初等協会テキストと分かち合いの時間
第20課 偉大な宝であるイエス・キリストの教え


第20課

偉大な宝であるイエス・キリストの教え

目 的

イエス・キリストの教えについてもっと学ぼうという子供の望みを強める。

準 備

  1. 教義と聖約19:23-24ジョセフ・スミス-歴史1:14-20を祈りをもって研究する。

  2. 紙に「イエス・キリストの教えは大切なたからです」と書く。その紙を二つに折って字が見えないようにし,箱に入れて教室の中の簡単に見つかるような場所に隠しておく。

  3. 教材

    1. 聖典

    2. 自分にとって貴重な品物一つ

    3. お手玉などの柔らかい物

    4. 絵2-37「山上の垂訓」(『福音の視覚資料セット』212),2-38「最初の示現」(同403),2-39「預言者ジョセフ・スミス」(同401),現代の預言者の写真(『リアホナ』または   教会付属図書館より)

  4. レッスンで用いる「楽しい活動」の準備をする。

レッスン

子供に開会の祈りをさせる

宿題を出していれば,その確認をする。先週イエスがその愛のためにしてくださっていることをリストや絵にするように言ってあるのであれば,そのことについて少しの時間話し合うとよい。

わたしたちには宝がたくさんある

注意を引くための活動

わたしたちには宝がたくさんある

  • 宝物とは何ですか。(とても大切な価値のある物。)

物 語

一人の少女の宝物についての次の物語を話す。

まり子さんの学校友達の一人はすてきなロケットを持っていて,毎日学校へ来るときにそれを首にかけていました。まり子さんはそれが今まで見た中でいちばん美しいロケットだと思っていました。それで自分も友達のと同じようなのが欲しいなと思いました。

まり子さんのお誕生日の朝,お母さんがプレゼントをしてくれました。それはきれいな包装紙に包んで,リボンをかけた小さな箱でした。開けてみると,中には美しい金のロケットが入っていました。ハート型をしていて,真ん中にはきらきら光るピンク色の石がついていました。まり子さんは自分の目を疑いたくなるほどでした。

話し合い

  • まり子さんはお母さんからのプレゼントについてどう思いましたか。

  • あなたには宝物として大切にしている物がありますか。(ペット,大好きなおもちゃ,本,洋服など。)

イエス・キリストの言葉は偉大な宝

活動-宝さがし

世の中にはわたしたちが手に入れることのできる(子供たちが挙げた宝の名前を言う)よりももっと偉大な宝があることを説明する。それはわたしたちが所有することのできるどんな宝よりも大きな価値がある。この宝はお金で買うことはできない。また壊れたり盗まれたりすることもない。非常に貴重なので,これを手に入れるために自分の持っているすべての物を喜んで犠牲にする人が大勢いる。中には命さえも喜んで投げ出す人もいる。

この貴重な宝が何かを知るために,これから宝探しをすることを話す。教室のどこかに宝が隠されているので,それを静かに探すように言う。

子供たちが箱を見つけたら,開けて中に入っているメッセージを読むように言う。(イエスの絵や聖典を入れたのであれば,それがイエス・キリストの教えを表すことを説明する。イエス・キリストの教えがわたしたちにとって偉大な宝であることを説明する。)

  • イエス・キリストの教えはなぜわたしたちにとって偉大な宝なのでしょうか。

イエス・キリストの教えが宝と言えるのは,天父とイエスに従うことによってどのように幸福になれるかを教えてくれるからである。

聖 文

教義と聖約19:23の前半(「聴きなさい」まで)を声に出して読む。これはイエス・キリストの言葉であることを説明する。イエスは御自身のことや御自身の教えについてわたしたちが学ぶことを望んでおられる。

わたしたちは聖文からイエス・キリストの教えを学ぶことができる

教師の提示

絵2-37「山上の垂訓」を見せる。この絵は何をしているところかを子供たちに説明させる。

地上におられたとき,イエスは人々が幸福になり,いつか天父のもとに帰るためにはどのように生活したらよいかを,町から町を回って教えられたことを指摘する。時には何千人もの人々が集まって来た。

  • イエス様の教えを聞いた人々はどう感じたと思いますか。

イエスが非常に疲れて休息が必要なのを知っていた弟子たちが,人々を帰らせようとしたことも何度かあった。そんなとき,イエスはいつも人々が教えを聞くことができるように,そのままにしておきなさいと言われた。イエスはすべての人々が永遠に続く喜びと幸福を得られるように,教えを聞いて学ぶことを望まれた。

聖典を見せる。わたしたちは聖文からイエスの教えをたくさん学ぶことができる。新約聖書を開き,地上におられたときのイエスの教えの数々が新約聖書に書かれていることを説明する。

ゲーム

イエスは地上におられたとき,その教えの多くを模範によって授けられたことを理解させる。そしてわたしたちがその模範に従うように望んでおられる。「わたしの考えているのは……」のゲームをして,イエスのなされたことや教えられたことを思い出させる。

イエスの生涯における出来事を一つずつ読み,質問の答えが分かったら手を挙げるように言う。手を挙げている子供の一人にお手玉を投げ,答えさせる。一人に最低1度は答えさせる。

  1. わたしが考えているのは,イエス様がバプテスマのヨハネとヨルダン川に入り,バプテスマを受けられたときのことです(マタイ3:13-15参照)。

    • ヨルダン川で何が起こりましたか。

    • イエス様はどのようにしてバプテスマを受けられましたか。(水に沈められることによって。)

    • わたしたちはどのようにしてバプテスマを受けるようにと教えられましたか。(水に沈められることによって。)

  2. わたしが考えているのは,バプテスマのヨハネがイエス様にバプテスマを施したとき,そこにおられた特別な御方です。だれもその御方を目で見ることはできませんでしたが,イエス様とヨハネはその御方がそこにおられたことを知っていました(マタイ3:16参照)。

    • それはだれでしょう。(聖霊)

    • 聖霊の賜物を受けるためには何をしなければならないと教えられましたか。(バプテスマと確認の儀式を受ける。)

  3. わたしが考えているのは,イエス様が40日40夜断食されたときのことです(マタイ4:1-11参照)。

    • だれがイエス様を誘惑しようとしましたか。

    • イエス様はどうされましたか。(常に正義を選ばれ,サタンに去るように命じられた。)

    • 誘惑に遭ったときに,わたしたちはどうしなさいと教えられていますか。(正義を選ぶ。)

  4. わたしが考えているのは,イエス様の使徒たちが幼子らを追い払おうとしたときのことです(マルコ10:13-16参照)。

    • イエス様は使徒たちに何と教えられましたか。(イエス様は幼子たちを愛しておられ,そばに来てもかまわないと言われた。)

    • イエス様はだれを愛しておられますか。(わたしたちすべて。)

    • なぜイエス様はわたしたちを教えられるのでしょうか。(わたしたちを愛しておられ,わたしたちに幸福になってほしいから。)

  5. わたしが考えているのは,イエス様が人々にどう祈るか教えておられるときのことです(マタイ6:93ニーファイ18:19参照)。

    • イエス様はどなたに祈りなさいと教えられましたか。

    • イエス様はどのようにして祈りを終えるようにと言われましたか。

    • わたしたちはいつ祈るべきでしょうか。(どんな答えでも受け入れ,いつでも天父に近くありたいと思ったときは祈るべきであると説明する。また,感謝をしたり助けを願ったりするときも祈るべきである。)

わたしたちは現代の預言者を通してイエス・キリストの教えを学ぶことができる

教師の提示

わたしたちはイエス・キリストの教えの多くを聖文から学ぶことができるが,聖文にはイエスのすべての教えが含まれているわけではない。イエスは,地上を離れた後も,教えを施す業をやめることはなさらなかった。イエスは,預言者を通して教えられる。イエスは預言者に語られ,わたしたちが今知らなければならないことを告げてくださる。そして,預言者がわたしたちにイエスの教えを伝えるのである。

聖文の物語

ジョセフ・スミスが預言者として真理を人々に教えるために神から備えられたことを強調する。天父とイエスはジョセフに姿を現し,当時のどの教会も真実の教会ではないと言われた。後にジョセフは,イエスを助けて真実の教会の回復に携わった。

  • 今日こんにちの真実のイエス・キリストの教会の名称は何でしょうか。(末日聖徒イエス・キリスト教会)

子供たちに名称を復唱させる。

絵を使った話し合い

絵2-39「預言者ジョセフ・スミス」を見せる。ジョセフ・スミスが末日聖徒イエス・キリスト教会の最初の預言者になったことを説明する。ジョセフは初期の教会員に,イエスが何を望んでおられるかを教えた。

現代の預言者の写真を見せる。

  • れはだれの写真ですか。

イエスは現代の預言者にお話しになる。そして,わたしたちが預言者の言葉を聞くことは,イエスの言葉を受けているのと同じであると指摘する。

預言者をいただいていることがどんなにすばらしいことかを説明する。現代の預言者が救い主の教えをわたしたちに授けてくれる人であることをあかしする。

イエス・キリストの教えは大切である

物 語

わたしたちは時々,イエスの教会の会員であることがどんなにすばらしいことか,またイエスの教えはどんなに貴重な宝であるかを忘れてしまうことがある。

あなたの知っている人で,イエス・キリストの教えを学ぶことの大切さに気づき,教会員になった人の話をする。次の例を話してもよい。

綾子さんは宣教師からお話を聞いて,宣教師がイエス・キリストの教えを紹介していることを知りました。そして教会員になりたいと心から思いました。けれども綾子さんのお父さんはバプテスマを許してくれませんでした。イエスの教えを学び,イエスの教会の会員になることが娘にとってどんなに大きな意義があるのか理解できなかったのです。それで,お父さんはしばらく待つように言いました。綾子さんはお父さんの言いつけを守って待ちました。それでも教会には毎週行き,バプテスマを受けたい気持ちはますます募っていきました。綾子さんは,教会員になることが自分にとってどんなに大切なことかを,いつの日かお父さんが分かってくれるようにと祈り続けました。

やがてクリスマスが近づき,お父さんはプレゼントに何が欲しいか綾子さんに尋ねました。綾子さんは,欲しいものはただ一つ,バプテスマを受ける許可だけだと答えました。お父さんは,バプテスマが娘にとってそんなに大切であるならば,許可してやろうと決心しました。そしてついに,綾子さんはクリスマスイブにバプテスマを受けたのです。クリスマスにもらったプレゼントはこれだけでしたが,綾子さんにとってそれはこの上ない大事な宝でした。

  • 綾子さんはどんなプレゼントを欲しいと言いましたか。

  • なぜそのプレゼントが大切だったのでしょうか。

まとめ

話し合い

わたしたちの教会に与えられているイエス・キリストの教えに対してどんなに感謝しなければならないかを子供たちと話し合う。わたしたちが感謝しなければならないことは,

  • 救い主と同じようにバプテスマを受けることができる。

  • バプテスマの後で聖霊の賜物を受けることができる。

  • 助けが必要なとき,祈ることができる。

  • 正義を選ぶことを学ぶことができる。

  • 天父とイエスがわたしたちを愛していてくださること。

  • イエスの教えを与えてくれる聖典があり,預言者がいること。

この教会がイエス・キリストの真実の教会であることを証する。また,教会員としてイエス・キリストの教えを学べることにどれだけ感謝しているか,証を述べる。

子供たち一人一人に,イエスの教えに感謝の気持ちを表すように勧める。必要ならば先生が助けてあげることを告げる。

イエスの教えに感謝の気持ちを表すことは,証をする一つの方法であると指摘する。子供たちは今,イエスの教えに対する証を述べたということを知らせる。

自分の証を家族の人々にも聞かせるように提案する。次の断食証会で,御霊みたまが促すならば,イエスの教えとイエス・キリストの真の教会について証を述べるように提案する。

子供に閉会の祈りをさせる。

楽しい活動

次の活動の中から自分のクラスに最も合うものを選ぶ。レッスンの一部として用いてもよいし,復習やまとめとして用いてもよい。詳しくは「教師へ」の『クラスの時間』の項を参照する。

  1. 課末の絵を人数分複写する。ある人々はこの絵の真ん中にあるような箱の中に大切な物をしまっておくことを説明する。

    • 皆さんはこのような箱に何をしまっておきたいですか。

    わたしたちが持っている大切なものの中には,イエス・キリストの教えのように箱に入れられないものもあることを指摘する。4つの絵で示してあるイエス・キリストの教えについて話し合う(バプテスマ,祈り,聖餐せいさん,愛)。

    子供たちに,教えの絵から箱の中に矢印を引かせ,絵に色を塗らせる。

  2. イエスが教えてくださったことを子供たちに順番で演じさせる。他の子供は何の教えかを当てる。祈りや敬虔けいけんにすること,什分じゅうぶんの一,親の手伝いをすること,弟や妹に親切にすることなどが例として挙げられる。

  3. 「イエス様のように」(『子供の歌集』40-41ページ),「光となるように」(『子供の歌集』38-39ページ,『賛美歌』188番)を歌うか歌詞を朗読する。これらの歌の歌詞は巻末に掲載されている。

大切なたから

イエス・キリストのおしえは大切たいせつなたからです

大切なたから