にもたらしてくれたかを話し,教会員であることへの感謝の気持ちを述べる。

子供に閉会の祈りをさせる。

楽しい活動

次の活動の中からクラスの子供たちに最も適したものを選ぶ。選んだ活動はレッスンの一部として用いてもよいし,復習やまとめとして用いてもよい。詳しくは「教師へ」の「クラスの時間」の項を参照する。

  1. イエスの真の教会が地上に回復されたので,わたしたちはイエスが地上におられたときに教えられたと同じことを学べるようになった。そのことを子供たちに話す。そして,わたしたちは皆イエス・キリスト教会の会員になれるようになった。

    次の話を教師自身の言葉で話す。子供たちにロールプレーをさせてももよい。

    「わたしの名前はマリー・グッディー。14歳ですが11年前に小児まひにかかりました。わたしは今,ソルトレークシティーの初等協会小児病院にいます。……

    両親はわたしが物心つくころから,人生でいちばん大切なものは教会と天のお父様だと教えてくれました……わたしは心の底から教会を愛するようになりました。

    両親はわたしにバプテスマの大切さを教えてくれました。それで,バプテスマの日を心待ちにしていました。やがて8歳の誕生日が来ました。でもお医者さんはバプテスマを受ける間でさえ病院を出てはいけないと言います。わたしはほんとうにがっかりして,お父さんに8歳の間に必ずバプテスマを施してくれるように頼みました。でも,退院まで待たなければならないようでした。そしてそれがいつかはだれも分かりませんでした。

    でも9歳の誕生日の前に,両親や親戚の人や友達が病院に来てくれました。そしてわたしは,病院の治療室の水のタンクでバプテスマを受け,わたしの愛する教会の会員に確認されました。

    あれから6年たちました。わたしは今,バプテスマを受けることが当時のわたしにとってどんなに大切だったかをほかの人たちに知ってもらいたいと思い,これを書いています。

    ……わたしは末日聖徒イエス・キリスト教会の会員になれたことを心から感謝しています。そのことをみんなに言いたいです。」(イラ・マリー・グッディー,“I Was Baptized in a Hubbard Tank,” Children’s Friend1963年1月号,30)

  2. 兄や姉のバプテスマを見た感想を話させる。

  3. 回復を告げるラッパやジョセフの聖なる森での祈りなど,回復に関して覚えていることを絵に描かせる。