だい12しょう
サミュエル・スミスのごんどう
(1830年6月)
サミュエル・スミスは,ジョセフ・スミスの弟です。サミュエルは,イエスからでんどうに行くように言われました。サミュエル・スミスは,教会のさいしょのせんきょうしです。
サミュエルは,人びとにふくいんを教えに出かけました。『モルモン書』について話したいと思いました。それで,『モルモン書』を売ろうとしましたが,だれ一人読もうという人はいません。サミュエルはかなしくなりました。
サミュエルのでんどうは,とてもつらいものでした。たびたびひもじい思いをし,ねるばしょのないこともありました。つめたい人たちがいたのです。
サミュエルは,フィニアス・ヤングという人に『モルモン書』を売りました。フィニアスは『モルモン書』を読んで,おにいさんのブリガム・ヤングにわたしました。
ブリガム・ヤングは『モルモン書』を読んで,本当だと思いました。そして,イエスのふくいんについて学びました。フィニアスとブリガムは,友だちにも『モルモン書』のことを話しました。友だちも『モルモン書』を読みました。こうして,フィニアスとブリガムと友だちは,教会に入りました。
ブリガム・ヤングは,後に教会のよげんしゃになりました。ブリガム・ヤングは,せいとたちをたすけた,いだいなしどうしゃです。
サミュエル・スミスは,がっかりして家に帰りました。よいでんどうができたとは思えなかったのです。ブリガム・ヤングがいつの日かよげんしゃになろうとは,思ってもみませんでした。
ある夜,サミュエルは,小さなやどに立ちよりました。そして,やどのしゅじんに,『モルモン書』を買ってくれるようにたのみました。「どこで手に入れたのかね?」やどのしゅじんが聞くので,サミュエルは,おにいさんが金ばんからほんやくしたものです,と答えました。
すると,やどのしゅじんはおこって,「このうそつきめ,とっとと出て行け」と,言いました。
その夜,サミュエルは,りんごの木の下でねむらなければなりませんでした。
サミュエルはやっと,ほかの教会のしどうしゃに『モルモン書』をわたすことができました。そのしどうしゃとおくさんは,『モルモン書』を読んで,大切な本であることを知りました。