第41課
ヤレド人,預言者を拒む
目 的
預言者に聞き従うことにより,日々の生活の中で悪に打ち勝ちたいという望みを起こさせる。
準 備
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エテル2:10-12;11:1-5;12:1-5;13:13-22;14:1-2,21;15:1-6,18-34;オムナイ1:20-21を,祈りの気持ちで研究する。それからレッスンを検討し,聖文の記事を子供たちにどう教えるか決める(本書「レッスンの準備」ⅵ-ⅶ,「聖文に基づいて教える」ⅶ-ⅷ参照)。
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子供たちを参加させ,レッスンの目的を達成するのに最も役立つ「話し合いのための質問」と「レッスンを豊かにする活動」を選ぶ。
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教材
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『モルモン書』人数分
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視覚資料4-54「ヤレド人の歴史を記録するエテル」
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レッスン
一人の子供に開会の祈りをさせる。
導 入
次のような質問をする。
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ふくらみ切った風船を針でつついたらどうなりますか。
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家の植木鉢の植物に水をやるのをやめたらどうなりますか。
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夜更かしして,十分に眠らなかったらどうなりますか。
選択には必ず結果が伴うことを説明する。結果とは,わたしたちの行為が原因となって生じる事柄である。聖文や預言者は様々な選択について,その結果としてどのようなことが起きるかを教えてくれる。それは天父がわたしたちに正しい選択をするようにお望みだからである。本課ではヤレド人と預言者エテルについて学ぶ。エテルはヤレド人に悔い改めの道を選択しなければ,民の全滅という結果を招くことを話した。
聖 文
「準備」の項に挙げた聖句に基づいて,ヤレド人の滅亡について教える(聖文中の出来事を教える方法については,「聖文に基づいて教える」ⅶ-ⅷ参照)。預言者たちがイエス・キリストを信じて悔い改めるように教えたにもかかわらず,民が彼らを拒んで殺したために,最終的にヤレド人の文明は完全に滅んでしまったことを指摘する。適切な箇所で視覚資料を用いる。
話し合いと応用のための質問
レッスンの準備に当たって,以下の質問と参照聖句を研究する。子供たちが聖文を理解し,生活に応用するうえで最も役立つと思われる質問をする。教室で子供たちと一緒に参照聖句を読むのは,聖文に対する子供たちの洞察力を深めるのに役立つ。
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選択の自由とは何ですか。(選ぶ能力。)天父はどうしてわたしたちに選択の自由を与えられたのでしょうか。自分自身で選択することにより,学び成長していくことを理解させる。天父は,わたしたちが天父に似た者となるうえで,強制は役に立たないことを御存じだった。
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ヤレド人は自分たちの滅亡を預言した預言者たちをどうしましたか(エテル11:1-5)。ヤレド人はどうすれば滅亡を免れることができたでしょうか。わたしたちはいつでも悔い改めの道を選び,また罪を続けることによって生じる結果を避けることができる。
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コリアンタマーとはどのような人ですか(エテル12:1)。エテルとはどのような人ですか(エテル12:2)。エテルはヤレド人に何を告げましたか(エテル12:3-4)。
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人々はエテルの教えを聞いてどうしましたか(エテル13:13)。エテルはどこに隠れましたか(エテル13:14)。エテルは洞穴にいる間に何をしましたか。人々が預言者の言葉に耳を傾けなかったのはなぜですか。
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イエス・キリストはエテルに,コリアンタマ一に何を話すように告げられましたか(エテル13:20-21)。コリアンタマーとヤレド人はエテルの言葉を聞いてどうしましたか(エテル13:22)。
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民の罪悪のために,地にはどのようなのろいが下されましたか(エテル14:1-2,21;15:2)。このような状況に耐えなければならない生活はどのようなものだと思いますか。
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選択の自由を行使して正しい行いをすると,どのような結果が生じるでしょうか。正しい選択と結果の具体例を挙げさせる。間違った選択をすると,どのような結果が生じるでしょうか。間違った選択と結果の具体例を挙げる。
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コリアンタマーは敵軍の指揮官シズにあてた手紙に何と書きましたか(エテル15:4)。シズはそれに何と答えましたか(エテル15:5)。コリアンタマーとその民はシズの民に対してどのような気持ちを抱きましたか(エテル15:6)。
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民はどうして戦い続けたのですか(エテル15:18-19)。ヤレド人が預言者エテルの言葉に聞き従っていたら,どのような結果になったでしょうか(エテル13:20)。
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ヤレド人最後の二人の兵はだれとだれですか(エテル15:29)。どちらが最後まで生き残りましたか(エテル15:30-32)。コリアンタマーはだれによって発見されましたか(オムナイ1:20-21)。預言者エテルはヤレド人について書いた記録をどうしましたか(エテル15:33)。エテルは最後にどのような
証 をしましたか(エテル15:34)。わたしたちの生活の最も大切な目標は何でしょうか。 -
もし皆さんがエテルで,民がその不従順のために滅びるのを
目 の当たりにしたとしたら,どのような気持ちになると思いますか。 -
ヤレド人はどうしたら,この大きな悲劇を避けることができたでしょうか。生ける預言者に従う道を選ぶことは,現代に生きるわたしたちにとってどう役立つでしょうか。現在の生ける預言者の教えにはどのようなものがありますか。その勧告に従うなら,どのような祝福を受けることができますか。
本課の復習として「レッスンを豊かにする活動」の3を活用するとよい。
レッスンを豊かにする活動
以下の活動を,レッスンのどの部分でも,また幾つでも,使うことができる。復習やまとめ,チャレンジに利用してもよい。
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最近の総大会における大管長と十二使徒定員会のメッセージで,子供たちの実情に合うものを選び,読んで聞かせる。子供たちに,どのように生ける預言者に従うことができるかを質問し,答えを黒板に列挙する。これからの1週間,預言者に従えると思う事柄を一つ選択させる。
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クラスが始まる前に,「じゅうじゅん」の各文字をそれぞれ別の小さな紙に書き,クラスのあちこちに隠しておく。幾つかの文字を書いた紙を隠したことを子供たちに伝える。それを探し出すことについて,具体的な指示を与える。全部の紙が見つかったら,床の上か黒板に並べて「じゅうじゅん」という言葉にする。どうしてすべての文字を見つけられたか質問する。天父がわたしたちに従う道を選ぶように望んでいらっしゃることを教える。従順になることは,わたしたちが地上にいる大切な理由の一つである。天父はわたしたちに選択の自由を生かして,教会の指導者の勧告に従う道を選ぶように望んでいらっしゃる。幸福になるためにできる最も大切なことは何か質問する。「じゅうじゅん」という言葉に並べた文字に,もう一度子供たちの注意を引く。天父が聖文また教会の指導者を通して,わたしたちに望んでいることを告げていらっしゃる点を指摘する。わたしたちが選択の自由を行使して,従順になり,御言葉を行うなら,天父はわたしたちが幸福を見いだせるように助けてくださる。
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以下の言葉を,それぞれ別の紙に書く。
義にかなう生活
祝福
繁栄
高慢
罪悪
苦しみや悲しみ
謙遜 悔い改め
これまでの歴史の中で,人々が義にかなう生活をしているときには,天父が繁栄という祝福を授けてこられたことを説明する。しかし不幸なことに,この繁栄は高慢や罪悪,時には完全な滅亡への道をたどることがある。
ヤレド人がまさしくこの道をたどったことを説明する。初め,彼らは義にかなう民で,祝福を受け,繁栄した。(黒板に大きな円を措く。次に子供たちにその円の適当な場所に,「義にかなう生活」「祝福」「繁栄」と書いた紙をはらせる〔下記の図を参照〕。)しかし後にヤレド人は高慢になり,預言者を拒むようになった。民は非常に邪悪になり,完全に滅ぼされた。(子供たちに円の適当な場所に「高慢」「罪悪」「苦しみや悲しみ」と書いた紙をはらせる。)ヤレド人が滅ぼされないうちに,謙遜になって悔い改めていれば,義にかなう生活がもたらす祝福を再び味わえるようになっていたことを説明する。(子供たちに円の適当な場所に「謙遜」「従順」と書いた紙をはらせる。)これが国の歴史だけでなく,個人の生活の中でもよく繰り返されることを理解させる。
歴史のサイクル
義にかなう生活
祝 福
繁 栄
高 慢
罪 悪
苦しみや悲しみ
謙 遜
悔い改め
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子供たちに歴史のサイクルを紙に書かせ,家に持ち帰り,家族に見せるように言う。子供たちの状況に合わせて,「預言者の声に耳を傾ける」「親に従う」「毎日祈る」「感謝を示す」「奉任する」などの言葉を入れるようにさせてもよい。
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「預言者にしたがおう」(『子供の歌集』58),「いましめを守る人を」(『子供の歌集』68),あるいは「ニーファイのように」(『子供の歌集』92)を歌うか歌詞を読む。
まとめ
証
天父から召された預言者に聞き従うなら,祝福を受け,悪に打ち勝てることを証する。
読書課題
本課の復習のため,家庭でエテル13:13-22とエテル15:33-34を研究するよう,子供たちに提案する。
一人の子供に閉会の祈りをさせる。