第42課
モロナイとその記録
目 的
慈愛と呼ばれるキリストの純粋な愛を授かるために,子供たちが悪を離れ善を選ぶ望みを起こせるようにする。
準 備
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モルモン8:2-6とモロナイ1,7-8章を,祈りの気持ちで研究する。それからレッスンを検討し,聖文の記事を子供たちにどう教えるか決める(本書「レッスンの準備」ⅵ-ⅶ,「聖文に基づいて教える」ⅶ-ⅷ参照)。
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子供たちを参加させ,レッスンの目的を達成するのに最も役立つ「話し合いのための質問」と「レッスンを豊かにする活動」を選ぶ。
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教材
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『モルモン書』人数分
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視覚資料4-51「かつての偉大な国に別れを告げるモルモン」(『福音の視覚資料セット』319)
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レッスン
一人の子供に開会の祈りをさせる。
レッスンを豊かにする活動
以下の活動を,レッスンのどの部分でも,また幾つでも,使うことができる。復習やまとめ,チャレンジに利用してもよい。
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この活動ではブリキの板と
釘 が必要になる。(ブリキのふたを用いる場合は,危険がないようにへりにテープをはり付ける。)子供たちに釘を筆代わりにしてブリキの板に,「さて,わたしモロナイは……」という文を,順番に1文字か2文字ずつ書かせる。金属版に神の言葉を刻んだ『モルモン書』の記録者たちへの感謝の気持ちを述べる。 -
選択について,以下の事例あるいはそれに似たような例で子供たちの状況に合ったものを選んで活用する。善悪を区別し,正しい選択をするために,モロナイ7:16を活用するように言う。
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友達と野球をしているときに,あまり上手でない子がチームに入れてほしいと言ってきました。友達は,その子をチームに入れたら試合に負けてしまうと言います。あなたはその子に,自分たちのチームには入れないと言おうかと考えています。ここで考えてください。「この選択は善い行いをし,イエス・キリストを信じるようにという教えにかなったものだろうか。」
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ほんの少しの間だけ不道徳なシーンがある映画を見ています。その映画館を出るべきかどうか迷っています。ここで考えてください。「この映画を見ることは,善い行いをし,イエス・キリストを信じるようにという教えにかなったものだろうか。」
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ある店で買い物をしたら,店員の人が間違って実際の代金よりも少ない金額を言ってきました。あなたは,そのことに気がついています。ここで考えてください。「その少ない金額を払うことは,善い行いをし,イエス・キリストを信じるようにという教えにかなったものだろうか。」
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監督から毎日『モルモン書』を読むようにと言われました。聖句の中には理解しにくい言葉が時々出てきます。ここで考えてください。「聖文を毎日読むことは,善い行いをし,キリストを信じるうえで役に立つのだろうか。」
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モロナイ7:45に書かれている慈愛の数々の特質を,子供たちが理解できる言葉で説明する。子供たちに,モロナイの書いた言葉と教師自身の説明で,一致するものを合わせるように言う。
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長く堪え忍ぶ--我慢して努力する
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親切--意地悪をしないで,優しくする
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ねたまない--人のものを見て,悔しく思わない
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誇らない--威張らない,
謙遜 になる -
自分の利益を求めない--自分のことばかりでなく,ほかの人のことを考える
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容易に怒らない--すぐに怒らない,人の過ちをすぐに
赦 す -
悪事を考えない--善いことを求める
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真実を喜ぶ--正直になる
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すべてを忍ぶ--従順になる
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すべてを信じる--信仰を持つ
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すべてを望む--つらいことがあっても悪く考えず,明るい物の考え方をする
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すべてに耐える 根気よく我慢する
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モロナイはキリストの純粋な愛を持っていた。モロナイの慈愛の以下の具体的な例を子供たちに見つけさせる。あるいは,モルモンについての話をしながら,以下の具体例を挙げていく。
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長く堪え忍ぶ--モロナイはたった一人の生活を36年間も続けながら,努力して記録を書いた(モルモン8:5)。
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親切--モロナイはわたしたちのために祈り,
同胞 を愛した(エテル12:36,38)。 -
ねたまない--モロナイはわたしたちの時代の様子を前もって見,人をうらやんだり誇ったりしてはいけないと勧告した(モルモン8:35-37)。
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誇らない--モロナイは物を書き記す力が弱かったので謙遜だった(エテル12:23-25)。
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自分の利益を求めない--モロナイは自分のことを考えず,わたしたちがイエス・キリストについて知識を得られるように,祈り,努力した(モルモン9:36;エテル12:41)。
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容易に怒らない--モロナイは敵を赦し,レーマン人に価値があると思われることを熱心に記録した(モロナイ1:4)。
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悪事を考えない--モロナイはわたしたちに,善いものを得,悪いものには触れないように勧めたモロナイ10:30)。
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真実を喜ぶ--モロナイは正直だった(モロナイ10:27)。
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すべてを忍ぶ--モロナイはイエス・キリストを否定しようとしなかったために,安全な所を求めて独りさまよわなければならなかった(モロナイ1:2-3)。
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すべてを信じる--モロナイはわたしたちに,イエス・キリストを信じるように促している(モルモン9:21)。モロナイはその偉大な信仰のために,キリストに顔と顔を合わせてまみえることができた(エテル12:39)。
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すべてを望む--モロナイは希望の大切さを理解していた(エテル12:32)。
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すべてに耐える--モロナイは最後まで忠実だった(モロナイ10:34)。
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モロナイは初めて神の務めに召されたときに,父モルモンからの手紙を受け取った。モルモンはその手紙の中で,息子への愛と感謝と心遣いを表している(モロナイ8:2-3参照)。事前に,子供たちの親あるいは大人の親戚や友人に,愛と感謝を表した手紙を書いてもらう。息子モロナイに対するモルモンの愛を説明するときに,その手紙を子供たちに渡す。モロナイがその手紙を大切に扱い,敵から逃げるときも携えたことを指摘する。親や主に喜んでもらえる善をなすべきことを思い出させてくれる大切なものとして,その手紙をしまっておくように提案する。
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信仰箇条第13節を読む。
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「イエスさまのように」(『子供の歌集』40)を歌うか歌詞を読む。