初等協会テキストと分かち合いの時間
第38課 聖餐式のときにイエス・キリストを心に留める


第38課

聖餐式のときにイエス・キリストを心に留める

目 的

聖餐せいさん式のときにイエス・キリストを心に留めるように促す。

準 備

  1. ルカ22:7-20教義と聖約20:75-79を祈りをもって研究する。『福音の原則』第23章も参照する。

  2. 「イエス様のお話を読む時」(『子供の歌集』35ページ)など,イエス・キリストに関する歌を1,2曲歌わせる。歌詞は本書巻末に掲載されている。

  3. もし入手できれば何か絵を用いながら,イエス・キリストに関する自分の好きな話を準備する。

  4. 教材

    1. 聖書と教義と聖約(末日聖典合本)

    2. 聖餐のトレイ(パン用と水用の両方)

    3. 絵2-29「聖餐を配る」,2-54「最後の晩餐」(『福音の視覚資料セット』225),2-59「クリスタス像」

  5. レッスンで用いる「楽しい活動」の準備をする。

レッスン

子供に開会の祈りをさせる。

宿題を出していれば,その確認をする。

イエス・キリストはわたしたちに聖餐を与えてくださった

注意を引くための活動

聖餐のトレイを見せる。

  • これは何のために使うものですか。

聖餐のトレイと聖餐について知っていることを子供に話させる。今日は聖餐について学ぶことを告げる。

聖文の物語と話し合い

絵2-54「最後の晩餐」を見せる。何の絵かを理解している生徒がいたら,どのような出来事が描かれているか質問する。生徒たちが,それが何の絵かわからない場合には,イエス・キリストと使徒たちを描いたものであることを告げる。生徒たちにその絵のイエスを指差させる。

ルカ22:7-20の最後の晩餐の話をする。

イエス・キリストと使徒たちが過越すぎこしの祭と呼ばれるユダヤ人の特別な聖日を祝っておられたことを説明する。イエスはそれが使徒たちとともにする最後の食事になるということを御存じだった。このときの食事がよく「最後の晩餐」と呼ばれることを話す。

イエスが使徒たちを愛されたことを説明する。イエスは御自分がいなくなった後に教会の会員を導かせるために彼らを召された。またイエスは彼らに多くのことを教え,御自分とその教えを覚えておくように彼らに望まれた。

  • 使徒たちにとって,イエス様を覚えていることはなぜ大切なのでしょうか。

  • イエス様は御自分のことを覚えさせるために,使徒たちに何を与えられましたか。

ルカ22:19を読んで聞かせる。この聖句には救い主がパンを小さく分けて祝福し,それを使徒たちに与えて食べさせられたことが書かれていることを指摘する。イエス・キリストはそのパンは御自分の体を思い起こさせるものであり,それを食べるときには御自分のことを思い起こすようにと弟子たちに言われた。

弟子たちがパンを食べ終わると,イエスはぶどうから造った飲み物を祝福し,それを使徒たちに授けられた。イエスは使徒たちに,その飲み物は御自分の血を思い起こさせるものであると言われた。使徒たちはそれを飲むときに,自分たちが死んだ後も,また天父と一緒に住めるようにするために,イエスが命を捨てられたことを思い起こすように望まれたのである。

使徒たちが御自分とその教えを覚えているなら正義を選べるようになるということを,イエスが御存じだったことを説明する。

  • 最後の晩餐のときにイエス様が使徒たちに与えられたパンと飲み物は何と呼ばれていますか。(聖餐)

  • イエス様はなぜ使徒たちに聖餐を与えられたのでしょうか。

わたしたちはイエス・キリストを覚えるために聖餐を受ける

話し合い

絵2-29「聖餐を配る」を見せ,わたしたちがイエスの時代の使徒たちと同じように聖餐を受けていることを思い起こさせる。(今は,イエスが使徒たちに与えられた飲み物の代わりに水を使っていることを説明するとよい。)

  • わたしたちはいつ聖餐を受けますか。

わたしたちが聖餐を受ける集会が聖餐会と呼ばれているのは,聖餐がその集会の最も大切な部分だからであることを指摘する。

  • わたしたちはなぜ聖餐を受けるのでしょうか。

  • 聖餐は,わたしたちが正義を選ぶうえでどのように役立っているでしょうか。

聖 文

聖餐が配られる前に,特別な祈りがささげられることを思い起こさせる。この祈りは,わたしたちが約束する事柄を天父に申し上げている。これからそのパンの祝福の祈りの言葉を読むので,よく聞いて,わたしたちが聖餐を頂くときに天父と交わす二つの約束を理解するように言う。

教義と聖約20:77を読んで聞かせる。「御子の体の記念にこれをいただけるように」と「いつも御子を覚え,御子が与えてくださった戒めを守る」の部分を特に強調して読む。

「あなたに証明して」とは,天父に約束することを意味していると説明する。

  • わたしたちが約束する二つの事柄とは何ですか。

わたしたちは聖餐を受ける度に,イエス・キリストと,戒めを守ることを覚えると約束していることを説明する。

わたしたちは聖餐式の間に,イエス・キリストの愛について考えることができる

教師の提示

絵2-59「クリスタス像」を見せる。それがイエス・キリストの像を写したものであることを説明する。背景には様々な星が描かれている。この絵について数分問詰し合わせる。

聖餐式のときには,救い主と救い主がわたしたちに下さる愛について考える必要があることを説明する。わたしたちは今見たような,イエスを描いた様々な絵を思い起こしたり,イエスの様々な物語について考えたりすることができる。

もし入手できれば絵を用いながら,自分が好きなイエスについての物語を話す。その話に,人々に対するイエスの愛がどのように表れているか説明する。

生徒の参加

子供たちにイエス・キリストについての物語あるいはイエス・キリストについて覚えていることを話させる。一人一人の話について,その中にわたしたちに対するイエスの愛がどのように表れているかを強調する。

生徒たちがイエスについての話を覚えていたことを褒める。聖餐式の間に考えることのできるイエスの話がたくさんあることを伝える。聖餐式のときにイエスと,わたしたちに対するその深い愛について考えるなら,イエスを思い起こすことができる。

わたしたちはイエス・キリストについての歌もたくさん知っているということを説明する。聖餐が配られている時に声を出して歌うことはできないが,イエスを覚えるためにそれらの歌詞を思い浮かべることはできる。「イエス様のお話を読む時」など,イエスについての歌で子供たちがよく知っているものを1,2曲みんなで歌う。

聖餐式の間敬虔にしていれば,イエス・キリストを覚える助けとなります

話し合い

聖餐式の間敬虔けいけんにしていれば,イエスについて考えることはより易しくなることを説明する。

  • 聖餐式の間,どのようにしたら敬虔になることができますか。

次の点を挙げる。

  • 聖餐の祈りに耳を傾け,最後に「アーメン」と言う。

  • 親やほかの人々のじゃまをしない。彼らもイエス・キリストについて考える必要がある。

  • 聖餐式の前に鉛筆,本,その他のものをしまう。

  • 静かに席に座っている。

  • イエス・キリストについての物語や歌,わたしたちへの愛や教えなどを思い出して,イエス・キリストについて考える。

  • いちばん手前のパンと水を取る。

  • 聖餐のカップで遊んだりしないで,すぐに戻す。

活 動

聖餐会に出席していて,これから聖餐式が始まると仮定する。心の中で以下の質問に答えるように言う。

  • イエス・キリストのことを考えていることを示すために,口はどうしますか。

  • 敬虔にしていることを示すために,頭をどうしますか。

  • イエス・キリストについて考えていることを示すために,手と腕をどうしますか。

聖餐が配られているときのように,1,2分の間静かに座って,イエス・キリストについて考えさせる。その後で,一人一人にイエス・キリストについてどんなことを考えていたか述べさせる。

まとめ

活 動

これから聖餐式の間にしたり,考えたりできることについて幾つかの項目を挙げるので,注意して聞くように言う。各項目について,それが聖餐式にふさわしいと思ったら起立し,ふさわしくないと思ったら着席するように言う。

以下の項目を活用するか,独自の項目を考えてもよい。

  • 天父とイエス・キリストがわたしたちを愛してくださっていることを考える。

  • 外に遊びに行くことを考える。

  • イエス・キリストが病人をいやされたことについて考える。

  • 隣の人に話しかける。

  • いすに座ったまま,体を落ち着きなく動かす。

  • 聖餐の賛美歌やイエス・キリストについての歌について考える。

  • 心の中で天父に祈る。

  • 絵を描いたり,おもちゃで遊んだりする。

  • イエス・キリストについての物語を思い起こす。

イエス・キリストについてのあかしを述べる。聖餐を受けられることについて自分が考えていることを子供たちに話す。

聖餐式の間はイエス・キリストを思い,敬虔にしているよう促す。

子供に閉会の祈りをさせる。

楽しい活動

次の活動の中から自分のクラスに最も合うものを選ぶ。レッスンの一部として用いてもよいし,復習やまとめとして用いてもよい。詳しくは「教師へ」の『クラスの時間』の項を参照する。

  1. 「イエス様を思うのは」(『子供の歌集』148ページ)を歌うか歌詞を朗読する。

    じゅうじかでくるしまれた

    イエスさまのことおもうのは

    むずかしくはありません

    しずかにすわってかんがえる

    わたしはこどもだけれど

    しゅをおもうことできる

    しずかにおぎょうぎよくして

    こどもにあいをおしえてた

    エスさまのことおもうのは

    むずかしくはありません

    わたしはこどもだけれど

    しゅをおもうことできる

  2. 初等協会会長の承諾を得てから,監督(あるいは支部長)に祭司か執事がクラスに来て,聖餐に関するそれぞれの責任について説明する手配をしてもらう。

  3. 子供たちが敬虔に座っている様子を描いた絵(本課末に掲載)をコピーする。それに色を塗ってから,パズル用に5つに切る。それぞれのピースの裏に次の質問を書いておく。

    • わたしたちが聖餐会で行う最も大切なことは何ですか。

    • 祭司は聖餐式でどのようなことをしますか。

    • 執事は聖餐式でどのようなことをしますか。

    • 聖餐式の間,どのようにして座っていなければなりませんか。

    • 聖餐式の間,何について考えていなければなりませんか。

    パズルのピースを床か机の上に広げる。子供の一人に1ピース拾わせる。ピースの裏に書かれていることを質問し,答えを求める。同様にしてすべての質問に答えが出たら,パズルを組み合わせる。

  4. 子供たちに次の詩を読ませる。

    聖餐

    腕を組んで,頭は下げて

    静かに,静かにしよう

    聖餐の祝福の祈りが聞こえ

    わたしは主を思う

    (デボータ・M・ピーターソン)

    生徒が覚えられるように,数回繰り返して読む。

    繰り返して読む前に,次の質問をするとよい。

    • 何を組むのですか。

    • 何を下げるのですか。

    • 聖餐式の間は,静かにしているべきでしょうか。それともうるさくしてもよいのでしょうか。

    • 聖餐式の間は,何について考えるべきでしょうか。