日曜学校―福音の教義
第39課:「聖徒たちをととのえて」


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「聖徒たちをととのえて」

エペソ

目的

「聖徒たちをととのえ」(エペソ4:12)るには,キリストを信じる信仰を強め,使徒と預言者たちの教えに従い,世の邪悪から自分を守ることが必要とされることを生徒に理解させる。

準備

  1. 以下の聖句を読み,内容について深く考え,祈る。

    1. エペソ1:9-10。パウロは時満ちる神権時代の目的は「ことごとく,キリストにあって一つに帰せしめ」ることであると教える。

    2. エペソ2:12-224:1-16。パウロはイエス・キリストが隅のかしら石であられることを教える。また,主が使徒と預言者を与えられたのは,わたしたちを完成させ,「信仰の一致」に到達させるためであることを教える。

    3. エペソ5:22-296:1-4。パウロは夫婦の間,親子の間で一致する必要があることを教える。

    4. エペソ4:21-326:10-18。パウロは,わたしたちが「新しき人を着る」べきであること,世の邪悪から自分を守るために「神の武具で身を固め」なければならないことを教えた。

  2. そのほかの読書課題:ヨハネ17:11モーサヤ18:21-22教義と聖約27:15-1838:25-27;『聖句ガイド』「神権時代」の項,135。

  3. 「導入」の活動を行う場合は,長さ30センチから1.5メートルくらいの糸を1本と,ほぼ同じ長さのロープを1本持参する。

  4. 教えるための提案:教師と生徒はともに,大切な言葉,概念,登場人物,出来事が記されている聖文に印を付けることによって,それらの事項に対して注意を喚起することができる。教師は重要な原則を指摘し,相互参照聖句を引用し,教師自身の聖典の余白に記した事柄を紹介するなどによって,生徒に自分の聖典に印を付けるよう奨励することができる。

レッスンの展開

導入

適切であれば,以下の活動または教師が考えた活動をレッスンの始めに行う。

生徒に糸とロープを見せる(「準備」の項参照)。

導入

  • 糸とロープにはどのような共通点があるでしょうか。(ともに繊維からできている。)異なる点は何でしょうか。(糸は1本の繊維であるが,ロープは何本もの繊維をよって作られている。)どちらが強いでしょうか。

わたしたちは糸の場合のように自分だけに頼っていては強くなることができないが,信仰と義において,ロープのように他の人々と一致するならば強くなることを説明する。パウロはエペソ人への手紙の中で,「聖徒たちをととのえ」て,「信仰の一致」に到達することの大切さを強調している(エペソ4:12-13)。本課では,救い主に頼り,使徒と預言者たちに従い,力強い家族を築き,神の武具で身を固めることによって,わたしたちが家族として,教会として完成と一致に到達できることについて話し合う。

聖句を使った話し合いと応用

生徒の必要を最もよく満たすことができる聖句と質問を祈りの気持ちで選ぶ。聖文に述べられている原則に関して経験した事柄を分かち合うよう生徒に奨励する。

1.時満ちる神権時代

エペソ1:9-10を読んで,話し合う。

  • パウロはエペソ人への手紙の1章で,「時の満ちる」神権時代について述べています(エペソ1:10)。福音の神権時代とはどのような意味でしょうか。(地上で少なくとも一人の僕が神権の鍵を持ち,福音の儀式を執行することを主から許されている期間。『聖句ガイド』「神権時代」の項,135参照)。

  • 時満ちる神権時代とはどのような意味でしょうか。(ジョセフ・スミスを通して福音が回復され,教会が組織されたことによって始められた神権時代。)わたしたちの神権時代はなぜ,「時満ちる」と呼ばれるのでしょうか。

    ゴードン・B・ヒンクレー大管長はこのように教えている。「皆さんもわたしも,時満ちる神権時代の壮大で驚くべき祝福を今味わっています。この時代,この時に,過去のすべての神権時代のあらゆる原則と権能,祝福が地上に回復されたのです。」(「選ばれた種族」『聖徒の道』1992年7月号,75)

  • パウロは天の御父がこの神権時代に何を行われると言っているでしょうか(エペソ1:9-10参照)。「ことごとく,キリストにあって一つに帰せしめ」るとはどのような意味だと思いますか。今日,どのようなものが集められているでしょうか。(聖文,教会員,死者の記録,神殿で結び固められる家族,などの答えが考えられる。)わたしたちはこの集合の業をどのようにして助けることができるでしょうか。

2.イエス・キリストは隅のかしら石であられる。

エペソ2:12-22およびエペソ4:1-16から選んだ箇所を読んで,話し合う。

  • エペソ2:12エペソ2:19を比較する。救い主を受け入れて救い主に従った人々にどのような変化が起こったとパウロは述べているでしょうか。これらと同じ変化をあなた自身あるいはほかの人々に起きているのを目にしたことがあるでしょうか。あなたは教会員と,福音における「同じ国籍の者」として交わることによってどのような祝福を受けてきたでしょうか。

  • パウロはイエス・キリストが教会の「隅のかしら石」であられると教えていますが,これはどのような意味でしょうか(エペソ2:20)。(もし必要であれば,隅のかしら石とは二つの壁が接する地点に置く礎石であることを説明する。隅のかしら石は建物に強度と一体性を持たせるうえで欠くことのできないものである。)あなたの信仰においてイエス・キリストはどのように隅のかしら石となっているでしょうか。

  • 使徒と預言者の大切さについてパウロはエペソ2:20エペソ4:11-14で何と教えているでしょうか。真の教会にとって生ける使徒と預言者はなぜ不可欠なのでしょうか。末日の使徒と預言者による教えの中には,わたしたちが完成し,一致する助けとなるどのような教えがありますか(生徒の答えを黒板に書き出すとよい)。

    ボイド・K・パッカー長老は次のように教えている。「預言者と使徒たちは,その務めのゆえに自分たちの注意を常に家庭と家族に向けています。……教会の教えが最終的に目指しているものは,主イエス・キリストを信じる信仰の中で,親と子を一つに結びつけることです。それは彼らが家庭で幸福になり,永遠の結婚による結び固めを受け,世代同士を結びつけ,天父のみもとで昇栄を確信できるようにするためです。」(「信仰の楯」『聖徒の道』1995年7月号,8)

  • パウロはどのようなことを教えるために「主は一つ,信仰は一つ,バプテスマは一つ」と言ったのでしょうか(エペソ4:5)。教会の基本的な教義の理解と教えについてわたしたちが一致していることはなぜ大切でしょうか。

3.夫婦の問,親子の間の一致

エペソ5:22-296:1-4を読んで,話し合う。

  • パウロは夫婦の関係を何と対比させて説明しているでしょうか(エペソ5:22-29参照)。結婚においていっそうの愛と一致をはぐくむために夫と妻はこの対比からどのようなことを学ぶことができるでしょうか(イエスが教会に対して具体的にどのような方法で愛を示しておられるかについて,またイエスが示された愛をそれぞれ結婚関係にどのように応用できるかについて話し合う。生徒の答えを黒板に書き出すとよい)。

    スペンサー・W・キンボール大管長は次のように教えている。「皆さんは主イエス・キリストが教会をお見捨てになった記録を聖典の中から見いだすことができるでしょうか。……イエスは教会に対して忠実であられたでしょうか。まことを尽くされたでしょうか。イエスがお与えにならなかった良いもの,ふさわしいものが存在するでしょうか。わたしたちが皆さんにお尋ねしたいのは以上述べたような事柄です。それはイエスが夫たる者に求めておられることでもあります。……

    ……あなたはイエスがどれほど教会を愛しておられたかを考えることができるでしょうか。イエスはどのようなときにも教会を大切にしておられました。教会のあらゆる成長,教会のあらゆる人がイエスにとっては大切なことでした。イエスはこれらの人々に御自分が持つすべてのエネルギー,すべての力,すべての関心をささげられました。イエスは自らの命を人々にささげられました。これ以上のものを与えることができるでしょうか。」(Men of Eample「模範の人」〔1975年9月12日,宗教教育者に対して行った演説〕4-5)

  • パウロはエペソ6:1-3で子供たちに対してどのような勧告を与えているでしょうか。この勧告が今日の子供たちにとって大切なのはなぜでしょうか。あなたは両親を敬うことによってどのような祝福を受けてきましたか。

  • パウロは両親に対して,子供たちを「主の薫陶と訓戒とによって」(エペソ6:4)育てるように勧告していますが,これはどのような意味でしょうか。両親はどのようにして子供たちを霊的に養い育てることができるでしょうか。両親は子供たちに訓戒を与える場合に,どのように主の模範に従ったらよいでしょうか。

  • 両親と子供たちに与えられたパウロの勧告は,家族の関係を強化し,家庭に一致をもたらすうえでどのように役立つでしょうか。家族に関して末日の使徒と預言者たちはどのような勧告を与えているでしょうか。総大会,そのほかの集会,ファイヤサイド,教会機関誌の記事から,最近与えられた勧告について話し合う。

    大管長会と十二使徒定員会は「家族-世界への宣言」の中で,このように述べている。「家庭生活における幸福は,主イエス・キリストの教えに基づいた生活を送るときに達成されるに違いありません。実りある結婚と家庭は,信仰と祈り,悔い改め,敗し尊敬,愛,思いやり,労働,健全な娯楽活動の原則にのっとって確立され,維持されます。」(「家族-世界への宣言」『聖徒の道』1996年6月号,10-11)

4.「新しき人を着」て,「神の武具で身を固め」る。

エペソ4:21-32エペソ6:10-18を読んで,話し合う。

  • パウロはエペソ人に「新しき人を着」るよう奨励していますが,これはどのような意味でしょうか(エペソ4:24)。イエス・キリストの贖罪を通して「新し」くなった人々にはどのような特徴が見られるでしょうか(エペソ4:21-32参照)。

  • パウロは神の武具で身を固めるように勧告する一方で,悪魔の様々な影響力に注意するよう警告しています(エペソ6:10-12)。この世に見られる悪魔の影響力にはどのようなものがあるでしょうか。

  • パウロは神の武具としてどのようなものを挙げていますか。それぞれの武具は何を表しているでしょうか(エペソ6:13-18教義と聖約27:15-18参照。黒板に「武具」「意味」と書いて,生徒の答えをそれぞれの項目に分けて書き出すとよい)。神の武具はそれぞれ,サタンの影響力からどのようにわたしたちを守ってくれるでしょうか。毎日この武具を身に着けるにはどうすればよいでしょうか。

結び

わたしたちがキリストのようになって,キリストとともに生活するためにみもとできるように,主は使徒と預言者を有する教会を設立されたことを証する。エペソ人への手紙に記されているパウロの教えに従って,「聖徒たちをととのえ」るためにお互いに協力するよう生徒を励ます。

教えるためのそのほかのアイデア

以下の資料はレッスンの概要を補足するためのものである。この中の幾つかをレッスンに取り入れてもよい。

1.「神の武具で身を固め〔る〕。」(エペソ6:11

『「新約聖書」ビデオ・プレゼンテーション』(53914 300)から「神の武具」(13分10秒)を見せる。その後に以下の質問をする。

  • ビデオの中の兵士たちはどのような危機に陥ったでしょうか。若人はどのような危険に直面したでしょうか。各グループの人々は武具を身に着けることによってどのような祝福を得たでしょうか。

2.教会指導者のために祈る

  • エペソ6:18-20を読む。パウロはなぜエペソの人々に自分のために祈ってくれるよう頼んだと思いますか。あなたはほかの人々の祈りによって力を得たことがあるでしょうか。わたしたちがお互いのためと教会指導者のために祈ることはなぜ大切でしょうか。

3.「あなたがたの救われたのは,実に,恵みにより,信仰によるのである。」(エペソ2:8

  • 人はどのようにして救いを得るかについてパウロはエペソ2:8-9で何と教えているでしょうか。わたしたちが行いによって救われることが不可能なのはなぜでしょうか(ローマ3:23モーサヤ3:17アルマ22:14参照。パウロはユダヤ人の聖徒たちに対して,モーセの律法に基づく行いによっては救われないことを度々確認する必要があったことを指摘するとよい。恵みと行いに関する詳細については36課を参照する)。