生徒が自分たちに対する救い主の愛を感じ,自らも救い主への愛をさらに強め,救い主の贖いの犠牲に対する感謝の念をいっそう深めることができるように助ける。
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以下の聖句の内容について深く考え,祈る。
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マタイ26:47-75;マルコ14:43-72;ルカ22:47-71;ヨハネ18:1-27。ゲツセマネにおける苦しみの直後に,イエスはユダによって裏切られる。ユダは祭司長,パリサイ人,兵士とともにそこへ来る。イエスは彼らに身をゆだねられる。祭司長たちはゲツセマネの園からイエスを連行してユダヤの法廷に引き渡す。イエスは最初に前の年の大祭司アンナスの審問を受けられる。それから,アンナスの次の大祭司で彼の義理の息子であったカヤパの審問を受けられる。出席している祭司長と長老たちはイエスにつばを吐きかけ,あざけり,縛り上げ,死罪に値する神を冒瀆する罪を犯したと訴える。カヤパの官邸の外で,ぺテロは,自分がイエスを知っていることを否定する。
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マタイ27:1-26;マルコ15:1-15;ルカ23:1-25;ヨハネ18:28-19:16。祭司長たちやパリサイ人たちはイエスに死刑を宣告する力がないために,ユダヤのローマ総督ボンテオ・ピラトの裁判を受けさせるために,イエスを彼のもとへ送る(『聖句ガイド』「ピラト,ポンテオ」』の項,217参照)。ピラトの前に引き出されたイエスは,カエサルに対する反逆罪で訴えられる。イエスがガリラヤ出身であることを知ったピラトは,ガリラヤの領主であったへロデのもとへイエスを送り届ける。へロデはイエスを裁判にかけることはせず,ピラトのもとへ送り返す。そしてピラトは,イエスを十字架につけよという群集の要求に屈するのである。
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マタイ27:27-66;マルコ15:16-39;ルカ23:26-56;ヨハネ19:17-42。イエスは鞭打たれ,その後に十字架につけられる。イエスは十字架の上で,人類のための犠牲として御自身をささげているときに,大きな苦しみを受けられる。
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そのほかの読書課題:イザヤ53;マルコ15:39-47;ヨハネ3:16;15:13;1ニーファイ11:32-33;19:7-9;2ニーファイ9:21-22;『聖句ガイド』「十字架の刑」』の項,124
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107-108ページにある言葉を書いた7枚の紙を用意する(または,それらの言葉を黒板に書く準備をする)。
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以下の資料が入手できる場合は,レッスンの中で使用する。
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「イエスを裏切る」(『福音の視覚資料セット』228);「イエスを否定するぺテロ」(『福音の視覚資料セット』229);「十字架」(『福音の視覚資料セット』230)
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「わたしはそのために生れ」(15分57秒)『「新約聖書」ビデオ・プレゼンテーション』(53914 300)
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教えるための提案:教師と生徒たちが敬虔なら,クラスに御霊を招くことができる。生徒たちには「自由に討論し,語り,参加させるべきである。しかしクラスの中のだれにも,つつき合いをしたり,軽率で愚かなことを言ったりして,ほかの生徒たちの気を散らすような権利はない。」(デビッド・O・マッケイ,Gospel Ideals『福音の理想』224)神に対する敬虔な思いと,各生徒を尊重している気持ちを一つの具体的な形で示す。
以下の資料はレッスンの概要を補足するためのものである。この中の幾つかをレッスンに取り入れてもよい。
救い主の現世における最後の日の行動は,その偉大さを示している。その日にイエスが耐えられた試練の幾つかを見直す。続いて,次の質問をする。
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この困難なときのイエスの中に,どのような特質を見ることができますか。(御自身のことよりもほかの人々のことを考えておられた,人々の罪を赦したいと考えておられた,天の御父の御心に従順であられた,人々の弱さをとがめることをなさらなかった,不平を言われなかった,などの答えが考えられる。生徒の答えを黒板に書き上げる。それらの特質が具体的にどこに表れているかを,生徒たち挙げさせる。)
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皆さんが非常に困難な状態になったとき,どのような特質が表れることが多いですか。困難な状況のときに,わたしたちはどうしたら救い主の模範に従うことができるでしょうか。
2.「わたしは罪のない人の血を売るようなことをして,罪を犯しました。」(マタイ27:4)
3.「あなたはきよう,わたしと一緒にパラダイスにいるであろう。」(ルカ23:43)
ルカ23:43の救い主の言葉について説明する必要がある場合,以下の事柄を教えるとよい。
預言者ジョセフ・スミスは,イエスは盗賊に「あなたはきよう,わたしと一緒に霊界にいるであろう」と告げられた,と教えている(Teachings of the Prophet Joseph Smith『預言者ジョセフ・スミスの教え』ジョセフ・フィールディング・スミス選,309)。
教義と聖約138:36-37から,わたしたちは次の事柄を知ることができる。イエスは死と復活の間に霊界に行かれ,そこで,地上で福音を受け入れる機会にあずからなかった霊たちに福音を説き広めるための備えを,忠実な霊たちにさせられた。