第30課
偉大な力を授かるニーファイ
目 的
イエス・キリストが神権の力と権能を通して,御自身に従う人々と教会を祝福されることを教える。
準 備
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ヒラマン10章章を,祈りの気持ちで研究する。それからレッスンを検討し,聖文の記事を子供たちにどう教えるか決める(本書「レッスンの準備」ⅵ-ⅶ,「聖文に基づいて教える」ⅶ-ⅷ参照)。
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その他の参照箇所--ヒラマン11:1-18
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子供たちを参加させ,レッスンの目的を達成するのに最も役立つ「話し合いのための質問」と「レッスンを豊かにする活動」を選ぶ。
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教材--『モルモン書』人数分
レッスン
一人の子供に開会の祈りをさせる。
レッスンを豊かにする活動
以下の活動を,レッスンのどの部分でも,また幾つでも,使うことができる。復習やまとめ,チャレンジに利用してもよい。
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自分が今,ある言葉について考えていることを子供たちに言う。次の説明をよく聞いて,何についての説明かが分かったら手を挙げるように言う。「それは神の力です。」「主はこの力を通して人々と教会に祝福をお授けになります。」「この力を持っている人は主イエス・キリストを代表しています。」「この力を持っている人は,救い主が望んでおられることを行う責任があります。」
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この力は何と呼ばれていますか。(神権)
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次の言葉を書いた紙(1枚の紙に一つの言葉)を見せる。(「執事」「教師」「祭司」「長老」「12」「14」「16」「18」)
以下の説明を読んで聞かせる(一度に一つずつ)。そして,その説明に合う言葉を二つ選んで,黒板にはるように言う。順序を変えて説明を読めば,年上の子供たちにとっても判断が難しくなるであろう。(アロン神権の義務についての説明は教義と聖約20:46-59,メルキゼデク神権の長老の職についての説明は教義と聖約20:38-45;107:11-12を基にしたものである。)
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わたしはアロン神権を受けています。わたしは
聖 餐 のパスをします。また神権指導者のメッセンジャーとしても働きます。断食献金を集めたり教会の建物や敷地の手入れを手伝います。わたしの責任は何でしょう。何歳でこの責任に聖任されるでしょう。(「執事」「12」) -
わたしはアロン神権を受けています。わたしは執事の義務と権能をすべて受けています。また聖餐のパンと水の準備をします。ホームティーチャーとしての割り当てを受けることもあります。わたしの責任は何でしょう。何歳でこの責任に聖任されるでしょう。(「教師」「14」)
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わたしはアロン神権を受けています。わたしは執事と教師の義務と権能をすべて受けています。また聖餐の祝福を行います。バプテスマを施したり,ほかのアロン神権者の聖任を助けたり,メルキゼデク神権者がいない場合には集会を指導したりする権能があります。教会員が戒めを守るように助ける責任もあります。わたしの責任は何でしょう。何歳でこの責任に聖任されるでしょう。(「祭司」「16」)
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わたしはメルキゼデク神権を受けています。専任宣教師として働くこともできます。また教え,説き明かし,勧め,バプテスマを施し,教会員を見守る責任を受けることができます。わたしは聖霊の賜物を与え,集会を指揮し,子供の祝福を行い,病人への癒しの祝福を行い,家族を祝福することができます。わたしの責任は何でしょう。何歳でこの責任に聖任されるでしょう。(「長老」「18」)
子供たちにこの4つの神権の職に伴う義務について知っていることを一つ挙げてもらう。
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神権の力についての次の物語を話す。
ヒュー・B・ブラウン長老は十二使徒定員会の会員でした。ブラウン長老は若いときにカナダの軍隊の将校をしていました。第一次世界大戦のときには,イギリス国王のために戦う目的でイギリスへ派遣されました。
ブラウン長老は国王のために将校として働くことを誇りに思っていました。国王に代わって様々なことを行う権限を与えられていたからです。
ある日の朝,ブラウン長老に電話がかかってきました。病院にいる一人の兵士がブラウン長老に来てほしいと願っていました。その病院にはブラウン長老の訪問を依頼している兵士がたくさんいました。彼らはブラウン長老が将校として自分たちをイギリスからカナダへ送り返す権限を持っていることを知っていました。ブラウン長老は病院へ行って,自分が将校として与えられている権限について考えました。そして自分が国王の代理として語り,兵士たちをイギリスにとどめるか,帰国させるかを決定する権限を持っていることを誇らしく思いました。
ブラウン長老が例の兵士の病室に入ると,彼は帰国させてほしいと願うのではなく,次のように言いました。「ブラウン長老,祝福していただけませんか。死んでしまうのでは,と心配でなりません。神様にわたしの命を救ってくださるようにお願いしてください。」
ブラウン長老は驚きました。その兵士がブラウン長老を呼んだのは,彼が軍の将校で国王の代理として働けるからという理由ではなかったのです。そうではなく,ブラウン長老が神権を持ち,天父の業を行えるからなのです。ブラウン長老は,国王の権限ではその兵士の命を救えないことを悟りました。天父の力が必要だったのです。ブラウン長老はその兵士の頭に手を置いて祝福を授けながら,とても謙遜(けんそん)な思いになりました。
病院を去るとき,ブラウン長老は将校としての権限のことは考えていませんでした。頭の中にあったのは,神権の権能のことでした。ブラウン長老はこの世で天父の業を行うには神権を持つ必要があることを理解していました。そして自分に神権が授けられ,神の業を行えることをうれしく思いました。(ヒュー・B・ブラウン,Continuing the Quest,『探求を続けて』26-27)
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神権者が神権を行使している以下のような視覚資料を,子供たちに1枚ずつ渡す(教会付属図書館で入手できる)。子供たちに各自が受け取った絵を見せて,それが何の儀式を行い,その写真中の男性あるいは少年が何の職を受けているかを説明させる。
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バプテスマを受ける少年
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確認を受ける少女
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聖餐のパス
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神権への聖任
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病人への
癒 しの祝福 -
聖餐の祝福
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長老による祭司と教師の聖任について述べたモロナイ3章を読み,その内容について話し合う。
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「神権の回復」(『子供の歌集』60)を歌うか歌詞を読む。