初等協会テキストと分かち合いの時間
第29課 良い模範


第29課

良い模範

目 的

イエスに従う者として光を輝かすように励ます。

準 備

  1. マタイ5:14-16を祈りをもって研究する。

  2. 課末の型紙を使って,紙のろうそくとバスケットを4枚ずつ作る。紙のろうそくには次の名前を書き入れる。

    • 恵美ちゃん

    • 洋一君

    • エリックとピーター

    クラスが始まる前に壁に3枚のろうそくを粘着テープではり,その上から紙のバスケットをはってろうそくを隠す。「?」のマークをつけたもう一つのろうそくとバスケットは後で使う。

  3. 同じ型紙を使って,クラスの子供全員に紙のろうそくを作る。

  4. 「正しい道選ぼう」(『子供の歌集』82-83ページ)と「光となるように」『子供の歌集』38-39ページ)を歌うか歌詞を朗読できるように準備する。歌詞は巻末に掲載されている。

  5. 教材

    1. 聖書

    2. ろうそくとろうそく立て

    3. ろうそくが完全に中に入ってしまうくらいの大きさのバスケット,またはボール箱

    4. CTRチャート(第1課参照)

    5. 鉛筆(人数分)

  6. レッスンで用いる「楽しい活動」の準備をする。

教師へ:レッスンに使うろうそくに火をつけないこと。教会堂内でろうそくに火をともすことは教会の方針に反する。

レッスン

子供に開会の祈りをさせる。

宿題を出していれば,その確認をする。親切にすることについて体験したことを話させてもよい。子供に話すときはささやくように話す。

イエスは,「あなたがたの光を輝かせなさい」と教えられた

注意を引くための活動

続けて,ささやくような声で子供たちに話しかける。先週何をしたか,初等協会のどこが好きかを何人かの子供に質問する。子供の方でささやき声で答えるまで続ける。数分たってから,これはだれかがささやき始めるとほかの人たちもささやく傾向があることを示す実験であると説明する。この実験から分かるように,子供たちはあなたがしていることを見てそれをまねをしたことを指摘する。みんなはあなたの模範に従ったのである。

子供たちがあなたの模範に従ったように,子供たちの友達も子供たちの模範に従うことを説明する。イエス・キリストはわたしたちに良い模範となるように教えられた。

  • 良い模範とは何でしょうか。

友達はわたしたちの行動を見てそれに従うことが多い。わたしたちが正義を選んで良いことをしていれば,友達にとって良いことをするのは簡単になってくる。

クイズ

次のクイズを解く。

わたしはろうでできています。

中にはしんがあります。

光を放つのがわたしの目的です。

マッチで火をつけます。

さてわたしは何でしょう。

子供たちが答えを出したら,用意したろうそくを見せて,ろうそくの役目について話し合う。

聖文の物語

イエスが地上に住んでいたころには,電気はありませんでした。日が沈んで暗くなると,人々はろうそくをともしました。

ある日,イエスは人々の良い模範になることについて,弟子たちに教えておられました(マタイ5:14-16参照)。良い行いが人々を教えるのに役立つことを理解させるために,イエスはろうそくの光について話されました。イエスが弟子たちに言われた言葉をマタイ5:15から紹介する。

実物を使ったレッスン

ろうそくをバスケットまたは箱の下に入れる。

  • 暗い所でろうそくをつけ,それをバスケットの下に入れたらどうなりますか。(だれも光を見ることができない。)

バスケットを除き,ろうそくをろうそく立ての上に載せる。

  • 暗い部屋の中でろうそくをろうそく立ての上に載せ,火をつけたらどうなりますか。(ろうそくが部屋中を明るくし,人々は見ることができる。)

イエスは,弟子たちがろうそくのように人々に光を与えるようになってほしいと思われた。すなわち,イエスの教えに従って良い模範になれば,ほかの人々がそれに倣うことができるからである。

話し合い

マタイ5:16にある弟子たちへのイエスの言葉を読む。イエスはこの教えにも従うように言われた。

  • 「あなたがたの光を人々の前に輝かし」とはどういう意味でしょうか。

  • 友達が周囲の人の良い模範となったらどのようなことが起きるでしょうか。

良い模範

ほかの人々の良い模範となって光を輝かせるために,イエスの教えに従った子供たちの話をする。わたしたちがイエスに従えば,ほかの人はわたしたちを見てイエスのことを思い浮かべることができる。

一人の子供に,前に来て,紙のバスケットを取り除き,隠れているろうそくを見せるように言う。ろうそくに書かれている名前を読む。それから,その子について書かれている物語を話す。同様にして全部の話をする。

恵美ちゃんの話

恵美ちゃんはお友達の和子ちゃんの誕生パーティーに招かれました。とてもうれしくて,楽しい会になるだろうとわくわくしていました。でも,パーティーから帰って来た恵美ちゃんは,出かけるときとは違って暗い顔をしていました。お母さんがパーティーはどうだったか尋ねました。恵美ちゃんは,パーティーでアイスティーが出されたことを話しました。和子ちゃんのお母さんが,大人のパーティーみたいにしようと言ったのだそうです。

  • 恵美ちゃんはアイスティーを出されてどうしたと思いますか。

恵美ちゃんはアイスティーは飲まないことを話しました。両親や初等協会の先生から,体に良くないものは取らないように教えられていることも説明しました。

恵美ちゃんのお母さんは,恵美ちゃんがアイスティーを飲まなかったことを偉いと思いました。そして,和子ちゃんも和子ちゃんのお母さんも教会員ではないので,恵美ちゃんの家族が信じているのと同じことは信じていないことを説明しました。

それから数か月して,恵美ちゃんと恵美ちゃんのお母さんは和子ちゃんのお母さんから手紙をもらいました。そこには,恵美ちゃんがパーティーで教会のことを話したことがきっかけになって,和子ちゃんの家族が教会のことをもっと詳しく調べてみたことが書いてありました。そして今,宣教師からレッスンを受けているとのことでした。和子ちゃんのお母さんは,自分も恵美ちゃんのように良い模範になって,ほかの人に福音を伝えたいと言っていました。

  • 恵美ちゃんはどのようにして光を輝かせたでしょうか。

洋一君の話

洋一君は家族と一緒に最近引っ越して来たばかりです。最初の友達は公平君と言って,教会員ではありませんでした。洋一君も公平君もサッカーが好きでした。ある日,公平君が日曜日のサッカーの試合に洋一君を招待しました。洋一君は日曜日にサッカーの試合に行くのはやめた方がいいことは分かっていましたが,断ることで公平君の気持ちを傷つけないかと心配でした。

  • あなたが洋一君だったらどうしますか。

洋一君はサッカーではなく教会に行くことに決めました。そして公平君を教会に招待しました。公平君は一緒に行くと言ってくれました。

  • 洋一君はどのように良い模範を示したでしょうか。

エリックとピーターの話

ある日のこと,一人の女性がオランダで伝道している宣教師のもとを訪ねて来ました。そして姉妹宣教師に祈りの仕方を教えてほしいと言うのです。その人の話によると,息子のエリックとピーターが初等協会に集っていて,いつも楽しみにしているとのことでした。そして息子たちは,初等協会でお祈りの仕方を学んでいました。

数週間前のこと,この女性の女の赤ちゃんがひどい病気にかかったそうです。そして,少しの間彼女が部屋を離れて戻って来てみると,エリックとピーターが赤ちゃんのベッドのそばでひざまずいていました。ピーターが天のお父様に,赤ちゃんを祝福して病気を治してくださいとお祈りをしていました。彼女は自分の息子たちが初等協会に出席し,お祈りの仕方を学んでくれたことをうれしく思い,自分も宣教師から祈りを教わりたいと思ったのです。宣教師は祈りの方法を教えました。宣教師たちは,エリックとピーターがお母さんの良い模範となったことをすばらしいと思いました。

  • エリックとピーターはどのようにして光を輝かせましたか。

子供の発表

全部の話が終わったら,「?」のマークのついたろうそくを,紙のバスケットで隠したままで子供たちに見せる。そして,バスケットを取り,ろうそくの「?」のマークは,良い模範を示したすべての子供たちを意味することを話す。子供たちに自分が良い模範になったときのことを話させる。

わたしたちは光を輝かすことができる

聖 文

マタイ5:16をもう一度声に出して読む。ここではイエスがわたしたちに,自分の光を輝かせなさいとおっしゃっている。良い模範を通して光を輝かすことの大切さを強調する。わたしたちは末日聖徒イエス・キリスト教会の会員として,イエス・キリストの教えに従い,ほかの人々もイエス・キリストの教えに従えるように助ける必要がある。

子供たちと一緒に「光となるように」を歌うか歌詞を朗読する。イエスのために「光」となるとは,聖書にあるように光を輝かせることであることを説明する。

活 動

子供たちに,次の事例に対して答えが二つ用意してあることを説明する。それぞれの答えを注意して聞くように言う。そして,それが正しい答えであると思ったら,人差し指を上に向ける。これは,ろうそくの形である。間違っていると思ったら,人差し指をほかの手で覆う。これは,光を升の下に隠すことを表している。事例ごとにどちらの答えが適切かを,またなぜそれが光を輝かすことになるのかを話し合う。

以下の事例を用いる。教師自身の準備したものでもかまわない。

  1. あなたは午前中ずっと近所の子供たちと楽しく遊んでいました。昼食後,前の家に遊びに来ている子が外へ出てきて,一緒に遊びたそうな様子です。あなたはどうしますか。

    1. あなたも友達もその子を知らないし,その子はあなたたちが何をして遊んでいたのか知らないので,一緒に遊ぶように誘わない。

    2. あなたは友達に,「あの子を仲間に入れてあげようよ。ぼくたちと一緒に遊びたそうだから」と言う。

  2. あなたは広場で野球をしています。あなたの打ったボールが向こう側の家の窓に当たってガラスにひびが入ってしまいました。さてどうしますか。

    1. 向こうの広場で野球をしていて打った球がガラスに当たり,ガラスにひびが入ってしまったと説明する。素直に謝って弁償する。

    2. ひびの入った窓ガラスを見に行くが,その家の人は留守らしいし,ひびが入っただけなので黙っていればだれがやったか分からない。そのまま野球を続ける。

  3. 学校で列を作って順番を待っています。あまり長く待たされるので,何人かの子供たちはしびれを切らせてふざけ始めました。後ろの男の子があなたを押しました。どうしますか。

    1. そのままお行儀よく列にいる。

    2. 押した子を押し返す。

子供たちに,いつも正義を選んで良い模範になることがどんなに大切かを話す。

まとめ

CTRチャート

CTRチャートを指し,救い主の教えに従うならば正義を選ぶことができることを子供たちに思い起こさせる。恵美ちゃん,洋一君,ピーターとエリックのように,人々の良い模範となるように励ます。

ろうそくを使った活動

紙のろうそくを全員に配って,それに自分の名前を書かせる。

家族や学校や教会で良い模範になることによって光を輝かせる方法を考えさせる。

自分はこうして光を輝かせようという方法を一人ずつ発表させる。

良い模範となってその光を輝かせることを忘れないように,紙のろうそくを家に持って帰る。

良い模範となることが大切であることをあかしする。自分が良い模範となれた経験,またはほかの人の良い模範によってイエス・キリストについて学ぶことができた経験を話す。

子供たちと一緒に「正しい道選ぼう」を歌うか歌詞を朗読する。

子供に閉会の祈りをさせる。子供たちが良い模範になれるように祈らせる。

クラスを出るときは,紙のろうそくを持って静かに出るように言う。(クラスに迎えに来る人を待っている子供がいれば,迎えに来た人にろうそくを見せるように言う。)

楽しい活動

次の活動の中から自分のクラスに最も合うものを選ぶ。レッスンの一部として用いてもよいし,復習やまとめとして用いてもよい。詳しくは「教師へ」の『クラスの時間』の項を参照する。

  1. わたしたちは光を輝かすことができる」の項の事例の中の正しい答えを,子供たちに演じさせる。また,恵美ちゃん,洋一君,エリックとピーターの話のロールプレイングをしてもよい。

  2. 「わたしのするとおり」(『子供の歌集』146ページ)を歌うか歌詞を朗読する。歌詞は巻末に掲載されている。子供たちに順番にリーダーをさせ,ほかの子供たちはそのリーダーの動作をまねる。

    「大将ごっこ」のゲームをしてもよい。順番に一人一人が大将になる。

    この歌でもゲームでも,みんなが大将の模範に従っていることを指摘する。正義を行うことを選べば周囲の人に良い模範になれることを思い起こさせる。

  3. 「もっとかがやこう」(『子供の歌集』96ページ)を歌うか歌詞を朗読する。

    わたしのひかりは

    しんこうと いのり

    ちいさいけれども

    あかるく ひかる

    (コーラス)

    もっともっと かがやこう

    しんこういのり よにかがやこう

    「ひかりをかくすな」

    しゅのいましめ

    よのひかりとなれ

    ひかりかがやけ

    (コーラス)

  4. 「注意を引くための活動」の中の質問をささやき声でする。子供たちにもささやき声で答えさせる。よく聞いて考えてくれたことを褒める。