初等協会テキストと分かち合いの時間
第24課 感謝を示す


第24課

感謝を示す

目 的

天父に対して感謝の気持ちを抱き,それを態度で示すように励ます。

準 備

  1. ルカ17:11-191テサロニケ5:18を祈りをもって研究する。

  2. 「世界の子供たち」(『子供の歌集』4-5ページ)を歌うか歌詞を朗読できるように準備する。

  3. 教材

    1. 聖書

    2. 小さなカップ,大きなスプーン,水の入った容器,カップと水の入った容器を置ける大きさの盆

    3. クレヨンと紙(人数分)

    4. 黒板,チョーク,黒板ふき

    5. 絵2-45「10人のらい病人」(『福音の視覚資料セット』221)

  4. レッスンで用いる「楽しい活動」の準備をする。

レッスン

子供に開会の祈りをさせる。

宿題を出していれば,その確認をする。

わたしたちはたくさんの祝福を受けている

注意を引くための活動

何も入っていないカップとスプーン,水の入った容器を見せる。子供に天父がこれまで授けてくださったたくさんの祝福について考えさせる。そして,その祝福を一つ一つ言うごとに,スプーンで水をカップに入れる。

こぼれた水を受けられるように,カップと容器を盆に載せ,それをテーブルの上か床の上に置く。子供たちに祝福について考えさせるため,次のような質問をするとよい。

  • 天のお父様が創造してくださった美しいものにはどのようなものがありますか。

  • わたしたちに祝福を与えてくれた特別な人はだれでしょうか。

  • わたしたちのすばらしい体はどんなことができるでしょうか。

子供たちに順番に祝福を挙げさせ,水をカップにスプーンであふれるまで入れさせる。そして,天父がわたしたちにたくさんの祝福を授けておられることを説明する。そうした祝福について考えるとき,わたしたちは感謝の気持ちと天父への愛を抱く。天父の祝福はあまりにも多いので,カップの水があふれたように,わたしたちの愛もあふれるばかりである。

わたしたちは感謝の気持ちを抱き,それを態度で示さなければならない

物語と話し合い

次の物語を教師自身の言葉で話す。

妙子さんは間もなく誕生日でした。妙子さんのおばあちゃんは何かプレゼントをしたいと思っていました。おばあちゃんは年を取って目があまり見えないのですが,妙子さんに人形を縫ってあげようと考えました。おばあちゃんは何時問もかけて,毛糸の髪の毛を1本ずつ縫いつけ,顔はししゅうをし,きれいなレースのドレスを作りました。そして誕生日が来ました。おばあちゃんは人形をきれいに包んで妙子さんのところに持って行きました。

ここで子供たちに,この物語の続きを二通り話すことを言う。よく聞いて,どちらがいいかを決めるように言う。

続き1

妙子さんは誕生日が来るのが待ち遠しくてたまりませんでした。プレゼントがもらえるからです。妙子さんは次から次へと包みを開けていきました。そして,おばあちゃんからの包みを開けて,人形をちらっと見ましたが,わきへ放り投げて次のプレゼントに手を伸ばしました。

  • 妙子さんはおばあちゃんの人形が気に入りましたか。

  • おばあちゃんはどう思ったでしょうか。

続き2

妙子さんは誕生日が待ち遠しくてたまりませんでした。プレゼントをたくさんもらえるからです。妙子さんは一つ一つのプレゼントをそっと開けていきました。そしておばあちゃんからのプレゼントを開けたとき,温かい気持ちがわいてきました。妙子さんは丁寧に縫いつけられた髪の毛やししゅうの顔,レースのドレスをなでました。そしておばあちゃんのところにかけ寄って,おばあちゃんに抱きつきました。「おばあちゃん,ありがとう。」妙子さんはおばあちゃんの耳元でそうささやきました。

  • 妙子さんは人形が気に入りましたか。

  • おばあちゃんはどう思ったでしょうか。

  • おばあちゃんに愛を態度で示し,何時間もかけて苦労して人形を作ってくれたことへの感謝の気持ちを表したのはどちらでしょうか。

話し合い

「かんしゃ」という言葉を黒板に書き,子供たちに復唱させる。感謝とは,ありがとうと思う気持ちであることを説明する。だれかがしてくれたことに対して感謝の気持ちを抱いたなら,それを態度で示すべきである。

  • 続き2の話の中で,妙子さんは自分の感謝の気持ちをどのように表現したでしょうか。

感謝の気持ちを抱き,それを態度で示すとき,わたしたちは幸福になり,感謝をされた人も幸福になる。妙子さんが感謝の気持ちを態度で表したことにより,妙子さんとおばあちゃんの両方が幸福な気持ちになれたことを話す。

聖文の物語と話し合い

絵2-45「10人のらい病人」を見せ,ルカ17:11-19の物語を紹介する。

らい病とは皮膚を冒す病気であることを説明する。らい病人はらい病を感染させると考えられていたので,家族や友達から離れて生活しなければならなかった。

イエス・キリストから言われたとおりのことをしたらい病人がいやされたことを強調する。彼らは再び家族や友人と生活できるようになった。

  • もしイエス・キリストがそのような偉大な奇跡をあなたのために起こしてくださったとしたら,どんな気持ちがすると思いますか。

らい病人たちがどのように感謝の気持ちを示したかを知るために,ルカ17:15-17を読んで聞かせる。

  • 癒されたらい病人は何人でしたか。

子供たちに指を10本伸ばすように言う。

  • イエス様のもとに来て感謝をしたのは何人ですか。

指を1本だけ残して残りは折り曲げるように言う。イエスのもとに来て感謝を述べたのは10人のうちわずか一人であったことを強調する。

  • なぜ10人のうち一人しか感謝をしに来なかったと思いますか。

わたしたちは祈りの中で天父に感謝することができる

聖文を使った話し合い

1テサロニケ5:18を読んで聞かせる。

  • この聖句はわたしたちが何をすべきだと言っていますか。

天父はわたしたちにたくさんの祝福を授けてくださっている。わたしたちがそのことに感謝をすれば,天父は喜んでくださる。

  • 天のお父様からのたくさんの祝福に,わたしたちはどう感謝したらよいでしょうか。

「世界中の子供たち」を歌うか歌詞を朗読する。

いちにちがおわるとき せかいのこらがいのる

てんのおとうさま ありがとう ことばはそれぞれちがうけど

グラーシャス,マロ,ビアダンケンディア せかいじゅうのことばで

トーク,メルシー,ウイーサンクズィー かんしゃします

てんのおとうさま これをきいて

こどもたちみなを あいしてくださる

話し合い

  • わたしたちはいつ祈りますか。

いつ祈るかを話し合い,その祈りの中で何を感謝するかを話す。たとえば,食事の前の祈りのときは,与えられた食物に感謝をするはずである。祈りの中で天父に感謝をすることの大切さを強調する。

わたしたちは行いで感謝の気持ちを示すことができる

話し合いの活動

行いでも感謝を示すことができることを説明する。わたしたちが戒めに従い,天父が求められることを行うとき,わたしたちは天父に愛を示し,受けた恵みに感謝をしていることになる。

行いで感謝を示す例を2,3挙げて説明する。次の事例で,天父への従順がなぜ感謝を表すことになるのかを子供たちに考えさせる。教師が考えた事例を用いてもよい。

  1. まり子さんは家族の子供の中でいちばん年上です。弟と妹がそれぞれ二人ずついます。まり子さんは家族に感謝しています。

    • まり子さんは,どうしたら天父に家族への感謝の気持ちを示すことができるでしょうか。(家族一人一人に愛と親切を示す。)

  2. 次郎君は近所の人の手伝いをしてお金を稼いでいます。次郎君は仕事が見つかったことについて天父に感謝しています。

    • 次郎君はどのように天父への感謝の気持ちを示したらよいでしょうか。(稼いだお金の什分じゅうぶんの一を納める。)

  3. 謙君はサッカーが好きです。謙君は天父が丈夫で健康な体を与えてくださったことに感謝しています。

    • 謙君は丈夫で健康な体を天父に感謝するために何ができるでしょうか。(知恵の言葉に従って体のために良い食べ物を食べ,健康に気を配る。)

  4. 中村さんの家族は宣教師から福音を聞き,バプテスマを受けました。中村さんは宣教師に感謝しています。

    • 中村さんの家族は,天父への感謝の気持ちを示すために何をしたらよいでしょうか。(退職したら夫婦で伝道に出る。)

  5. 理香さんは日曜日が待ち遠しくてたまりません。初等協会に行くのが楽しみなのです。理香さんは教会に感謝しています。

    • 理香さんは,天父への感謝の気持ちを示すために何をしたらよいでしょうか。(全部の集会に出席する。教会では敬虔けいけんにする。)

まとめ

子供たちに紙とクレヨンを配り,感謝をしていることを描かせる。描き終わったら,何を描いたかを一人ずつみんなに紹介させる。

子供たちの教師として召されていることを感謝する。その感謝の気持ちをどのように天父に示しているかを話す。天父はわたしたちにたくさんの祝福をお与えくださっており,その祝福に対してわたしたちが感謝の気持ちを示すときに喜んでくださることをあかしする。

これからの1週間,祈りや日々の行いの中で天父に感謝の気持ちを示すように提案する。

閉会の祈りの前に,何を感謝したらよいかを子供たちに聞く。子供に閉会の祈りをさせる。

楽しい活動

次の活動の中から自分のクラスに最も合うものを選ぶ。レッスンの一部として用いてもよいし,復習やまとめとして用いてもよい。詳しくは「教師へ」の『クラスの時間』の項を参照する。

  1. 子供たちに好きな動物や野菜,果物を聞く。これらはわたしたちのために天父が計画しイエス・キリストが創造してくださった。わたしたちはこれらの物に対して忘れずに感謝の気持ちを示すべきである。

  2. 動物の絵か写真を何枚か用意する。水やえさ,体の手入れ,そしてかわいがってあげることなど,動物がどんな世話を必要としているかを話し合う。動物など,天父が創造されたものを大切にすることは,天父に感謝の気持ちを示すことになる。

  3. 「感謝しますお父様」(『子供の歌集』15ページ),「わたしのような小さな子でも」(『子供の歌集』14ページ),「神様ありがとう」(『子供の歌集』9ページ)を歌うか歌詞を朗読する。「神様ありがとう」の歌詞は巻末に掲載されている。

    子供たちに歌を通して天父に感謝を示すことができることを説明する。天父への賛美の歌は祈りであると言われている(教義と聖約25:12参照)。

    「感謝しますお父様」

    かんしゃします おとうさ

    しゅくふくすべて しゅのめぐみ

    おめめもみみも てもあしも

    たべものきもの しゅのめぐみ

    とうさんかあさん あかちゃんも

    てんのみちちの おくりもの

    かんしゃします おとうさま

    しゅくふくすべて しゅのめぐみ