初等協会テキストと分かち合いの時間
第5課 わたしは正しいことを選べる


第5課

わたしは正しいことを選べる

目 的

わたしたちが正義を選べるのは,天父から選択の自由を与えられているからであることを理解させる。

準 備

  1. マタイ21:14-16教義と聖約37:4を祈りをもって研究する。『福音の原則』第4章も参照する。

  2. 「正しい道選ぼう」(『子供の歌集』82-83ページ)を歌うか歌詞を朗読できるように準備する。歌詞は巻末に掲載されている。

  3. 第6課の「楽しい活動」の1を来週教えるのであれば(24ページ参照),次のような手紙を子供たち一人一人に持たせ,親に渡してもらう。

    (子供の名前)君(さん)に名前の由来を話してあげてください。

    来週クラスで発表してもらいたいと思います。ありがとうございます。

    「楽しい活動」の2を用いるときは,同じような手紙を用意して家族の写真を持たせてもらう。

  4. 教材

    1. 聖書と教義と聖約(末日聖典合本)

    2. CTRチャート(第1課参照)

    3. キャンディーやきれいな小石など色の異なった小さな物の入ったボール。一人一人の子供が違う色を取れるように,各色十分な数を入れる。

  5. レッスンで用いる「楽しい活動」の準備をする。

レッスン

子供に開会の祈りをさせる。

宿題を出していれば,その確認をする。

天父とイエス・キリストは,わたしが自分で選ぶように望んでおられる

注意を引くための活動

小さな物の入ったボールを見せて,好きな物を選ぶように言う。全員取り終えたら,今みんながしたことは選択であることを説明する。わたしたちは毎日たくさんの選択をしている。

  • あなたは今日,どんなことを選びましたか。(何を着るか,朝食に何を食べるか,自由な時間に何をするか,など。)

供たちに,選んで何をするか決めることはこの地上の生活でとても大切であることを説明する。選ぶのが簡単なことも難しいこともある。この選ぶ権利は,わたしたちが天で天父やイエスと一緒に生活していたときに与えられた。

教師の提示

わたしたちが地上に来る前に,天父は会議をお開きになったことを思い出させる。先週のレッスンから,その会議で何が起こったかを子供たちが覚えているかどうか調べる。もし覚えていなければ,簡単に復習する。

その会議で天父はわたしたちに,どうしたら天父のようになれるかを示された。わたしたちはその計画に従うことを選び,この地上に来て体を得た。地球にいる間戒めを守ることを選べば,わたしたちはもう一度天父と一緒に生活することができる。そしてイエス・キリストは,天父ともう一度生活するのに何をしたらよいかをわたしたちに教えるため,地球に来ることを申し出られた。ルシフェルも地球に来ることを望み,強制的に戒めを守らせると言った。ルシフェルは人に選択の自由を与えることを望まなかった。それに対してイエスは天父の計画に従おうとした。イエスは人がどう生活するかを自分で選ぶべきだとお考えになった。

天父はわたしたちが自分の力で選ぶことにより,いつも正しい選択ができるようになることを望まれた。自分の力で選択できる力のことを選択の自由と呼ぶ。子供たちに「選択の自由」と2回言わせる。

ルシフェル(サタンとも呼ばれる)とルシフェルに従う霊たちが,今も天父の計画に戦いを挑んでいることを説明する。彼らは,わたしたちが選択の自由を使って,正しいことをしてイエスに従うのではなく,彼らに従う方を選ぶように望んでいる。

CTRチャート

CTRチャートのイエスの絵を見せる。

  • イエスはわたしたちのために何をしたいと思われましたか。(わたしたちが正しいことを選ぶことができるように,地上に来て何が正しいかを教えたいと思われた。)

CTRチャートの言葉を指して,声に出して読む。子供たちと一緒にもう一度繰り返す。

子供たちは正義を選ぶことができる

聖文の物語

マタイ21:14-16の話を自分の言葉で話す。祭司長の中には,イエス・キリストが彼らを救うために天父から遣わされた御方であることを信じない人たちがいたことを説明する。彼らはイエスの行動を鋭く観察して間違った行いを見つけ,イエスを殺す口実にしようとしていた。

イエスが神殿で目や足の不自由な人をいやされたのを見て,祭司長たちが腹を立てたことを説明する。そして,子供たちがイエスをほめたたえると,祭司たちはもっと腹を立てた。彼らはイエスが子供たちを制するものと思ったが,イエスは逆に祭司たちに,聖文には子供たちが自分のことをほめたたえると書いてあるのを知らないのか,と尋ねられた。

この物語の中の子供たちと同じように,クラスの子供たちもイエスに従い,イエスをほめたたえることを選ぶことができる。

聖 句

教義と聖約37:4「各人に自ら選ばせなさい」を声に出して読む。人々というのは男も女も子供たちも,すべての人を指すことを説明する。子供たちを起立させ,上の聖句を繰り返させる。

CTRチャート

CTRチャートを指し,言葉を繰り返させる。

わたしたちは正義を選ぶことができる

物 語

イエスが望まれる選択をした子供たちの物語を紹介する。次の話を使ってもよい。

のりお君は朝日が覚めたとき,ご機嫌ななめでした。夕べ寝たのが遅かったのに,今朝はこんなに早く起きなければならなかったからです。今日は日曜日なので,みんな教会へ行く準備で忙しそうにしています。のりお君は洗面所で,ほかの人が終わるのを待たなければなりませんでした。ところが,今度は靴が片方見つかりません。やっと見つけたと思ったら,いすにつま先をぶっけてしまいました。その痛かったこと。のりお君がぐずぐずしているので,みんなが教会に遅れてしまうとお兄さんは不平を言っています。

初等協会でのりお君は歌を歌いませんでした。笑顔も見せませんでしたし,お話や歌を聞く気もしませんでした。初等協会へ来なければよかったと思いました。クラスの時間にも,後ろの席に座って,ポケットの中に入っていた物で遊んでいました。

  • のりお君はどんな選択をしましたか。

先生は一生懸命レッスンの準備をしてきたのに,のりお君はそれを聞いていてくれませんでした。クラスの後で,先生はのりお君と二人だけで話しました。「どうしたの?」と先生は聞きました。のりお君は泣き始めました。とても悲しくなってきました。楽しく学びたかったし,先生にも良い気持ちで教えてほしかったのです。

先生は良い考えがあると言いました。一つの実験をしてみようというのです。のりお君は実験なんてちょっとおもしろそうだなと思いました。先生は,正義を選んでイエス様の望まれることをすることによって,わたしたちは幸せになれる,そしてのりお君もそれがほんとうかどうか実験してみたらどうかと言うのです。のりお君は,次の日曜日にこの実験をしてみようと決心しました。イエスが望んでおられることをしようと決心したのです。

次の土曜日,のりお君は先生から日曜日の実験について電話をもらいました。のりお君は自分に言い聞かせました。「あしたはぼく,イエス様がしてほしいと望んでおられることをするんだ。」

日曜日の朝日を覚ますと,のりお君は早く実験に取りかかろうとむずむずしていました。すぐに身支度をすると,妹のことも手伝ってあげました。教会に着いたとき,のりお君の顔はにこにこしていました。開会の歌も歌いました。開会の祈りの間も,静かに目を閉じてよく聞いていました。ところが,隣に座っていた男の子が何度も話しかけてくるので,のりお君はやがてその子に耳打ちを始め,お話を聞く方がお留守になってしまいました。クラスに分かれる直前,のりお君は壁にはってあるイエスの絵を見上げました。そのとき,のりお君はイエスが喜んでおられることをするのだと決心したことを思い出しました。そして教室へ行く廊下を静かに歩きました。教室では前の席に座ったので,お話をよく聞くことができましたし,質問にも答えました。のりお君は心がうきうきしてきました。正義を選んでほんとうに良かったと思いました。正義を選んで,イエスがしてほしいと望んでおられることをすると幸福な気持ちになることを,のりお君は知ったのです。

話し合い

  • なぜのりお君は心がうきうきしていたのでしょうか。

  • あなたが正しいことを選んで良い気持ちがしたのはいつですか。

まとめ

活 動

子供に親指を突き出したままでこぶしを作るように言う。そして,これから子供たちが経験するような選択を幾つか紹介することを話す。それが,イエスがしてほしいと思われる選択であれば,突き出した親指を上に,サタンが望んでいると思われる選択であれば,親指を下に向けさせる。次の例を用いる。自分で事例を考えてもよい。

  • 初等協会に来る。

  • 音楽指導者がみんなで歌いましょうと言ったとき,大きな声で歌う。

  • 祈りのときに目を開けている。

  • 教会に友達を連れて来る。

  • 聖餐せいさん式のとき,友達とひそひそ話をする。

  • 教室に行くとき静かに歩く。

  • ほかの子がつまずいて転んだときに笑う。

  • うるさくしてほかの子を困らせる。

  • 活動のとき先生の手伝いをする。

  • 間違った答えを言った人をからかう。

  • 先生がお話をしているときは静かに聞く。

「正しい道選ぼう」を歌うか歌詞を朗読する。

天父が選択の自由を与えてくださったことに感謝する。子供たちには正義を選ぶ力があることを強調する。

次週のレッスンで,今週中に経験した正しい選択について発表するように言う。

配付資料

手紙を用意していれば子供に渡す。内容について説明して,親に必ず渡すように言う。

子供に閉会の祈りをさせる。

楽しい活動

次の活動の中から自分のクラスに最も合うものを選ぶ。レッスンの一部として用いてもよいし,復習やまとめとして用いてもよい。詳しくは「教師へ」の『クラスの時間』の項を参照する。

  1. 全員立たせて一人をリーダーにし,リーダーに硬貨かボタンを渡す。リーダーはどちらか一方の手に硬貨かボタンを隠して持ち,子供たちの前に立つ。残った子供たちはリーダーのどちらの手に硬貨またはボタンがあるかを当てる。当たった子供は1歩前に進み,当たらなかった子供はその場にとどまる。だれかがリーダーのところに着くまで続ける。

    • 間違った答えを言う人がいるのはなぜでしょうか。(ヒントがないから。)

    • 何かを選ぶのに,これはいい方法だと思いますか。

    わたしたちはこのようなあてずっぼうな選択をしなくてもよいことを,子供たちに話す。イエスはわたしたちに何をすべきか教えてくださった。天父やイエスが望んでおられることをするならば,わたしたちはいつも正しい選択をすることができる。

  2. 一人一人に紙とクレヨンを渡し,イエスが彼らに初等協会でしてほしいと思っておられることを描くように言う。静かに座っていること,歌うこと,教師の手伝いをすること,静かに歩くことなどが挙げられる。