第40課
「わたしを強くして下さるかたによって,何事でもすることができる」
目的
イエス・キリストのまことの弟子となるための属性を身に付けるよう生徒を励ます。
準備
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以下の聖句を読み,内容について深く考え,祈る。
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そのほかの読書課題:『聖句ガイド』「パウロの手紙-ピリピ人への手紙,コロサイ人への手紙,ピレモンへの手紙」の項,202。
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教えるための提案:レッスンの概要や読書課題となっている聖句には,あなたがクラスで使える時間内に収めることができないほど多くの内容が網羅されている場合がある。レッスンを準備する際,クラスにとって最も役立つ教えと原則を祈りの気持ちで選ぶことが大切である。それらを最初に教え,もし時間に余裕があればそのほかの事柄をレッスンで採り上げる。しかしながら,教える際には御霊に耳を傾けること,御霊によって促された場合に計画してきたことをその場で変える柔軟性を持つことが大切である(『教師,その大いなる召し』単元E「19.レッスン時間の活用と厳守」121参照)。
レッスンの展開
導入
適切であれば,以下の活動または教師が考えた活動をレッスンの初めに行う。
信仰箇条1:13から,「正直」「真実」「徳高くあるべきこと」「称賛に値すること」など,鍵となる言葉を黒板に書き出す。
導入
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これらの言葉は信仰箇条の何節に記されているでしょうか(生徒が知らなければ,『高価な真珠』の最後に収められている信仰箇条を開かせる)。
生徒が正しく答えたら,一人の生徒に信仰箇条1:13を暗唱してもらうか,読んでもらう。次に,生徒全員で13節の前半,「パウロの勧告に従うと言ってもよい」までをもう一度読む。
導入
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「パウロの勧告」とは何でしょうか。それはどこに記されていますか。
生徒にピリピ4:8を開いて,信仰箇条1:13節と比較させる。ジョセフ・スミスは信仰箇条1:13の中でパウロの勧告と言ったとき,パウロがピリピの聖徒たちにあてて書いた手紙の一部であるピリピ4:8を指していたことを説明する。今日のレッスンではパウロがローマで投獄されていた間に書いたこの手紙と,コロサイ人にあてた手紙,ピレモンにあてた手紙について学ぶ。これらの手紙では,わたしたちがイエス・キリストの忠実な弟子となるためにはぐくまなければならない属性について論じられている。
聖句を使った話し合いと応用
以下の聖文を教えるに当たって,パウロの時代に教えられたこれらの聖文が今日のわたしたちにどのように応用できるかについて話し合う。聖典で述べられている原則に関して経験した事柄を分かち合うよう生徒に奨励する。
1.パウロはピリピの聖徒たちに対して,イエス・キリストに従うよう勧告する。
ピリピ人にあてたパウロの手紙について話し合う。選んだ箇所を何人かの生徒に読んでもらう。
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パウロはローマで投獄されていたときに,ピリピの人々にあてて手紙を書きました。教会員はパウロの投獄をどのように考えていたでしょうか(ピリピ1:12-18参照)。あなたは,勇気をもって主に仕えた人々を見たり,彼らの話を聞いたりすることによって,勇気づけられたことがあるでしょうか。
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ピリピ2:2-3で,パウロは教会員に対してどのようなことを勧めているでしょうか。教会員はどうすれば「一つ心」になることができるでしょうか(ピリピ1:27;2:14-15参照)。わたしたちが時々「虚栄」から何かをすることがあるのはなぜでしょうか。パウロはなぜこれを避けるように勧告したと思いますか。わたしたちがほかの人々よりも優れていると考えることのないようにするのはなぜ大切なことでしょうか(教義と聖約38:24-26参照)。
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パウロはピリピ2:5-8で,イエスについてどのように教えているでしょうか。イエスは謙遜であること,御父の御心に従うことについて,どのように完全な模範を示されたでしょうか(ヨハネ8:29参照)。わたしたちはどうすればもっと謙遜になって天の御父の御心に従うことができるでしょうか。
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パウロはピリピ人に語った「いっそう従順でいて,恐れおののいて自分の救の達成に努めなさい」という勧告はどのような意味でしょうか(ピリピ2:12)。
デビッド・O・マッケイ大管長はこのように説明している。「『自分の救の達成に努めなさい』とは,行いによって,また思慮深く,従順に努力することによって,信仰を持っていることを示しなさいとの意味を込めて勧告している言葉なのです。しかし,これを実行するに当たっては,自分に頼ることが高慢や弱点を生み,それらが失敗につながることにも注意を払わなければなりません。わたしたちは恐れおののいて,最終的な勝利を得るために必要な霊感を受けられるよう神の力と恵みを求めなければならないのです。」(Conference Report『大会報告』1957年4月,7)
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パウロはピリピ人に繰り返し「主にあって喜びなさい」と勧告しています(ピリピ3:1;4:4)。わたしたちはどうすれば主にあって喜ぶことができるでしょうか。
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パウロはキリストのためにすべてのものを犠牲にしたとピリピ人に語っています(ピリピ3:7-8)。パウロは何を犠牲にしたのでしょうか。キリストのために犠牲をささげることはわたしたちにとってなぜ大切なのでしょうか(ピリピ3:9-12参照)。
預言者ジョセフ・スミスはこのように教えている。「あらゆる物事を犠牲にするよう求めない宗教には,命と救いに必要な信仰を信仰を生み出すのに十分な力はない。というのは,人類の存在当初から,命と救いの享受に必要な信仰は,あらゆるこの世的な物事を犠牲にして初めて得られるものだからである。」(Lectures of Faith『信仰に関する講話』69)
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ピリピ4:7に記されている「神の平安」を得るにはどうすればよいでしょうか(ピリピ4:6-7参照)。あなたはいつ「神の平安」を感じましたか。
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わたしたちは今日,ピリピ4:8に記されている勧告をどのように応用できるでしょうか(箇条1:13も参照)。この勧告に従うことによってどのような祝福を受けるでしょうか。
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パウロは「わたしを強くして下さるかたによって,何事でもすることができる」と証しています(ピリピ4:13)。パウロはキリストに対するこの証をどのようにして得たと思いますか。あなたは「キリストによってあらゆること」ができることをどのようにして知りましたか。
2.パウロはイエス・キリストによってのみ贖罪がもたらされることをコロサイの聖徒たちに確認する。
コロサイ1について話し合う。選んだ箇所を何人かの生徒に声を出して読んでもらう。エペソの東にある小さな町コロサイの聖徒たちは,救い主を重要視しなくても,儀式を執行し,天使を拝むことによって完成に到達できるとする教えの影響を受けていたことを説明する。パウロはコロサイ人にあてた手紙の中で,これらの教えに惑わされないよう警告し,キリストによってのみ贖罪がもたらされるという知識に「ゆるぐことがなく,しっかりと……ふみとどまり」(コロサイ1:23;コロサイ2:5-7も参照)続けるよう勧告している。
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パウロはコロサイ人にイエス・キリストに関してどのような真理を教えているでしょうか(コロサイ1:12-22参照。生徒の答えを黒板に書き出す)。コロサイ人にとって,これらの真理を理解することはなぜ大切だったのでしょうか。あなたがイエス・キリストについて知っている事柄と証はあなたの生活にどのような影響を与えているでしょうか。
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わたしたちが天父から受けることができる「聖徒たちの特権〔訳注-受け継ぎ〕」とは何でしょうか(コロサイ1:12;2ニーファイ9:18;教義と聖約50:5)参照)。この特権(受け継ぎ)を可能にしたのはどなたでしょうか(コロサイ1:12-14参照)。わたしたちはこの特権(受け継ぎ)を受けるために何をしなければならないでしょうか(コロサイ1:10-12;2ニーファイ9:18;アルマ5:51;教義と聖約50:5参照)。
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パウロはコロサイ人に対して,福音にあって「ゆるぐことがなく,しっかりと……ふみとどま」るよう勧告していますが,それはどのような意味でしょうか(コロサイ1:23参照)。ある人々はどのような理由から「福音の望みから移り行く」のでしょうか(コロサイ1:23)。証を強めるにはどうすればよいでしょうか。
3.パウロはコロサイの聖徒たちに,神の選民として彼らがなすべきことについて教える。
コロサイ2:1-8,16-23;3;4について話し合う。選んだ箇所を何人かの生徒に声を出して読んでもらう。
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パウロは聖徒たちが心を「愛によって結び合わされ」,父なる神とイエス・キリストの知識において一致することを望んでいました(コロサイ2:2-3)。わたしたちはワードや支部の中でこれをどのようにして成し遂げることができるでしょうか。
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キリスト「に根ざし,彼にあって建てられ」るとは,どのような意味でしょうか(コロサイ2:7参照)。どうしたらキリストに根ざすことができるでしょうか。キリスト「に根ざし,彼にあって建てられ」ていると,試練に遭遇するときにどのような助けとなるでしょうか(短くて細い根を持っ木と長く地中深く張った根を持っ木とを比較するとよい。嵐や洪水のときにどちらの木が生き残りやすいかについて話し合う)。
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コロサイ3:12-15には,「神の選民」の特徴としてどのような事柄が挙げられているでしょうか(生徒の答えを黒板に書き出す)。イエス・キリストはこれらの属性についてどのような模範を示されたでしょうか(イエスがそれぞれの属性について示された模範に関して,具体的な例を生徒に考えさせる)。わたしたちはこれらの属性をさらに伸ばすためにどのようなことができるでしょうか。
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パウロが勧告しているようにキリストの言葉を宿らせるにはどうすればよいでしょうか(コロサイ3:16-17参照;教義と聖約1:37;18:34-36も参照)。キリストの言葉を理解し,証を強めるうえで賛美歌はどのように役立つでしょうか。賛美歌をはじめとする神聖な音楽をどのように役立てることができるでしょうか。
ダリン・H・オークス長老はこのように述べている。「わたしたちは主の御霊と一致するために,心を一つにするために,また教義を教え学ぶのを助けるために,もっと賛美歌を活用する必要があります。宣教師のレッスンで,福音を教えるクラスで,定員会集会で,家庭の夕べで,ホームティーチングで,賛美歌をもっと効果的に利用しなければなりません。音楽は天の御父と御子イエス・キリストを礼拝する効果的な方法なのです。霊的な力や霊感を必要とするときは,賛美歌を活用すべきです。」(「音楽による礼拝」『聖徒の道』1995年1月号,13)
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パウロは感謝することの大切さを繰り返し強調しました(コロサイ2:7;3:15,17)。感謝することはなぜ大切なのでしょうか。どのような状況に置かれても,天父とイエス・キリストに感謝を表すにはどうすればよいでしょうか。
4.パウロは,オネシモを赦すようピレモンに勧める。
パウロがピレモンにあてた手紙について話し合う。選んだ箇所を何人かの生徒に声を出して読んでもらう。パウロはコロサイの教会員であるピレモンに,ピレモンの奴隸であったオネシモに関して個人的な手紙を書いたことを説明する。オネシモはピレモンの持ち物を盗んで,ローマへ逃亡した。オネシモはローマでパウロに出会い,主の教会に改宗した。パウロはピレモンにオネシモを赦し,彼を福音における兄弟として受け入れるよう要請した。
結び
パウロがピリピ人,コロサイ人,ピレモンにあてた手紙の中で指摘しているように,わたしたちがイエス・キリストのような人物になるには,そのための属性を伸ばさなければならないことを証する。生徒にピリピ4:8とコロサイ3:12-15を読んでもらい,これらの聖句の中で,今週努力して身に付けたいと思う属性を一つ選ばせる。
教えるためのそのほかのアイデア
以下の資料はレッスンの概要を補足するためのものである。この中の幾つかをレッスンに取り入れてもよい。
1.親子の関係
人の生徒にコロサイ3:20-21を読んでもらう。
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パウロの説明によれば,子供は両親に対してどのような義務を負っているでしょうか。一方,両親は子供に対してどのような義務を負っているでしょうか。家族の中で親子の閨係を改善するために,あなたはどのようなことができるでしょうか。
2.「あなたがたは,主キリストに仕えているのである。」(コロサイ3:24)
人の生徒にコロサイ3:23-24を読んでもらう。
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パウロがこれらの聖句で与えている指示に従うにはどうすればよいでしょうか(マタイ25:34-40も参照)。ここで言われているような姿勢で仕えるときに,どのような変化がわたしたちに起きるでしょうか。