第7課
イエス・キリストを信じる信仰
目的
イエス・キリストを信じる信仰をはぐくむことが福音の第一の原則であることを理解させる。
準備
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マルコ10:46-52;マタイ3:13-17;3ニーファイ11:8-17;教義と聖約76:19-23を祈りをもって研究し,子供たちに提示し説明できるように準備しておく。
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イエス・キリストについて強い
証 を持っている人を一人クラスに招き,レッスンの初めの数分でその人の持っている証と救い主についてどう感じているかを話してもらう。招待する前に監督または支部長の許可を得る。初等協会会長にも報告しておく。 -
「イエス・キリストの教会の会員となる」という題のチャートを作るために以下の指示に従う(チャートは課末に掲載)。次の4つのレッスンでこのチャートを用いるので厚紙に貼って色をぬっておくとよい。子供たち全員によく見えるように大きく書く。(このチャートは分かち合いの時間でも用いることができる)
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次のカードを作る。
せいれいのたまもの
バプテスマ
イエス・キリストをしんじるしんこう
くいあらため
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カードをレッスンで指示されているようにはる。このレッスンでは「イエス・キリストをしんじるしんこう」だけを用いる。
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「イエス・キリストの教会の会員になることについて何を学んだかわたしに聞いてください。」と書いた紙(人数分)
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クラスの始まる前に,4つの標準聖典を子供たちから見える所に置いておく。
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「救い主の愛」(『子供の歌集』42)を歌うか歌詞を朗読できるように準備する。歌詞は本書の巻末にある。
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できる子供たちには,信仰箇条第4条を暗唱できるように助ける。
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教材
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聖書,モルモン書,教義と聖約,高価な真珠
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絵3-9「イエス・キリスト」(『福音の視覚資料セット』240);3-16「盲人を
癒 されるイエス」(『福音の視覚資料セット』213);3-1「イエスにバプテスマを施すバプテスマのヨハネ」(『福音の視覚資料セット』208);3-17「西半球で福音を教えられるイエス」(『福音の視覚資料セット』316);3-10「最初の示現」(『福音の視覚資料セット』403);3-18「ロレンゾ・スノー」
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レッスンで用いる「楽しい活動」の準備をする。
レッスン
子供に開会の祈りをさせる。
宿題を出していれば,その確認をする。
信仰について理解する
注意を引くための活動
絵3-9「イエス・キリスト」を見せる。レッスンが終わるまでキリストの絵はそのままにしておく。
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この御方はどなたですか。
訪問者の証
訪問者を紹介する。子供たちに,訪問者には,イエス・キリストについてどう感じているか簡単に話してもらうことを述べる。イエスについてどう感じているかを述べることが証であることを説明する。訪問者が証を述べ終わったら,すぐに感謝を述べ,自分のクラスに帰ってもらう。訪問者が去った後で次の質問をする。
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訪問してくださった人はどなたですか。
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〇〇兄弟(姉妹)がここにいらっしゃったことはどうして分かりますか。
欠席している子供かあるいはほかの人の名前を空欄に入れて次の質問をする。
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(子供の名前)さんは
今日 クラスで訪問してくれた人を見ましたか。 -
(子供の名前)さんは今日クラスに訪問者があったことをどのようにして知ることができますか。
教師の提示
今日ここにいない人は,訪問してくれた人を見ることはできない,しかしクラスの人たちが教えてあげれば,訪問者があったことを信じるようになる。このように,自分の目で見なくてもそれがほんとうだと信じることが信仰を持つということである。
チャート
「イエス・キリストの教会の会員となる」のチャートを見せる。子供たちと一緒にチャートに書いてある言葉を読む。年少の子供には一緒に復唱させる。
イエス・キリストを信じる信仰を持つことが,イエス・キリストの教会の会員となるための第一歩であることを説明する。「イエス・キリストをしんじるしんこう」というカードをチャートのいちばん下の段にはる(年少の子供たちには話の内容が理解できるように,イエス・キリストの絵もカードのそばにはるとよい)。年長の子供たちに一緒に読ませる。今日のレッスンではイエス・キリストを信じる信仰について学ぶことを話す。
聖書とモルモン書はイエス・キリストについて証している
教師の提示
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わたしたちはイエス・キリストを見たことがないのに,どうして,イエス・キリストが生きていてわたしたちを愛してくださることが分かるのでしょうか。(イエス・キリストに会った人々が話してくれるから)
テーブルの上の本を指して,それが聖文と呼ばれていることを説明する。聖文には,イエスと会ったり話したりしたことのある多くの人々のことが書いてある。
聖書を手に持って見せ,聖書には,イエスがこの地上に生きておられたこと,人々に教えられたこと,御自分の教会を組織されたことなどが書かれていることを指摘する。聖書には,イエスを見て知っていた多くの人々について,またイエスがどのようにして人々を助けたかについて書かれている。
絵と聖文の物語
絵3-16「盲人を
バルテマイは,イエスが来られると聞いて,
子供たちに,聖書の中から聖句を読むので,バルテマイがどうなったかよく聞くように言う。マルコ10:52を読む。
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バルテマイはどうなりましたか。(イエスが癒されたので見えるようになった)
イエスは「あなたの信仰があなたを救った」とバルテマイに言われた。バルテマイは,イエスが自分を癒す力をもっておられる,と信じた。
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バルテマイのお話から,わたしたちはイエスについてどんなことが分かりますか。(イエスはわたしたちを愛してくださるので,もしわたしたちがイエスを信じるならば,助けてくださる)
絵と聖句を使った話し合い
バルテマイの絵の上に,絵3-1「イエスにバプテスマを施すバプテスマのヨハネ」を置く。
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この絵にはどんなことが描かれていますか。(バプテスマのヨハネがイエスにバプテスマを施している)
マタイ3:17を読む。
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イエスがバプテスマを受けられたとき,天から,「これはわたしの愛する子,わたしの心にかなう者である」と言われたのはどなたですか。(天父)
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天父の言葉から,イエスについてどんなことが分かりますか。(イエスは天父の御子であるということ)
天父はイエスが御自分の息子であると証なさったことを説明する。
モルモン書を手に持って見せる。モルモン書と呼ばれるこの聖典の中には,死者の中から復活したイエスと会って話したアメリカ大陸のニーファイ人という大きな民のことが書かれている。
3ニーファイ11:8を読む。イエスのバプテスマの絵の上に,絵3-17「西半球で福音を教えるイエス」を置く。3ニーファイ11:9-10を読む。イエスは,自分こそ,預言者たちがこの世に来ると預言したイエス・キリストであると人々に言われたことを説明する。
ニーファイ人たちは,必ずおいでになると預言されていたイエスが来られたと知ってどんなにうれしかったことか,子供たちに理解させる。イエスは,御自分が一度死んで復活されたことを知らせるために,人々に手と足を触らせられた。
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ニーファイ人に姿を現されたイエスの様子から,イエスについてどんなことが分かりますか。(イエスが死んだ後に復活されたこと。イエスは生きておられること))
近代の預言者たちはイエス・キリストについて証している
絵を使った話し合い
高価な真珠を手に持って見せる。預言者ジョセフ・スミスの最初の示現の話がこの本に載っていることを説明する。ジョセフ・スミスの最初の示現について子供たちに知っているだけ話させる。(知らない子供がいたら話せるように準備しておく。ジョセフ・スミス-歴史1:7-19参照)。
前の絵の上に絵3-10「最初の示現」を重ねる。ジョセフ・スミスはイエスが復活された千何百年も後に実際にイエスに会ったことを強調する。
絵と物語
絵3-18「ロレンゾ・スノー」を見せる。彼が教会の大管長だったとき,ソルトレーク神殿でイエス・キリストの訪れを受けたことを説明する。
あるとき,孫娘と一緒に神殿の中を歩いているときに,スノー大管長はその経験について話した。そのときの様子を彼女はこう述べている。
「わたしたちが祖父の部屋を出て,日の光栄の部屋に通じる広い廊下を歩いていたときのことでした。わたしはそのとき祖父の数歩前を歩いていました。ちょうどそのとき,祖父はわたしを止めてこう言いました。『ちょっとお待ち,アリ。おまえに話したいことがある。ウッドラフ大管長が亡くなられたとき,主イエス・キリストがわたしに姿を現されたのは,ちょうどこの場所だったのだよ。』
それから祖父はわたしの方へ一歩歩み寄ると,左手を伸ばしてこう言いました。『主はちょうどここに立っておられた。床から1メートル位の所だったね。純金の台座の上に立っておられるようだったよ。』
祖父は,救い主がどれほど栄光に満ちた御方であるかを説明してくれました。また救い主の手,足,表情,それに美しい白い衣などについて細かく説明し,それがすべて非常な白さと輝きとに満ちみちていたため,救い主をまともに見ることができないほどだったそうです。
祖父はわたしの方にもう一歩近づくと,右手をわたしの頭の上に置いて,こう言いました。『アリ。決して忘れないでおくれ。これがおまえのおじいさんの証だ。おじいさんは神殿のこの場所で救い主と実際に会って,救い主と顔と顔を合わせて話をしたんだよ。』」(『主は実に生きたもう,われらは主を見たり』「聖徒の道」1976年4月号,191)
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スノー大管長の証から,イエスについてどんなことが分かりましたか。(イエスは生きておられる。肉体を持っておられる。今の時代の人々と話すことができる)
わたしたちはイエス・キリストを信じる信仰を持つことができる
話し合い
何人かの子供に次のように質問する。
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あなたはイエス様に会ったことがありますか。
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イエス様が生きておられるとどうして分かりますか。
両親や初等協会の先生や聖文から学んで得たイエスに対する信仰を子供たちに述べさせる。
イエスが生きておられ,わたしたちを愛してくださるという信仰をわたしたちが持てたのは,聖文や人々の証があるためである。人々の証からわたしたちには次のことが分かる。
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イエスは神の子である。
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イエスはわたしたちを愛し,助けたいと望んでおられる。
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イエスは,わたしたちがイエス・キリストを信じる信仰を持つようにと望んでおられる。
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イエスは復活し,生きておられる。
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イエスは肉体を持ち,人々と話すことができる。
イエス・キリストを信じる信仰を持つことが真の教会の会員になるための第一歩であることを説明する。
歌
「救い主の愛」を歌うか歌詞を朗読する。
まとめ
教師の
使った絵の中から1枚選び,それに関する自分の証や経験を述べる。
例えば,絵3-17「西半球で福音を教えるイエス」を見せて,イエスが復活した後にニーファイ人に現れて手や足に触らせられたことから,イエスがすべての人々を愛していることが分かったということを説明する。
宿題
「イエス・キリストの教会の会員になることについて何を学んだか私に聞いてください。」と書いた紙を全員に配る。子供たちに,その紙を両親に渡し,イエス・キリストを信じる信仰について何を勉強したか家族に話すように言う。
子供に「わたしたちは,永遠の父なる神と,その御子イエス・キリストと,聖霊とを信じる」(信仰箇条1:1)を復唱させる。次に,信仰箇条第4条を少しでも暗唱できる子供には発表させる。
子供に閉会の祈りをさせる。
楽しい活動
次の活動の中からクラスの子供たちに最も適したものを選ぶ。選んだ活動はレッスンの一部として用いてもよいし,復習やまとめとして用いてもよい。詳しくは「教師へ」の「クラスの時間」の項を参照する。
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教義と聖約を手に持って見せる。この本には,ジョセフ・スミスがイエスに会った別のときのことが書かれている。ジョセフ・スミスとシドニー・リグドンが聖書を研究し,イエスとその教えについて考えていると,イエスが彼らに
御姿 を現された。ジョセフ・スミスの証を読むのでよく聞くように言う。教義と聖約76:22「見たからである」まで読む。
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ジョセフ・スミスの証からイエスについてどんなことが分かりますか。(イエスは生きておられるということ)
聖文を読んで,イエスに会った人々について学ぶと,イエスを信じる信仰がはぐくまれることを説明する。わたしたちは自分の目でイエスを見たことはないけれども,聖文の中でイエスに会った人々の証を読むとき,イエスは生きておられ,わたしたちを愛してくださるという信仰を持つことができる。また,祈りの中で天父に尋ねるとき,イエスが救い主であることが心の中で理解できるようになる。
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イエスについて感じていることを証したい子供がいるかどうか尋ねる。子供たちに絵を1枚選ばせて,その絵の出来事がなぜ自分の証を強めたかを話させる。同じ絵を何度使ってもよい。
一人一人がイエスに対する自分の気持ちを話したところで,彼らがバプテスマに向けての大切な一歩を踏み出していることを話す。
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その一歩とは何ですか(イエス・キリストへの信仰をはぐくむこと)。
チャートを指して「イエス・キリストをしんじるしんこう」をみんなで復唱する。
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今日学んだ聖文の物語の一つを絵に描かせる。