第34課
わたしたちは天父に祈ることができる
目的
イエス・キリストのように天父に祈りたいと思う気持ちを強める。
準備
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3ニーファイ17-19章を祈りをもって研究する。
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「神さまありがとう」『子供の歌集』9)を歌うか,または歌詞を朗読できるように準備する。
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次のような紙を人数分用意する。
……をかんしゃします
……をおねがいします
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教材
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モルモン書
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鉛筆かクレヨン(人数分)
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絵3-60「祈る少女」;3-61「ニーファイ人とともに祈るイエス」
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レッスンで用いる「楽しい活動」の準備をする。
レッスン
子供に開会の祈りをさせる。
宿題を出していれば,その確認をする。
わたしたちは天父と話すことができる
注意を引くための活動
絵3-60「祈る少女」を見せる。
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どのようにして天父と話をすることができるでしょうか。
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なぜ天父に祈るのでしょうか。
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いつ天父に祈ることができるでしょうか。
天父はわたしたちをとても愛しておられるので,わたしたちが天父と話すことができるようにしてくださった。天父は祝福に感謝するように望んでおられる。また,必要なときはいつでも助けを願ってほしいと望んでおられる。
わたしたちは天父に感謝することができる
話し合い
わたしたちは祈るとき,与えられた祝福を天父に感謝する必要がある。
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天父が与えてくださっているどんな祝福に感謝することができますか。(答えとしては家,家族,美しい地球,食物,衣類などが含まれるであろう)
わたしたちは天父に祈るとき,特別な言葉を使う。感謝するときは,「……を感謝します」と言う。
子供たちにどのようにして天父に感謝するかを言わせる。一人一人に具体的に何を感謝するか考えさせ,「……を感謝します」にあてはめて言わせる。
物語
次の話は,ジーンという少女が天父に感謝することを覚えた話である。子供たちによく聞くように言う。
そのとき,イギリスは戦争中でした。辺りは真っ暗で,ジーンはこわくて仕方がありませんでした。おばあさんがロンドンの近くの小さな村に住んでいたので,ジーンはおばあさんのところへ行く途中なのです。街道までは3キロ以上もあります。ジーンは無事であるように心から祈りました。
そのとき,強い冷たい風が吹いてきたので,ジーンは息が苦しくなりました。そこでまたジーンは無事を願い,どうにかして道が見えるようにと祈りました。
すると突然,丘の向こうに明かりが見えてきました。ジーンはその明かりに向かってペダルを踏みました。その明かりはおばあさんの家に着くまでずっとジーンの前を照らしました。
ジーンは,天のお父様が祈りに答えてくださったことを知って,とても感謝しました。そして,ジーンはこのときのことを思い出す度に,天のお父様に感謝しました。(ルシール・C・リーディング,“The Light,” Children’s Friend,1965年8月号,45参照)
ジーンが天父に感謝することを覚えていたように,わたしたちは天父が与えてくださるすべてのものや助けについて忘れずに天父に感謝しなければならない。
歌と話し合い
「神さまありがとう」の1番を歌うか,または朗読する。
かみさま おめぐみとあい
いつもくださり ありがとう
ちちはは ともだち おうちも
みなおめぐみよ ありがとう
子供たちにほかの祝福で天父に感謝しているものを挙げさせる。
わたしたちは天父に助けを願い求めることができる
絵と
絵3-60「祈る少女」を指す。
どんな問題があっても,必要であればいつでも天父に助けを求めることができることを証する。
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天父に助けていただくことにはどのようなことがありますか(子供たちに考える時間を与える。答えには,話の責任を果たす,宿題を完成させる,戒めを守る大切さについて理解し学ぶ,特別な守りを受ける,病気が治る,などが含まれるであろう)。
家族や友人,近所の人など,ほかの人のために祈った経験を子供たちに話させる。
天父に助けを願い求めるときに使う特別な言葉は,「……お願いします」である。これを何度か繰り返し言わせる。
歌
「神様ありがとう」の2番を歌うか,または歌詞を朗読する。
歌詞を聞いて天父に何を願い求めるか考えるように言う。
わたしが よいことなるように
ちちははの いうこと きくように
きょうも やさしい エスさまの
みなによりて いのります
わたしたちはイエスのように度々祈るべきである
教師の提示
イエスはこの地上におられたとき,何度も天父に祈られたことを指摘する。イエスは復活した後も天父に祈られた。イエスはニーファイ人を訪れられたとき,彼らを教え,祝福されただけでなく,人々のために祈り,人々も祈るべきであると教えられた。
絵
絵3-61「ニーファイ人とともに祈るイエス」を見せる。
モルモン書には,イエス・キリストが人々を周囲に集め,ひざまずかせたことが書かれている。人々が地にひざまずくと,イエス様御自身もひざまずいて天父に祈られた。イエスの祈りはとてもすばらしかったので人々の心は喜びに満たされた。
イエスは人々に多くのすばらしいことを教えた後で,自分がしたように祈りなさいと教えられた。
聖句を使った話し合い
3ニーファイ18:16を読む。
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この聖句から,イエスはニーファイ人に何を教えられたと言えますか。(祈ること)
イエスはそれからニーファイ人のもとを離れたが,もう一度戻って来られた。イエスは戻って来られたときに,再び天父に祈りをささげ,ニーファイ人の弟子たちを助けてくださったことを感謝された。イエスはまた天父に人々を祝福してくださるように願い求められた。イエスはニーファイ人とともにおられたとき,何度も祈られた。イエスの祈りの幾つかはモルモン書に載っている。モルモン書には,ある祈りはとても美しいので書き記せないと書かれている。
イエスがニーファイ人に度々天父が祈るように教えられたように,わたしたちもイエスの模範に倣って度々天父に祈るべきであると説明する。
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わたしたちはいつ天のお父様に祈るのですか。(自由に答えさせ,いつ祈るかについて話し合う。毎朝,毎晩,食事のとき,家族と一緒に,問題があったり特別な助けが必要なときなど)
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わたしたちは天父とお話しするとき,どんな特別な言葉を使いますか。
子供たちに,「……を感謝します」「……をお願いします」と言わせる。
まとめ
活動
準備した紙と鉛筆かクレヨンを配る。紙の左半分には感謝すること,右半分には願い求めることを書かせる。
教師の
祈りについての証を述べる。天父に感謝し,助けを願うことができるのは大きな祝福であることを強調する。毎日祈るように勧める。また,必要なときには,いつでもどこでも祈ることができることを確認する。
閉会の祈りの準備として,代表して祈る人のために天父に感謝することを提案させる。また,願い求めることも挙げさせる。
閉会の祈りは教師が行い,子供たちが考えたことを祈りの中に入れる。
楽しい活動
次の活動の中からクラスの子供たちに最も適したものを選ぶ。選んだ活動はレッスンの一部として用いてもよいし,復習やまとめとして用いてもよい。詳しくは「教師へ」の「クラスの時間」の項を参照する。
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次の詩を身振りを加えて読む。次に子供たちにも身振りを加えて復唱させる。
神さま,明るいお日さまの光にかんしゃします(腕を挙げて大きな輪を作る)
朝日の中でなく小鳥をかんしゃします(腕を広げて翼のように上下に動かす)
せかいじゅうの元気な子供たちをかんしゃします(ほほえむ)
そして天のお父さまのあいにかんしゃします(祈りのときのように腕を組み,頭を下げる)
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男の子の祈りがこたえられた次の物語を自分の言葉で話す。
8歳の男の子が病院の手術台の上にいました。彼の両親はもう亡くなっていましたが,その男の子はお祈りの仕方を知っていました。また彼は,手術が難しいものであることも知っていました。そこで,手術を担当する医師にこう言ったのです。「先生,手術をする前にぼくのために祈ってくれませんか。」医師は驚いて言いました。「ぼくには君のために祈ることはできないよ。」
そこでこの男の子はほかの医師たちにも頼みました。でも,同じ答えが返って来るばかりでした。そこで男の子は言いました。「みんなができないならちょっと待ってください。ぼくが自分のために祈りますから。」彼は手術台の上にひざまずき,腕を組み,こう祈りました。「天のお父様,ぼくはみなしごです。大変な病気でこのお医者さんたちが手術をしてださいます。正しくできるように助けてください。ぼくは,もし治ったらいい子になります。ぼくを助けてくださってありがとうございます。」
祈り終わると,医師や看護婦の目には涙があふれていました。少年は横になって言いました。「もう大丈夫です。お願いします。」(ジョージ・アルバート・スミス,Sharing the Gospel with Others,プレストン・ニブレー編,144-145より翻案)
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一人一人に1週間の祈りの表を作り,朝と晩にチェックできるようにする。紙の半分にその表を作り,残りの半分に祈っている自分の姿を描かせる。表を家の目につく所にはって,朝晩忘れずにチェックするように言う。
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信仰箇条第1条を子供たちと一緒に復習する。