初等協会テキストと分かち合いの時間
第24課:アルマ,息子コリアントンに勧告を与える


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アルマ,息子コリアントンに勧告を与える

目 的

自分自身の選択によって,良い結果が生まれるか,それとも悪い結果が生まれるかが決まることを理解させる。

準 備

  1. アルマ39章を,祈りの気持ちで研究する。それからレッスンを検討し,聖文の記事を子供たちにどう教えるか決める(本書「レッスンの準備」ⅵ-ⅶ,「聖文に基づいて教える」ⅶ-ⅷ参照)。

  2. 子供たちを参加させ,レッスンの目的を達成するのに最も役立つ「話し合いのための質問」と「レッスンを豊かにする活動」を選ぶ。

  3. 「導入」に挙げられている項目の表を作る。あるいは黒板に書く。

  4. 教材--『モルモン書』人数分

レッスン

一人の子供に開会の祈りをさせる。

導 入

子供たちに,独りで海のまん中をいかだで漂流しているシーンを想像させる。いかだが沈まないようにするために,積荷を軽くしなければならない。二つの物を残して,ほかはすべて捨てなければならない。次のリストの中から,二つを残すとしたら何を選ぶか質問する。

  • 救命胴衣

  • 救急用品

  • 金塊を入れた箱

  • 釣り道具一式

  • 真水を入れた瓶(12本入り1箱)

  • 無線通信機(送受信両用)

  • 緊急用照明弾(一箱)

  • さめよけ用薬剤(一種)

子供たちが選んだものを黒板に書き上げ,それを選んだ理由を聞く。何を選ぶか子供たちはジレンマを感じるに違いない。選択が難しいのは,将来何が起こるか予測がつかないからであることを指摘する。ボートが沈むようなことになれば,救命胴衣が必要である。のどが渇けば,水が必要になる。食べる物がなければ,釣り道具が必要になる。またさめが近づいて来たらさめよけの薬剤,救援を求めるには無線通信機,けがをしたら救急用品,夜に救助を求めるには照明弾,もし数時間のうちに救われるとしたら,金塊を手もとに残しておきたいと思うであろう。人生においては,何を選ぶべきか難しい選択を迫られることが非常に多いが,天父はわたしたちを助けるために戒めを授けてくださったことを説明する。本課では選択について学ぶ。

聖 文

アルマ39章を基に,アルマが息子コリアントンに与えた勧告の内容について教える(聖文中の出来事を教える方法については,「聖文に基づいて教える」ⅶ-ⅷ参照)。注意--アルマ39:3-6に書かれている具体的な内容には触れないようにする。コリアントンがゾーラム人への伝道中に非常に重大な罪を犯したことを説明して,簡単に要約する。子供たちから,コリアントンがどのような罪を犯したのかという質問が出た場合は,親と話すように提案する。

レッスンの準備に当たって,以下の質問と参照聖句を研究する。子供たちが聖文を理解し,生活に応用するうえで最も役立つと思われる質問をする。教室で子供たちと一緒に参照聖句を読むのは,聖文に対する子供たちの洞察力を深めるのに役立つ。

話し合いと応用のための質問

  • コリアントンの兄弟は,彼にどのような模範を示しましたか(アルマ39:1)。皆さんはだれを義にかなう行いの模範にしていますか。その人は,これまでどのような義にかなう選択をしてきましたか。

  • アルマがコリアントンのことで悲しく思ったのはなぜでしょうか(アルマ39:2)。コリアントンが父の言葉に注意を払わなかったというのは,どういう意味でしょうか。(コリアントンはアルマに従わなかった。)どうして親の言葉に従う必要があるのでしょうか。「自慢」とはどういう意味でしょうか。(ほかの人より立派だと思うこと。)どうして自慢するのは良くないことなのでしょうか。

  • アルマがコリアントンに彼の罪のことを話したのはなぜでしょうか(アルマ39:7-9)。「これらのことをすべて断つ」とは,悪い行いをやめるという意味である。)わたしたちの罪をすべて御存じなのはどなたでしょうか(アルマ39:8)。罪を犯したという自覚は,どのように人を悔い改めに向かわせるでしょうか。

  • アルマはコリアントンに,行いの選択についてだれから良い忠告が得られると話しましたか(アルマ39:10)。皆さんは何かを決定するときに,家族からどのような助けを受けてきましたか。そのほかに,どのようなところから正しい忠告が得られますか。

  • コリアントンの不義な行いは,ゾーラム人にどのような影響を与えましたか(アルマ39:11)。わたしたちがする選択は,ほかの人にどのように影響するでしょうか

  • 皆さんが選択しなければならないことの中には,どのようなものがありますか。聖霊は,誤った決定をしたことを,どのようにして気づかせてくれるでしょうか。正しい決定をした場合はどうでしょうか。何かを決定するときに,聖霊の助けを受けたという経験を子供たちに発表させる。

  • アルマは悔い改めについて,コリアントンに何を教えましたか(アルマ39:13)。「思いと勢力と力を尽くして主に立ち返」るとは,どういう意味だと思いますか。自分の間違った選択によって傷つけた人に謝らなければならないのはなぜでしょうか。

  • アルマは富を求めることについて,どのような勧告をしていますか(アルマ39:14)。富がいちばん大切なものだという考え方は,どのような結果を招きますか。

  • アルマはイエス・キリストの使命について,コリアントンに何を教えましたか(アルマ39:15)。コリアントンは何を教えるように言われていましたか(アルマ39:16)。周囲の人に福音を伝えるためにどのようなことができるでしょうか。

日々の生活の中で行う選択がもたらす結果を理解させるために,「レッスンを豊かにする活動」の2,3を活用するとよい。

レッスンを豊かにする活動

以下の活動を,レッスンのどの部分でも,また幾つでも,使うことができる。復習やまとめ,チャレンジに利用してもよい。

  1. 信仰箇条第2節を読んで,その内容について話し合い,子供たちに覚えさせる。人はだれでも,自分の行いに責任があることを指摘する。

  2. 以下の点でどのような選択ができるかを話し合う。クラスの子供たちの中で問題となる可能性のある事柄を採り上げる。イエス・キリストが子供たちにどのような選択を望んでいらっしゃると思うか質問する。様々な選択肢について,それがどのような結果を生じるか深く考えさせる。

    • 言葉遣い

    • 安息日を聖く保つ

    • 服装

    • 親に従う

    • 音楽

    • 盗み

    • 映画,ビデオ,テレビ番組

    • 本当のことを言う

    • 本や雑誌

  3. 以下の事例について,選択と結果を含むロールプレイングを行わせる。

    • ある友達が,だれかについてうそを言った。

    • ある友達が良くない映画(あるいはビデオ)を見ようと誘ってきた。

    • ある友達が下品なことを話し始めた。

    • ある友達が学校でカンニングさせてくれと話しかけてきた。

    • ある友達から知恵の言葉の戒めを破るように言われた。

    • ある人から有害な薬を勧められた。

  4. スペンサー・W・キンボール大管長の次の決心がもたらした結果について話し合う。

    「わたしが知恵の言葉を決して破らないようにしようと決心したのは,まだ小さな子供のころであった。……主がこれを告げられたとき,これらすべての有害な要素を断つことを主は喜ばれること,したがってわたしがしたいと考えた事柄は天父の喜びであることを,わたしは知っていた。そこで,わたしはこれらの有害なものに決して手を出すまいと固く決心したのであった。十分に,またはっきりと決心したので,自分自身と天父に対して立てたこの約束を守り通すことは大して困難ではなかった。」(「大会報告1973-75」1974年4月,203)

  5. 「わたしは義にかなう選択をします」と書いた小さな紙をクラスの人数分用意する。それを文字が見えないよう裏返しにして一つの机の上に置いておく。子供たちを一人ずつ前に来させ,準備した紙を1枚ずつ取らせる。各々に以下の質問をする。

    • 今週義にかなう選択をするためのよりどころとして何を使いますか。

    • 悪い選択をすると,それによってどのようなことが起きますか。

    • 義にかなう選択をすると,それによってどのようなことが起きますか。

    活動のまとめとして,選択をする前にその結果を考えることの大切さを強調する。

  6. 信仰箇条第11節と,人は自分の選択に対してどのように責任があるかについて話し合う。

    • 福音を無理に信じさせようとしてはならないのはなぜでしょうか。

    • 各自の望みに従って神を礼拝する自由が与えれるのを求めるべきなのはなぜでしょうか。

    子供たちが信仰箇条の第11節を覚えられるように助ける。

  7. 正しい道選ぼう」(『子供の歌集』82-83),あるいは「おそれずぎをなせ」(『子供の歌集』80)を歌うか歌詞を読む。

まとめ

イエス・キリストに従う決心をすれば義にかなう選択ができるようになり,それ以外に真の幸福を得る道はないことをあかしする。

読書課題

本課の復習のため,家庭でアルマ39:12-19を研究するよう,子供たちに提案する。

一人の子供に閉会の祈りをさせる。