第17課
わたしを助けてくれる神権
目 的
神権がどのようにわたしたちを助けてくれるかを理解させる。
準 備
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マルコ4:35-41を祈りをもって研究する。『福音の原則』第13章も参照する。
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「主よ,嵐すさび」(『賛美歌』59番)の1節を歌うか歌詞を朗読できるように準備する。また,難しい言葉があれば説明できるようにしておく。
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教材
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聖書
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懐中電灯または小さいランプ。ない場合には教室の電灯を使う。
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絵2-20「バプテスマを受ける少年」,2-27「病人への癒しの祝福」,2-28「
嵐 を静める」(『福音の視覚資料セット』214),2-29「聖餐 を配る」,2-30「確認を受ける少女」,2-31「子供の祝福」,2-32「神殿の前の新婚の夫婦」,2-23「娘を祝福する父親」
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レッスンで用いる「楽しい活動」の準備をする。
教師へ:父親のいない子供や父親が神権者でない子供がいるときは,気まずい思いを抱かせないように注意する。
レッスン
子供に開会の祈りをさせる。
宿題を出していれば,その確認をする。
神権は最も偉大な力
注意を引くための活動
懐中電灯,小さいランプ,または教室の電灯を使って,力という言葉の意味を説明する。電気を消した状態で話し合いを始める。電球はちゃんとはまっているが,懐中電灯または部屋の電灯は光を放っていないことを指摘する。
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電灯がつくためには何が必要ですか。
一人の子供にスイッチを入れさせて,どうなるかを観察する。電灯はまず電力がなければ光を発しない。
聖文の物語
このレッスンでは他の種類の力,電力や燃料よりももっと偉大な力について学ぶ。次の物語をよく聞いて,どんな力が使われているかを考えてみるように言う。マルコ4:35-41に書かれている話をする。
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嵐のときに舟に乗っていたとしたら,どんな気持ちがしますか。
怖くなった弟子たちがイエスを起こしたことを説明する。マルコ4:38の弟子たちの言葉を声に出して読む。弟子たちは,嵐のために舟が沈み,みんながおぼれて死んでしまうのではないかと恐れた。
絵2-28「嵐を静める」を見せながらマルコ4:39を読み,イエスが何をなさったかを見る。子供たちにイエスの言葉を復唱させる。「静まれ,黙れ。」
たちまちのうちに嵐がやんだので,弟子たちは驚いた。彼らが互いにどう言い合ったかを,マルコ4:41から読む。「いったい,この方はだれだろう。風も海も従わせるとは。」イエスの弟子たちが驚いたのは,イエスが風や波を従わせる力を持っておられたからである。
歌
主よ,嵐すさび」の1節とコーラスの部分を歌うか歌詞を朗読する。歌う前に子供たちに,この賛美歌は今読んだ聖書の物語を歌ったものであることを説明する。「しずまれ」という,コーラスの中のイエスの言葉に注目させる。(この賛美歌の言葉は難しいかもしれないが,子供たちは
歌や朗読に合わせてパントマイムをさせる。舟の揺れに似せて体を前後に動かしたり,手で波を表現してもよい。また,弟子の怖がっている顔を表現させてもよい。
主よ嵐すさび 波いと高し
天暗く覆われ かばうものなし
われら死ぬも主は 眠りたもうや
荒れ狂い迫り来る 墓は怒りて
(コーラス)
風も波も み旨に従え
荒海や悪魔の 怒りはいかにあるとも
この船は沈め得ず 天地の主がいますを
海は「鎮まれ」との仰せを守れ
海は「鎮まれ」との仰せ聞け
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イエス様が持っておられた嵐を静める力とはどんな力だったでしょうか。(天父に代わって働くための神権の力。)
子供たちに「神権」と復唱させる。
わたしたちは神権によって祝福を受ける
教師の提示
わたしたちの教会にはこの同じ神権を持っている兄弟たちが大勢いることを説明する。天父とイエスは神権を教会のふさわしい兄弟たちにお与えになった。これらの兄弟たちは,天父の指示を受けて,わたしたちを助け祝福するために神権を使う。
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だれかこの力を持っている人を知っていますか。
絵を使った話し合い
いろいろな神権の儀式の絵を一つ一つ見せる。子供たちに絵を持たせ(または指差させ),それぞれの絵が何を表しているかを話させる。神権を持つ兄弟たちがこれらの儀式を行っていることを説明する。こうした儀式を受けた経験を子供たちに話させる。
絵2-27「病人への癒しの祝福」を見せて,第16課で学んだ病人への癒しの儀式のことを思い起こさせる。神権を持つ兄弟たちが病気の人に,快復を助けるための祝福を授けることができることを復習する。
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病気で癒しの儀式を受けたことがありますか。
絵2-29「聖餐を配る」を見せる。アロン神権の祭司かメルキゼデク神権者が聖餐の祝福をすることを説明する。アロン神権の執事は聖餐を配る。家族や友達で聖餐の儀式の手伝いをしている人がいれば,その人たちのことについて話してもらう。
絵2-20「バプテスマを受ける少年」を見せ,わたしたちもイエス・キリストのときと同じように,神権を持った人からバプテスマを受けることを説明する。バプテスマのヨハネは神権を持っていたので,イエスにバプテスマを施すことができた。
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バプテスマ会に出席したことのある人はいますか。(バプテスマを受けている子供がいれば,そのときのことを話させる。)
絵2-30「確認を受ける少女」を見せ,バプテスマを受けた人は,メルキゼデク神権者によって末日聖徒イエス・キリスト教会の会員に確認されることを思い起こさせる。またこのときに,神権の力により聖霊の
絵2-31「子供の祝福」を見せ,教会員の赤ちゃんは命名の儀式のときに祝福を受けることを説明する。最近子供の祝福を受けた赤ちゃんを知っている子供がいたら,そのときのことを話してもらう。(赤ちゃんのときに祝福を受けなかった子供が,祝福を受けなかったことを心配しているときは,これから神権の儀式を受ける機会がたくさんあることを話す。)
絵2-32「神殿の前の新婚の夫婦」を見せ,子供たちは大きくなると神殿で結婚することを説明する。神権の結び固めの権能を持つ人が義にかなう生活をしている男女を神殿で結び固める。神殿結婚をすると,家族として永遠に一緒に生活することができるようになる。
物 語
子供たちに,悩みや問題があるときにも神権の祝福を受けられることを説明する。絵2-33「娘を祝福する父親」を見せ,問題があったときに神権の祝福を受けた少女の話を紹介する。次の話を使うとよい。
咲子ちゃんは別の町から引っ越してきました。今日が初めて学校に行く日です。学校へ行くのを楽しみにしていた咲子ちゃんでしたが,だんだん心配になってきました。
朝,咲子ちゃんは元気がありません。お母さんは咲子ちゃんの大好きな朝食を作ってくれましたが,咲子ちゃんは食べられませんでした。
咲子ちゃんはお母さんに気分が悪いと言いました。お母さんは咲子ちゃんの額に手を当てたり,のどを見たりしましたが,どこも悪くありません。どこか痛いところがあるのか聞きましたが,とにかく気分が悪いと言うだけです。
咲子ちゃんのお父さんは,たぶん新しい学校に行く日だからだろうと言いました。だれも知っている人はいないし,どんなことが起こるか分からないので,不安になっているんだろう,と言うのです。お父さんは,自分も会社に入ったばかりのときに同じような気持ちを味わったことがあることを話しました。
そこで咲子ちゃんのお父さんは,学校に行く前に祝福をしようと言いました。
祝福を受ければ不安はなくなるよ,とお父さんは言います。お父さんは咲子ちゃんの頭に手を置いて祝福をしてくれました。
午後になって学校から帰った咲子ちゃんはにこにこ顔でした。とてもいい学校で,先生も親切でした。咲子ちゃんはお父さんが祝福をしてくれたことを感謝しました。
このような祝福はしばしば,父親の祝福と呼ばれる。もし自分の父親が祝福を授けることができなければ,ホームティーチャーや家族,監督(支部長)など,メルキゼデク神権を持っている人に頼むことができる。
まとめ
絵の復習
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わたしたちが神権の祝福を必要とするのはいつでしょうか。
1枚ずつ絵を指しながら,それぞれの儀式や祝福の名前を言わせる。全員で復唱させる。これらは神権の力によってできることのほんの一部であることを説明する。
証
イエスと同じ権能である神権の力がわたしたちにあることへの感謝の気持ちを述べる。
父親(または他のメルキゼデク神権者)から必要なときに神権の祝福を受けるように子供たちに勧める。
子供に閉会の祈りをさせる。神権の祝福への感謝の気持ちを祈りの中に入れさせる。
楽しい活動
次の活動の中から自分のクラスに最も合うものを選ぶ。レッスンの一部として用いてもよいし,復習やまとめとして用いてもよい。詳しくは「教師へ」の『クラスの時間』の項を参照する。
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初等協会会長の承認を得て最近子供の祝福をした親に来てもらい,そのときのことを話してもらう。そのときどのように感じたか,赤ちゃんにどんな服を着せたか,ホームティーチャーや親戚や友達が一緒に儀式に参加してくれたときにどう感じたかを話してもらうとよい。また,神権の力を使って子供を祝福したことについてどう感じたかも話してもらう。
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マルコ4:35-41のロールプレイングをさせる。
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子供たちに紙とクレヨンか鉛筆を配り,聖餐のパスなどの神権の儀式の絵を描かせる。絵にはその儀式の名前を書く。
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神権の儀式についての次の歌を幾つか歌うか歌詞の朗読をする。「神権の回復」(『子供の歌集』60-61ページ),「神殿に行きたいな」(『子供の歌集』99ページ),「バプテスマ」(『子供の歌集』54-55ページ),「せいれい」(『子供の歌集』56ページ)。「バプテスマ」と「せいれい」の歌詞は巻末に掲載されている。
「神権の回復」
かみの しんけん
かみの しんり
ふたたび このよに
かいふくさる
「神殿に行きたいな」
いつのひかはいる しんでんに
きよきみたまの こえきくために
せいなるかみのいえ うるわしのみや
そなえをはじめよう すぐにはじめよう
いつのひか一緒に しんでんで
おとうさまと せいやくかわす
ひとつにむすばれる かぞくとして
じゅうじゅんにあゆむと やくそくします
(©1980 by Janice Kapp Perry. Used by Permission.)