だい62しょう かいたくしゃたち,ソルトレークぼんちを目ざす (1846年6月-1847年7月) かいたくしゃたちはまだ,カウンシルブラッフスにいました。たびをするには,多くのたくましい男の人がひつようだったのです。わかい人のほとんどは,モルモンだいたいに行っていました。かいたくしゃたちは,ロッキーさんみゃくへむけてのしゅっぱつを春までのばすことにしました。 せいとたちは,インディアンからむこうの土地をかりて,ウィンタークォーターズという町を作りました。丸木で作った家もあれば,山のしゃめんにあなをほって作った家もありました。かいたくしゃたちは,さくもつもうえました。 ブリガム・ヤングは,人びとをいくつかのワードに分け,かんとくをめしました。かいたくしゃたちは,町のまわりにかべをめぐらしました。いちぶのインデイアンのいやがらせからみをまちるためです。 ウィンタークォーターズにいた時,ブリガム・ヤングはけいじをうけました。主は,しゅっぱつのじゅんびをすべきことと,たびのとちゅうですべきことについて,お話しになったのです。 主は言われました。「人びとを小さなぶたいに分け,それぞれにたいちょうをおきなさい。人びとはたいちょうにしたがわなくてはならない。たすけ合いなさい。父親や母親のいない子どもたちのせわをしなさい。」 (教義と聖約136:1-8) 「かくぶたいは,それぞれにぐるまや食べものをよういしなさい。また,にぐるまを直し,家をたて,さくもつをうえ,はしを作るのになれた人びともよういしなさい。」 (教義と聖約136:7) また,このようにも言われました。「いましめをまもりなさい。たがいにやくそくをまもりなさい。人のわる口を言ってはいけない。正直でありなさい。人からかりたり,見つけたりしたものは,かえしなさい。」 (教義と聖約136:23-27) 主は,かいたくしゃたちのしあわせをのぞまれました。「いっしょに歌い,おどりなさい。おそれることはありません。わたしがたすけます。あなたがたはしれんにあいますがそれによって,さらによいたみとなり,しゅくふくされるでしょう。」 (教義と聖約136:28-31) ブリガム・ヤングは,主の言いつけどおりにしました。人びとをぶたいに分け,山の中に町を作るのにひつようなすべてのものをよういさせたのです。 せいとたちは大会をひらきました。それからブリガム・ヤングは,先にしゅっぱつするぶたいをえらびました。そのぶたいは,143人の男の人と,3人の女の人,それに2人の子どもでできていました。このぶたいは,つぎの日,ウィンタークォーターズをたちました。 みんなにしごとがありました。女の人は,子どものせわやしょくじのしたくをしました。男の人は,じゅうをもって,人びとやかちくをまもりました。 かいたくしゃたちは,一日中たびをし,夜はキャンプをはりました。にぐるまをまるくならベて,その中に,人やかちくが入りました。そして,火をたき,しょくじを作りました。 人びとは,歌いおどりました。「おそれず来たれ,せいと」(『さんびか』17番)は,そうした歌の一つです。この歌を歌うと,人びとは元気になれるのでした。 ねる時間になると,ラッパをふいて知らせました。かいたくしゃたちは,おいのりをしてからねました。 へいげんのたびは4か月もつづきました。とちゅうで会ったしょうしたちは,ブリガム・ヤングに言いました。「ロッキーさんみゃくに行くのはやめた方がよい。さくもつができるところじゃない。」 また,カリフォルニアに行った方がよい,と言う人もいました。しかし,ブリガム・ヤングは言いました。「主は,せいとがどこに行くべきかお教えになりました。わたしは主にしたがいます。」 ついにかいたくしゃたちは,さんみゃくにさしかかりました。山のたびはつらいものです。 ブリガム・ヤングはびょうきになり,早くすすめなくなりました。そこで,先に行く人を何人かえらび,グレート・ソルトレークぼんちに行って,さくもつをうえはじめるように言いました。 人びとは,にぐるまを引いて山をこえ,ぼんちに入りました。そして,小さな川のほとりにキャンプをしました。 人びとは主においのりをして,これからまくたねをしゅくふくしてくださるようにおねがいしました。そして,たねをまきました。 つぎの日,ブリガム・ヤングたちがぼんちに入りました。にぐるまからぼんちをながめたブリガム・ヤングは,主がのぞんでおられるのは,ここだ,と思いました。そして,こう言いました。「まさにこの地だ。行こう。」こうしてせいとたちはぼんちに入ったのです。1847年7月24日のことでした。