第37課
イエス・キリスト,ニーファイ人に祈るように教えられる
目 的
誘惑に陥らないために祈るように励ます。
準 備
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3ニーファイ18:15-25;19章;20:1を,祈りの気持ちで研究する。それからレッスンを検討し,聖文の記事を子供たちにどう教えるか決める(本書「レッスンの準備」ⅵ-ⅶ,「聖文に基づいて教える」ⅶ-ⅷ参照)。
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その他の参照箇所--アルマ13:28-29;マタイ26:41;教義と聖約31:12;61:39
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子供たちを参加させ,レッスンの目的を達成するのに最も役立つ「話し合いのための質問」と「レッスンを豊かにする活動」を選ぶ。
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教材
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『モルモン書』人数分
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視覚資料4-47「ニーファイ人とともに祈られるイエス」,4-50「家族の祈り」
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レッスン
一人の子供に開会の祈りをさせる。
導 入
ある特別な家族の祈りについて述べたレックス・D・ピネガー長老の次の話を読む。
「ある朝,わたしたち家族は車で〔休暇旅行〕へ向かっていました。有名な遊園地に入って行く分岐点に近づくにつれ,幼い4人の娘たちははしゃぎ始めました。ところが,そのハイウェーの出口で,わたしたちの乗っていたレンタルのステーションワゴンが,シュッシュッ,ガタガタと激しいエンジン音を立てて止まってしまったのです。楽しいおしゃべりも笑い声もはたと消えてしまいました。何とか動かそうと頑張ってみましたがまるで効果はなく,ラッシュアワーで混雑した車がどんどんわたしたちを追い越して行きました。やがて万策尽き,わたしたちは前にも後ろにも動かない車を降り,祈るために道路わきに急いで集まりました。
祈り終えて顔を上げると,……スポーツカーに乗った笑顔の男性と息子らしい人が,混雑した道路を巧みな運転で抜け出して,わたしたちのそばへやって来るのが見えました。そして,午前中いっぱいと午後にかけて,いろいろと親切にわたしたちを助けてくれたのです。二人は,わたしたちだけでなく,……持ち物まで遊園地……に運んでくれたのです。レッカー車を手配するのを手伝ってくれ,代わりの車を出してもらうために,レンタカーの会社まで乗せて行ってくれました。……そのうえ食事を持って来て,わたしが戻って来るまで,数時間にわたって家族と一緒に待っていてくれたのです。
わたしたちは,この二人こそ,祈りの答えであると感じました。別れ際にそのことを話して,感謝の気持ちを伝えようとしました。するとその父親はこう言ったのです。『今日わたしの助けが必要な人がどこかにいたら,どうぞその人のところへお導きくださいと,毎朝主に祈っているんですよ。』」(『聖徒の道』1992年1月号,45)
個人の祈りや家族の祈りについての経験を子供たちに話すよう勧める。
聖 文
イエス・キリストが多くのニーファイ人に教えを説かれたことについて3ニーファイ18:15-25;19章;20:1に基づいて教える(聖文中の出来事を教える方法については,「聖文に基づいて教える」ⅶ-ⅷ参照)。適切な箇所で視覚資料を用いる。
話し合いと応用のための質問
レッスンの準備に当たって,以下の質問と参照聖句を研究する。子供たちが聖文を理解し,生活に応用するうえで最も役立つと思われる質問をする。教室で子供たちと一緒に参照聖句を読むのは,聖文に対する子供たちの洞察力を深めるのに役立つ。
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イエスがわたしたちに,常に祈るように望んでいらっしゃるのはどうしてですか(3ニーファイ18:15,18)。
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わたしたちはどなたに対して祈るのでしょうか。わたしたちはどなたの名前によって祈るのでしょうか(3ニーファイ18:19;19:6-8)。
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自分にとって最善のものを信仰をもって祈り求める人には,どのような約束がなされているでしょうか(3ニーファイ18:20)。天父はわたしたちにとって何が最善かを常に御存じであることを理解させる。自分にとって最善のものと,自分が求めているものは一致しないことがある。
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家族の祈りはなぜ大切なのでしょうか(3ニーファイ18:21)。家族の祈りが定期的に行われるようにするために,あなたはどのようなことができますか。
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イエス・キリストは,教会員でない人に対してどのようにすべきだと言われましたか(3ニーファイ18:22-23)。
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「あなたがたの光を掲げて,世の人々に輝き渡るようにしなさい」とはどういう意味ですか(3ニーファイ18:24)。どうしたら,ほかの人に祈りの大切さを理解させることができますか。
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イエス・キリストの十二人の弟子たちは,集まったニーファイ人に何を教えましたか(3ニーファイ19:6)。あなたはどのようなときにひざまずいて祈りますか。ひざまずくことは天父を敬う気持ちをどのように表していますか。家庭や初等協会のクラスで祈るときに,ほかにどのようにして
敬虔 な思いを表すことができますか。 -
弟子たちが祈るときに,最も望んだのは何ですか(3ニーファイ19:9)。この賜物はどのようにして彼らに与えられましたか(3ニーファイ19:13-14)。
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イエスは天父に祈ったときに,どのようなことを言われましたか(3ニーファイ19:20,28)。祈りの中で感謝の気持ちを表すことが大切なのはなぜでしょうか。あなたはどのようなことに感謝していますか。
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どのようにしたら,いつも祈り続けることができますか(3ニーファイ20:1)。なぜいつも心の中で祈る必要があるのでしょうか(3ニーファイ18:15,18)。祈りは誘惑を避けるのにどう役立ちますか。
レッスンを豊かにする活動
以下の活動を,レッスンのどの部分でも,また幾つでも,使うことができる。復習やまとめ,チャレンジに利用してもよい。
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以下の聖句の箇所を紙に書き,一人一人の子供に(小グループに分けた場合は,各グループに)渡す。イエス・キリストが祈りを通してもたらされる祝福について教えられた事柄に注意しながら,それらの聖句を読ませる。次に,それぞれの聖句から学んだ事柄を発表させる。
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3ニーファイ18:15,18(誘惑は避けることができる)
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3ニーファイ18:20(義にかなう望みはかなえられる)
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3ニーファイ18:24(わたしたちはほかの人々の模範になる)
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3ニーファイ19:30;3ニーファイ27:30(天父とイエス・キリストはわたしたちのことを喜んでくださる)
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『聖徒の道』から祈りについての話を探し,子供たちに読んで聞かせる。
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第13代大管長エズラ・タフト・ベンソンの次の言葉を読み,その内容について話し合う。
「主へのわたしたちの祈りと願いには,いっそうの祝福を求めるという一つの大きな傾向がある。しかしわたしは時々,祈りの中で,これまでに受けた祝福にもっと感謝の思いを述べなければならないと感じることがある。」(God, Family, Country,『神,家族,国家』199)
自分たちが感謝していることを1分以内にできるだけ数多く挙げさせる。子供たちの答えを要約して黒板に書く。
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アルマ13:28の以下の部分について話し合い,覚えさせる。「あなたがたは主の御前にへりくだり,主の聖なる御名を呼び,自分が耐えられないような誘惑を受けないように,目を覚ましていて絶えず祈りなさい。そのようにして,聖なる御霊の導きを得て」
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祈りの基本的な要素について話し合う。
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天父に呼びかける。
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天父に感謝する。
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天父にお願いする。
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イエス・キリストの名によって終え,アーメンと唱える。
黒板に「……を感謝します」と書く。子供たちに,天父に感謝していることを挙げさせ,その要約を書く。黒板に「……してください」と書き,天父にお願いしたいことを挙げさせ,それを要約して書く。
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「子供の祈り」(『子供の歌集』6),「世界中の子供たち」(『子供の歌集』4),「家族のいのり」(『子供の歌集』101),あるいは「愛の言葉」(『子供の歌集』102)を歌うか歌詞を読む。
まとめ
証
毎日の祈りの大切さと,イエスの教えに従って祈る人はサタンの力から守られるということを証する。
読書課題
本課の復習のため,家庭で3ニーファイ18:18-25とアルマ13:28-29を研究するよう,子供たちに提案する。
一人の子供に閉会の祈りをさせる。